東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第63話

砂漠惑星から戻って来た。博麗神社では、修羅場が起きていた。

 

「・・・で、此はどういう事よ!?」

 

「申し訳御座いませんでした!」

 

博麗神社にて、霊夢は紫の目の前で正座をさせられていた。

 

霊夢の様子を、レミリアや咲夜、魔理沙にベル、カルナに天子、後からやって来た麟やフランも見守っていた。

 

一体何が起こったのか。それは、豊姫の能力で幻想郷へやって来て、博麗神社にやって来た時だった。そして、紫は霊夢達が帰ってきた事を探知して様子を見に来たのだが、境内に居たのが霊夢達だけでない事を知って驚愕する。麟やフランはまだ驚かない。問題なのは、麟とフラン以外のメンバーだ。

 

「あら?八雲紫、久し振りね」

 

「悪いな。今日から私達も幻想郷で暮らすぞ」

 

「そして此処に・・・姫様が居るかしら?」

 

「ああっ、居ると思われます。お姉様。もし居たら・・・また私達は姫様の物に・・・ふふふ・・・」

 

「今度こそ、姫様に女として見てもらうんだから!」

 

綿月姉妹の豊姫と依姫。頬を赤く染めていたが、時々目元が暗くなる時もある。

 

「此処に、先輩が居られるのですか」

 

レイセンと、三百羽の少女の姿をした兎の兵士達。

 

『『『『『ギギギギギギィィッ!!』』』』』

 

三面異次元人のギギ達三十人。

 

そう。彼等が此処に居るのだ。

 

「そういうのは私にちゃんと話を通しなさい!報酬半減で済ませてやるわ!」

 

「そ、そんなぁ!ごめんなさいぃぃ!!」

 

霊夢は涙目になった。折角頑張ったのに、こんな仕打ちはあんまりだった。

 

「・・・でも、モンスターバトルで勝って受け入れを認めた以上、断る訳には行きませんわ。ようこそ幻想郷へ。幻想郷は全てを受け入れるわ」

 

『『『『『ギギィィッ!!!』』』』』

 

紫は霊夢達が連れてきた新たな住人を歓迎した。特にギギ達は行く宛も無かった為に、幻想郷へ受け入れて貰った事に歓喜する。

 

紫の真の目的は分からなかったが、後に聞いた話では月の都にある筈の高級なお酒が、何故か永遠亭で振る舞われたそうだ。月見祭を盛り上げる為に。

 

豊姫と依姫は、紫がその為に霊夢達を紫がけしかけたのだと理解し、思わず笑ってしまった。

 

しかし、紫の目的は本当にそれだろうか。

 

真実は、彼女のみが知る。

 

そして、豊姫と依姫の二人、レイセンを含めた兎達は永遠亭に。ギギ達は人里や紅魔館、白玉楼や永遠亭にそれぞれ分けられて、其処で過ごす事になった。

 

──────────────────────

 

数日後の永遠亭。

 

「「姫様ー!!」」

 

豊姫と依姫は、人形に変えた妖精を弄る輝夜の背中に抱き着いた。しかし、輝夜の反応はまるで子供に抱き着かれた母親のような反応しか示さない。

 

「あら?豊姫に依姫。今日はどうしたのかしら?」

 

「「膝枕してくださーい!」」

 

「もう本当に二人は甘えん坊ね。私が小さい頃から変わらないわ。大きくなっても膝枕を要求するなんて」

 

「「・・・駄目ですか?」」

 

綿月姉妹が涙目になる。輝夜はクスッと笑った後に人形をテーブルに置いた。

 

「もう。誰もやらないなんて言ってないわ。ほら、どうぞ」

 

「「わあっ!ありがとうございます!」」

 

輝夜はスカートを翻さないまま膝を差し出すと、綿月姉妹は何の躊躇いも無く一緒に輝夜の太股を枕にして寝始めた。

 

「本当に、可愛い姉妹ね」

 

((ああっ・・・お慕いしております。姫様))

 

綿月姉妹の顔、立ち振舞いは、完全に恋する乙女のそれだった。当然、輝夜が気付かない筈も無く、二人に真実を伝える。

 

