フューチャーアース。其処は、ある三人のウルトラマンが奇跡を起こして救った地球。
そして、地球は現在、ある生物群の襲来に遭っていた。
『ギョオオオオオオオオッ!!』
スペースビースト。グロテスクな見た目を持つ生物であり、ビースト振動波を使ってビースト全員が情報を共有し、環境や外敵に対して進化する。更に他の生物(特に人間のような知的生命体)を捕食する事で成長・進化を行う特性がある。
そんなビースト達が、フューチャーアースに出現した。
「キャッ!」
町を逃げ回る人達の中に、一人の少女が居た。
「パパッ!ママッ!うええええぇぇんっ!!」
少女は泣き叫ぶ。しかし、ビーストは無惨にも少女に迫り来る。サソリの姿をした四メートル級のビーストだ。
少女を捕食する為に迫り、鋭い尻尾の針を少女に向けて振り下ろした。
しかし、突如としてその針は掴まれて止められた。
『ギョッ!?』
サソリのビーストは、自らの針を片手で掴んで止めた相手を見た。其処には、金髪で赤いリボンを身に付けた、仮面を身に付けた一人の少女が居た。背中に六角二胡を背負う少女は、見た目からは想像も出来ない力でビーストの針を片手で掴み、そのままサソリのビーストを投げ飛ばした。
「・・・お姉ちゃん、誰?」
「僕は冴月麟。ザ・キングダムの、冴月麟」
そう。それは麟だった。彼女は既に怪獣娘形態となり、ビーストと交戦を開始したのだ。
「さて、カオスヘッダー入りの錠剤。今なら良いよね」
麟は懐から虹色に輝く無数の粒子が中で蠢く錠剤を一つ取り出して、自分の口の中に入れてそのまま飲み込んだ。
「・・・よし!」
麟の姿が変化する。両腕に赤い刃を生やし、背鰭が真っ赤に染まった『カオスジラ形態』になった。
「それ!」
麟はビーストの目の前に迫り、足蹴りを放ってビーストを上空へ蹴り上げた。
「『カオスパワーブレス』!」
麟は口から赤い熱線を吐いた。サソリのビーストは熱線に当たり、そのまま全身を爆散させた。更に、飛び散った肉体の破片も、赤く燃え盛りながら消滅した。
「凄いなぁカオスヘッダーって。ビースト振動波だっけ?あんなに離れてても取り込めるんだ」
「・・・お姉ちゃん強いね!」
「ん?ああっ、君は大丈夫かい?」
「うん!」
麟は少女を抱えた。
「よし。お父さんお母さんを探そう。僕が一緒だからね」
「っ!は、はひ・・・」
麟はその際、仮面をずらして顔を見せる。大した意味は無いが、顔を見せた方が少女を安心させられると思ったからだ。体はカオス怪獣ならぬ『カオス怪獣娘』となっているが、顔や体格はさほど変わってないのだ。
少女は麟の顔を見て、顔を一瞬赤くしてしまう。
「ん?」
「い、いえ!何でも!」
少女は赤くした顔を見せないよう顔を反らす。麟は首を横に傾げたまま、少女を抱えて走り始めた。
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その頃、エレンとハイゼンベルク、そしてフランという珍しい組み合わせで、ビースト達を蹴散らした三人は、イギリスのロンドンにやって来て居た。
「ロンドンかぁ。私来たのは初めてかも」
「俺も初めてだぜ。エレン、お前の知らねぇ世界を紹介してやりてぇが、俺も村に囚われてた身だからよぉ。街の紹介は出来ねぇ」
「いや。ホントに信じられなくてな。こんなに文明が発達してるなんてよ」
エレンは自分の目が信じられなかった。争いが無い訳では無いが、少なくとも元居た世界よりは平和だ。ビーストが居なければ、の話だが。
「・・・おい、まだ俺達の仕事は終わらねぇようだな」
ハイゼンベルクが指差した場所には、ビーストの大群がぞろぞろと現れていた。五メートル級から二十メートル級の個体が多く居る。
「さあて!また派手にやらせてもらうか!」
ハイゼンベルクは体を変形させる。フラン達幻想郷少女達のような怪獣娘形態ではなく、まるで仮面ライダーと呼ばれる戦士のような全身装甲の戦士となった。但し、怪獣が人型となったような姿である。背中には鋭い背鰭を生やし、腰には数本の尻尾を生やし、頑丈そうな白い頭部のヘルメットの下顎部分には牙の形が彫られている。それは、ハイゼンベルクが宿した『メガ・カイジュウ』の形態である。
それは、男が怪獣を宿して変身する、怪獣娘形態と異なる第二形態『怪獣装甲形態』である。
更に、ハイゼンベルクはヘルメットの口元を開いて、懐から取り出したカオスヘッダー入りの錠剤を一粒、自らの口に放り込んで飲み込んだ。
そして、ハイゼンベルクの両腕の装甲に赤い突起物が生えて、尻尾も赤いトゲを大量に生やした。
『さあて派手に暴れさせて貰うぜ!』
