マギアレコード〜百合の世界に挑んでみた〜   作:一汎人

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初夜の訪れ

 初めて魔女と戦った? ときから既に2週間程度が経過した。その間に数回程度魔女と戦ってみたが、俺の体が魔女に触れた瞬間に、魔女は俺に吸い込まれていった。それが毎回起きた。

 その間は特に魔法少女と出会うと言った出来事はなかったので、放課後は基本的に男3人で魔女狩りに勤しんでたな。……いや、魔女狩りというかもう実質食事だな。

 因みに魔女を食べたことによって何か変化があるかどうかと聞かれると、若干運動能力が上がった気がするが、正直そんな強くなって実感がない。魔女一体あたりにつきポ○モンの努力値を10上げる飲み物を飲んだ感じだろうか。

 

 ここで魔女についてほんの少しだけ語らせてもらうが、暁がキュゥべぇから聞いて話によると、魔法少女が祈りから生まれる存在だとすれば、魔女というのは呪いから生まれた存在らしい。キュゥべぇは他の魔法少女にもそう伝えているとのこと。

 しかし、暁は魔女──というより魔法少女についてキュゥべぇにそれはもうひたすら待ったをかける弁護人の如くキュゥべぇに質問を重ねていった結果、魔女の正体というものを知った。

 魔女の正体……それは、後述するソウルジェムに穢れが溜まりきった魔法少女の成れの果て、とのこと。

 魔法を使ったり、絶望したりすることで、魔法少女のもつソウルジェムに穢れが蓄積され、最終的にそれから魔女が生まれるらしい。それ以外にも魔女は生まれるらしいが、割愛。

 

 んで持ってソウルジェムについてだが、文字通りの意味で魂ってやつらしく、これが砕かれると死ぬ。逆を言えば、それさえ砕かれ無ければたとえゆっくりのような状態になろうが生きていれる。

 断言している理由としては、一昨日解兎によって暁は1時間くらいゆっくりのようなっていたからだ。あの時は不覚にも解兎と2人で爆笑してしまった……

 いや、しょうがない……あれはさ。だってそうだろ? やられた本人も苦笑いしながら「ゆっくりしていってね」とか言ったらもう、ねぇ? 

 

 因みに今日はもう学校が終わったので既に帰宅済みで、解兎は友人(女子)に会いにいくため別の街に遊びに、暁は知り合いの女の子達と一緒に遊んでくるらしい。……許さん。

 いやまあ別に? 俺だって女友達の1人や2人作ろうと思えば作れるし? 全然羨ましくないですけどぉ? 羨ましいなんてことはないからな? 

 

「……はぁ、あほくさ」

 

 虚しくなって呟きながら、ひとまずカ○リーメイトを購入するのと、ついでにひまだから散歩するために家を出て、水徳商店街へと向かう。外は青空が広がっていて、心地いい風が吹いている。散歩にはもってこいのいい天気だ。

 ……俺はコミュ障で陰の者だが、引きこもりではないのだ。いや、そりゃあ適度な食事に適度な睡眠、そして適度に運動することが長生きの為の秘訣なんだろ? ならばするしかないだろ。

 それにどっかの人も言ってた気がする。国民の三大義務は『食べる寝る発散する』って。……あれ? なんか違うな……ま、いっか。

 

 ◇

 

 

 家を出てチャリを漕ぐこと数分、やってきたのはいろいろな店が並び、人々の声が賑わう水徳商店街。最近ではコンビニとかスーパーとかに人をとられたりもしているが、ものによってはこちらで買う方が安かったりするので、俺は買い物を商店街で済ませている。 

 ひとまずカ○リーメイトを大量にまとめ買いして、目標の片方は達成できたが、これからどうするか……

 

 商店街に特にめぼしいものもなかったので、そろそろ商店街から離れようとしたときのことだった。突然、右肩に何かが乗っかった感覚がしたので、そちらの方を見てみると、なんか白い変なやつがいた。なんかこう、ぬいぐるみ見たいというか、マスコットみたいなやつだ。てかマスコットか。

 ……気づいていないうちに誰かに肩に置かれたか? まさかコイツが生物とか……ないよな? 

 

「……なんだこいつ」

「モキュ」

「 キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」(喋ってない)

「キュ!?」

 

 驚いた俺は、とっさにそいつの顔面をつかみ、近くのゴミ箱めがけて投げつけた……のだが、あまりにコントロールが悪すぎたのか、狙った方向とは方向とは120度くらい違う方角に向けてシュゥゥゥッ! してしまった。その結果として、あの白いのはどこかへ消えてしまった。……まあ、ソーシャルディスタンスって大事だからな、うん。

 

 ……さて、ひとまずこの後どうするかだな。カ○リーメイトはもう買ったからあとは……うん、適当にふらついて帰るか。正直やることないしなぁ……

 あー、こんな時に彼女持ちのリア充とかは彼女と一緒に街を歩いてイチャつくんだろうな……リア充とか爆発すればいいのに。

 はっ! なんか変な電波を受け取って思考が危ない方面に偏っているッ……! 落ち着け落ち着け、僻んだって虚しいだけだ。やめよう。うん……

 

