「アリスと出掛けたのって、私が小さい頃だったわね」
「そうね。私も当時は小さくて、魔法の才能はあるってお母様に言われた時は嬉しかったし、勉強も頑張ったわね。勉強を途中で抜け出して霊夢の所に来て、お母様に見つかって怒られて、でも一緒に遊べて楽しかったわ。霊夢が博麗の巫女になってからは、会う機会がかなり減ったけど」
「でも、アリスがたまに来てくれたお陰で、私は博麗の巫女として上手く働けたのよ。持ってくるクッキーもケーキも美味しかったし、たまに雑談したり、お母さんの事で話し合って、ホントに楽しかったわ。アリス、この前はホントにごめん。でも、私はアリスの事が好きよ」
「・・・っ!そ、そう・・・それより、早く人里に行くわよ!プリズムリバー四姉妹のライブ、一緒に見るんでしょ?」
「・・・そうね」
アリスは顔を赤くしながら足を速める。霊夢はアリスを怒らせてしまったのかと思ったが、アリスのある所を見て思い違いと理解する。
アリスの手は、霊夢の手を握っていた。それは、アリスからの言葉無き返事である。
そして、人里でプリズムリバー四姉妹のライブが始まっていた。ルナサ、メルラン、リリカが演奏を担当する。そして、末っ子のレイラがボーカルとなっていた。
『皆ー!私達プリズムリバーのライブを見に来てくれてありがとう!私はレイラ!いっぱい歌うからね!』
『では、聞いてください!プリズムリバーの新曲!『運命のしずく~Destiny star~』を!』
大きな歓声と共に、プリズムリバー四姉妹は演奏を開始する。ルナサの旋律とリリカの伴奏によって緩やかで壮大な前奏が奏でられた、レイラが歌い出した。その後、メルランが演奏を開始してからは激しくも整った演奏へと切り替わる。
「凄いわね。幻想郷の音楽史にまた新たなページが紡がれたわね」
「そう言えば霊夢。麟は前までソロだったのに、今はバンドを組んでるらしいわ。確か、『鳥獣鬼人』って麟は言ってたわ」
「ええっ!私もあの四人の演奏を凄いと思ったわ。ボーカルである山彦の響子ちゃんは力強い歌声だし、ミスチーはギターに加えてバックコーラスが綺麗だけど時々響子ちゃんと変わって歌った時は、ホントに惹かれたわ。萃香は力強いのに繊細でリズムよくドラムを叩くのよ。で、二胡を演奏する麟よ!三人をちゃんと支えた上で美しい演奏をするんだから!」
「詳しいのね霊夢。でも、それは分かるわね。プリズムリバー四姉妹に負けない程よ。何せ使ってる楽器は、殆どが和楽器がベースなんだもの」
因みに、此方で鳥獣鬼人について説明しよう。
鳥獣鬼人。麟、萃香、ミスティア、響子の四人で結成されたバンドであり、幻想郷ではプリズムリバー四姉妹にも負けない人気のバンドグループだ。使用する楽器はギター、ドラム、二胡なのだが、その全ては和楽器をベースとしているのだ。ドラムは小さな和太鼓をベースに、ギターは三味線を、着物と袴を合わせた衣装を全員が着用している。衣装のデザインは和を象徴する海や桜、富士山が描かれている。ボーカルは基本は響子が担当するのだが、時々ミスティアと交代する。力の響子と、技のミスティア。力強い歌声と技術を極めた歌声は、人々だけでなく妖怪達の心を鷲掴みにする。そして、麟と萃香が奏でる激しくて落ち着いた旋律が、二人の歌声をより深く美しい物へ変えてしまう。
そして、二人はプリズムリバー四姉妹のライブを楽しんだ後、人里を巡って美味しい物を堪能した。
そして、霊夢はアリスの家に泊めてもらい、充実したデートを満喫したのだった。
「良かった・・・ううっ・・・やっと普通のデートが出来たわ」
「ホントにどうしちゃったのよ・・・でも、ゆっくりしていきなさい。明日はルーミアとデートでしょ?」
「ええっ、お休み。アリス」
「お休み。霊夢」
アリスは霊夢の頬にキスをした。霊夢はアリスからの接吻に顔を赤くしてしまい、夜は眠れなくなってしまった。
──────────────────────
