東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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異変解決が、何も原作通りとは限りませんよ?


第9話

「い、妹様!落ち着いてくださいー!」

 

「こあ!下がってなさい!貴女はレミィにこの事を伝えて!」

 

紅魔館の大図書館にて、図書館を管理する魔女のパチュリー・ノーレッジと、彼女の使い魔である小悪魔が、ある存在を押さえていた。

 

小悪魔は足元に展開した黒い穴『ダーク・ゾーン』から別の場所へ転移した。その間に、パチュリーがある存在に攻撃を行う。

 

「『水の精霊よ!』」

 

パチュリーは本を開いて魔法を発動させ、その者の動きを封じようとする。

 

魔法で生み出した水の結界は常に動き続けている為、流水の結界となっている。本来ならば流水の結界は突破出来ない物ではないのだが、目の前の少女にとっては越えられない壁となっていた。

 

「・・・ゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

その少女が、普通の吸血鬼ならの話だが。

 

その少女は金髪ボブヘアーで、レミリアと同じ帽子を被り、赤い上着とスカートを身に付けていた。背中の羽は蝙蝠の羽ではなく、宝石のような形状をしていた。しかし、彼女も怪獣を宿しており、その力で暴走していた。異形の羽とは別に、もう一つの羽も生やしており、悪魔のような蝙蝠の羽であった。更に、服も悪魔のような禍々しいゴスロリ服へ変異する。額には金色の角を生やし、長い尻尾を腰に生やしている。その姿は正に、悪魔のようであった。

 

少女は流水の結界を突破した。パチュリーは宿した怪獣『氷の美女ニーナ』の力を解放し、超能力と魔法を同時に使用する。

 

「フラン!落ち着いて!」

 

念力と魔法の鎖でフランと呼んだ少女を拘束するが、フランは咆哮を上げて全身に力を入れる。それだけで鎖と念力を振りほどいた。

 

「駄目だわ・・・私じゃ抑えられない!なんなのよフランの宿した()()()()()の力は!?フランの部屋に張り巡らせた何百もの防衛術式を突破するなんて!」

 

フランが尻尾を伸ばしてパチュリーを拘束しようとするが、パチュリーはその場から別の場所へ瞬間移動した。レミリアの元へ転移したかったのだが、フランの力の奔流の影響でレミリアの居る玉座の間に通じる廊下へ転移してしまった。

 

「・・・もう、レミィと相談するしか無いわ。この霧よりも、フランを止める方が優先よ。なら、博麗の巫女と手を組まなくては!」

 

パチュリーは廊下を走る。ニーナの力と肉体能力を宿した頃から、弱点である喘息と肉体能力の低さを克服出来た。しかし、それでも並みの人間と同じになっただけで、かなり走ればすぐに疲れてしまう。

 

(フフフッ・・・体を動かすのって楽しいわね。本格的に運動でもしようかしらって、そんな呑気な事言ってる場合じゃないわ!)

 

パチュリーは持てる全力を持って走り、レミリアの元へ向かう。しかし、現実は上手く行かない。

 

後ろから爆発が起きた。その原因は大体予想が付くのだが、パチュリーは振り返らずに走り続ける。

 

「パチェェェェェ!!キャハハハハハハハ!!」

 

フランの声が背後から響く。どうやって転移した廊下を特定したのか不明だが、今はどうでも良い事だ。

 

「『アグニシャイン』!」

 

パチュリーが本を開いて魔法を唱え、炎の波をフランに向けて放つ。炎はフランに直撃するが、彼女は足を止めて体で炎を受け止める。

 

「今ね!」

 

パチュリーは再び転移して、今度はレミリアの元へ辿り着けた。レミリアの元には小悪魔が辿り着いて居る。

 

「パチェ?どうしたのよ?息が上がってるわよ?」

 

「レミィ!フランが!フランが暴走したわ!」

 

「それはこあから聞いたわ。でも貴女が直接来たって事は、一緒に止めて欲しいのね?」

 

