東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第60話

「侵入者か。何者だ?それに、あの姿は・・・」

 

「依姫。私達と同じかもしれないわ。私達と同じ“怪獣”を宿した、地球からやって来た地上人達」

 

「お姉様?」

 

「・・・もう、駄目かもしれないわ。上司やお父様達に今まで隠してきたけど、もうバレるかもしれない」

 

侵入者達を迎え撃つ月の軍隊。その本部である姉妹が話し合っていた。それは、永淋の教え子達である綿月姉妹である。姉が『綿月豊姫(わたつきのとよひめ)』で、妹は『綿月依姫(わたつきのよりひめ)』という名だ。

 

「・・・覚悟を決めましょう。お姉様」

 

「・・・そうね。もう私達も、レイセン達月の兎達も、“怪獣”を宿した時から既に穢れてる。なら、受け入れて前に進みましょう。兎達も、きっと分かってくれるわ」

 

「はい、お姉様。(みな)、集まってくれ。此れより話がある」

 

依姫が兎達を集めた。そして、自分達の考えている事を打ち明けるのだった。

 

──────────────────────

 

「うおおおおっ!?」

 

魔理沙は跳ね返って来た熱線を横に跳んで避けた。魔理沙は霖之助に直して貰ったミニ八卦炉からお馴染みの技である『マスタービーム』を放つが、レイセンが胸元を開いて展開した『スペルゲン反射鏡』によって、熱線を跳ね返されたのだ。

 

「どうしましたか?私達と同じく穢れた貴女達の力はこんなものでは無いでしょう?」

 

「穢れた?紫から聞いてた話と違うわね!」

 

霊夢がレイセンの背後から回し蹴りを放つが、レイセンは霊夢の脚を片手のハサミで挟んで止めた。しかし、霊夢は至近距離でフード口からプラズマ火球を放ち、レイセンに直撃させて吹き飛ばした。

 

「何やってるのよ魔理沙!」

 

「悪い霊夢。でも、私とフィリウス自慢の熱線が跳ね返されるなんて予想外だったぜ」

 

「油断大敵よ。ほら、次来るわよ!」

 

霊夢と魔理沙はそれぞれ左右に分かれて避けた。レイセンの他にも居る兎達が、両腕のハサミからそれぞれ赤色冷凍光線と、白色破壊光線を放ってきた。

 

「『四重結界』!」

 

霊夢は兎達の光線を結界で全て防ぐ。其処へ現れたカルナが、霊夢と魔理沙のサポートに入る。

 

「お前達に教えてやろう。“真の英雄は眼で殺す”」

 

カルナは右目の赤眼から炎を纏った光線を放つ。しかし、此れだけでは終わらない。なんとカルナの右目の青くなった瞳から、炎とは正反対に冷気を纏った冷却光線が放たれた。カルナの宝具『梵天よ、地を覆え(ブラフマーストラ)』は、簡潔に言ってしまえば片目から放つビーム状の飛び道具であり、どんな敵も追尾して必ず当たる性質を持つ。呪いにより自分より実力が上の相手には使えない。しかし、カルナは最強クラスの怪獣───宇宙人を宿してる為か、そんな呪いを嘲笑うかのように宝具を使用した。

 

カルナのビームは、実はビームではなく彼自身の強力な眼力を視覚的に表現したものだ。とはいえ、万物を焼き尽くし、更に凍てつかせるその眼力は、流石はインドの英雄と呼ぶべきだろう。しかし、此処ではビームとする事にする。

 

兎達はカルナの炎のビームによって爆発と共に吹き飛ばされ、月の表面は融解。更に、冷却ビームによって兎達の殆どが凍らされ、更に炎や溶けた月の表面も一瞬で凍らされた。

 

カルナは赤いマントの下に、冷気を纏う白い軽装の鎧を身に付けていた。それは、カルナの体格に合わせたグローザムの体を模した鎧だった。グローザムの鎧が軽装でさほど目立たないのは、カルナの炎の力が強い為である。しかし、だからこそ冷気の力も強くなったのかもしれない。

 

「馬鹿な!?」

 

レイセンは驚愕した。こんなに強い者が地上に居るとは思わなかったからだ。

 

「何者だよあのカルナって・・・」

 

「私の自慢の英霊よ。カルナの炎とグローザムの氷。合わされば正に無敵ね」

 