「ルーミア。これは、幽々子がレビューしてから有名になった団子屋の名物、『五色団子』よ」
「わーっ!美味しいのだー!」
翌日。霊夢はルーミアとデートをしていた。ルーミアは人里で大人気の団子屋で販売されている『五色団子』を食べていた。人の食欲を刺激する色をしており、その上五色に分けられた団子は、ルーミアの食欲を簡単に刺激した。
「・・・霊夢」
「ん?どうしたの?」
「霊夢、もし・・・私がお前を好きだと言ったら、どうするのだ?」
「ルーミア・・・それって・・・」
「・・・私は、霊夢が好き!霊夢の身体が欲しい!霊夢を私の触手で貪りたい!霊夢が欲しい!」
ルーミアは霊夢に抱き着いた。ルーミアからの直接的な告白に、思わず顔を赤くした霊夢。
「・・・全くもう。輝夜と言いルーミアと言い、なんか私って変態に愛されやすいのかしら・・・でも」
霊夢はルーミアを連れて、彼女の家まで案内してもらった。人が立ち寄らない洞窟の中。其処でルーミアは暮らしていたのだ。しかし、洞窟は小さな外見とは裏腹に、中身は広々としており、生活するには充分な程だ。
「・・・此処でなら、ルーミアのやりたい事、して良いわよ」
「っ!!」
ルーミアは動揺するあまり、怪獣娘形態となる。そして、殻から伸ばした無数の触手で霊夢を拘束する。
「霊夢・・・ホントに、良いのかー?」
「・・・良いわよ。既に処女じゃないけど、ルーミアのやりたい事、一杯して良いわ。アリスにもやって良いって言ったんだけど、断られちゃったわ。でも・・・」
霊夢は触手によって衣服を脱がされていく。巫女服は触手が器用に脱がせていき、皮膚に粘液で濡れた触手が吸い付いてくる。
「・・・来て、ルーミア」
「うん・・・頂きます」
こうして、霊夢はルーミアと一線を越える。初めて味わった触手エッチは、とても濃厚で幸せに満ちた素晴らしい思い出となった。
──────────────────────
翌日。霊夢は博麗神社へ帰る為の道を歩き、自分の暮らす神社へ歩みを進めていた。輝夜とルーミアの時に味わった快感は未だに身体に残っており、思い出しただけでも身体が気持ちよくなってしまう。
「輝夜ったら・・・アリスやルーミアの時でも、あの夜でのエッチが忘れられないじゃない!全くあの変態姫は・・・どんだけ私の事好きなのよ・・・」
霊夢はそう言うが、顔は嬉しそうだ。何せ嫌いではない相手が初エッチの相手だ。本音を言えば、輝夜の事は好きである。本当なら否定したくないのだが、変なプライドが霊夢の行動を抑制してしまう。
「アリスともエッチすれば・・・まあ、アリスに断られちゃったけど。でも、一番嬉しかったのはルーミアね。触手なんて初めてだけど、ルーミアのは嫌いじゃなかったわ。フフッ」
何だかんだ言っても、三人は大好きだ。もし許されるならば、全員の嫁になりたい。嫁にしたい。
霊夢は階段を登って博麗神社に向かい、境内に到着した所である人物と出会った。
「お待ちしておりました。霊夢さん」
「アンタ、パチュリーの所の小悪魔じゃない」
「はい。紅魔館の皆様からは、『こあ』と名付けられました」
「それで、何か用なのかしら?」
「はい。霊夢さん」
こあは、影からある物を取り出した。それは、一冊の雑誌だった。其処には、人類が小さなロケットに乗って月に到達した様子が写っていた。それを見せられた霊夢は首を横に傾げるが、こあが本題を告げる。
「お嬢様が月に興味を示されたのです。月に降り立ち、其処にある海を堪能されたいようですよ?霊夢さんには是非、この計画に参加して頂きたいのです」
その時のこあは、怪しげな笑みを浮かべていた。その表情を見た霊夢は、何かが起こりそうな嫌な予感を感じていた。
そして、その直感は的中する事になる。
はい。次回からは、儚月炒編に入ります。此処では、ザ・キングダムに属している元クロエことベルや彼のサーヴァントであるカルナも本編に参加する事になります。