東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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此処でカップリングをいくつか達成させたいと思います。

今回達成するカップリングは此方。

レミパチェ:レミリア・スカーレット×パチュリー・ノーレッジ


後日談・その2:レミパチェ

花の異変から数ヶ月後。季節は夏に入ってまだ日が浅い頃である。

 

紅魔館の大図書館。其処で車椅子に乗る一人の少女が、机の上に本を乗せて、ページを開いて読んでいた。最後のページを読み終えた少女──パチュリーは本を閉じた後、机と向き合うように一人の幼い見た目の少女が、自身の顔をニヤニヤと笑いながら見ていた。

 

「やぁパチェ。たまには一緒にお出掛けしない?」

 

「悪いけどデートなら勘弁して。今の季節は夏に入ったばかりだけど、今年の最高気温更新してるわ」

 

「日傘をすれば良いわ。それに私は太陽を克服済みよ。暑さなんて関係無いわ。そ・れ・に」

 

レミリアがパチュリーの背後に回り込み、彼女の脇から手を突っ込んでそのまま胸を鷲掴みにする。

 

「たまには肌を見せなさいよ。パチェは本を読み続けるし車椅子を自力で漕いでるから太らないけど、たまには体を動かしなさい」

 

「親友のおっぱいを揉む奴の台詞じゃないわよね」

 

パチュリーは胸を鷲掴みにするレミリアの手を片手で振りほどく。レミリアは残念そうにした。

 

「柔らかくて張りがあったわ」

 

「『サンダーレイン』」

 

「アババババババッ!!」

 

レミリアに雷が降り注ぐ。雷が収まった後、レミリアの体は即座に再生した。

 

「んもぅ酷いわね♥️パチェの熱い思いはキスで伝えて欲しいのに♥️」

 

「あの変態姫は凄まじい変態だけど、レミィも大概よね」

 

「んもう酷いわ♥️パチェだけよ♥️」

 

「私はそんなに好意をぶつけられて鬱陶しいのだけど?」

 

しかし、レミリアは気付いていた。パチュリーの言葉が空虚な物である事を。そして、パチュリーはレミリアから視線を外してるよう見せかけているが、その瞳はレミリアを追い掛けている事を。

 

「・・・もうパチェったら~♥️」

 

「もう・・・分かったわレミィ。一緒にお散歩に行きましょ」

 

「本当!?」

 

「変な事しないって約束してくれれば」

 

「ふふっ。ふふふふっ。勿論よパチェ」

 

そして、パチュリーは本を本棚に仕舞った後、レミリアに車椅子を押される形で中庭の散歩に出た。

 

中庭は、美鈴がたまに手入れをしており、そのお陰で今も美しい形を保っている。花が咲けば花畑となり、秋には紅葉畑となる。季節毎に変わる景色は、紅魔館の名物と呼べる物だ。

 

そんな中庭を、車椅子に乗るパチュリーと、車椅子を押すレミリアが、日光を浴びながら散歩をしていた。二人は日傘をしてるが、此は吸血鬼だからやってる訳ではなく、単純に熱中症予防の為である。太陽を克服出来ても、高熱の太陽光を浴び続けるのは体に良くないのだ。程好く体に浴びるのが一番なのだ。

 

「本当に暑いわね」

 

「ええっ。吸血鬼にとっては忌々しい晴天ね。でも、日差しを歩くって、こんなに素晴らしい事なのね。フランも日の下を友達と歩けて楽しくしてるわ」

 

「ふふっ。私達が出会ったのも、こんなに日差しの眩しい日だったわね」

 

「本当ね。あの時、貴女は本を手に入れる為に私達を退治しに来たものね」

 

──────────────────────

 

時は遡り、百年前のルーマニアの何処かの土地。日の光が降り注ぎ、夜でさえも暑さが中々収まらない夏の時期。

 

紅魔館に、数人の小悪魔を連れて来た少女が居た。しかし、少女は館に住む吸血鬼に捕まってしまった。少女は魔法の腕に秀でており、使い魔とした小悪魔達も武装しており、吸血鬼を倒す戦力としては申し分無かった。

 

しかし、相手が悪かった。

 

両親が亡くなり、紅魔館当主であるレミリア・スカーレットの実力を嘗めていた。魔法に長けた自分と、人間の武装をさせた小悪魔達が相手にも関わらず、手慣れた戦術で立ち回り、パチュリーを圧倒したのだ。

 

その日のある夜。紅魔館の中庭でレミリアは、パチュリーと小悪魔達を縄で縛り、尋問を行っていた。部屋に入る扉から、フランが尋問の様子を見ていた。

 

尋問とは言ったものの、実際はレミリアによる話し合いだ。

 

『殺しなさい・・・』

 

『そんな事はしないわ。だって貴女、私達と同じで人間に迫害されているのでしょう?』

 

『・・・貴女に言う権利なんて無いわ』

 

『貴女の狙いは解ってるわ。この紅魔館の奥にある大図書館。其処に存在する数多の知識と魔道書ね?』

 

『っ!?』

 

パチュリーは驚愕した。何故其処まで知っているのだろうか?