 因みに家に帰る途中4体くらい魔女と遭遇した。正直ちょっとエンカウント率高すぎで怖い。

 

 ◆

 

「複数の魔女の反応があったと思えば、いつのまにか消えていた、ですか」

「ボクらが駆けつけようとした時には既に誰もいなかったんだ」

「それが4回も起こったんですよね?」

「うん、ただ、おかしな点が一つだけあってさ。魔法少女の魔力を感じなかったんだよね」

「? それはおかしいネ。魔法少女が戦ったのなら魔力反応があるはずネ」

「魔力を感知させない固有魔法でしょうか。いずれにせよ、奇妙なことには変わりありませんね。……あきらさん、このことを少し調べてみてもらえませんか?」

「分かったよ。何かわかったら報告する」

「あの、あやめちゃん達にはこのことを伝えるんですか?」

「はい。できれば葉月さん達にも協力してもらおうと思っています」

「それにしても、痕跡も残さず魔女を倒す存在……一体何者ネ」

 

 ◆

 

「へくちっ! ……埃でも舞ってんのか……? ……あー、頭痛い……カロ○ールはどこだっけか……」

 

 俺氏、突然頭痛に襲われる。まさか家に着いた直後に頭痛が起きるとは思わなかった……頭いてぇ……もうこれは頭痛が痛い。マジで痛い。

 どのくらい痛いかというと鉄の塊で殴られるくらい痛い。……あれはマジで痛かった。あの時は解兎に対して本気で殺意が湧いた……

 

 ……起きてても辛いだけだし、薬も飲んだから少し横になるか。そう思って、俺は帽子を取ってから自宅のリビングにあるソファで横になった。

 流石に魔女と4回も遭遇したからなのか、それともあのなんか白い変な奴を投げたからなのかは知らないが、疲労もあってすぐに意識が沈んでいった。

 

 ◇

 

『──お兄いちゃん!』

『──お兄さま!』

『──お兄さん!』

『──さん!』

『──君!』

 

 ──誰かが笑っている夢を見た。

 ──そこにはみんなが楽しそうに笑う光景が広がっていた。

 ──ああ、なんて美しくて綺麗で暖かくて可愛くて明るくて幸せそうで愛おしくて懐かしくて……

 

 ──なんて気持ち悪いんだろう……

 

 ◇

 

「…………う、ああ……ふぁぁぁ」

 

 ……なんか変な夢を見た気がする。内容は全然思い出せないけど……まあ、思い出せないってことはどうでもいいことなんだろう。知らないけど。そもそも夢なんてそんなもんだしね。ちょっと気持ち悪い夢だとしても覚えてなくても仕方ないよね、うん。

 と、一人で誰に対して言ってるのかわからない言い訳を心の中で呟いていると、俺のスマホに一件の通知が入っていた。因みに現在時刻は午後6時半位で、外も夕日が沈みかけている時間帯だ。

 んで、通知の内容はというと、どうやらグループL○NEで暁が何かを送ったようだ。一体なんだろうか。

 内容を確かめてみると……うん、ちょっと長いから要約してみるか。流石に15行に渡って送られるとは思わんかった……

 

 奴のメールの内容をまとめると、『キャワイイおにゃのこ(魔法少女)と出会ったンゴww髪ピンクだし衣装もエッッッッッだったから絶対淫ピゾww』とかふざけた内容が来たのでスルーした。多分解兎もスルーしてるな。

 てか見た目でそう判断してるってことは、年齢は恐らく中学生から小学生の間か。いや、実年齢と釣り合ってないパターンもあるかもしれないが……

 

 

 

 

 ピコンッ

 

「……ん?」

 

 数時間経ってまた通知が来た。因みにあれから今まで何をしていたかというと、壁に顔を突っ込んで暇を潰してた。色々見えたりするから面白かったりする。

 んで、その内容についてだが……どうやら死にかけてるから迎えに来て家まで送ってクレメンスとのことだ。解兎の方は今手が離せないらしいので、必然的に俺が向かうことになった。……嫌だなぁ。

 

 ◇

 

『因みに場所どこ?』

『神浜ミレナ座ってとこ』

『潰れたとかじゃなかったっけ?』

『なんか魔法少女がそこで商売してる』

『はぁ』

『グリーフシードってあるでしょ? それを代金に強くしてもらえるっぽい』

『店主は魔法少女。セクハラしてくる』

『お前……大丈夫だったのか?』

『うん。知り合いだったから』

『知り合いの店かよ』

 

 ◇

 

 移動の方法とかは省くが、ひとまず数分かけて暁が迎えに来いという場所、神浜ミレナ座という潰れた映画館のところに行くと、体育座りで街に座っている暁を発見した。

 

「……一体何があったんだ?」

「なんていうか、卒業生からの試練?」

「まるで意味がわからんぞ」

 

