マギアレコード〜百合の世界に挑んでみた〜   作:一汎人

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最悪な災厄

 瑠美と一緒に歩いてから3日が経過し、現状学校に登校中の俺氏。普通は学校に通うとなると憂鬱な気持ちが増幅されていくだけだが、今の俺にはそんな事はない。例え今日の授業が眠くなる教師の授業が多かったり、ただ今土砂降りのなかを歩いているにも限らずだ。

 何故そんな気分が良いかというと、どうやら俺にモテ期が来ているかもしれないからだ。先日から一部の女子からは熱い視線を注がれていて、まるで体に穴でも開くんじゃあないかっていうくらいには見つめられたね。

 今も後ろの方から視線を感じる。俺の心臓(ハート)を射止めんいう殺意のこもった情熱的な視線を。

 

 うん、やっぱり狙われてるよね。俺のハート(心臓)……というか命を。

 いやしかし待ってくれ、正直言って俺には人から殺意を向けられる覚えなんて少ししかないぞ? 例えばこの地区の魔女を片っ端から狩っていったり、15歳以下の俺基準での可愛い子の情報を暁にリークしたり、法ではどうしようもねぇヤベェ奴を解兎に闇討ちしてもらったり、先日に神浜の魔女を殲滅したらしたくらいで、ヘイトを買うような行いはあんまりしていない筈だ。正直覚えがないなぁ

 

 ……というか、さっきから思っていたんだが、いくらなんでも天気悪過ぎないか? 降水量が半端ないぞ。絶対どっかの川氾濫してるところとかあるだろ。何、人間に汚されたから反乱して氾濫を起こすってか? やかましいわ。

 

 ◇

 

「つーか、天気マジ悪くなーい?」

「それなー、マジウケるわ」

「いや、ウケねぇよ。こんなにザーザー雨降ってたら服が汚れるっつの」

 

 授業と授業の間の休みの間、教室で話題になっているのはやはりこの悪天候だろうか。こんな天気では迂闊に外も出歩けず、もし仮に外に出て仕舞えば、服がびちゃびちゃになること間違いなしだろう。ソースは俺だ。現在俺含めた数人がジャージだよ畜生。

 

「輝夜君、君もジャージなんだね。災難だったでしょ?」

「ん? あぁ……まぁ、うん」

「そっか、こんな天気だから風邪をひかないように注意しないとね」

「まぁ、そだな……うん」

 

 くっそ! どうして俺の口は仕事をしてくれないんだ! あれか? それとも度胸の方か? いずれにせよなんでクラスメイト相手にまともなコミュニケーション取れねぇんだよ! 

 鈴季殿、お辞めなされ、この哀れなコミュ障を見て苦笑いをするのを辞めなされ……拙僧、非常に惨めな気持ちになりまする……

 しかしここで挫けないのが本当の陰キャってやつだ。今こそ俺はコミュ障の壁を乗り越えて、来年以降に向けてコミュニティを築くのだ! 

 

「えっと……そっちは大丈夫か?」

「はは、ここまで酷いと傘をさす意味がないみたいでね、ご覧の通りジャージに着替えて制服を乾かしてる状態さ。輝夜君と同じだよ」 

「そうか……」

 

 はい、会話終了。何この悲しいくらいの発言数……自分から話を振ってるのに20文字程度しか話せないって……涙がで、出ますよ。

 てか、傘の意味がないってどんだけやばいんだよこの雨。なに? 台風でも来ちゃった? ニュースとかで表示されてないだけでこれ台風なの? 

 

「本当……嫌な天気だな」

「早く止んでくれると助かるんだけどね……ところで、話は変わるんだけどさ」

「な、なんだ?」

「輝夜君って、保澄さんになにか変なことでもしたの?」

「や……別に何も……」

「そっか」

「……何故? それを……」

「昨日から保澄さんが輝夜君を見ている時に、険しい表情をしているような気がしてさ」

「だからか……や、全く心当たりねぇ……」

 

 いやー、どうしてなんだろうな……俺が一体何をしたというのか、これじゃあコミュ障脱却して彼女を作って暁達にマウントを取るなんて夢のまた夢じゃあないか。あー、俺にとって都合が良くて物静かで綺麗な女性との出会いが欲しいなまー。

 

「はぁ……辛」

「ははは、まぁこんな天気じゃ陰鬱な気持ちになるのも無理はないね。あ、そろそろ時間だから僕は席に戻るね」

「あ、うん」

 

 ◇

 

 その後はまだ眠くなる授業が続いていった。なんだよ大航海時代って……この世の全てを置いてきたらしきものを探す物語じゃないのか? かき集めるんだろ? ありったけの夢って奴をさ。あ、それは大海賊時代か。

 

「──であるからして」

「──であるので」

「──であるからこそ」

「──である」

 

 いや、「である」使い過ぎな? 深刻な「である」の過剰供給によって「である」がゲシュタルト崩壊仕掛けてるからな? 先生? 「である」って使いたがる気持ちはわからなくもないけど、微妙に活用させてくるのはちょっと違うと思いますよー? 