ハイゼンベルクは磁気を操り、ビースト達の目の前に壁を形成した。
「俺も行くか」
エレンは突然自分の左手に噛み付いた。その瞬間、光と稲妻がエレンを中心に走り、軈てエレンの姿は十五メートルもの巨人の姿へ変貌した。骨から始まり、筋肉と皮膚を形成し、軈て巨人の姿へと変わった。それは、エレンが主に変身する、“何時如何なる時も、自由を求めて戦った”とされる『進撃の巨人』である。
『ウオオオオオオオオオオオオオッ!!』
更に変身は終わらない。エレンの体を無数の虹色の光る粒子が走り、進撃の巨人は全身に装甲を纏っていく。更に右肩からレッドキングの頭部が飛び出した。両股は無数のトゲを生やし、角を頭に生やし、体格が大きくなる。更に、両腕は翼となって手に鋭く長い黒い爪を生やし、左肩にはトゲを生やした触手状の腕を一本生やし、胸元は昆虫のような甲殻を纏い、三つの赤く短い砲塔が装着された。エレンが宿した怪獣だが、元々は防衛兵器であったがある邪悪な寄生生命体の野望によって変貌させられた哀れな人造ウルトラマンである。今の名前は『デストルドス』。そしてエレンが変身した進撃の巨人は、エレンが『怪獣装甲形態』となる事でデストルドスを模した怪獣装甲を纏ったのである。
『ウオオオォォォォオオオオオオオオッ!!』
エレンは走り出した。見た目からは信じられない俊敏さで、ビーストの大群へと突っ込んで行く。全身に無数の虹色の粒子が走り、咆哮を上げながらビースト達を両腕の爪で引き裂き、凪ぎ払う。
「わーい!私も交ぜてー!」
フランも変身した。悪魔のような禍々しい姿である。フランの宿した『デストロイア』の怪獣娘形態だ。更に、カオスヘッダーによってカオスデストロイア形態となったフランは、赤い目を輝かせて炎の剣『レーヴァテイン』を振り上げてビーストの大群を切り裂き、燃やし尽くす。
「アハハハッ!」
フランはレーヴァテインを振り回し、ビースト達を燃やしていく。ビースト振動波もカオスヘッダーの力で吸収し続けて、更にデストロイアの力でレーヴァテインから送られてくる炎と熱で進化が止まらない。
フラン達はビーストを蹴散らしていく。それは、
そして、フューチャーアースに駆け付けたある戦士達にとっても。
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『到着したぜ!』
時空の穴を通り抜けて、五人の巨人が現れた。一人は炎のような髪を持つ男『グレンファイヤー』。二人目は鏡のように物静かな騎士『ミラーナイト』。三人目は武人らしき鋼鉄のロボット『ジャンボット』。四人目は胸や腰、両腕に砲塔を持つ巨大ロボット『ジャンナイン』。そして最後の一人は、青と赤のカラーリングを持つボディに、頭部に二つの刃を持ち、更に神々しき鎧を纏い、右手には剣を装着する光の巨人。
彼等は、『ウルティメイトフォースゼロ』。アナザースペースを中心に活躍する、リーダーである『ウルトラマンゼロ』が率いる宇宙警備隊である。
そんな彼等がフューチャーアースまで赴いたのは、M78星『光の国』と呼ばれるウルトラマンの星より指令を受けて、スペースビーストの駆逐の為に動き出したのだ。
『ふぅ!でもやっぱ時空の穴!何時見ても気持ち悪ぃなぁ!』
『グレン。貴男は途中で吐きそうになりましたね』
『全く何時になったら慣れるんだグレン』
『慣れねぇよ焼き鳥ぃ!』
『私は焼き鳥ではない!ジャンボットだ!』
『・・・それで、ゼロ。此処がフューチャーアースか?』
ジャンナインがゼロに尋ねる。
『ああっ。俺が以前、ダイナやコスモスと共にバット星人から取り戻した地球だ。だが、何故スペースビーストが急にこの地球に・・・』
『解らない。だが・・・いや待て!』
ジャンナインがセンサーでフューチャーアースを計測した所、ビースト反応が消えていくのだ。あまりにも速い速度で。つまり、何者かがビーストを駆逐している。
『ジャンナイン、どうした!?』
『ビーストの反応が消えていく!?ビーストを誰かが倒している!それも・・・怪獣だと!?』
『ハァッ!?おい焼き鳥、それマジかよ!?』
『信じられませんが、我々が確認する必要があるようですね!』
『だな!一体誰が・・・兎に角、俺達も地球に行くぜ!』
『『『『おうよ/ええっ/ああっ!!』』』』
ゼロ達は地球に向かう。其処で彼等は、思いも寄らない出会いを果たす事になるのだった。
男が怪獣を宿した場合。
1:通常形態、2:怪獣装甲形態、3:怪獣形態
となります。
違い
怪獣娘形態は、怪獣の姿を擬人化させたような鎧又は服を纏う。
怪獣装甲形態は、怪獣の姿を擬人化させたような全身装甲を纏う。