東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第85話

ヒカリが走り出す。掌から光弾を放ち、スフィアを撃ち落としていく。スフィアの大群が上空へ逃げようとするが、其処へスフィアの逃げた先へ回り込んだ朱鷺子が両腕を羽ばたかせた後、そのまま隼の如くスフィアの大群へ突っ込んでいく。

 

「『ソニックバッサー』!」

 

朱鷺子はスフィアの大群を貫通しながら急降下した後、地面に落ちるギリギリのタイミングで体を起こし、空中を再び滑空する。

 

そして、スフィアの大群は朱鷺子の体当たりによってバラバラになり、風と衝撃波によって大群は地面に叩き付けられ、更に暴風と衝撃波によって陥没し続ける地面に押し付け続けられた末に、スフィアの大群は一斉に大爆発を起こして消滅した。

 

そして、ヒカリも負けては居ない。ヒカリは地面から跳んだ後に空を飛び始め、右腕のナイトブレスから青白い稲妻を放つ光の剣『ナイトビームブレード』を展開して、其処からスフィアの大群を次々と切り裂いていく。

 

『霖之助!着いて来れるか!?』

 

『大丈夫です!』

 

『なら安心だ!』

 

「私も援護してるから、ね!『バサバサバッサー』!」

 

朱鷺子は背中と両腕の翼を強く羽ばたかせ、暴風を引き起こした。スフィアの大群が吹き飛ばされたが、此処で暴風から逃れたスフィアが四体、とうとう地面で寝転がっているメカゴジラに到達してしまう。

 

『しまった!』

 

「させないよ!『バサバサフェザーシュート』!」

 

ヒカリが右腕のナイトブレスを前に、左腕を後ろにして十字を組み、必殺光線『ナイトシュート』を放つ。更に朱鷺子は、起爆性のある羽を背中と両腕の翼からミサイルのように放った。光線と羽のミサイルがメカゴジラに命中する寸前まで来た瞬間、メカゴジラの目が赤く光る。そして、機械音と怪物の咆哮がメカゴジラの開いた口から響いた。その瞬間、赤い衝撃波がメカゴジラの全身から放たれた。光線や羽のミサイルは全て吹き飛ばされて、ヒカリや朱鷺子も衝撃波に吹き飛ばされた。

 

そして、残ったスフィアの大群もメカゴジラに憑依し始める。文とチルノはスフィア達に攻撃を続けるが、全てを殲滅出来ず、合計十二体のスフィアがメカゴジラに憑依した。

 

「あやや・・・全滅出来ませんでしたか・・・」

 

「なら、アタイがぶっ倒してやるぞ!『3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ)』!」

 

チルノが胸部の装甲を開いて砲口を展開してエネルギーを溜め続けた後、砲口から青白く冷気を纏った光弾を放った。万物を凍結させる絶対零度の光弾。光弾が通り過ぎた空気は一瞬にして凍っていき、地面も凍っていく。そして、メカゴジラの片腕に直撃した。右腕はあっという間に凍結し、メカゴジラの右腕は砂のように崩れ落ちた。

 

しかし、メカゴジラの右腕が再生した。スフィアが新たに右腕を再生させたのだ。

 

「嘘・・・だろ!?アタイと機龍のさいきょーの技が効かない!?」

 

「いいえ、効いてますよ!再生能力があるのは予想外でしたが、もし全身を凍結させれば行ける筈です!」

 

「よし・・・ウヴッ!?」

 

チルノは目眩に襲われる。チルノが放った技は、機龍のエネルギーの四十%を使う技だ。スフィア達と闘い続けたチルノは、自身の力と機龍のエネルギーをかなり使っている。機龍の凍結光弾とチルノの全力冷凍能力。二つを合わせる事で放つ凍結光線は、絶対の一撃必殺である。しかし、それ故にエネルギーは八十%消費してしまう。

 

「チルノさん!?」

 

「目が・・・回る・・・」

 

「・・・分かりました。少し休んでてください!」

 

「・・・うん」

 

文はチルノを担ぐ。チルノは通常形態に戻り、眠りに入る。

 

「・・・ふふっ。可愛い寝顔ですね。チルノさんは、私が命に変えても護りますからね。大妖精さん、チルノさんを安全な場所にお願いします」

 

文はチルノの頬を撫でた。その可愛い寝顔を見た文は、近くの木陰に居た大妖精に声を掛けた。大妖精はチルノの肩を担いだ。

 

「任せてください文さん」

 

「お願いします」

 

大妖精はチルノを抱えたまま真っ直ぐ飛んでいき、霧の湖に向かっていく。

 

「チルノちゃん。文さんはチルノちゃんが復活するのを待ってるんだよ。チルノちゃんなら、あのおっきな化け物を倒せるって信じてる」

 

大妖精はチルノを抱えながら、片手でチルノの頭を撫でる。

 

「チルノちゃん。だからこそ今は、ゆっくり休んで」

 

そして、霧の湖にあるチルノの家に着いた大妖精。大妖精はチルノを畳に寝かせて、傍に寄り添う。

 

すると、チルノの家に一人の来客が訪れた。

 

「チルノさんですね?貴女に、助力をしに来ました」

 

ナイスバディなシスターである。

 

「どちら様ですか?」

 

「冴月寅と申します。麟の姉です。今は、チルノさんの助力に参りました」

 

