東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー   作:ちいさな魔女

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第97話

霊夢と魔理沙は、プラズママイナズマとなった秋姉妹の猛攻を避け続けながら、攻撃を当て続けた。

 

「取り敢えずあの二人を分断しないと!」

 

「でも彼奴等、背中合わせになってから滅茶苦茶頑丈になってやがる!」

 

霊夢は札を投げるが、静葉が胸元の角から光線を放ち、札を撃ち落とす。魔理沙は再び熱線を放つが、穣子が腕を組んで熱線を両腕で受け止める。熱線は反れて上空に向かって伸びる。

 

「『業火・封魔陣』」

 

霊夢は秋姉妹の足元に陣を一瞬で形成して結界を張り、プラズマによる業火の柱を陣の中に発生させる。秋姉妹は業火の中、背中合わせを解かずにそれぞれ頭の角から光線を放つ。陣はあっという間に破られ、業火も解けてしまう。

 

静葉が蹴りを放つ。霊夢は蹴りを避けた後に反撃しようとするが、秋姉妹は半回転した後に穣子が蹴りを放ち、霊夢の脇腹に直撃させる。更に静葉が先程穣子に迫っていた魔理沙に蹴りを放ち、魔理沙を蹴り飛ばす。魔理沙はシールドでダメージを負わないが、質量まで消せる訳ではない。大岩で押し潰されれば、退かす事は可能だが動きは封じられる。

 

魔理沙は箒ごと木に叩き付けられた。魔理沙が叩き付けられた木は根元からへし折れて、横向きに倒れた。

 

「すげぇな!神が怪獣宿したらこんなに強いのかよ!?」

 

「それもあるけど、姉妹だからって此処まで息が合うなんて早々無いわ!怪獣宿してから相当鍛えたのかしら!?」

 

「それだけじゃないわ。私達は秋を司る神。私は紅葉を司り、秋の訪れを彩るのよ」

 

「それで私は秋の豊穣を司るのさ。実りをもたらしてより良い作物は与える。此が私達秋姉妹の、神としての役割だよ」

 

今の季節は秋。つまり、秋姉妹が最も力を発揮する季節だ。力も活発化し、その上連携型の怪獣を宿した事で更に強さが増した。宿した怪獣二体は、ほぼ無敗であったウルトラマン80を追い詰めたのだ。

 

「此でトドメよ!」

 

「博麗の巫女!白黒魔法使い!悪いけど勝つのは私達、秋姉妹なのさ!」

 

背中合わせのまま、二人を投げ飛ばして地面に叩き付けた秋姉妹。体が重なるように倒された霊夢と魔理沙。

 

「私達秋姉妹の贈り物よ!」

 

「プラスマイナスの力を合わせた、秋姉妹の合体技!」

 

「「『オータムエレクトロボンバー』!!」」

 

秋姉妹はそれぞれ頭の角から電撃を集め、頭の真上に赤い電撃と青い電撃を集めて巨大な球体を形成する。

 

(ヤバい!?あんなのシールドじゃ防げねぇ!!)

 

(結界を張らないと・・・いっつ!?)

 

魔理沙は電撃球体を見て呆然とした。霊夢は結界を張ろうとするが、倒れた事によって肘に出来た内出血から痛みが走って、結界を張るまでの時間が大きく出来てしまった。

 

今から結界を張っても間に合わない。

 

「負けるー?負けちゃうー!?巫女と魔法使いの敗北来ちゃう感じー!?ん?」

 

はたてに話し掛ける者が現れた。それは、ユウコだった。

 

『姫海棠はたて様!乱入の許可をお願いします!霊夢様が負けてしまいます!』

 

「乱入!良いわ良いわ!此も醍醐味よ!さあ、ユウコの乱入を許可するわよ!!」

 

『ありがとうございます!ジェットキィーック!』

 

ユウコははたての乱入宣言と同時に、秋姉妹を蹴り飛ばした。秋姉妹はプラズママイナズマの形態が解けてしまい、背中合わせから離れて倒れてしまう。

 

『霊夢様!魔理沙様!助けに来ましたよ!』

 

「ユウコ!助かったわ!」

 

「ああっ、三人合わせれば勝てるぜ!」

 

霊夢は立ち上がり、魔理沙も立ち上がった。ユウコが援軍に来てくれた事は、この場において何よりも有難い出来事であった。

 

『合体光線です!』

 

「でも、どうやるのよ!?」

 

『お二人の必殺技を私に放ってください!霊夢様は火球ではなく火炎放射を私に放ってください!私がお二人の必殺技を何倍にも上げて放ちます!出来ますか!?』

 

「そうか!それなら彼奴等の防御を崩せるぜ!」

 

「行くわよ魔理沙!」

 

「おう!」

 

霊夢がフード口に火炎を集めて、魔理沙が背鰭から放った電光をミニ八卦炉に集束させ、ユウコが背中に星形の装置を生み出した。それは、ユウコが霊夢のプラズマによって生成される火炎と、魔理沙の電光による熱線を吸収する事を想定して生み出した装置なのだ。吸収して得たエネルギーを一気に放つ。此こそが、ユウコの狙いだ。

 

「させないわ!」

 

「行くよ姉さん!!」

 

「「姉妹の力を一つに!『プラスマイナスエレクトロビーム』!!」」

 

静葉が全身の角からプラスの電光、穣子が角からマイナスの電光を頭上に集めて、赤と白の縞模様で構成された球体を形成した。しかし、今回は膨張せずに赤と白の螺旋を描いた光線が秋姉妹の頭上に形成された球体から放たれて、霊夢達に向かっていく。

 

「『プラズマブレス』!」

 

