東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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唐突ですが、皆さんはうどみょんカップルは好きですか?私は好きです。原作ではあまり接点が無いこの二人を合わせるには、何かしらの切っ掛けが必要な筈です。それでは、本編をどうぞ。


第43話

妖夢と幽々子は、危機一髪で永遠亭に侵入出来た。何故この永遠亭だけが助かったのかは分からないが、少なくとも攻撃を仕掛けたあの兎達より強い何者かが関係している。

 

「ねぇ妖夢~。この異変解決したら何を食べたい?私は紫の言ってた鮭のムニエルが食べたいわ」

 

「幽々子様ったら、こんな時にグルメの話をしないでください。フラグが立ったらどうするのですか?」

 

「こんな状況だからこそよ。それに、異変解決に行われる宴会の準備、普段は霊夢がやるらしいけど、今回は貴女も手伝って来なさい。私は紫と幻想郷を巡って知り合いを片っ端から呼び掛けるわ。特に人里の稗田家の九代目当主『稗田阿求』は来たがってるわ」

 

「分かりました」

 

妖夢は満更ではなかった。幽々子は大食いと思われがちなのだが、妖夢は知っていた。グルメなだけであって大食いという訳ではない。

 

此処で幽々子が歩みを止めた。

 

「・・・妖夢、止まりなさい」

 

「幽々子様?」

 

「周りを見なさい。私達、追い込まれてるわ」

 

「周りを?あっ!」

 

妖夢は幽々子の言葉を聞いて半信半疑に一瞬だけなるが、すぐに辺りを見渡して全てを理解する。

 

自分達が今居るのは和室だ。その全ての襖は開いている。しかし、その扉の先にある部屋は、今自分が居る和室と同じなのだ。その部屋も全ての襖は開いており、襖の奥は同じ部屋が続いている。

 

「っ!?廊下が無い!?」

 

「幻覚ね。しかもこれ程強力な能力、私も初めて見るわ」

 

幽々子はこれ程強力な幻覚を見せる相手に興味が湧き、妖夢は楼観剣と白楼剣を鞘から抜き、周囲を警戒する。

 

『ようこそ永遠亭へ』

 

そして、二人の耳に声が響く。

 

『私は鈴仙・優曇華院・イナバ。御師匠様と姫様に仕える兎です』

 

声の主が目の前に現れた。尖った長い兎耳を頭に生やし、足に届きそうな程の長い薄紫色の髪、紅い瞳を持つ美少女だ。制服風の長袖衣装を身に付けており、スカートは短めだ。胸も制服越しでも巨乳である事が分かる程に大きく、ウエストも細い事も一目で分かる。

 

「今日はどのようなご用件でしょうか?」

 

「あらあら。わざわざ姿を現してくれるなんて、随分ご丁寧ね」

 

「あの満月は、ただの満月ではありませんね?この異変を終わらせに来ました」

 

「・・・そう。悪いけど、姫様は博麗の巫女を捕らえて楽しんでるわ。でも、姫様はお師匠様が護ってる。貴女達では勝てないわ。まあ、私を倒せなきゃ意味無いけど」

 

鈴仙は指を銃のような形に変えて構えると、その指先から小さな弾丸の形をした光弾を放つ。妖夢は楼観剣で光弾を斬る。

 

「っ!成る程、簡単に通してくれないようですね」

 

妖夢は楼観剣と白楼剣の二つを握り締めて、鈴仙を睨む。

 

「幽々子様。モンスターバトルの審判を行ってくださいませんか?目の前の鈴仙さん?優曇華さん?イナバさん?も参加で宜しいですね?」

 

「・・・いや、鈴仙で良いわよ」

 

「失礼しました。では改めまして、幽々子様。お願いします」

 

「分かったわ。では、審判役の西行寺幽々子の元、鈴仙対妖夢のモンスターバトルを開始します」

 

そして、二人は構え始める。鈴仙の構え方は、現代人が見れば自衛隊の基本的な格闘の構えと見れる構え方だ。妖夢は二刀流の典型的な構え方だ。

 

鈴仙と妖夢が向かい合う。それだけで、鈴仙が妖夢より数㎝身長が高い事が分かる。

 

「始める前に質問宜しいですか?鈴仙さんの構えを見る限り、何か格闘術でも習ってましたか?」

 

「ええっ、そうね。月では軍に所属していたから」

 

「では、愚問かもしれませんが最後の質問です。私は怪獣を宿しています。鈴仙さんも、何か怪獣を宿していますか?」

 

「教えてくれたのね?なら私も教えてあげるわ。私が宿したのは、怪獣と言うよりは超獣よ。名前は『ルナチクス』。そして私の怪獣娘形態(と姫様が言ってた)が此よ」

 

そして、鈴仙は光と共にその姿を変化させる。髪は白色に変色し、三つの穴がある垂れ下がった先の赤い兎耳を生やし、両手の手首を白い兎の毛皮で覆っており、肩掛けやスカートも白い兎の毛皮で構成されている。胸元やお腹ははだけているが、隠す所は布らしき物で隠している。両足は膝まで覆う硬い甲冑で覆っており、腰には茶色の尻尾を生やしている。

 

「成る程。では、私も見せましょう。私は魂魄妖夢。宿した怪獣、というより宇宙人は宇宙最強の剣豪『ザムシャー』さんです」

 