 

『襲撃なんかしなくても、私が貴女達に差し上げるわ。私にとっては宝の持ち腐れになりかけてたもの。でもその代わり、貴女達もこの紅魔館で一緒に過ごしましょう。妹のフランも一緒にね』

 

『・・・良いのかしら?』

 

『貴女は目的を達成すれば良い。私達の討伐は、私達が本を得るのに邪魔になると思ったから。そうでしょ?』

 

『・・・貴女には敵わないわね』

 

パチュリーは負けを認めた。

 

『私は今のこの紅魔館の主、ツェペシュの末裔であるレミリア・スカーレットよ。この子は妹のフランドール。貴女は?』

 

『・・・私はパチュリー・ノーレッジ。魔法使いよ』

 

『此から宜しくね。パチェ』

 

『・・・なら私もこう言わせて貰うわ。宜しく、レミィ』

 

こうして、紅魔館の主である永遠に幼き紅い月と、後に動かない大図書館と呼ばれる天才魔法使いの少女が出会いを果たす。

 

──────────────────────

 

「・・・パチェが来てくれたお陰で、今までどうするべきか解らなかったフランの力の制御方法が解ったのよ。当時の私とフランは、お互い何処か距離が有ったわ。それを、パチェが引き戻してくれた」

 

レミリアはパチュリーと共に、花壇の花を見つめながら話をしていた。

 

「パチェ。こんな状況で言うのは変かもしれない。けど、貴女と出会えたこの紅魔館。晴れてるけど中庭で伝えたいの」

 

レミリアはそう言った後、ある物を取り出してパチュリーに見せた。

 

「・・・えっ!?レミィ、此ってまさか・・・」

 

「そのまさかよ。スカーレット家に代々伝わる『血の婚約指輪』よ。普通、人間か他の生き物が吸血鬼に血を捧げる事で、吸血鬼に求愛を示すの。でも此は逆よ。吸血鬼が自分の血を流し込んで満たした宝玉を填めた指輪を相手に捧げる事で、その人に対して求愛を示すの」

 

「ええっ、知ってるわ。レミィが明かしてくれたんだもの」

 

「・・・パチェ…―いえ、パチュリー・ノーレッジ♥初めて会ってから、ずっと過ごしていく内に、貴女の事を心の底から愛するようになりました。その体に触れたら気持ち良くて、貴女と毎日話をすると幸せになるの♥そして何より、私はパチェが居ないと生きていけない♥パチェとこの先ずっと幸せに生きていきたい。フランや咲夜、美鈴やこあと同じく大切な家族であり、世界で一番愛する私のパチェ♥どうか私と結婚して妻になってください♥️」

 

レミリアは片膝を地面に着き、指輪を見せる形で詭き、プロポーズを行った。

 

車椅子に座ったパチュリーの正面に立ち、彼女が見えるよう指輪を見せた。

 

「・・・レミィ、本当に私で良いの?//////」

 

「良いのよ♥️」

 

「・・・・//////」

 

(私も・・・勇気を出して!!)

 

パチュリーも、レミリアへの思いを明かした。百年間言えなかった、愛の言葉を。

 

「レミィ・・・私もレミィが好きよ♥️世界で一番、レミリア・スカーレットを心の底から愛しています♥️私を、貴女の妻にしてください♥️」

 

「っ!!じゃあ、パチェ♥️」

 

「結婚……はまだ早い…けど……先ずは……恋人からで良いかしら?レミィ♥️」

 

「ええっ♥!!例え死しても尚、パチェを絶対に離さないし離れないわよ♥!!」

 

「死して尚って……でも、私だって例え死んでも貴女を離さないわ♥」

 

こうして、紅魔館の主と図書館の主が結ばれた。パチュリーの左手の薬指に、『血の婚約指輪』が填められ、パチュリーの喜ぶ笑顔を見たレミリアは、パチュリーにお返しと言わんばかりの眩しい笑顔を見せた。




オリジナルアイテム集

『血の婚約指輪』
スカーレット家に代々伝わる婚約指輪。指輪に嵌め込まれた宝玉へ自分の血を容れて真っ赤に染めた後、相手に捧げる事で自分の愛する者へ求愛を示す。指輪がそうさせるのか、この家が元々その仕来たりがあったのか、そして第三者の仕業なのかは不明なままである。
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