東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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クレナイクレハ・2:コラボ・5

その日、幻想郷の上空を無数の円盤が覆い尽くした。それは、霊夢達が香霖堂で手に入れた資料にある円盤に似ているのだが、形はより歪なものであった。

 

そして、麟はクロエや萃香と共に家の外に出て、空に浮かぶ円盤の軍勢を見た。円盤の大きさはさほど大きくないが、分離や再合体を繰り返している。

 

「・・・ギルが攻めてきたんだね」

 

「あれが、ヘカーティア様の資料にあるスフィアか」

 

「あれに取り込まれたら、スフィア合成獣になってしまうのね」

 

麟は懐から虹色に輝くカプセル状の錠剤を取り出し、萃香も同じように懐から取り出した。クロエも錠剤を手にしている。ノアやヘカーティアから受け取ったカオスヘッダー入りの錠剤である。

 

そして、スフィアの軍勢が空から降りてきた。

 

「さあ行くよ!」

 

「「おう/ええっ!」」

 

三人は錠剤を飲んで、虹色の光と共にカオス怪獣形態へ姿を変える。

 

麟は背鰭が赤く染まって両腕に赤い刃を生やし、瞳以外の目が赤く染まり、仮面も異形化した『カオスジラ形態』である。

 

萃香は二つの角が鹿のように分かれた禍々しい姿となり、鎖に繋がれた三種の分銅と伊吹瓢も赤い角のような突起物を生やした『カオスマガオロチ形態』である。

 

そしてクロエは、外見は変わらないが髪が赤く染まり、目が赤く染まった姿へと変わった。また、背中には赤い翼のようなものが生えている。以前にカオスヘッダーの力で変化した『カオスサーヴァント』と同じ姿である。

 

「よし!行くぞ!」

 

萃香の掛け声と共に、麟とクロエも走り出した。

 

麟は爪でスフィアを引き裂いた。更に、喉元を光らせた後に口から赤いパワーブレス『カオスパワーブレス』を放って、スフィアの大群を焼き払って行く。

 

萃香は口や三本の角から赤黒い電撃光線『カオスマガ迅雷』を放って、スフィアの大群を次々と駆逐していく。

 

クロエは赤い角を生やした銃剣を使い、スフィア達を次々と撃ち落としていく。

 

三人の実力は確実に増していた。スフィアの大群を、あっという間に蹴散らして行ったのである。

 

特に麟や萃香も空を飛べる。クロエも背中の翼をはためかせて、空を飛んでいる。

 

「『煉獄・夢想封印』!」

 

「『マスタービーム』!」

 

「『ミサイルランチャー』」

 

突然炎を纏った勾玉が六つ、そして青い熱線が一つ、そして十個のミサイルが、スフィアの大群を巻き込んで蹴散らしていく。

 

「麟!先に来てたのね!」

 

「一体何だありゃ!?」

 

『敵対反応を確認。モンスターバトルルールに乗っ取り、殲滅を開始致します』

 

それは、ガメラを纏った霊夢と、フィリウスを纏った魔理沙であった。霊夢の隣にユウコが立つ。アリスに修理してもらい、以前よりも遥かに強化されているのだ。

 

「あれはスフィア!あれに融合されたら駄目だよ!ほら、あんな風になるから!」

 

麟が指差した先には、スフィアが憑依した一本の木があった。そして、スフィアが憑依した木は怪獣へと姿を変えて行った。スフィア合成獣へ姿を変えようとしている。

 

「『カオスパワーブレス』!」

 

麟はスフィア合成獣が出来上がる前に跳んで、スフィア合成獣を踏みつけた。そして、スフィア合成獣の全身を『カオスパワーブレス』を放って全身を焼いた。スフィア合成獣は炎と共に焼けてしまい、軈て爆発を起こして消滅した。

 

「よし、他のスフィア達は・・・と、心配無用だったね」

 

麟が見つめた先では、霊夢達がスフィアの大群を次々と蹴散らしていた。

 

「文!大ちゃん!一緒に戦うわよ!『3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ)』!」

 

「勿論ですよ、チルノさん!『電磁風神少女』!」

 

「もう、チルノちゃんに文さんも!イチャイチャしてたらやられちゃうよ!」

 

チルノが『機龍』を纏い、切り札である冷凍光弾を放ってスフィアの大群を凍結させていく。更に、彼女の隣に立つ『射命丸文』は、水色のスク水を纏い、頭には羽のような器官と角を生やし、両腕にスパイクの効いた翼を纏い、腰から三本指のある尻尾を生やかた姿へと変わっていた。肩にはパルス坑が取り付けられている。

 

文は『宇宙有翼怪獣アリゲラ』を纏っており、チルノや大妖精と共に戦っていた。

 

大妖精はカメーバの力を纏い、刺々しい甲羅を背中に身に付けた。

 

文が高速で動き回り、戦闘機すら上回る機動力で速ければ速い程曲がりにくくなるにも関わらず、文は難なく曲がる。その瞬間に、電磁ビームが放たれ続ける。電磁ビームがまるで雨のようにスフィアに迫る。スフィア達は回避が間に合わず、撃ち落とされていく。

 

カメーバを纏った大妖精。実は弱い訳ではない。スフィアを拳で殴り、吹き飛ばす。更に、蹴りを放ってスフィアを粉々に砕く。仮にもカメーバは怪獣だ。人間を超越した力で殴られれば、脆いスフィアは原形を留める事が出来ない。

 

「アタイ、最強!」

 

チルノは肩のバックユニットからミサイルを放ち、スフィアを次々と撃ち落とす。

 

「これで、最後!」

 

麟は口からカオスパワーブレスを放ち、スフィアの大群を焼き尽くした。

 

「よし、後は元凶かな」

 

「あっ、カオス怪獣形態が・・・」

 

クロエの言う通り、麟や萃香、クロエのカオス怪獣形態が解けた。麟や萃香は元の怪獣を纏った姿となり、クロエも元の外装姿に戻っていた。

 

「あやや。こんなに面白い事になっているとは」

 

文とチルノ、大妖精も麟の元へ降りてきた。

 

「スフィアがこんなに来るとは思わなかったよ。僕達の事を試したのかな?」

 

「それは無いわ。私を転生させたギルは、恐らく全盛期より力が落ちてる。グア三兄弟を蘇らせたのなら尚更ね。でも、恐らく力はまだ残してるわ」

 

「ありがとうクロエ。それじゃあ、後は僕達──」

 

その瞬間、麟達は突然飛んできた斬撃に巻き込まれ、爆発と共に吹き飛ばされてしまう。

 

「がぁっ!?なにぃ?」

 

「くそぉ!シールドが少し揺らいだだと!?」

 

「文!大ちゃん!」

 

「大丈夫です!油断しただけです!」

 

「それよりチルノちゃん、文さん、あれ!」

 

大妖精が指を差した方向。其処には、二人の巨人と二人の男女が、麟達の目の前に現れたのだ。

 

「貴様らに宣戦布告する!我等グア三兄弟は、幻想郷を侵略する!」

 

「モルド兄上!ジュダ!此処はこのギナにお任せを!」

 

「ハッ!ギル、貴様はどうする?」

 

「俺はノアを探す!俺は奴に復讐を果たさなくてはならない!」

 

こうして、ギルとグア三兄弟は幻想郷に降り立った。いよいよ最終決戦が、始まろうとしていた。




新技図鑑

『電磁風神少女』
高速で動き、更には電磁ビームを放つ技。高速で動きながら電磁ビームを連続で放てば、まるで雨のように電磁ビームを放つ事が出来る。
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