「それは・・・ケホッ!ケホッ!」

 

「パチュリー様!無理を為さるから!」

 

パチュリーが咳き込む。喘息だからではなく、走った疲労によって噎せたからだ。小悪魔が寄り添い、背中を擦る。

 

「・・・ふふっ。ありがとうこあ。でも、運動するのも結構楽しいわね」

 

因みに“こあ”とは、小悪魔への愛称である。小悪魔はとても優秀な使い魔であり、パチュリーにとっても心強い司書である。小悪魔としても、パチュリーは自分にとって母親のような存在であり、()()()()()()()()()()であった。

 

「ならば私が、パチュリー様に小悪魔流ブートキャンプを御教授して───」

 

「それだけはやめてお願いだから!」

 

小悪魔が悪い笑顔になり、パチュリーが顔を真っ青にする。

 

「って、それよりパチェ。フランの件で、他に言いたい事があるのね?一緒に止めるってだけじゃないでしょ?」

 

「・・・そうだったわ。流石はレミィね。レミィ、私なりに考えてみたのだけれど、博麗の巫女と手を組まない?」

 

「博麗の巫女と?」

 

「ええっ。このままじゃ赤い霧が完全に幻想郷を覆う前に、フランが全てを破壊し尽くしてしまうわ。そうなったら私達の生活は勿論、赤い霧の元で幻想郷を支配する私達の計画も、何もかも御仕舞いよ。こうなったら、博麗の巫女と手を組んで、フランを止めるしかないわ」

 

パチュリーの言葉は論理的だ。いざとなれば、最悪霧の事は放棄して、フランの制圧に力を注ぐしかない。

 

「どうするの?レミィ」

 

「・・・解ったわ。パチェに賛成よ。赤い霧を解除するわ。霧で解らないけど、今は夜の時刻よ。吸血鬼が本領を発揮出来る良い時間だわ。それに、私は親友のパチェが傍に居なきゃ、この先も生きていける自信が無いわ」

 

「も、もう・・・レミィの馬鹿」

 

レミリアの言葉に顔を赤くするパチェ。レミリアの言葉には二重の意味がある。一つは、宿した怪獣の力はパチェの力が必要不可欠である事。もう一つは、レミリアにはパチュリーが必要だという意味であった。

 

小悪魔は横でニヤニヤしている。

 

「さあ、博麗の巫女の元へ行くわよ。今頃妖精メイドとホフゴブリンの軍勢を突破して、咲夜と戦ってるわ」

 

「ええっ。それと、こあ。貴女は妖精メイドやホフゴブリンの避難を優先して。博麗の巫女以外の侵入者にも、事の重要性を伝えて頂戴」

 

「畏まりました!パチュリー様!」

 

こうして、レミリアとパチュリーは共に動き出す。小悪魔はダーク・ゾーンを展開して、その中へ入っていく。

 

フランの元へ行きたいが、先ずは博麗の巫女と協力関係を結ばなくてはならない。レミリアとパチュリーは足元に展開した魔法陣に乗って、その場から転移した。




氷の美女ニーナ。生きてる限りエラーガに力を与えて無限に進化させられる以上、力は限りが無いと思います。人類に考える力と物を創る力を与えたというのも、伊達じゃない事が原作での描写から見ても納得です。防御力が普通の人間レベルなだけで、その力は怪獣に分類出来るレベルだと思います。

火符と付けなかった理由?スペルカードルールがこの幻想郷に存在してないからです。なので、この幻想郷の彼女達の弾幕を、原作の霊夢達や普通の人間が食らえば即死です。本気で放ってますから。だから、この紅霧異変が終わった頃に、別の決闘法を展開します。それと、後の異変で出す予定だったあるキャラも出したいと思います。まあ、ウルトラマンシリーズでも黒幕が早く登場した頃がありましたし(例えばジャグラーとか。まあ彼は最後に味方になりましたけど)。
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