マギアレコード〜百合の世界に挑んでみた〜   作:一汎人

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何故かグダグダ感が強くなってきた気がしますね。多分輝夜とかいう奴の仕業でしょう。



(義)姉と名乗るヤベー奴

 これは今から数ヶ月くらい前のことだ。

 俺と暁と解兎は出会ってからそこそこ時間が経ち、十分な信頼関係を築いたくらいの時期だった。

 

 当時特別な力も何にも無かった俺たちは、休日だったので新西区にあるデパートで買い物と、そのついでにゲーセンによることにした。そこのクレーンゲームで暁がどんどん金を溶かしていくのは見てて面白かった。解兎が最後に全て乱獲していったが。

 

 景品とかでメ○カリとかで売れば稼げるだろうなと話しながらゲームセンターから出た時のことだ。いきなり警報が鳴り出して、なんだなんだと動揺していたら、いきなり黒い覆面の男達に囲まれてしまった。

 この時、男達は皆銃を持っており、下手に動けば撃つぞと脅されてしまったので、大人しく男達に従った。

 

 男達は俺達を連れて、デパートのなんかこう、広い所に集めた。そこには店員含めて数十人もの人質がいた。まるでコ○ン君のように事件に巻き込まれたのかと思った。

 俺等は全員手足を拘束されており、所持品を全て男達に奪われていた。どうやら俺たちは運の悪いことに神浜でよくある事件に巻き込まれてしまったらしい。

 

 俺は嘆いた。奪われたものの中には今回俺が千円近く注ぎ込んで入手したイー○イのぬいぐるみがあっただけでなく、なぜか景品の中にあった星夜印の金属包丁まで奪われてしまったからだ。

 暁は嘆いた。解兎が憐れんで暁にやった幼女のキャラクターのフィギュア達は全て奪われ、拘束されるのもやや苦手意識のあるむさ苦しいおっさんだった挙句、男達から舐め回すような目で見られたからだ。

 解兎は嘆いた。別に解兎一人ならば無傷は無理だがこの程度の男達を鎮圧するのは可能だったが、俺達という枷がある都合上迂闊に行動できなかったのだから。あとメ○カリで売るやつを奪われたからだ。

 

「おい、この状況どうするよ?」

「俺だけなら逃げれるが……」

「一人だけ逃げようったってそうはいかないよ。僕は全力で阻止させてもらう」

「ああ、クソ……こういう時にファンタジーじみた能力が欲しくなるな……」

「ファンタジーじみた能力ねぇ……そういや、もし一つ能力が手に入るとしたらどんなのがいい?」

「僕の場合はあれかな。やっぱり幼女を僕の好きにできる──いや嘘冗談だって。だからそんな養豚場の豚を見る目で見ないでよ。まぁ、僕は強化魔法的なやつが欲しいかな。倍率が以上に高いやつ。それで花のお兄さんよろしく王の話的なのをしてみたい」

「俺はなーあれだ、あの、認識阻害? そういう系統のだ。俺が人を切っても何らおかしくねぇみてぇな感じに──流石に冗談だ。だからそんな目で俺を見るな。真面目に答えたらなんでも切れる、またはなんでも切れる刀を打てるって能力が欲しいな」

「二人はそれか。なんともまぁ戦闘脳だな。俺は楽しく帰宅できるように時を止める──冗談だからな? だからそんな可哀想なものを見る目で俺を見るな。んー、やっぱり固有結界的な? 自分の世界的な? そんなのが欲しいな。ほら、やっぱり世界を自分の世界で塗りつぶすってかっこいいじゃん?」

 

 こんな内容の会話をコソコソとしていたわけだが、流石に三人で長い間話していると気づく輩も一人か二人は出てくるので──

 

「おいこらそこ! 何話してやがる!」

「「「喧しい! 引っ込んでろハゲ!」」」

「あ、はい……」

 

 出てきてすぐに引っ込んだ……なんて弱い野郎だ。顔が(´・ω・`)となっていたような気がするが、それは多分俺の見間違いとか気のせいとかそれだけだろう。きっと気のせいだろう

 

 さて、俺らがコソコソと話しているのに気づいているのはこの男だけでなく、他に捕まっている人も聞いている人は何人かいるわけで、その中の一人が俺たちに話しかけてきた。

 