「『マスタービーム』!」

 

霊夢がフード口から火炎状の熱線を放つ。麟のパワーブレスを真似た即興技だが、上手く行った。魔理沙も必殺技を放つ。二人の熱線はユウコの背中の装置に当たるが、二つの熱線は吸収されていく。

 

『『ハイ・プラズマビーム』!!』

 

ユウコは両手、更に全身から生み出した触手の先端から緑色の熱線を放った。

 

秋姉妹の光線とユウコ達の熱線がぶつかり合う。しかし、ユウコ達の熱線が秋姉妹の熱線を押し返していく。熱線と光線は押したり返したりを繰り返しているが、熱線が徐々に押していく。

 

「う、嘘!?」

 

「私達姉妹の合体が!?」

 

秋姉妹は驚愕した。

 

「私達は異変解決が仕事なのよ!」

 

「だから退いてくれ!お前達に用は無いんだ!」

 

『通らせて貰いますからね!』

 

そして、ユウコ達の熱線は秋姉妹の光線を押し返し、軈て秋姉妹の光線が掻き消されて、熱線は秋姉妹を包み込んだ。

 

「「うわあああぁぁぁぁぁっ!!!!」」

 

秋姉妹は熱線に巻き込まれ、森の奥にまで吹き飛ばされた。そして、吹き飛ばされた先で大爆発が発生。妖怪の山より大きい、爆発によるキノコ雲が形成された。

 

「あっ・・・やべ・・・」

 

「殺してないわよね?」

 

すると、はたてが上空へ飛び去り、十秒後に戻って来た。その背中には全身ボロボロになり、元の姿に戻って目を回しながら気絶する秋姉妹の姿があった。

 

「へーきへーき。秋姉妹は気絶してるだけだしー。これ以上は続行不可能と見なし、霊夢達の勝利とするわー」

 

「いよっしゃ!やったぜ霊夢!」

 

「ええっ。でも・・・異変の序盤からこんなに苦戦するってどうなのよ・・・」

 

霊夢は自分の手を見つめた。秋姉妹はとても強かった。怪獣を宿しただけではあそこまでの強さにならない。どれ程の努力の末に彼処までの強さを得たのだろう。そして二人は秋の神様。秋の季節に強くなるのは必然だろう。

 

「・・・まだ私は力不足ね。まだ、修行が必要ね」

 

「あんま張り詰め過ぎんなよ」

 

『そうです!最近霊夢様は張り詰め過ぎです!時には休んでください!』

 

「分かってるけど・・・でも私が強くならなきゃ異変解決は儘ならないし・・・」

 

努力家になったのは良いが、霊夢は最近張り詰め過ぎなのだ。このままでは、いつか霊夢が倒れてしまう。博麗の巫女が倒れて異変解決が出来なくなるなんて、ご法度にも程がある。霊夢は前にも徹夜で修行し続けて、紫から「たまには休みなさい!」と叱られてしまった事がある。自分でも自覚してるが、やはり強くならねばという思いが、彼女を先走らせてしまう。

 

しかし、魔理沙とユウコが睨んで来て、心が折れる。

 

「ハァ・・・分かったわよ。たまには休むわよ。でも先ずはこの異変を解決しないと。山の上の神様に、博麗神社の明け渡しの件について文句を言わないと」

 

「そうだな。だが無理すんなよ」

 

『今回もし異変解決出来たなら、私やお母様、後は妖夢様や鈴仙様等を呼んで宴会の準備を行います!』

 

「いやそれは───」

 

『「・・・・・・」』

 

「うっ・・・ごめんなさい」

 

涙目になる霊夢。いつの間にかワーカーホリックになりかけた霊夢。近い将来、本当に倒れる事になるとは、この時の霊夢は思いも寄らなかった。




新技、形態集

『プラズママイナズマ』
使用者:秋静葉、秋穣子
秋姉妹が背中合わせになって合体する形態。魔理沙の『マスタービーム』や霊夢の『プラズマ火球』が効かない程に防御力が高くなる。ウルトラマン80が戦ったプラズママイナズマの通り、前後に死角が無く、その上お互いに体を回して連続回し蹴りを放つことも可能。また、合体光線を放つ事も可能。

『オータムエレクトロボンバー』
使用者:秋静葉、秋穣子
静葉の放つプラスの電撃光線と、穣子の放つマイナスの電撃光線を合体させて巨大な電撃球体を形成する。プラスマイナス二つを合わせて生み出された電撃球体であり、時間と共に大きさが増せば増すほど威力が増していく。今回は未完成の上、不発に終わったが、もし完成して霊夢や魔理沙に当たれば、二人は大怪我を負って異変解決に復帰するのが難しくなっていた。

『プラスマイナスエレクトロビーム』
使用者:秋静葉、秋穣子
『オータムエレクトロボンバー』の光線バージョン。プラスマイナスの電光を一ヶ所に集めて、一気に解き放つ電光光線。もし直撃すれば霊夢や魔理沙、ユウコでも一溜まりも無かったが、三人の合体熱線に押し負けてしまった。

『プラズマブレス』
使用者:霊夢
麟のパワーブレスを真似て生み出した、プラズマの火炎で構成された熱線をフード口から放つ。

『ハイ・プラズマビーム』
使用者:ユウコ、霊夢、魔理沙
霊夢、魔理沙、ユウコの合体熱線。霊夢と魔理沙がユウコに熱線を当てて、ユウコが吸収して放つ。その威力はとても強く、地球の地殻をぶち抜いて地下空洞にまで到達するだろう。


よくよく考えたら、一面でこんなに強いってそんなのアリかよ・・・。
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