東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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メカゴジラ戦は、後二話で終わります。


第87話

映姫は小町と共に、幻想郷の地へと足を踏み入れた。訪れたのはマヨヒガ。其処で紫や藍、隠岐奈と合流し、博麗大結界を突破したスフィア達の様子を見ていた。そして、霊夢達が闘っているスフィアが取り憑いたメカゴジラの事も。

 

「怨霊異変の影響により花が咲き誇ったかと思えば、こうも容易く博麗大結界が突破されるとは」

 

紫にとっても予想外の出来事だ。博麗大結界は易々と突破されるような作りではない。結界から出る方法としては、空から宇宙へ出るという荒療治しか無い。しかし、入るとなるとそうは行かない。

 

「何故だ?エルにそんな動きは見られないが」

 

隠岐奈はエルを疑ったが、彼女にはそんな雰囲気が見られない。エルが攻めてきた時、エルは時空を超える事で博麗大結界を突破した。しかし、そのエルを軽く倒したメフィラス星人に関しては別だ。奴はどうやって幻想郷に入ってきたのだろうか?

 

「奴は言ってたわね。ルーミアを依代にすると。それでエンペラ星人を蘇らせるって」

 

「おい紫。私としては、ルーミアを抹殺するのを提案するぞ。そうすれば、エンペラ星人復活を目論む異星人達の企みを阻止出来る」

 

「・・・それはそうなのだけど」

 

紫は隠岐奈の提案をすぐに呑めなかった。幻想郷を守る為ならどんな事でも出来る紫だが、ルーミアも幻想郷の仲間だ。それに、メフィラス星人はこう言って居た。

 

『依代を殺しても意味は無い』と。

 

「殺しても意味は無いと、メフィラス星人は言ってたわ。もしルーミアを殺したとしても、魂や宿したガタノゾーアを使ってエンペラ星人を復活させようとしてるんじゃない?」

 

「そうだったのか。なら今、我々に出来るのは侵略者の宇宙人達にどう立ち向かうか、だな」

 

「今の私達では、戦力があまりにも足りません。ザ・キングダムが助力してくれるようですが、それでも幻想郷側にはまだ力が足りてません。時々異変もありますし、博麗の巫女だけに負担を掛けさせる訳には行きません」

 

「四季様の言う通りですねぇ。あたい等も幻想郷が侵略されるのはごめんですしね」

 

とはいえ、侵略する宇宙人達が博麗大結界を易々と突破する方法を持ってるならば、此方も何時でも迎え撃つ事が出来るよう準備しなくてはならない。

 

「藍、貴女は地下に出向いて力のある妖怪達に声を掛けて」

 

「畏まりました」

 

「隠岐奈は人里の守りをより強くして頂戴」

 

「任せろ」

 

「映姫は、冥界の死者の中でも特に闘う力に特化した人妖に声を掛けて。死者を使うのは本来ルール違反なのだけど、侵略者達が相手なら、倫理を守ってられないわ」

 

「分かりました。他の閻魔達にも声を掛けます。小町、貴女は他の死神達に声を掛けなさい。戦争に備えるよう全ての死神に忠告してください」

 

「へ、へーい」

 

こうしてその場は解散する。そして、メカゴジラとの闘いは、激しくなっていた。

 

──────────────────────

 

『ぬぅおっ!』

 

『ハアッ!!』

 

モルドが走り出してバットアックスを振り下ろして、回転する斬撃を繰り出した。メカゴジラはモルドのバットアックスを見た瞬間、斧を持つモルドに向かって走り出した。メカゴジラの身体に斬撃が直撃して爆発するが、金属の表面が剥がれただけであった。更に、ジュダが三日月型の斬撃をバットキャリバーを振り下ろして放った。斬撃がメカゴジラの目の前まで迫るが、メカゴジラの脚部にあるミサイルランチャーから放たれたミサイルの大群に当たり、相殺される。そして、背部ブースターからジェット噴射して加速したメカゴジラは、足でモルドを蹴り飛ばし、青いエネルギーを放ってモルドを追撃する。

 

『モルド姉上!』

 

ギナはバットウィップでメカゴジラの足を捕らえ、引っ張ってメカゴジラをうつ伏せに転倒させようとする。しかし、メカゴジラの尻尾がギナに迫る。ギナは片手で尻尾の先端の付け根を掴むが、力が足りずに体ごと押されてしまう。

 

『ぐぅぅ・・・』

 

『ギナ姉上!』

 

『全くそれでも貴様等は伝説のグア三兄弟か!』

 

『手厳しいなエル!』

 

ジュダがメカゴジラの尻尾を斬って弾き飛ばし、エルがメカゴジラの尻尾を掴んで、そのままメカゴジラを背負い投げの要領で投げ飛ばした。メカゴジラは背中から叩き付けられたが、エルを足で蹴り飛ばした。エルは背中から地面に倒れる。更に、スランが高速移動でメカゴジラを囲み、更に時折高速で移動しながらメカゴジラの体を爪で斬り続ける。メカゴジラはスランの高速移動を見切れないのか、四つの指で構成された拳で殴るが、スランには当たらない。

