東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第8話

紅魔館の門を突破して、霊夢と魔理沙は中庭を歩いていく。庭は手入れが難しいと言うべき広さだが、争った場所を除けば綺麗であった。

 

「余程の貴族かしら?この館に住んでる奴って」

 

「この赤い霧を発生させてるって事は、多分太陽の光が駄目なんだろうな。多分だけど、西洋妖怪の吸血鬼だと思うぜ」

 

「成る程。でも、赤い霧で覆われたままじゃ、私達の生活にも支障が出るわ。早く解決しないと」

 

「だな!でも、あの妖怪の賢者たる八雲紫だっけ?そいつが私達だけじゃ吸血鬼に勝てないって、どういう事だ?」

 

「・・・気になるわね。多分、余程強い怪獣を宿しているのかも」

 

二人が歩きながら話していると、紅魔館の出入口へと辿り着いた。扉を霊夢が開けて二人は中に入る。

 

「真っ暗ね」

 

「でも、なんか壁も床も赤いんだな。外も赤かったしやっぱり吸血鬼が親玉かもな」

 

二人が見た内装は、二階を繋げる橋と左右に分かれた階段、そして高価な絵画や壷が飾られており、壁は赤く染まっていた。床は木製のデザイン通りである。

 

「っ!魔理沙!」

 

「解ってるぜ!」

 

二人は気付く。いつの間にか扉が閉まっており、自分達は建物の中に入っていた。そして、二人が部屋へ入ってきたと同時に、何処からともなくメイド服を身に付けた妖精達が現れた。妖精メイドは全員、額に三つのメカメカしい目を持ったゴーグルを被り、右手には剣を取り付けて、両肩にはビーム砲を装着し、銀色の分厚いアーマーをメイド服と被るように上半身のみに纏っていた。

 

「おおおおい!?なんで妖精達も!?」

 

「お、おい!あれ見ろよ!」

 

魔理沙が指を差したのは、ホフゴブリンの軍団だった。それも、鎧を纏っているが両手にドリルを装着した者から砲塔を装着した者に分かれており、妖精メイド達に近い大群で現れた。全員の様子を見て、彼等が全員怪獣を宿している事を理解した二人。

 

「ゴブリン!?彼奴等もこの館で働いてんのか!?」

 

「なんで彼奴等も怪獣宿してんのよ!?いくらなんでもこの数は不利だわ!」

 

『ウオオオオオオオオオオッ!!』

 

妖精メイドとホフゴブリンが襲い掛かってくる。

 

「こんの!」

 

「くそ!やってやるぜ!」

 

霊夢はプラズマ火球をフード口から放ち、妖精メイドに直撃させる。更に、更に溜めて放ったハイ・プラズマを放ってホフゴブリンに直撃させた。妖精メイドやホフゴブリンの軍勢はあっという間に爆発と共に吹き飛ばされた。しかし、妖精メイドが全く減った気がしない。それ所か、妖精メイドやホフゴブリンの中には火球の直撃を免れた者がおり、全身に大火傷を負いながらも起き上がってきた。特に妖精メイドは、損傷部位を瞬時に修復して起き上がって来る。

 

「ちょっ!?私の攻撃力じゃ倒せても全部は無理!ガメラさんに顔向け出来ない!」

 

「『マスタービーム』!」

 

すると、魔理沙がミニ八掛炉から電光と魔力の混合熱線を放って、妖精メイド達を一撃で倒していく。

 

「霊夢!先に行け!」

 

「でも魔理沙だけじゃ!」

 

霊夢の言う通り、魔理沙の熱線は妖精メイド達を一撃で倒したが、それでも数はさほど減っておらず、生き残った個体は体の損傷した部位を瞬時に復元した。しかし、肩を損傷した妖精メイドのみが、修復出来なくなっている。霊夢や魔理沙も其処は見逃さなかったが、数が多くてこのままではじり貧であった。

 

すると、突然天井から目のような形の穴が開き、其処から二人の少女達が落ちてきた。

 

一人目は猫の耳を生やし、二つの猫の尻尾を生やす化け猫少女だった。その体は黄金の鎧と赤のスク水を纏い、右手にはナイフを握り締めて、左手には宇宙のどんな物質よりも硬いとされる鉤爪を装着しており、胸元には緑のクリスタルを身に付けていた。もう一人は九つの尻尾を生やし、頭に二本の尖りがある帽子を被る九尾の狐を擬人化したような少女だ。服装は小さな化け猫の少女と変わらない。しかし纏う雰囲気は、霊夢や魔理沙、化け猫の少女よりも、圧倒的に格が違う。

 

「紫様と藍様の命で、二人を助太刀しますぅ!『スペシウム光線』!」

 