 

 ◇

 

「あの先生であるであるうるさいよねー」

「それなー」

「マジうるさいね。であるから、みんなに嫌われるってね」

「ウケるー」

 

 あ、やっぱりクラスメイトの皆さんもそう思っていたんですね。その言葉を聞いて自分のこの事に関しての感覚がズレていないことがわかって一安心の一条さんなのでした。

 

 ん? なんか通知入ってるな? 

 確認してみると、某チャットアプリでの暁と解兎と俺のグループに書き込みがあり、書き込んだのは暁だった。

 

 暁が送ってきた内容は以下のようなものであった。

 

『なんか街の天気めっちゃ悪いじゃん?』

『それってワルプルギスの夜とかいう魔女のせいなんだYO』

『今日の放課後にちょっとしばき倒していかないかZE☆』

『そうしなきゃ神浜の建物大体倒壊するYO』

 

 まぁ意訳したらこうなったが、大体合ってるだろう。細かなニュアンスが違ってたとしても問題ないだろう。

 

 そういえば、この天気は魔女のせいっていう情報のソースはどこからなんだろうか。水名神社での時もそうだったが、奴は一体どこから情報を仕入れているんだ? 

 てか、ワルプルギスの夜ってなんか聞き覚えある気がするなと思っていたら、3日前に記事で色々と情報載ってた奴じゃん。や、載ってる内容の奴と同じとは限らんし、仮に同じ奴を指してたとして、その内容が合ってるかどうかもわからんから信憑世は全くないのだけれどもね。

 

 ◇

 

 というわけで場面変わって放課後、南凪のアパートにて俺たち三人は集結した。なんか今日だけで凄い時間が飛んでいる気がするが、気のせいだろう。

 

「解兎、辻斬りは楽しかった?」

「最高だな。お陰で程よく調子か良くなってる」

「そうか、良かったな」

 

 つい先日まで日本中で辻斬りをしていた解兎。普通に犯罪だろと声を大にして糾弾したい気持ちもなくは無いわけではないが、言っても無駄だろうし、そもそも神浜では法なんて作用していないも同然。今ここでコイツを署まで連行しても無意味だろう。

 まぁ、家宅捜査とかされたら俺も十分社会からbanされるし、暁も割と法に抵触するようなことは結構やっていたりするからな。うん、なんだこのグループヤベェな(今更)。

 

「それで、どうすんだ? お前の言ってたワルプルギスの夜って奴は一体何処にいるってんだ」

「どうやら、二木市って所で今は暴れているみたい」

「二木市っていうと、神浜から割と離れたところにある街だよな? まさか今から行くのか? 電車で行ったとしても日が暮れるぞ」

「まあ、普通に考えたら一条は行けても僕たちは無理だよね。けど一条、忘れてない? 前に一条の家にいきなりお邪魔した時のことを」

 

 いきなりお邪魔……えっと確か、あの時は小太刀を持った解兎と、萌え袖ジャージの暁がいきなり家に現れて、すぐそばで空間が裂けていてん……アッ。

 

「気づいたようだね」

「あの謎ワープか……」

「お前に謎とか言われたくねぇが……まぁそれだろうな」

 

 そう言うと、解兎は手刀で空を切り裂き、異空間を開いた。うん、ちょっと何が起こっているか一条分からない。

 

「二木市に行くんだろ?」

「うん、早く行こう。ほら、一条も呆けてないで早く行ってとっととしばき倒してくるよ!」

「お、おう」

 

 ……もう何も考えないようにしよう。そう思いながら、先に飛び込んで行った二人の後を追いかけて、切り裂かれた空間へと飛び込んだ。

 異空間の中は変なモンスターがいたり、謎の空間が広がっているわけでもなく、ただただ空間が広がって見えるだけだったみたいで、俗に言うワープゲートの機能しかないのは、思うところがないわけでは無いが、そんなことを考えてる余裕は無さそうだと言わざるを得ないだろう。何故かと言うと、二木市は現在見渡す限りで傷一つない建物が一つとしてないからだ。

 これがワルプルギスの夜って奴の仕業かは分からないが、この現状はあまりにも悲惨すぎる。街全体が災禍の中にあり、あちこちで火災が発生しており、阿鼻叫喚の中に包まれている。これが地獄絵図という奴だろうか? 正直笑えない。笑えなくはないが、正直あまり気分の良いものではない。

 

「暁、これがワルプルギスの夜って奴の仕業なのか……?」

「自然災害とかじゃねぇのかよ……まだそっちの方が納得できるぞ?」

「残念ながら、これはある種の人災とも呼べるんだよね。まあ、災厄である事には変わりないけど……」

「今から俺たちはこれをやった奴を捌きに行くんだよな? 魔女なんてただの雑魚だと思ってたけど、今回ばかりは話が違うぞ! 見てくれよこの手を、震えが止まらないんだ!」

「うん、それが缶コーラを握りながらじゃなければ信じれるんだけれどさ」

 

