後、改めて男と女での怪獣を纏った形態の違いを此処に。
女の場合:第二形態は怪獣娘形態。宿した怪獣の姿を擬人化したような服装又は鎧を着た姿となる。
男の場合:第二形態は怪獣装甲形態。宿した怪獣の姿を擬人化したような全身装甲を纏った姿となる。
霖之助は光の中に居た。白く、しかし眩しくなく、優しく包まれる光の中。
「此処は・・・?」
「霖之助?」
隣から声がした。其処には、グエバッサーを纏った怪獣娘形態となった朱鷺子の姿があった。
「朱鷺子?君もなんで?」
「いやぁ霖之助に光が迫ってたから、霖之助が襲われたと思っちゃったしね。助けに来たら、変な所に出ちゃったって訳」
「成る程ね。でも、誰かが僕を呼んでいたんだ」
「誰かが?」
『君を呼んだのは私だ。朱鷺子だったかな?君まで巻き込んでしまった事は本当に申し訳ない』
すると、目の前に一人の人物が姿を現した。朱鷺子は、グエバッサーの記憶から目の前に現れた者が何者なのか理解した。
「ウルトラマン!?でも、ロッソやブルとは違うんだね・・・ブルみたいに青いけど、途中から紫になって風を操ったりしないの?」
『ロッソとブルを知っているのか?ゼロから聞いていた、怪獣を纏う者達かね?』
「そうだけど・・・アンタ、ウルトラマンなの?」
『その通りだ。私はウルトラマンヒカリ。この星に存在する幻想郷の調査に来た者だ』
「ウルトラマン・・・貴男が時々噂に聞いていたウルトラマンですか」
「じゃああのロッソとブルも、アンタの星から来たの?」
『いや、彼等とは別次元の出身だ。私も別の宇宙から此処まで来るのに苦労した』
ヒカリの話を聞いていた霖之助と朱鷺子。にわかには信じがたい話だが、この幻想郷には様々な世界の怪獣又はモンスターを纏った者が多い。別の宇宙が存在しても可笑しくなかった。
『出来れば私がこの幻想郷に来た目的を説明したいが、今はそんな時間は無い。今は、ウルトラマンダイナが闘っていたというスフィア達の殲滅が優先だ。しかし、私達ウルトラマンは地球では三分間しか本来の姿で闘えない。それを過ぎれば、私達ウルトラマンは活動を停止してしまう。それを防ぐ為に、霖之助、君に力を貸して欲しい』
「ふむ・・・つまり、僕の体に憑依したいと言う事ですか?」
『その通りだ。だが強制するつもりは無い。君の意志次第だ』
霖之助は悩む。いや、悩まなくても既に意志は決まっていた。スフィア達は厄介だ。話を聞く限り、あのメカゴジラに取り憑かれたら大変な事になる。
それに、自分も幻想郷を愛している。そんな世界が危険に迫っているなら、自分も闘おう。
「ヒカリさん。僕が貴男を宿します。僕も並の妖怪や人間より強い自信があります。是非使ってください」
『っ!ありがとう!』
「おおっ!?霖之助がウルトラマンを!?成美みたいな偽物じゃなくて、本物を宿すなんてやるじゃん!」
朱鷺子は目を輝かせた。グエバッサーの記憶からではなく、自分自身の目で見る事が出来るなんて思わなかったからだ。
「ありがとう朱鷺子。でもヒカリさん、僕は何をすれば良いですか?」
『此れを受け取ってくれ』
ヒカリは霖之助に向かって手を翳す。すると、霖之助の右腕の手首が光輝き、一つの腕輪の形をしたアイテムが填め込まれた。青い球体が宿るアイテムだ。
『それは───』
「ナイトブレス。ヒカリさんに変身出来るアイテムであり、ヒカリさんの力を増幅させる能力があります。此れでヒカリさんの技を多く発動させる役割があります。そして、内部に入っている短剣ナイトブレードは変身前の護身用武器として使えて、此をナイトブレスに差し込む事で変身出来ます」
能力でブレスレットの名前と用途を理解した霖之助。使い方は解らない筈だが、自身の道具の知識と道具の形、そして商人としての経験から大方予想出来た。
「へぇ。ホントにロッソやブルと違うんだね」
『成る程。この幻想郷の住人は、何かしら能力を持っているのか。君も同じようだな。私のナイトブレスの使い方を知るとは流石だ』
霖之助が能力を使った所を見て、幻想郷の住人が何かしら能力を持ってる事を理解するヒカリ。
「いえ。使い方は解りませんよ。ですが、用途が解った事と、道具を扱ってきた経験から、大方予想は付きますので」
『それは凄いな。では霖之助。改めて私に力を貸してくれないか?』
「はい」
霖之助は、ナイトブレスに差し込まれて居るナイトブレードを抜き、再びナイトブレスに差し込んだ。
その瞬間、ナイトブレスレットから強い光が溢れ出て、霖之助の体を包み込む。
『さあ行こう!霖之助!』
「はい!ヒカリさん!」
「霖之助!私もサポートするよ!」
そして、ヒカリと霖之助の体が一つに重なり、朱鷺子も眩い光に包まれて行った。
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そして、現実時間に戻る。霖之助が赤い光の球体に包まれ、朱鷺子が助けに入った時から、五秒しか経過していない。
「『ダイヤモンドミサイル』!」
チルノが肩のバックパックユニットからミサイルを放つ。ダイヤモンドのように輝く氷のミサイルだ。
上空を舞うスフィアの大群にミサイル群が当たり、大爆発を起こした後に冷気が広がり、周囲のスフィアを凍結させていく。更に空気をも凍らせている為、空を飛んでるチルノや文の足場も出来上がる。
「やりますねチルノさん!」
文はスパイクの効いた両肩のパルス抗から電磁ビームを放ち、スフィアに当てて爆発させる。更に、アリゲラと自身の速さ、更に風を纏った推進力にてスフィアの大群をぶつかる事無く通り過ぎる事で衝撃波を発生させて、スフィア達をバラバラにしていく。
すると二人は、霖之助と朱鷺子が居る筈の地面から強い光が放たれるのを見た。二人はあまりの眩しさに目を片手で防ぐ。
そして、二人は光が弱まった後にその姿を見た。
「おー?あれは何だ!?」
「ウルトラマン!?メビウスと違うのかしら?」
文はその姿を見て、ウルトラマンである事を理解した。但し、ヒカリを知らない為か記憶にあるメビウスとは違う存在であると理解した。
『行こう!霖之助!』
『はい!ヒカリさん!』
ヒカリが自身の中に居る霖之助に語り掛ける。
「うひゃああっ!大きくなったね霖之助!」
朱鷺子はヒカリの傍で羽ばたきながら、率直な感想を述べた。そしてウルトラマンを生で見れた事に興奮していた。
「霖之助!ヒカリ!私が援護するから!」
『感謝する!』
『朱鷺子、何時も助かるよ』
「だって私は、霖之助のお姉ちゃんだからね!」
朱鷺子が胸を張る。腕で羽ばたいてないが、元からある背中の翼で羽ばたいて居る為、落下する事は無い。
霖之助の姉と名乗る朱鷺子。見た目では解らないが、実は朱鷺子の方が霖之助より年上なのだ。人生経験は霖之助が上だが、年齢自体は朱鷺子が上だ。
そして、ヒカリを目前にして空中で止まるスフィア達。彼等は表情こそ無いが、ウルトラマンが現れて驚いているのは霖之助にも理解出来た。
そして、ヒカリが走り出した。朱鷺子もヒカリに続くように、背中と腕の翼をはためかせて空を飛び始めた。