レミリアとフランが翼をはためかせて、吸血鬼の鋭い爪を伸ばして戀鬼の顔を斬る。一度に六回も斬り付ける素早い攻撃に、戀鬼は後方へ下がる。魔力を込めた攻撃の為か、戀鬼にダメージが入った。
「休ませないわよ」
「『ヴァリアブル・レーヴァテイン』!」
フランがミクロオキシゲンを角から発生させ、レーヴァテインと合体させる。そして、戀鬼が振り下ろした刀をレーヴァテインで切り裂き、更に戀鬼の腕を三つに分けて切り落とした。
『ッゥゥゥゥウウウアアアアッ!!』
戀鬼は更に体格を大きくしていく。更に腕が生えてきて、今度は棍棒や両手剣、クロスボウや両刃斧まで持ち始めた。
「怨霊の癖に私より格上・・・でも、私は冥界の管理者。甘く見られちゃ困るわ!」
幽々子はテレポートで戀鬼の背後に回り込み、平手で戀鬼の背中を押した。戀鬼は前に倒れて膝を付いたが、倒れる直前に両手で支えて倒れないようにした。
そして、無数の炎の蝶を背後に展開した扇子から打ち出して、戀鬼に直撃させる。戀鬼の体に蝶が一匹当たった瞬間、爆発を起こした。一匹、十匹、軈て千匹まで戀鬼の背中に当たり、その度に爆発を起こす。
「やるじゃない。吸血鬼姉妹に亡霊さん」
「私も忘れては困るわ」
「私もだよ」
輝夜は動こうとするが、ある三人が現れた事でその姿を見た瞬間に瞳にハートを浮かばせる。
「まあ何時見ても綺麗な体ね紫♥️。それと、そちらの綺麗な娘達は誰かしら?私の物にならない?その体で楽しみましょ♥️」
「・・・貴女に言われると虫酸が走るわね」
紫はドン引きしているが、もう一人の女性は嬉しそうだ。そんな女性の取り巻きである二人の少女は、輝夜に冷ややかな目を向けた後に、女性を見て瞳にハートを浮かべている。
彼女は『魔多羅隠岐奈』。万物の背中に潜む秘神だ。そして、幻想郷の創造を行った賢者の一人でもある。即ち、紫と同じだ。
数多の神性を持ち、万能の力を持つ。本来なら表に出る事は無い存在だが、戀鬼を危険と判断した為か動き始めた。
「おおっ、今夜は盛り上がろうじゃないか♥️」
「ふふっ。霊夢やアリス、ルーミアも交ぜて、盛り上がりましょうか♥️」
「良いぞォ♥️」
隠岐奈は舌で唇を舐める。
「御師匠様ったら、僕達にもそういうの向けて欲しいのに・・・♥️」
「私と舞は娘扱い・・・こんなにも御師匠様の事が好きなのに・・・♥️」
「「ああっ、でも・・・御師匠様が寝取られる♥️凄く良い♥️でもあの女を殺せば御師匠様は僕/私の物♥️ふふふ♥️」」
それは、隠岐奈に仕える二童子と呼ばれる二人の少女。お互いの両手を握り合い、頬と体を合わせた、社交ダンスを思わせるポーズを取っている。深緑のエプロンドレスを着た左手に竹を持ち、サイドヘアを腰まで伸ばす一方で後ろは短く揃えた少女が『丁礼田舞』である。鮮やかなマゼンタ色のエプロンドレスを着た、右手に茗荷を持った髪の後ろをセミショートにした少女が『爾子田里乃』。二人は共通して、風折烏帽子を被っている。二人は隠岐奈を見つめながらお互いの頬を合わせて、スリスリと擦り合わせる。
「愛されてるわね、貴女って」
「それなら助けてくれよ。私にとって二人は娘のような存在だ。後継者は生まないし生ませないつもりだが、それを言ってから二人に毎度貞操を狙われてるし、私が気に入った女を殺そうとするんだ。私は娘に欲情する変態ではない。色んな女とイチャイチャしたいんだ」
そんな輝夜達を余所に、萃香が飛び上がって戀鬼の顔に飛び掛かり、殴る。
「どおりゃああああ!!」
戀鬼は背中から地面に押し倒され、数十メートルも引き摺った後、萃香から頭に拳の連打を受ける。
『邪魔をするなぁ!!』
戀鬼が更に巨大化する。山を見下ろし、雲に頭が届き始めた。腕は百を超える程に増えて、首が二つに増えた。まるでその姿は、千手観音である。しかし、その姿はおぞましく、禍々しい。顔も般若のようになり、体も達磨のように大きく膨れ上がる。
『フハハハハハハッ!!人と妖の共存する世界等、未来永劫に続く闇の世界にしてくれるわ!!』
道尊の声が響く。顔の一つから響いていた。そして、無数の腕が萃香を掴み、地面に叩き付ける。萃香は口から血を流す。
「それは困るわね。そんな事されたら、霊夢や可愛い女達とのイチャラブハーレムパラダイスが楽しめないじゃない」
「そうだな。イチャラブハーレムパラダイスを楽しむ為に、奴を止めようじゃないか」