「ねぇ君たち」

「はい?」「あぁ?」「ひゃいっ!?」

「さっきから楽しそうに雑談してるけど怖くないの?」

「特には」「怖いわけあるか」「えっ、あの、はい……」

「……君大丈夫? さっきからとてもテンパってるけど」

「気にしなくていい。コイツは俗に言うコミュ障ってやつなんでな」

「知らない人に話しかけられるのが苦手なんですよ」

「成る程ねぇ。じゃあ、今ここで自己紹介すれば知らない人じゃなくなるわけだね」

「ゑ?」

「私は波帆(なみほ)(らん)。神浜私立大学の一年生。はい、これで知らない人じゃないでしょ?」

「あ、はい……そっすね」

 

 これが俺たち三人とこの女……波帆との出会いだった。

 この時はまだ俺たちは、コミュ力が高くてAPPも高いお姉さん的な存在だと思っていたのだが、この評価はこの事件が解決した直後に、(義理の)弟扱いしてくるヤベー奴という評価になった。

 事件については詳しいとは省かせてもらうが、まぁ概ね解兎と波帆がなんとかした。一応俺と暁も協力はしたが……まぁ、殆ど解兎達のおかげだな。

 事件が終わってからは解散ってことで、俺たちはもう波帆と会うことは無いだろうと思ってはいた。いや、暁はどうかはわからないが、少なくとも俺たち三人が一堂に揃って彼女と会うことはないだろう、そう結論付けていた。

 

 その3日後の話であった。俺たち三人組は不定期に学校でやる定期考査に向けた勉強の本を何処かの本屋で買う為に、南凪区をふらついていた時のことだった。

 

「マジで訳わかんねぇな……定期考査なんだから時期はしっかり決めて欲しいもんだ」

「仕方ないよ、神浜だし。だってこの街って3月に海開きしたり唐突に冬になったりするじゃん。こんなんだから北海道と一二を争う魔境なんて呼ばれるんだよ」

「すごい風評被害な気がするな……まぁ、ここと北海道の次には沖縄とか言う一年中夏の所もあるらしいが」

「「え? 都市伝説の場所じゃないの(か)?」」

 

 などとくだらないことを話しているのは、定期考査とかマジヨユーと言うわけではなく、ただ単純に勉強したくねぇなー本買いに行くのマジだりーと思いながらテストという現実から逃げているからである。

 いや、だってそうだろ。逆に好き好んでテストを受けたがるやつが地球上に何割いると思う? どんなに多くともせいぜいが3割程度くらいしか居ないだろう。それ以上いたら驚き桃の木山椒の木ってやつだ。 

 

 そんなふざけた雑談をしている時に、現れたのだ。あの女は……そう、どっかの南国の国でナシの木を虐める虫の如くでやがったのだ。

 

「あ、3日ぶりだね! 元気してた?」

「えっと、波帆さんでしたよね?」

「覚えててくれてよかったよ! あぁ、敬語とかはナシで良いよ。君たち敬語とか使うの苦手そうだし。特に一条君とか!」

「ははっ……否定できねぇ……」

「僕はコミュニケーションは親頼みだからなぁ……解兎はどう?」

「はっ! 敬語ってのは一般常識だろ? 逆に使えないってのは問題があると思うがな、俺は」

「確かに社会に出た時には必要なツールとは僕も知っているけどさ、今はご時世がご時世だから敬語とか使えなくても大丈夫じゃない?」

「覚えておいて損はないとお姉ちゃんは思うなー」

「……と、年長者はほざいてるな。確かに損はないかもしれないが? それはあくまで会社、あるいは社会という一つのコミュニティに属することによってそれの価値が発生するのであって? そもそも他者との交流がなければ「はいはい長い長い。というか人は一人では生きてはいけないってのは分かりきってることじゃん。他者との交流がないってのは無理な話だよ」……ぐぬぬ」

「何がぐぬぬだ」

 

 畜生め……何が悲しくて初対面の人と会話しに行くような環境な自ら進んで行かねばならんのだ……そういう仕事に就けばいい? 確かにそういった意見もあるだろう。だが、結局最初の方だとかは誰かと関わらなければならない……ごめん被りたいな。本当に勘弁して欲しい