そして、妖夢も怪獣を纏う。ザムシャーの姿を思わせる侍姿であった。そして背中に三本の鞘を背負い、楼観剣を右手に、星斬丸を左手に持ち、白楼剣を口に咥えた三刀流の姿である。

 

お互いに怪獣を身に纏い、怪獣娘形態へと姿を変える。

 

「鈴仙さん、とても綺麗で可愛いですね」

 

「ありがとう。貴女も侍らしくて素敵よ」

 

「ありがとうございます。では、勝負です!」

 

「そうね。掛かってらっしゃい!」

 

幽々子は改めて構えを取った二人を見て、手を振り上げる。

 

「では合意と見ます。魂魄妖夢対鈴仙・優曇華院・イナバのモンスターバトル・・・始め!!」

 

そして、鈴仙が先に走り出し、妖夢が僅かに遅れて走り始める。

 

そして、妖夢は楼観剣を振り下ろし、鈴仙は脚を振り上げた。妖夢の刀と鈴仙の蹴りがぶつかり合い、和室は畳や襖が吹き飛ばされる程の衝撃波に襲われた。

 

──────────────────────

 

「貴女は確か、霊夢って呼ばれてたわね?」

 

その頃、輝夜は自室で、永遠亭の奥から聴こえてくる騒音をBGMにしながら、畳に座らせたウェディングドレスを着たままの霊夢に話し掛ける。彼女は既にスパークドールズの状態から元に戻っており、服装は変えられたままであった。前まで着ていた巫女服は霊夢が元に戻った時に、元のサイズに戻った。

 

「・・・私を元に戻して、何のつもりよ」

 

「ふふっ。貴女を人形を変えたままにしても良かったけど、やっぱり話したくなっちゃったのよ。それに、霊夢だったかしら?貴女はもしかして、好きな相手が居るのね?」

 

「・・・えっ?」

 

霊夢は顔を赤くした。図星である事が一目で分かる。

 

「当ててあげようかしら?あの鋼の人形軍隊を率いて居た、金髪の魔法使いね?」

 

「アリス・・・ち、違っ・・・」

 

「ホントに分かりやすいわね」

 

輝夜は霊夢の頬を撫でる。

 

「ああっ、妬いちゃうわね。貴女が他の娘に恋してるなんて。ホントに妬いちゃう」

 

輝夜は霊夢の頬を優しく撫でる。霊夢は顔を赤くし、心臓の鼓動が速くなるのを感じていた。

 

(アリスは確かに好きよ・・・でも、でも・・・輝夜も綺麗で・・・いやいや、私は・・・うぅ)

 

霊夢は輝夜を見る度に、輝夜の放つ魔性の魅惑に惹かれて行く。

 

「ねえ。私の提案を聞いてくれる?」

 

「・・・何よ」

 

「私の物になりなさい。貴女を人形にするのは勿体無いわ。人形としてではなく、私の伴侶として生きない?そしたら、貴女を助けに来るあの子達には何もしないし、異変も終わらせてあげる」

 

「っ!?」

 

霊夢は輝夜の掲げた取引の内容に、思わず驚愕してしまう。つまり、自分が輝夜の元に居れば、魔理沙や紫、アリスには危害を加えない。そう言ったのだ。

 

「嫌だと言ったら?」

 

「助けに来るあの子達を返り討ちにして、貴女を私の物にするだけよ。大丈夫よ。あの子達を殺したりしないし、さっきも言った通り異変も終わらせる。此処で暮らしながらあの子達と仲良くすれば良いし、博麗の巫女として働けば良いじゃない。私も丁度、此処で盆栽を弄ったり、人形遊びをするだけじゃ飽きてきたのよ。私も貴女の仕事を手伝うし、家事も手伝うわ。さあ、どうする?」

 

「・・・」

 

霊夢は迷っていた。輝夜が強い事は、出会った当初から理解していた。きっと、紫や萃香よりも遥かに強い。巫女の勘が告げていた。もし魔理沙達が輝夜に挑んでも、返り討ちにされるだろう。

 

「・・・っ!」

 

輝夜は魅力的だし、正直に言えば誘惑に負けて此処で暮らして良いかもしれない。博麗の巫女の代わりは、紫が探してくれるかもしれない。例え此処で屈しても、日常を送ったり、異変解決に出向いたり、魔理沙達と交流を深めたりする事は出来る。それは悪くないかもしれない。

 

しかし、霊夢に残された僅かな理性が、霊夢の腕を動かした。

 

霊夢の頬を撫でる輝夜の手を、霊夢の手が弾いた。

 

「・・・あら?」

 

「・・・此処で貴女を倒せば、貴女に言う事を聞かせられるかしら?」

 

「・・・私と闘うのね?それも、良いわね」

 

「モンスターバトルルールに乗っ取り、貴女に勝負を申し込むわ!」

 

「でも、誰が審判をやるのかしら?永淋にやらせても良いけど、彼女には此れから来るあの子達を返り討ちにしないと───」

 

「なら、私が代わりに審判をやるよ」

 

そして姿を現したのは、長い白髪の女性だった。赤いズボンには、無数の札が貼られている。

 

「・・・あら?貴女は誰かしら?」

 

「貴女は・・・人里の自警団団長の・・・」

 

「ああっ。特に蓬莱山輝夜。お前は知ってる筈だ。私の家の事を。私の名前は、『藤原妹紅』だ」

 

「・・・そう」

 

輝夜は妹紅を見て、クスクスと笑い始めた。




霊夢をこのまま敵堕ちさせるのも良かったんですけどね。
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