「二人とも。隠してるつもりかもしれないけど、私は貴女達の思いは気付いてるの。でもごめんなさい。私は貴女達姉妹を恋人には出来ない。貴女達は妹みたいな存在だし、こうして移り住んで来たのなら、大切な家族として迎え入れるわ。けど、私は貴女達を恋人としては見れないのよ」

 

こういうのはハッキリと伝えた方が良い。今は傷付くかもしれないが、此も綿月姉妹の為なのだ。

 

豊姫も依姫も、輝夜にとっては家族であり妹のような存在なのだ。極度の女好きである輝夜だが、例外が存在した。それは、現在膝枕を受けている綿月姉妹を含めて、薬の行商を行う鈴仙・優曇華院・イナバ、兎達の世話役と永遠亭の警備を担う因幡てゐ、診療所を経営する八意永淋、そして永遠亭に住む地上の兎達だ。彼女達は輝夜にとって家族のような存在なのだ。家族に対してその様な感情を向ける程、輝夜は愚かでは無かった(だからと言って他の女をセクハラ、誘拐等をして良い理由にならないが)。

 

「それでも私は、姫様が振り向いてくれるまで、何度でもアピールします!」

 

「絶対に諦めません!例え姫様が何千、何万もの女を得ようとも!その中で最愛の人が出来たとしても!」

 

「・・・全くもう。この子達ったら」

 

そして、襖を開けて永淋が入ってきた。

 

「ふふっ。昔っから輝夜になついて居るわね。少し妬いちゃうわ」

 

「そうなのよねぇ。永淋に鍛えられて泣いた時も、よく私に泣き付いて来たわね」

 

「「姫様だから良いんです」」

 

綿月姉妹は顔を輝夜の太股に埋める。一瞬見えた顔は赤く染まっていた。恥ずかしいのだ。

 

「そう言えば、イナバは?」

 

「今日は薬の行商はお休みだから、優曇華は人里で白玉楼の庭師さんと会ってる筈よ」

 

「あの可愛い剣士さんね。ふふっ、イナバも良い友達が出来たのね」

 

「ええっ」

 

その後、輝夜は永淋にある事を提案する。

 

「永淋。私、良い仕事を見つけたわ」

 

「あら?そうなの?」

 

「実は前に人里でデートをした時、慧音から教師になってみないかって勧誘されたのよ。その時は保留って事にしたけど、なってみたいわ。教師に」

 

「それは良かったわね。輝夜は教師に向いてるし、子供が好きだから仲良くなれる筈よ」

 

「ええっ。お金稼いで、霊夢に沢山美味しい物をご馳走したいわ」

 

「ふふっ。もう完全に恋する乙女ね」

 

そんな輝夜の様子を、膝枕をしてもらっている豊姫と依姫は、頬を膨らませながら見つめていた。

 

(むむっ!霊夢だったわね!姫様にとっては霊夢が最愛の女性らしいけど、絶対負けないわ!依姫と私の愛は、誰にも負けないのだから!)

 

(くそぅ!しかし、私達の方が姫様の事を長く、強く思っている!この思いは、誰にも負けん!お姉様と私の合わせた二人分の愛は、誰よりも強い!)

 

永遠亭は、今日も平和であった。

 

──────────────────────

 

人里の甘味処。其処で鈴仙と妖夢は団子を食べながら雑談をしていた。

 

「清蘭さんに、鈴瑚さん?」

 

「兎達の中には居なかったけど、私の頼れる後輩よ。二人揃って一人前の兵士で、連携を取らせたらかなり手強かったわ」

 

「その人達も、怪獣を?」

 

「いえ、まだ宿してないと思うわ。豊姫様と依姫様が連れてきた兎達の中には居なかったから、まだ月に居ると思うわよ。でも、再会したらまた美味しい団子を食べたいわね。妖夢ちゃんは居ない?会いたいって人」

 

「会いたい人?はい、居ます。お爺ちゃんです」

 

「お爺ちゃん?」

 

「私に全てを託して、お爺ちゃんは旅に出ました。何処に居るのか分かりませんが、まだ幻想郷に居ると信じたいです」

 

「ふふっ。お爺ちゃん思いなのね」

 

鈴仙と妖夢は雑談を続けて、この後も人里でデートを楽しんだ。




次回の番外編で、麟の能力を判明させます。麟が持つ『~程度の能力』は、巫女らしい能力になります。解釈次第では、かなり強い能力になるかと。
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