東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第6話

魔理沙とチルノの対決は、霧の湖を激しく揺らしていた。

 

「やるなチルノ!『サンダーライトボム』!」

 

魔理沙は瓶を投げ付けた。瓶はチルノの足元に落ちた瞬間に爆発し、四方八方へ電撃を放つ。チルノは電撃を氷の盾で防ぐ。そして、両肩のバックユニットからミサイルを放つ。飛んでくるミサイルを避けていく魔理沙だが、チルノは片腕のレールガンから砲弾を放ち、魔理沙の移動先を狙い撃つ。魔理沙は砲弾が目の前に迫ってきたのだが、それを片手で受け止めた。砲弾は魔理沙の手を巻き込んで爆発するが、煙が収まると、其処には無傷の魔理沙の姿があった。

 

「ひゃ~。スゲェなおい。ルーミアの時もそうだったけど、このシールドマジでダメージ食らわないんだもんな」

 

魔理沙は改めて、フィリウスの力がどれだけ凄いのか理解した。

 

「そらよ!『プラズマスターブレイド』!」

 

魔理沙は箒に立ちながら空を飛び、チルノの元を向いて尻尾攻撃の体勢に入る。魔理沙が尻尾を横向きに振った瞬間、魔理沙の尻尾からプラズマの刃が横向きに放たれた。更に、刃から無数の星の弾幕が真上に放たれて、周囲に宙を舞う塵紙のように不規則に動きながら湖に落ちていく。

 

チルノはプラズマの刃をしゃがんで避けるが、その際に左肩にあるバックパックユニットを切断してしまう。真っ二つに切断されたバックパックユニットはチルノの元から落下して、湖の凍った部分に落ちた。

 

「まだだ!アタイは負けてない!」

 

チルノはもう片方の肩のバックパックユニットを分離した。接近戦を挑むのだ。機龍の『高機動型』に入ったチルノは、魔理沙に向かって飛んでいく。

 

「悪いが接近戦は私も出来ない訳じゃないぜ」

 

魔理沙は箒を手にすると、湖の凍った部分に降り立ってチルノを待ち構える。チルノは拳を握ると、魔理沙に向けて振り下ろした。魔理沙は片腕でチルノの拳を防ぐ。魔理沙は箒を剣のように振り下ろして、チルノの頭を攻撃した。しかし、魔法の火力ならば兎も角、接近戦はかじった程度である魔理沙。チルノの動きを見る限り、力を得た影響なのか、格闘技の心得が見られる。

 

「・・・ならよう!火力で押しきっちまうぜ!『マスタービーム』!」

 

魔理沙は箒に乗ってチルノから距離を離すと、ミニ八掛炉を開いてマスタースパークを発射する構えを取る。更に、背鰭から展開した電光をミニ八掛炉に集束させて、一気に解き放つ。

 

「アタイも!!『3式絶対零度砲(アブソリュート・フリーズ)』!!」

 

チルノは機龍の持つ最強の超兵器『3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ)』を使用する。それは、腹部に装着された超兵器で、マイナス273.15℃の極超低温の光弾を放って対象を凍結し、僅かな振動でも分子レベルにまで破壊する威力を持つ。そしてチルノの持つ最強の必殺技『パーフェクトフリーズ』は、攻撃対象を一瞬にして凍らせる程に強く、上手く当てれば格上相手にも通じる威力を持つ。

 

電光と魔法を合わせた虹色の熱線と、絶対零度の光線がぶつかり合った。その瞬間、熱線と光線がぶつかり合った事で周囲の音が消える。ぶつかり合った際に高熱と電撃が周囲に拡散し、湖が一瞬にして凍結した。

 

「「うおおおおおおおおおおおお!!」」

 

魔理沙とチルノの必殺技がぶつかり合う。

 

「凄い・・・二人とも、あんなに強くなって・・・って、キャアアアアアアアア!?」

 

大妖精は魔理沙とチルノの戦いを見守っていた。しかし、見守る最中に思わぬアクシデントに遭う。魔理沙とチルノの攻撃がぶつかり合った事で生じたのは、環境への影響や余波だけではない。熱線から漏れた電撃や、空気が固まって出来た氷の塊も飛び散って、周囲に降り注いでいた。その雷と氷の塊が、大妖精の元へ降り注いだのだ。幸いにも当たらなかったが、当たれば大妖精がいくら怪獣を宿しててもただでは済まない。カメーバも弱い訳ではないが、チルノの機龍程強い訳ではない。

 

「っ!?大ちゃ──」

 

チルノは大妖精が危険な目に遭っている様子に気付き、助けに向かおうとした。しかし、その際に絶対零度の光線を解除してしまい、魔理沙の熱線がチルノの元へ迫る。チルノの下腹部を熱線が貫通し、チルノの下半身が完全に消滅した。

 

「っ!!!!大・・・ちゃあああん!!」

 

それでもチルノは止まらず、大妖精の元へ飛ぶチルノ。大妖精の元へ氷の塊が落ちてきた瞬間、チルノは大妖精を抱き締めて共に回避する。氷の塊は凍った湖に落ちていき、二回も跳ねた後に転がっていく。チルノは凍った湖の上に降り立ち、大妖精を優しく降ろす。

 

「あっ!や、やべえ・・・妖精だからって、やっちまった・・・」

 

魔理沙は顔を青くした。妖精は自然が具現化した存在だ。例え体が消えてもまた復活する。とはいえ、悪い事をしてしまった感は否めない。

 

「お、おい!チルノ!お前大丈夫か!?」

 

魔理沙はチルノの元へ迫る。チルノは痛みに苦しんでいる為、険しい表情をしていた。

 

「・・・大丈夫だぞ~。すぐに治るからな~」

 

「チルノちゃん・・・」

 

チルノの言う通り、魔理沙に消滅にさせられた下半身は光ながら再生していく。しかし、それでもやり過ぎた事に罪悪感を感じていた魔理沙だった。

 

「・・・・・・すまねぇ。私もやり過ぎたよ」

 

「・・・大丈夫だぞ魔理沙。アタイはさいきょーだからね。さいきょーは友達の大ちゃんを護るんだ」

 

「・・・助けてくれてありがとう。チルノちゃん」

 

「まるで姉妹だな。羨ましいぜ。それより、私はこの異変の原因を探しに向かうぜ。二人はどうするんだ?」

 

魔理沙が尋ねると、大妖精がチルノの代わりに答える。

 

「私達は此からチルノちゃんのお家に向かいます」

 

「魔理沙。今度は文も連れて遊びに行くからなー」

 

「おう。じゃ、また後でな」

 

魔理沙はチルノと大妖精に手を振って、霧の発生源に向かって箒に乗って飛んで行った。

 

「・・・凄く強かったよ、チルノちゃん」

 

「そうだろそうだろ!アタイはさいきょーだからね!文にも自慢出来るぞー!」

 

「ふふっ。ホントに文さんが好きなんだね」

 

「・・・あっ・・・あーあー!あんな奴好きじゃないもん!あのしつこいストーカー天狗なんて!」

 

(チルノちゃん言葉の割に表情は嬉しそうだよ。たまに素直じゃない事もあるんだよね)

 

文が好きな事を見抜かれ、チルノが恥ずかしがる様子を見て面白がった大妖精であった。




大チルを期待した皆さん、すみません。私は文チル派です。
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