「橙と私が紫様の命で助太刀する!博麗の巫女よ!先に行け!」

 

「紫が!?有り難いわ!魔理沙をお願い!」

 

「霊夢!頑張れよ!」

 

霊夢は藍と橙に魔理沙を任せて、空中へ飛んで妖精メイドやホフゴブリンの大群の隙間を潜る。途中でホフゴブリンのβ軍から狙撃されそうになるが、霊夢は背中の甲羅にある本来なら足を出す部分から火炎を放出し、ジェットのように加速する。扉を破壊しながら霊夢は突き進んでいく。

 

橙が宿した怪獣の記憶にある吸収したウルトラマンの技、『スペシウム光線』を放つ。妖精メイドの上半身のみを狙い、直撃させる。光線は妖精メイドの肩を貫通し、更に背後に居た妖精メイド達の肩や腹、頭を貫通する。

 

「お前らが援護してくれるのか!有り難いぜ!」

 

「気を付けろ!妖精メイドはインペライザーを纏ってる!肩を損傷させれば自己修復を止められるぞ!ホフゴブリンは恐らく、レギオノイドと呼ばれるロボット怪獣を纏ってる!インペライザー程ではないが、性能は高いぞ!」

 

「おう!確か、藍と橙だっけか?有り難い援護に感謝するぜ!」

 

魔理沙は再びマスタービームを放ち、ホフゴブリン達を撃ち抜いた。ホフゴブリン達が魔理沙に向かって眼からレギオビームを放ち、魔理沙に直撃させる。魔理沙は全身にシールドを張り、ホフゴブリン達のビーム攻撃を受けても無傷で済ませた。

 

魔理沙、藍、橙が妖精メイド達やホフゴブリン達を足止めする間に、霊夢はある人間と相対した。

 

──────────────────────

 

「紅魔館へようこそ。博麗の巫女」

 

「アンタ、人間?」

 

「はい。私の名前は『十六夜咲夜』です。この紅魔館のメイド長を勤めております。そして貴女が此処まで来られたという事は、どうやら妖精メイドやホフゴブリンの軍勢を振り切ったようですね。彼等の軍勢は、そう易々と突破出来るものではないのですが、流石ですわ」

 

霊夢は広い部屋に出て、其処で一人のメイドと相対した。白銀のショートヘアに短いスカートのメイド服を着たメイドの少女だ。一目見れば、誰もが惚れるような容姿をしている。

 

「アンタも怪獣を宿してるのね?」

 

「御察しの通りで」

 

「という事は、アンタのご主人様も?」

 

「ご明察で御座います。お嬢様、妹様、そして御友人様に御友人様の使い魔も、同じく怪獣を宿されております」

 

霊夢は、目の前に現れたメイドがただの人間ではない事を見抜いていた。

 

「じゃあ、其処を通して・・・くれないわよね」

 

すると、突然メイドの少女が姿を消した。

 

「お嬢様はお会いになられません。代わりに私が──」

 

霊夢はその場でしゃがむ。彼女の頭の上を、黄金の竜の首が通過した。竜の口がガチンッ!と音を立てて閉じた所を見ると、霊夢の頭部を喰らおうとしていたのだろう。

 

「───侵入者をお相手するよう申し使っております」

 

霊夢は空中へ跳んで、背後に居る存在が何者かを見つめた。其処には先程のメイドの少女───咲夜が居たのだが、姿が変化していた。

 

背中には機械で出来た竜の翼を生やし、胴体にはメカメカしい銀の鎧を纏っていた。頭部には竜の頭部を模した銀の兜を纏い、四肢にも銀の甲冑を身に付けていた。肩から二つの黄金の竜の首を生やし、その内の一体は霊夢が先程まで居た場所に向かって伸びているが、今は咲夜の元へ戻っていた。

 

「・・・ガメラさん。もう少し力を使わせてもらうわよ!」

 

「ガメラ・・・成る程。博麗の巫女に星の守護神とは、中々良い組み合わせですね」

 

咲夜は両手の指を全て使い、複数のナイフを五本の指で摘まんで持った。更に、咲夜の肩から生えた二体の竜の首が、『ピロロロロ』と鳴き声を上げた。

 

霊夢対咲夜の対決が、今に始まろうとしていた。




何時から原作通りの展開になると予想した?残念、咲夜さんを早く出しまーす。ホフゴブリンもです。

妖精メイド:インペライザー

ホフゴブリン:レギオノイド(陸戦型α&宇宙戦型β)

それにしても、妖精メイドとホフゴブリンが変身してるとはいえ、大量のレギオノイドとインペライザーに囲まれるって、何の悪夢ですかね?まあ、ホフゴブリンの宿したレギオノイドがマーク2でなかった事が、救いですかね。
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