「で、件のワルプルギスの夜ってのは一体何処にいるってんだ? まさかあの空中に浮いてるなんかデケェ化け物ってわけじゃねぇよな?」

「そうだな。まさかものすごい笑い声を発しながら使い魔らしき存在を街にばら撒いているやつじゃないよな?」

「残念ながらアイツだね……多分」

 

 まじかよ、あんなキチってそうな奴と戦わなきゃ行けないの? やだよ俺あんな空高くまで移動できねぇよ。しかもさっきからちょくちょく光弾だのなんだのが飛んで行ったりしてるけど、障壁らしきもので全部防がれてるし。

 その光弾の威力ってのも、一つ一つがかなりの威力を持っているというのがまたわかるレベルなので、それを防ぐ障壁マジパネェって訳だ。

 しかもやってることは防御だけでなく、口から火を吐いて反撃したり、何故か宙に浮いているビルだとかの建物類を落下させたりして攻撃しているようだ。

 幸いな事に、俺たちは今割と安全圏にいるおかげで作戦を立てることができるが、奴の近くにいる連中にとってはそんな余裕など微塵もないであろうことは想像に容易い。

 

 うん、現実逃避がてら俺たち三人の戦力について軽くまとめるか。

 まず俺が基本的に近接戦闘で、投擲によって中距離でも戦えるな。ここ数日間とかで色々検証した結果、魔女なら触れただけで吸収できるということがわかっている。あとは謎のショボーン軍団だが、アイツらに関してはマジで謎だ。

 

 次に解兎だが、コイツはどうやら概念的に刀であればどんな刀を使っていても、万物を切り裂くことが可能らしい。万物というのはこの世にあるものとは限らず、概念的なものまで切るんだから、お前もうな○う世界に行ってこいよと言わんばかりの能力である。空間を切り裂いて異空間と接続し、そこの中に物を入れたりするとかいう四次元ポ○ットを彷彿とさせるようなこともしている。

 刀ばっかり使うイメージが先行しているが、銃火器等もマスターしているから、神浜産犯罪者の対処するのは、赤子の手を捻るレベルで簡単だろう。

 

 最後に暁。コイツは魔法によって自分や他者を強化して敵対するものに容赦なく攻撃する、いわゆるバッファー、サポーターという奴だ。魔法の対象は生物、非生物を問わないので、汎用性が高いんじゃないか? 魔法を使用するだけで、そこら辺にあるパッとしない男子高校生がテロリスト相手に大立ち回りを披露してヒーローになったり、なんか変なフード被った連中に魔法をかけたら、魔女相手がでも足も出ない状態になるほど強くなっていた。

 元々掛けた相手が強かった訳でなく、寧ろバトル漫画だとかだと戦闘力3とか言われそうな連中が、どっかのタイプな月の世界で従者として現れそうな程の強さになる──流石に盛り過ぎた──んだから本当にふざけてやがる。

 

「さてどうする? 障壁を切るまでは解兎が出来るんだろうけど」

「阿呆、仮にワープしたとしても直ぐに攻撃されて即墜落ってのがオチだ」

「というか、障壁を突破することが出来たとしても、結局その後が繋がらないから無意味だよね」

 

 その後は三人で色々と考えていたが、あれこれ悩んでいても仕方がないという結論が出たので、ひとまず街の中心の方に行ってみようという結論になったので、ひとまず向かう事にした。これはやばくなっても最悪解兎の力で直ぐに退却できるだろうという考えだ。

 

「一応、コイツらも出しとくか。ほら、出番だぞ出てこい」

『ショボーン!』

 

「それが一条が言ってた下僕か? なんていうか、すげぇ弱そうな見た目してやがんな」

「そういえば、この前神浜中で起こっていたっていう事件って、このショボーン達に関しての事件じゃ……」

「さ! 早くワルプルギスの夜を倒そうぜ! 」

 

 こうして、ワルプルギスの夜との闘いが幕を開けた。これが、二木市やその近辺で後に『最悪の災厄:』と呼ばれる、恐らくはこの世で最も害をもたらす魔女と、後に主に神浜市の魔法少女達の間で『最低な災厄』と呼ばれる俺たちの、最初で最後の激突だった。




●一条
最近モテ期(失笑)がきた男。指輪をつけた女子達が一条を視界に入れた瞬間心臓(ハート)を奪い取ろうとするようになった。本人曰く涙が止まらないとのこと。

●解兎
辻斬りから帰ってきた鍛冶屋系男子高校生。最近色々あってストレスが溜まっていたから、いい具合にストレス発散できた模様。

●暁
一条と解兎をお供に地獄となった二木市にやってきた変態。予想以上に悲惨で内心引いていたりもするが、表情には極力出さないようにしている模様。

●二木市
二木市は犠牲となったのだ、オリジナル展開……その犠牲にな。

●ワルプルギスの夜
ただいま絶賛強者ムーブ中。原作・マギレコ一部のラスボスなだけあってかとんでもない強者感を漂わせている。この作品の世界線においては、後に『最悪の災厄』と呼ばれるらしき存在である。

一条君たちの設定いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことよりおうどんたべたい(いる)
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