──────────────────────

 

その頃、メカゴジラは走り出して四本の指で構成された手を回転させながら振り下ろした。ヒカリはナイトビームブレードで防ごうとするが、背部ブースターからジェット噴射を行って迫ってきたメカゴジラの振り下ろす拳に押され、更に拳から放たれる青いエネルギーによって吹き飛ばされてしまう。

 

『グアッ!』

 

「霖之助!」

 

朱鷺子が前に出て竜巻を巻き起こす。ビル群すら吹き飛ばす竜巻だが、メカゴジラは口を開けて赤い大口径ビーム砲から、赤いビームを放つ。ビームは竜巻を意図も容易く貫通し、朱鷺子に迫る。朱鷺子はビームを避けるが、メカゴジラは朱鷺子を追うようにビームを向ける。朱鷺子は四つの翼をはためかせて速度を上げる。ビームは複数の山を切断し、大地を割る。

 

「私も忘れないでください!」

 

文はメカゴジラの足を翼で斬り、更にその周辺を飛び回る。幻想郷最速を誇る文の速度に、流石のメカゴジラも目で追えなかった。

 

しかし、メカゴジラは両腕に十基、脚部に十二基備えた展開式のミサイルランチャーから、ミサイルを放った。しかし、文を狙ったのではない。ミサイルをぶつけ合い、空中で爆発させる。そして、爆発の中から翼が焼かれて落下した文が姿を現す。ミサイルの爆発に巻き込ませる事で文を攻撃したのだ。

 

文は立ち上がろうとしたが、再びメカゴジラが脚部のミサイルランチャーから再びミサイルを放つ。今までの文なら避けられたが、爆発に巻き込まれた事でアリゲラの翼と自分の翼を焼かれ、その上両足が炎熱により焼かれていた。

 

ミサイルは文に迫るが、ヒカリが文を庇うように現れてしゃがみ、背中でミサイルを受ける。

 

『グアアッ!!』

 

『ヒカリさん・・・ぐああっ!!』

 

霖之助もヒカリと同じくダメージを負っていた。

 

メカゴジラは足を上げて、ヒカリを踏み潰そうとした。

 

しかし、朱鷺子が『バサバサフェザーシュート』を放ち、メカゴジラの脚部を攻撃した。羽のミサイルは脚部に命中し爆発を起こすが、焦げ目も再生してすぐに元に戻る。

 

メカゴジラの片腕からミサイルが放たれ、朱鷺子は風でミサイルを反らすが爆発により吹き飛ばされてしまう。

 

メカゴジラは再びヒカリに向き直り、口からビームを再び放とうとした。しかし、メカゴジラの体に無数の斬撃が直撃し、更には鞭による攻撃が当たり、そして無数の光弾がメカゴジラの頭部に命中する。

 

『何だ此は?』

 

『モルド姉上、今は奴の撃破に集中しましょう』

 

『ギナ姉上の仰る通りです!』

 

モルド、ギナ、ジュダのグア三兄弟が本来の姿になって現れた。

 

『エタルガー。再びその姿になって現れたか』

 

『俺は貴様等の事はどうでも良い。だがあの機械は目障りだ』

 

本来の姿に戻ったスランとエル。

 

「皆さん!大丈夫ですか!?」

 

「援護に来たわ!私と妖夢ちゃんが先ね!」

 

それぞれ怪獣娘形態となった妖夢と鈴仙。侍姿の妖夢と、肌を多く露出したエッチな兎のコスプレ服を纏った鈴仙。妖夢は二本の刀を両手に持ち、一本を口に咥えて三刀流の構えになっていた。鈴仙は兎耳を着けたスピーカー型の銃を二丁も、両手に持っている。

 

そして、ギザギザの甲羅を背負ったフードを被る霊夢と、鋭い背鰭を背に生やしながら箒に乗る魔理沙の姿もあった。

 

「何よあれ!?」

 

「フィリウスそっくりだが、なんか違うな?ありゃ、機械か?」

 

そして、その様子を見たメカゴジラは再び咆哮を上げる。彼等を倒す為に、メカゴジラは再び走り出した。




新技集

『ソニックバッサー』
使用者:朱鷺子
真上から隼のように急降下して、体当たりによる貫通と、それによって生じる暴風と衝撃波による範囲攻撃によって、敵の集団を一掃する。

『バサバサバッサー』
使用者:朱鷺子
グエバッサーの『バサバッサー』の上位互換。背中と両腕の翼を使って超強力な羽ばたきを行い、風速810メートルの暴風を引き起こす。

『バサバサフェザーシュート』
使用者:朱鷺子
グエバッサーの持つ『バサフェザーシュート』の上位互換。背中と両腕の翼から起爆性のある羽をミサイルのように放つ。

オリジナル怪獣

名前:メカゴジラ・スフィア
別名:バイオ合成獣
体長:244メートル
体重:50万トン
モンスターバースのメカゴジラとスフィアが融合する事で誕生したスフィア合成獣。元のメカゴジラの二倍の大きさを持っており、スフィアのような体表を持ち、背鰭は無数の触手となっている。
元の武装のままだが、背中の無数の触手状の背鰭で捕らえた相手からエネルギーを吸い取れる。また、ギドラ(サン)の持つ再生能力も蘇っており、どれだけ損傷を与えてもすぐに再生する。
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