東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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番外編・4:エタルガー襲来

モルドはエタルガーを相手に戦い続けるが、エタルガーの鎧の硬さと格闘技術の前に手も足も出なかった。

 

『ぐぉああっ!』

 

モルドはエタルガーによって頬を殴られ、地面を転がった。

 

『下らんな。所詮貴様等はウルトラマンに敗れ去った負け犬よ。そんな負け犬共が俺に勝てる筈も無い。そして何より・・・』

 

エタルガーは全身から赤い光弾を放つ。狙いはモルドではない。彼の足元に居るルーミアだった。

 

「ひっ!」

 

ルーミアは、巨人化したモルドが悪魔のような存在と闘っているのを見ていた。しかし、エタルガーに存在を気付かれ、狙われてしまったのだ。

 

『くそぉっ!!があっ!!』

 

モルドはルーミアを庇うように覆い被さり、背中でエタルガーの光弾を受け止める。

 

『そんなちっぽけな命に構う弱き者になってしまったな!嘗ての貴様等ならば、そんなちっぽけな存在等、無視して闘っていた筈だ!』

 

エタルガーはモルドの背中を蹴る。

 

「・・・モルドを馬鹿にするな」

 

『なにっ?』

 

「モルドを・・・馬鹿にするなあああっ!!」

 

ルーミアは全身に闇を纏う。頭に二つのアンモナイトの殻を被ったような帽子を被り、二つの穴からは蛇の頭が出ていた。また、両手はカニのような鋏を持っている。また、殻の下からは無数の触手を生やしている。

 

「モルドは確かに初めは敵だった!でも、この幻想郷に暮らして、私達はかけがえのない友達になった!友達の命を守る!モルドだってそうだし、私も同じなのだー!!」

 

ルーミアは触手をエタルガーに伸ばし、全身を縛ろうとする。しかし、エタルガーは嘗て光の巨人を容易く拘束した触手を意図も容易く引き千切った。

 

『それがどうした!ウルトラマンの居ない貴様等に何が出来る──ぐぉっ!?』

 

エタルガーは突然、自身に向かって飛んできた三日月型の斬撃に当たり、その爆発で後方へ数歩下がった。

 

『モルド、時間を稼いでくれてありがとう。ルーミア、かっこよかったよ。霊夢も喜ぶよ、きっと』

 

そして、現れたのは一体の巨人と恐竜のような姿をした怪獣。それは、本来の姿に戻ったジュダと、二代目ジラの姿となった麟、そして三体目の怪獣を見てエタルガーは驚愕する。

 

『貴様等は・・・それに、何故だ!?何故この秘境にマガオロチが住んでいる!?』

 

それは、ジラとジュダの間に挟まれる形で姿を現したマガオロチだ。萃香が怪獣形態となり、マガオロチの姿となったのである。

 

『私も怪獣を宿してるんでね。それに、テメェは私の飲み仲間を傷付けた!その顔が羊になるまでぶん殴ってやる!』

 

マガオロチが拳を握る。咆哮を上げて、エタルガーを威嚇する。

 

『ほざけ!貴様等の相手は俺では無い!貴様等の最も恐れている敵だ!ふん!』

 

エタルガーが拳を握る。すると、エタルガーの前に現れたのは、それぞれが相手にする事を恐れている相手だ。相手の恐れている存在を幻影に出し、実体化させるエタルガーの能力だ。

 

麟ことジラの相手は、霊夢だった。ジラと同じサイズにまで大きくなっている。

 

ジュダの相手は、アンドロメロスだった。しかし、ジュダにとっては好機でもあった。漸くこの手で決着を付けられるのだ。例え偽物だったとしても。

 

そして萃香ことマガオロチの相手は、なんとウルトラマンオーブだった。それも、嘗て今の自分を倒した『サンダーブレスター』である。

 

(私はマガオロチの記憶の影響か?まっ、何でも良いや)

 

マガオロチは鳴き声を上げた。萃香は初めてウルトラマンと闘うが、マガオロチにとってはリベンジ戦。

 

すると、エタルガーが真上を見上げて苛立ちの表情を浮かべる。

 

『なにっ?何だと貴様等!俺に命令するな!・・・ああっ、そういう事か!』

 

エタルガーは真上に跳んだ。上空に浮かび上がり、麟達を見下ろして告げる。

 

『貴様等は此処で潰すとしよう!そして、俺は貴様に用がある!』

 

その瞬間、エタルガーは急降下してある者に向かって手を伸ばした。対象は、なんと“ルーミア”である。

 

しかし、ルーミアはシャドウミストと呼ばれる闇を展開して、エタルガーの攻撃を防ぐ。

 

「嘗めないで欲しいのだー!」

 

『やはり貴様にはかの邪神を!暗黒四天王共が()()として狙う筈だ!』

 

エタルガーはルーミアにそう告げた。

 

依代。つまり、エタルガーに指示を出した何者かは、ルーミアを依代にして何者かを蘇らせようとしている。

 

「・・・」

 

ルーミアは頭のリボンに触れようとする。しかし、やはりリボンに触れようとしてもすり抜けてしまう。

 

「・・・私だけでやるか」

 

ルーミアは触手を足場にして、エタルガーと向き合おうとした。すると、起き上がったモルドがルーミアを掌に乗せた。

 

『私に乗れ。お前は援護を頼む』

 

「解ったのだー」

 

ルーミアはモルドの肩に乗り、モルドと共にエタルガーと向かい合う。すると、突然エタルガーの全身を金色の麟分が包み込む。

 

『ぐぬぅっ!?何だ此は!?』

 

エタルガーは苦しむ。鎧が意味を成さない。

 

「貴様がエタルガーか」

 

エタルガーを見下ろしながら両腕を羽ばたき、頭部に白澤の角を生やす慧音の姿があった。

 

更に、エタルガーの鎧を何者かが蹴る。それは、元の姿に戻ったスランであった。

 

『エタルガー!!故郷を滅ぼした貴様を許さない!!』

 

「スラン殿!」

 

『慧音先生。私は故郷を滅ぼしたエタルガーを此処で倒さなくては行けません。平和だった海洋惑星の仇を、私が討つ』

 

「そうか。ならば、共に行くぞ!」

 

『ああっ!』

 

スランの顔の隣に、慧音が羽ばたいて飛んでいる。

 

『ルーミア!』

 

「やってやるのだ!」

 

モルドがバットアックスをエタルガーに向ける。ルーミアは二匹の蛇から、エタルガーに向けて咆哮を放つ。

 

『おのれ!貴様等全員、返り討ちにしてやろう!』

 

エタルガーとの闘いが始まった。

 

その頃、エタルダミー達と麟達の闘いも、終盤に入ろうとしていた。

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