東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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本編は今回で終了となります。次回は番外編、今回は永夜異変中に起きたとある事件に、麟が立ち向かう話になります。


第48話

『BGM:千華繚乱(幽閉サテライト)』

 

霊夢が走り出す。輝夜は彼女の認識を超える速さで目の前に現れた。咲夜と似ている速さに霊夢は一瞬驚くが、霊夢はお祓い棒を輝夜に振り下ろす。輝夜はトライデントで受け止めた後に霊夢を蹴り飛ばす。

 

アリス、上海、蓬莱は自身の手にした砲塔から飽和砲撃を放って輝夜を狙撃する。輝夜は片手でトライデントを巧みに回し、砲撃を全て叩き落とす。

 

霊夢は袖の爪を二刀流の如く振るが、輝夜は両腕で弾く。その隙に妖夢は楼観剣と星斬丸を巧みに振り回すが、輝夜には当たらない。全て避けられてしまうのだ。

 

咲夜は時間を再び停止させる。輝夜も時間停止の中を動ける事には驚いたが、それ故に気付いた。一瞬だけだが動きは止まる。

 

ならば、その一瞬を無駄にしない。咲夜は輝夜に向けて両肩の竜の口から引力光線を放つが、突然自分の身体や引力光線の動きが突然鈍くなる。咲夜から見ても時間停止に近い程の遅さだ。

 

「『永遠と須臾を操る程度の能力』。此れが私の力の一つ。最も、貴女ですら私に追い付けず、須臾の束縛の中で私のした事を認識する事も出来ないでしょうけど」

 

輝夜はダークスパークを元の短剣状に戻して、其処から全ての生命を人形へと変えてしまう紫色の光線『人形化光線』を放とうとする。

 

「ほら。貴女も人形にしてあげる。霊夢には劣るけど、貴女も素敵ね。私の物に──」

 

「嘗めるな!」

 

「えっ?」

 

その瞬間、咲夜は輝夜の腹を蹴り飛ばす。輝夜は蹴り飛ばされ、ダークスパークを手元から落とさなかったが、襖に叩き付けられてしまった。その際に、人形に変えた妖精達や巨大な怪獣の姿をした人形も、その場に倒れてしまう。

 

「・・・可笑しいわね。何で動けるのよ?」

 

「・・・私が時間を加速させる事が出来るのを忘れまして?」

 

「・・・周りの・・・いえ、自分の時間を加速させて動きを速めたのね」

 

輝夜は立ち上がる。不意討ちとはいえ、先程の一撃はとても効いた。

 

そして、この隙を逃すまいと魔理沙が輝夜に狙いを定める。

 

「食らえ!!『マスタービーム』!!」

 

魔理沙は背鰭から放った電光をミニ八卦炉に集束させて、ミニ八卦炉から一気に放った。

 

「ぐっ!きゃあああっ!!」

 

輝夜は避けようとするが、熱線の速さは彼女の予想を遥かに上回っており、輝夜の肉体に熱線が直撃する。輝夜の上半身が大爆発を起こし、周囲に血飛沫と肉片のプラネタリウムを形成させる。

 

「魔理沙!?」

 

「あっ!やべっ!」

 

霊夢は魔理沙を睨む。

 

しかし、その心配は杞憂に終わる。輝夜の上半身が即座に再生されたのだ。光と共に再生し、そして無傷の輝夜が目の前に現れた。

 

「私も驚いたわ。まさか貴女達が一度私を殺してしまうなんて」

 

霊夢達は攻撃を畳み掛ける。霊夢はプラズマ火球を何度も何度も放ち続けて、魔理沙は霊夢にも放った高熱放出を、妖夢は三つの刀から繰り出す無数の斬撃を、咲夜は引力光線を、アリスは飽和砲撃を連続で放ち続ける。その攻撃全てが、輝夜の元へ真っ直ぐ飛んでいく。しかし、輝夜は全く避けようとしない。その全てを己の身体で全て受け止めようとしている。

 

「っ!」

 

その時、霊夢は輝夜の背後へ瞬間移動を行った。そして、彼女を突然抱き抱えたかと思えば、攻撃が当たらぬよう高速で移動し、輝夜を攻撃から守ったのだ。

 

それは、誰も予想出来なかった行動であり、輝夜も理解が追い付かなかった。

 

「っ!?」

 

「・・・アンタは確かに私を洗脳したわ。でも、アンタが魅力的だと思ってるし、口説かれた時はホントに嬉しかったのよ。それに・・・」

 

霊夢は輝夜を降ろして一言述べる。

 

「例え不死身だったとしても、綺麗なお姫様が死ぬ様子なんて、誰も見たくない筈よ」

 

「っ!!」

 

その時、輝夜は霊夢に対して心の奥から熱い何かが込み上げてきた。

 

「・・・ふふっ。そうね。不死身の身体を得てから、そんな考えも失せていたわ。私が傷付くと悲しむ子も居るものね」

 

輝夜は怪獣娘形態から通常形態に戻った。

 

「はい。私の負けよ。それで、貴女達が私にどんな命令を下すのかしら?」

 

──────────────────────

 

こうして、永遠の夜は終わり、遅い朝がやって来た。

 

異変の元凶である蓬莱山輝夜は降伏したのだ。宴会は開かれ、霊夢だけでなく永遠亭のメンバーも参加して準備を手伝ってくれた。そのお陰で、準備は早く進み、宴会も盛り上がり、永遠亭組が仕上げた豪華な料理を誰もが味わった。

 

そして、輝夜に霊夢達がそれぞれ与えた命令は、以下の通りだ。。

 

魔理沙とアリスは、輝夜に修行を着けてもらう事になった。咲夜と妖夢も同じだ。自分の無力さを思い知ったからだ。その為、輝夜に戦闘の修行を付けて欲しいそうだ。

 

霊夢だけは、意外な命令を出すのだった。

 

それは・・・・・・。

 

「お待たせ。輝夜」

 

「いいえ。別に大丈夫よ」

 

輝夜に人里を案内したいとの事だった。輝夜も今まで知らなかった幻想郷を知る事が出来て、とても嬉しそうだった。

 

「あっ、霊夢~!君、もしかしてデート?良いなぁ霊夢ってこんなに綺麗な人とデートなんて!」

 

「ちょっ!?ちがっ・・・麟ったらからかわないで!」

 

霊夢は顔を赤くして否定するが、麟は未だににやけていた。

 

しかし、輝夜は驚いた様子をしていた。霊夢、麟の二人を見たからだ。

 

麟と霊夢は、輝夜のあまりにも意外過ぎる顔に驚いたのだ。

 

「貴女達は・・・いえ、何でもないわ」

 

「ちょっ!?輝夜、何で黙るのよ!?」

 

「僕も教えて欲しいですよぉ!」

 

「それは、貴女達が見つけなさい。今言っても、意味は無いわよ」

 

こうして、霊夢と麟に関する情報は有耶無耶にされてしまった。輝夜が霊夢と麟を見て驚愕した理由とは、はたして?




次回、いよいよ麟がメインの番外編です。
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