輝夜と隠岐奈が手を組んだ。隠岐奈の姿も変化した。服装はかのウルトラマンゼロを模したようなデザインだが、スリット状のゴーグルを目に装着している。また、全身には拘束具にも似た金属の甲冑を取り付けている。胸部には丸いコアが搭載され、コアを中心に隠岐奈の体全体にパイプが取り付いていた。それは、地球人達が開発した防衛兵器であり、成美と同じくウルトラマンを模して造られた人造ウルトラマン『特空機4号ウルトロイドゼロ』である。ある邪悪な宇宙人の策略が有ったとは言え、地球人がこれ程の兵器を造れた事は、隠岐奈は偉業であると褒めたい。切り札を一発撃つだけでパイロットも気絶して、本機体も機能停止する欠陥さえ無ければ、の話だが。
「切り札、使わせないでくれよ」
隠岐奈が言葉を発する。その後、舞と里乃もそれぞれ姿を変えた。里乃は元の服装から、機械的な装甲に尻尾を持ち、左胸の下に紫色の穴状の砲口を搭載した機械的なスク水を着た。髪は白くなり、額に角を生やし、頭に二本の黒い鋼鉄のような太い角を着けたカチューシャを身に付けている。両腕の二の腕には、無数のトゲ状のミサイルを搭載している。舞は濃紺のスーツを纏い、お腹は銀色の装甲と回転型ノコギリを身に付けている。背中に生えた魚の背鰭のような翼は赤くなり、単眼を模したゴーグルを着けた鶏冠を生やす鳥のようなヘルメットを頭に着けて、両手は鎌状のハンマーフックとなっている。
里乃が変身した怪獣娘形態は、嘗てサロメ星人が『古代怪獣ゴモラ』を模して造ったロボット怪獣『メカゴモラ』。舞が変身したのはX星人が地球に送ったサイボーグ怪獣『ガイガン』だ。
「御師匠様を傷付ける奴は!!」
「私達が許さない!!」
「「僕/私達が殺す!!」」
里乃と舞が某オカマ魔女の如く走り出す。
「おいお前達!止まれ!」
「「はい♥️」」
「止まるのね・・・」
「・・・其処は行く所だろぅ」
紫だけでなく、隠岐奈もツッコミを入れた。
『話をするとは良いご身分だな!』
道尊が声を上げる。無数の手を伸ばし、輝夜達を捕まえようとする。しかし、紫も怪獣娘形態となり、無数の手を光線で相殺する。
「麟・・・そろそろかしら?」
紫は、麟の到着を予感していた。
その頃麟は、漸く準備が整っていた。
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麟は無縁塚にて、ある二人の少女と共にイタコの儀式を行っていた。
「いやぁまさか、こんな事があるんだねぇ。
「こういった事は前列がありませんが、彼女は今の博麗の巫女とは違い、完璧に白とは限りませんが、善の道を歩んで居ます。
始めに言葉を発した爆乳の少女は、大きな鎌を持つ死神であった。彼女は『小野塚小町』。死者の魂をあの世に運ぶ役目を持ち、三途の川を渡れる死神である。
もう一人は、小町より身長の低い少女だ。彼女は幻想郷のあの世を担当する閻魔大王の一人である少女『四季映姫・ヤマザナドゥ』。
そんな二人は今、無数の祭壇に囲まれ、額に五芒星を描いたまま座禅を組む麟と共に居た。麟は、死神の小町と閻魔大王である映姫の協力を借りて、ある人物の霊魂を呼び寄せていた。
麟は、巫女の力を使えない訳ではない。しかし、霊夢が使う夢想封印といった必殺技は使えばマトモに動けなくなる上に、一度使えば次使うまで数ヶ月は掛かる。また、結界は主に陰陽道の結界を扱うが、道具や祭壇、呪文といった物を使わなければ張れない。イタコの技も麟だけでは祭壇や道具を使っても、霊魂を呼んで憑依させるのに一週間も掛かる。だから、小町と映姫の助けを借りたのだ。お陰で、麟は数分で呼び出したい霊魂を呼べた。
「麟も無茶しますよねぇ。早良親王の最愛の女性を呼ぶなんて」
「態々外の世界のあの世に赴いた甲斐がありました。私でも、早良親王の怨霊はどうする事も出来ません。それほどまでに憎んでいるのです。ですが、もう恨みに囚われる事はありませんよ」
「そうですね。アタイも分かります。冴月麟なら、今の博麗の巫女には出来ない事をしてくれるって」
そして、麟は立ち上がる。二人に一礼をした後、ゆっくりとした足取りで無縁塚から歩いて去って行った。
「成功しましたね四季様」
「ですが、例え解決出来ても、幻想郷には暫く後遺症のような異変が起こるでしょう。小町、また働いて貰いますよ」
「お手柔らかにお願いしますよぉ四季様」
「人手も出来る限り増やしますので」
「うへぇ」
こうして、後に怨霊異変と呼ばれる異変は解決に向かう。麟と、麟に憑依したある女性によって。
舞と里乃は、マカオとジョマを元にしております。
萃香の攻撃は、『マィティソー:バトルロイヤル』のハルクがスルトに攻撃した時を元にしました。
映画『陰陽師』は名作。これ、絶対。