 

『霖之助!』

 

『はい!』

 

ヒカリがメカゴジラの頭に向かって『ナイトシュート』を放つ。しかし、ナイトシュートはメカゴジラの頭に当たらず、メカゴジラはヒカリに狙いを定める。

 

「よっしゃ今だ!『マスタービーム』!」

 

魔理沙はミニ八卦炉に背鰭から放った電光を集束させてエネルギーを溜め、更に魔力を込めて、青白い熱線を放った。しかし、メカゴジラは魔理沙へ顔を向けて口を開けて、口内の赤い大口径ビーム砲からビームを放つ。ビームは魔理沙の熱線に当たるが、一瞬にして魔理沙の熱線を掻き消して、魔理沙のミニ八卦炉を貫通して塵に変えてしまう。魔理沙はギリギリで避けられたが、ミニ八卦炉を失って顔面蒼白。

 

『霊夢様!』

 

「分かってるわ!ユウコはあのデカブツをお願い!」

 

『了解しました!』

 

ユウコが背中と両足からジェットを噴射して空を滑空し、メカゴジラの頭部に回り込む。

 

「『ビームキャノン』!」

 

ユウコは両手を砲塔に変形させて、砲口から青白いレーザーを放つ。レーザーはメカゴジラの頭部に直撃するが、焦げるだけで大したダメージにはならない。メカゴジラもユウコに気付き、尻尾を四枚の刃で構成したドリル状に変形させて、ユウコを突き刺そうと尻尾をユウコに向けて突き放つ。しかし、ユウコは尻尾を紙一重で避けた後にメカゴジラの頭部に向かって飛び、両足を一つにしてジェット噴射装置を形成した後にメカゴジラの頭をそのまま蹴る。更に、蹴る瞬間に、ジェットを噴射する事でメカゴジラの頭を下に下げる。

 

「『パワースタンプ』!」

 

ユウコは先程のジェット噴射で空中で回転した勢いで、そのまま両足で踏みつけた。その際、両足の装置を衝撃発生装置に変化させる。メカゴジラはユウコのパワースタンプによって、地面に頭から叩き付けられた。

 

『ハッ!』

 

エルは全身から赤い光弾の雨を降らし、メカゴジラを攻撃する。

 

更に、ヒカリが光剣でメカゴジラの尻尾攻撃を弾き、牽制する。

 

『グォオオオオオッ!!』

 

しかし、メカゴジラは背中に生える無数の触手でグア三姉妹、エル、スラン、ヒカリを捕らえた。そして、そのまま触手で六人からエネルギーを吸い取って行く。

 

『グヌゥゥッ!力が、力が抜けていく・・・』

 

『姉上ェ・・・ジュダァ・・・』

 

『おのれぇぇ・・・モルド姉上とギナ姉上に触れるなぁ・・・』

 

『くそぉぉ・・・!』

 

『おのれ機械の分際でぇ・・・』

 

『このままでは・・・私のエネルギーが尽きてしまう』

 

其処へ、魔理沙を避難させた霊夢とユウコ、そしてモルド達を救いに来た文がメカゴジラの背中へ回り込み、それぞれ攻撃を仕掛けようとした。霊夢は札を投げようとし、ユウコは両手を合わせて巨大なキャノン砲を形成し、文は扇子に電磁力を込めた。しかし、背中の触手が霊夢とユウコ、文を捕らえる。そして、三人からもエネルギーを吸い取って行く。

 

そして、ヒカリのカラータイマーが赤く点滅し始めた。三分にはまだ速い。エネルギーが切れそうになっているからだ。

 

「しまった!ち、力が抜ける・・・そんな・・・」

 

『霊夢様・・・私が・・・助け・・・ま・・・』

 

「此れでは・・・チルノさん・・・」

 

三人も力を吸い取られて行き、力を失っていく。

 

しかし、此処で思わぬ援軍が入る。

 

「『3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ)』!!」

 

それは、メカゴジラの背中に直撃し、爆発と共に爆炎すらも凍らせていく。メカゴジラの背部が凍り、砂のように崩れ落ちた。

 

触手も地面に落ちて、触手に捕まった者達は解放される。

 

「アタイが来た!!」

 

それは、怪獣娘形態に戻ったチルノだった。

 

「チルノさん!」

 

文が涙目になる。

 

「皆、アタイがあの機龍モドキをやっつけてやる!行くぞおおおお!!」

 

チルノの全身が光輝き、軈てメカゴジラ程でなくても巨大な機械のゴジラに姿を変える。それは、メカゴジラによく似た姿だが、両肩にバックパックランチャーを搭載し、両手にレールガンを搭載した機械の怪獣。その姿こそ正に、チルノが宿した『3式機龍』であった。

 

『行くぞ!!アタイと機龍はサイキョーだ!!』

 

そして、機龍は走り出す。その姿は正に、幻想郷を護る守護神の様であった。

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