東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第47話

霊夢と永淋に案内されて、魔理沙とアリス、紫は輝夜の元へやって来た。部屋は既に荒れており、何者かと争った形跡が強く残っている。

 

「あら?霊夢ったら心を変えちゃったの?」

 

輝夜は、その場に倒れる者から視線を後ろに向けて、霊夢達を見る。輝夜の足元には、咲夜が装甲を破壊された状態でその場に倒れており、加勢したのかレミリアも参戦したようだ。しかし、レミリアもその身体に大量の傷が出来ていた。

 

「霊夢!気を付けなさい!この女、強いわ!」

 

レミリアは霊夢に忠告した。パチュリーから受け取れる筈の力を何故か受け取れず、パワーアップが出来ない。それでも今のレミリアの実力は幻想郷でも上位の筈だが、輝夜には傷一つ無い。精々輝夜の服に切れ込みが入ってる程度だ。

 

「レミリアが・・・なあ霊夢!輝夜ってそんなに強いのか!?」

 

「・・・強いわ。私が戦っても、手も足も出ない程に」

 

「霊夢が勝てない相手・・・」

 

魔理沙やアリスも、顔色がとても優れない。目の前に霊夢を圧倒した相手が居るのだ。

 

「それにしても、霊夢ったら他の娘に心を奪われるなんて。酷いわ。妬いちゃうわ。ああっ、でも、あんな黒い貴女も良いけど、今の貴女も素敵。もっと私の物にしてやりたいわ」

 

「もう私はアンタの物じゃない!このストーカー姫!」

 

「うふふっ。反抗的なその顔も素敵ね。でもストーカーなんて酷いわ。でも、貴女のような娘に罵られるのも、悪くないわね」

 

輝夜は霊夢に怒られても、動揺する所か喜んでいた。Sな所を見せたかと思えば、案外Mな面もあった。

 

「・・・ねえ、貴女の姫様って変態なのかしら?」

 

「輝夜の襖を開けてみなさい。其処にはスパークドールズにされた妖精達が沢山あるわよ」

 

輝夜は永淋や紫の会話を聞いていたが、敢えて聴こえないふりをした。

 

「それで、霊夢。貴女はどうするの?」

 

「闘うわ!今度は魔理沙やアリスも一緒に居るわ!」

 

「だな!霊夢の親友として、お前を退治してやる!」

 

「霊夢にあんな事を言わせた貴女を、私は絶対に許さないわ!」

 

「フフッ、フフフッ。良いわね。なら、私に彼を纏わせた事を後悔させないようにね。ルギエル、行けるかしら?」

 

すると、輝夜の脳内に声が響く。

 

『無論だ。お前の力を見せてもらおう』

 

「そう言う事。まあこの異変は私が勝っても負けても終わらせてあげる。でも、貴女達が戦う理由はそれじゃないでしょ?」

 

そして、輝夜の姿が変化していく。赤黒いオーラと共に、輝夜は怪獣娘形態へと姿を変える。

 

頭部に黒い角を二本も生やし、髪の毛の色は殆どそのままだが一房だけ水色に染まっていた。黒い鎧を全身に着込んでおり、胸元には赤く丸い結晶が埋め込まれている。また、四肢には黒く小さな角を生やしている。

 

「さあ来なさい。三人纏めて相手をしてあげる」

 

「望む所よ!」

 

「ああっ!」

 

「私も加勢するわ!霊夢!魔理沙!」

 

そして、永淋と紫は四人を見渡せる場所までやって来た。

 

「なら、私と紫で審判を務めるわ。私達が審判をするなら問題無いでしょ?」

 

「・・・そうね。審判だから公平にするわ。でも、此れだけは言わせて頂戴。霊夢、魔理沙、アリス。貴女達には勝って欲しいわ」

 

「・・・では、合意とみて宜しいかしら?では此れより、輝夜対霊夢、魔理沙、アリスのモンスターバトルを開始するわ。両者構えて・・・」

 

霊夢は炎を纏ったお祓い棒を、魔理沙はミニ八卦炉を、アリスは武装した上海と蓬莱を側に、それぞれ用意し終えた。輝夜もダークスパークの柄を伸ばしたトライデントである『ダークスパークランス』を片手に持ち、ゆっくりと槍を持つ手を上げた後に一度振り回し、霊夢、魔理沙、アリスに向けてトライデントを向けたまま仁王立ちの構えを取る。