 暁が語った内容はこうだ。

 キャワイイ後輩達と一緒に遊び、夕日も沈んできたのでお開きとなり、さて帰るかと帰路に着いた所、魔女の結界を発見。

 一狩りしますか! と意気込んで魔女の結界に突入すると、メールで送ってきたピンクの少女と出会ったとのこと。因みにそのピンクの少女の他に暁のクラスメイトがいたらしく、一門着あったらしいがスルー。

 んで、魔女本体が出てきたと思えば知り合いの大学生(読モ)とも出会い、そこでも色々あったらしいがスルーしておく。

 ……魔女をピンク一人で倒させた大学生だが、その狙いはピンクが探していた存在……白い謎の生命体だった。そいつどんな奴だったかを暁はメモ帳に描いていたので、俺はそいつの存在を思い出した。……そう、昼に俺がシュゥゥゥゥッしてしまった奴である。

 そいつを始末しようとする大学生に対し、ピンクはこれを庇ったが、なぜかピンクが意識を失う。それを例のクラスメイトと一緒にピンクの様子を見ていたようだが……パンクが起き上がると、どうやらピンクの失われていた記憶が取り戻されたらしい。

 なんでもピンクには妹がいたらしくて、それを何故か忘れていたと。そこで色々ピンクと話して、また神浜市に来るということを聞いたのちにピンクの子と別れる。

 その後は暁のクラスメイトにミレナ座跡地……の中にある店の『調整屋』に連れて行かれて根掘り葉掘り聞かれ、ついでに調整(意味深)されたとのことだ。

 

「その疲労のせいで、今日は疲れて動けまちぇんと……」

「そういうことでちゅ」

「なんで言葉遣いおかしくなった?」

「さぁ? 僕に聞かれてもわからないよ」

 

 因みに俺は今コイツをお姫様抱っこで運んでいる。多分これが一番運びやすいと思います? 

 ……コイツの家まではミレナ座からは数十分くらいかかる場所にある。その間ずっとコイツを抱えたまま……発行した女性が見ていないことを祈ろう。うん。

 

「あ、そういえばさ」

「どした?」

「多分彼女主人公だよ」

「…………は?」

「いや、だってそうでしょ? 初めて来た街で色々なイベントがあっただけでなく、妹がいて元記憶喪失で魔法少女、小動物を庇っているんだから尚更ね。ピンク色ってのも魔法少女ものでは主人公たらあるでしょ。可愛いし」

「お、おい」

「前話したよね? この世界には主人公がいて、それは僕達ではないけどいずれ僕らに関わることになるだろうって。これは僕の従兄弟が言っていたことだけどね。でもさ、直感的に僕は思ってしまったんだよ。ああ、彼女が主人公なんだ「ちょっと待てよ、なあおい」……」

 

 いきなり訳のわからないことを言い出した暁に、俺は困惑を隠しきれないでいた。一体なんなんだ? 

 暁は確かに意味不明ではあるし、脈絡もない話を唐突にし出す時だって割とある。その多くはロリについての話題だが……

 しかし、しかしだ。その時の暁の発言は、全てどうでもいい戯言で、さらにいえば毎回ニヤついたようなふざけた顔をしてするものだった。それが今のコイツの表情はなんだ? 

 なんでこんな、深刻そうな……真面目(シリアス)な表情なんだ? 

 

「……お前さ、疲れてんだよ」

「…………いや、僕は……そうかもしれない」

「だろ? 今日はもう休め。体冷やして寝るなよ?」

「はぁ、一条は僕のお母さんが兄なの? ちょっと気持ち悪いよ」

「酷。……お前はさ、やっぱりよ……あ! あんなところに幼女が」

「何だって!? 何処何処!?」

「嘘だよ」

 

 ああ、そうそうこれこれこれ。幼女っていうワードに過剰反応する、ロリコンである反応の方がコイツには似合ってる気がする。

 さっきの6割増しで意味不明な方よりこっちの方が落ち着くな……そう思いながら、俺は暁を送ってやるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お姫様抱っこで。




●一条
カロリーメイトを買い溜めしたのでしばらく(1週間)は安心。その量はご想像にお任せします。この話とはあまり関係ないが、この日以降変な夢を見るようになるらしい。起きたら内容を忘れてしまうが。

●暁
ロリコンから電波系ロリコンに進化した男の娘。魔法少女であることがバレて色々あったが、なんとかなった。以降、知り合いの女の子に魔法少女バレする度に色々ある。

●ピンクの子
今回台詞なしの原作主人公。白い謎の生命体ことキュゥべぇ(小)が関係しているのか、妹についての記憶を取り戻す。暁といる間何故かソウルジェムの名残が早かった。

●暁のクラスメイト
ピンク同様台詞なし。クラスでは割と話す方だったので、ちょっと気まずい感じはある。一応暁に『調整屋』を紹介する。

●大学生
上記二人同様に今回セリフ無しの魔法少女(笑)。割ときつめに追求したが、場を変えようと言われて一旦流した。何故か暁と知り合っている。

一条君たちの設定いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことよりおうどんたべたい(いる)
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