「英霊・・・彼奴私やガメラさんより・・・いや絶対紫より強いでしょ・・・」

 

「やるな!私の次の次の次の次に強いな!」

 

魔理沙と霊夢は、世界には更に格上が居る事を益々思い知らされた。兎の軍勢は、殆どが黒焦げになっているか、凍らされて動きを止められているかだ。何故か天子は余裕そうだが。

 

「ぐっ・・・やはり、穢れた我々では・・・」

 

「いえ、貴女達はよく頑張ったわ」

 

レイセンはその場で膝を着き、その後に地面に手を着けた。そんなレイセンを、背後から姿を現した豊姫が優しく頭を撫でる。

 

「豊姫様!?依姫様まで!?」

 

「レイセン、ご苦労だった。後は私達に任せてくれ」

 

依姫は腰に携えた剣を振るった。すると、その場を焼き尽くさんとする炎は全て冷やされて水蒸気に変わり、凍らされた兎達は解凍されて動けるようになった。

 

「・・・お前がこの月の大将か。その闘志、他の兎達よりも格上と見た。俺の名はカルナ。お前の名を聴こう」

 

「私は綿月依姫。此方に居られる豊姫姉様の妹である。そして、お前達と同じく怪獣を宿し穢れた者だ」

 

「そう。私は綿月豊姫。依姫と同じく穢れた者よ」

 

綿月姉妹は揃って自己紹介を行った。

 

「先程、俺の炎と氷を掻き消したのはお前の力か?」

 

「そうだな。私は、あるウルトラマンの姿を模したウルトラマンだが、私は奴とは違う。私は偽物も本物も、どっちも超える!私のオーブリングNEOは、神々の力を借りて強くなる!」

 

依姫は懐から取り出したのは、小さな輪を取り付けた短剣状のアイテム。その瞬間、周囲がまるで時が止まったようになる。アイテムの真ん中にある小さなスイッチを下に降ろした後、輪の中心のボタンを押して自分の頭を中心とするように円を描いた依姫。そして、彼女の宿す怪獣となる前の決まり文句を力強く述べる。但し、意味も台詞も改変している。

 

「神々の力、お借りします!!」

 

そして、依姫がオーブリングNEOを天に真っ直ぐ掲げた。その瞬間、彼女のオーブリングNEOが虹色に輝き始める。それは、彼女が宿す怪獣には無かった機能及び変身である。

 

そして、彼女の手元にある剣は大きな円を装着した巨大な西洋剣へ変形した。

 

『ウルトラマンオーブダーク・ネオンジェネシス!』

 

そして、依姫の姿は変化した。胸元に虹色のリング状のカラータイマーが装着され、黒い全身スーツを身体に纏い、肩や背中には硬そうな装甲が取り付いていた。

 

「カルナ殿!貴様に一対一の勝負を申し込む!」

 

「良いだろう。俺も久々に全力で戦えそうだ。誰か、モンスターバトルの審判を頼む」

 

「なら、私がやるわ。二人とも、始めて大丈夫よ」

 

依姫が走り出して剣を振り下ろし、カルナが黄金の槍で剣を受け止めた。二人の間に挟まれる形で、太陽のような色と氷のような色をした衝撃波が円状に広がっていく。依姫とカルナのモンスターバトル。審判は霊夢が務める事に。

 

「依姫ったら、昔から強い人を見つけたら手合わせをしたがるんだから。でも、二人が戦ってる間に、私は私のやり方で貴女達を説き伏せてみせるわ」

 

豊姫は魔理沙達を見て、自分や依姫の考えを打ち明けた。

 

「私達は、月の都に居場所が無いの。だから、貴女達の住む地上に来て、大丈夫かしら?」




よくよく考えたら、他の神話もそうですけど、日本神話の神々が大半の怪獣より弱い訳が無いんですよね。勝てない相手も居るかもしれませんが、大半のウルトラ怪獣に勝てそうな気がするんです。まあ、永淋×ラゴラスエヴォという組み合わせみたいな例外なら、話は別かもしれませんが。

そして、怪獣×神々×依姫の組み合わせ、それが弱い訳が無い。寧ろ怪獣の力によって、神々が強化される可能性もあると思っています。相性が良いなら尚更でしょうね。

豊姫の問い掛けは、初代バルタン星人の地球に移り住む時の問い掛けをオマージュにしました。ウルトラマンの時は拒否されましたが、今回は・・・。
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