 

「「よーい、始め!!」」

 

その瞬間、霊夢とアリスが遠距離攻撃を仕掛ける。霊夢はプラズマ火球を、アリスは上海と蓬莱を発進させた。

 

輝夜はトライデントでプラズマ火球を真っ二つに裂いた後、上海と蓬莱の砲撃を身体を軽く傾けるだけで避けた。

 

輝夜の背後で大爆発が起きる。彼女の背後には咲夜とレミリアが居た筈だ。しかし、彼女達は無事だ。

 

火球が当たる直前、復活した妹紅が素早く二人を回収し、その場から離脱したのだ。

 

「よお。お前等、無事だよな?」

 

妹紅は永淋と紫の側に、両肩に抱えたレミリアと咲夜を畳の上に降ろす。

 

「えっ、ええっ。助かったわ」

 

「全く見境ないものですわ。しかし、助けて頂いて感謝します」

 

「どうって事無いさ」

 

「それで、霊夢達はどうなったんですの?」

 

「ああっ、今戦ってるよ」

 

妹紅が指を差す方向を見る咲夜。其処には暗黒の鎧を纏った輝夜と、輝夜と戦う三人の少女達の姿があった。しかし、戦いは輝夜の方が圧倒的に有利だ。

 

「ぐっ・・・しかし、まだやれます!お嬢様!」

 

「・・・ええっ、行って来なさい。咲夜」

 

「っ!ありがとうございます!」

 

咲夜は紫の元へ向かう。その後、妹紅とレミリアの背後からある三人組が現れた。鈴仙、妖夢、幽々子の三人だ。

 

「鈴仙さん!此処で合ってましたね!」

 

「ええっ。でも、既に始まっているようだわ」

 

「丁度良いわ。妖夢、貴女も参加してきなさい」

 

「えっ?宜しいのですか?」

 

「ええっ、鈴仙ちゃんはどうするの?」

 

「私は此処で見守ります。姫様と敵対する訳にも行きませんし、姫様を護る体力もありません。でも、妖夢ちゃん。姫様は強いわ。油断しないで」

 

「はい!鈴仙さん!」

 

その時、鈴仙は妖夢の純粋な笑みを見た瞬間、心の奥から熱い何かが込み上げてきたのを感じた。

 

「・・・フフッ。では、此れより、十六夜咲夜、魂魄妖夢の乱入を宣言します!」

 

紫が咲夜と妖夢の乱入を宣言。そして、二人は霊夢、魔理沙、アリスに合流した。

 

咲夜はボロボロながらも鋼の翼を生やし、両肩から竜の首を生やしている。妖夢も同じくボロボロの鎧姿であるが、三刀流の構えからは強い闘気を放っていた。

 

「フフッ。フフフフッ。良いわぁ!私は人生の最高潮に居る!!最愛の霊夢を筆頭に、こんなに麗しき乙女達に囲まれて!!そして皆が私を敵視して!!私はきっとこの世で最大の幸せを掴んでいるわ!!特に霊夢!!こんなに皆をたぶらかす貴女の事が益々好きになったわ!!何度浮気したって許してあげる!!だって貴女はどんなに浮気しようと、必ず私の物であり続けるのだから!!」

 

霊夢は何故か、輝夜の言葉に悪寒を感じなかった。嬉しいと思う自分が居た。

 

しかし、今はそんな感情に縛られている時ではない。

 

「浮気なんかしないし、したことも無いわよ。今はアンタを止めるだけよ」

 

霊夢の言葉と共に、魔理沙は再びミニ八卦炉を輝夜に向ける。アリスも巨大な砲塔を持つ銃を二丁も生み出し、両手で握り締める。右には上海、左には蓬莱が浮いている。

 

「蓬莱山輝夜!貴女を此処で倒す!」

 

妖夢が右手の楼観剣を輝夜に向けて、咲夜は両手の指全てでナイフを摘まめるだけ摘まむ。

 

「さあ、来なさい」

 

次回、輝夜との対決に、決着が着く。




本編終わったら、早く麟の活躍する番外編やりたいです。
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