 

「あははっ、やっぱり仲良いね。お姉ちゃんは弟くん達の仲が良くて安心したよ」

「まぁ、二人とはそこそこ付き合いが──え? 今なんて?」

「喧嘩するほど仲がいいって言葉があるけど、弟くん達は喧嘩せずとも仲がいいね!」

「や、喧嘩自体は結構して──おい、今なんて言った?」

「お姉ちゃんとしては、そんな弟くん達を見ていると、とても嬉しい気持ちになるよ」

「あなたは俺らの母親か……って? 今なんか変な単語が?」

 

「? どうしたの? 揃いも揃って鳩がショットガン撃たれたような顔して」

「いやそれ鳩死ぬだろ辞めてやれよ鳩になんの恨みがあるんだよ」

 

 今なんか波帆が変な呼び方で俺らのことを呼んでいた気がするんだが……そのことを脳が理解しようとして、数秒の時間をおいたのちに理解が追いついて……絶句してしまった。

 その後の波帆の発言に対して解兎が条件反射でツッコミを入れていたのでなんとか復帰することができたが、そうでなければもう数秒間フリーズしていたであろうことは疑いようもなかった。

 

「ち、ちょっといいか?」

「うん? どうしたの?」

「さっきから言ってるその、弟くん達って……俺らの事じゃないよな?」

「え? 何言ってるの? 弟くん達は弟くん達でしょ?」

「アッハイ」

 

 そっかー俺たちは弟くんだったのかそうかそうかへーなるほど知らなかったなーそうだったのかー……

 

「いや! 流されちゃダメでしょ!」

「気をしっかり持て! このままだったら弟にされるぞ!」

「……ッ! 危ないところだった……助かった」

「気にしないで。僕もちょっと遅かったら完全に侵食されるところだったから」

「ああ……危うく俺たち三人が全滅するところだったな……」

「よく考えたら弟にされるって相当やばい状態だよな」

「今はまだやばいで済んでるだけマシか」

「いずれ完全に侵食されたら一貫の終わりだね」

 

「弟くん達はどうしたのかな?」

「や、俺たちはそもそもテメェの弟ってやつじゃねぇよ」

「そうだよ(便乗)。だって僕と波帆に血は繋がってないじゃん」

「それは当たり前のことでしょ? だって私たちは姉弟なんだから」

「え?」

「え?」

「……俺たちって、ほら、出会ってこれで2回目じゃん? 会うのがさ。だから、いきなり姉弟というのはちょっとアレなんじゃないか?」

「ああ、姉弟と言い張るには関わり合った時間があまりにも少なすぎるな。ちょっとばかし無理があるんじゃねぇのか?」

「大事なのは量より質よ。それに私たちは姉弟という硬い絆で結ばれてるでしょ?」

「ん?」

「え?」

「絆とかはひとまずおいておくけどさ、それにしたって重要なものとしては戸籍があるよね? それに、僕たちは僕たち自身が兄妹じゃないから僕たちは波帆の弟くん達ではないと思うんだけど」

「ああ、戸籍とかいう国民を識別する為のデータに、少なくとも俺と波帆が親族であるとかそういうものは一切記述されていない。勿論解兎や暁もだ」

「戸籍? 姉弟の間にはそんなの関係ないよ。だって姉弟なんだから」

「ゑ?」

「え?」

 

 ……姉弟……だよな? 姉弟って血の繋がった姉と弟のことを指していってるんだよな? 多分暁と解兎も同じ意図で読み取って波帆に対して発言していただろうし。

 すると突然、俺の脳内に電流が走る。どうやら俺はとんでもない勘違いをしていたらしいな……唐突な弟くん発言によって少しばかり混乱していたが、それもう大丈夫だ。

 隣の暁と解兎を横目で少し見てみると、どうやら二人も俺と同じ結論に至ったらしく、確信を持った表情を浮かべていた。

 

「……波帆の言ってる姉弟って、義理の方か?」

「うん。私と弟くん達は“血の繋がっていない”姉弟だよ」

「あーっと、ちょっとタンマ」

 

「そうだよそっちを忘れてたよ……」

「冷静になってみれば姉を名乗るものって大体カッコ義がつくような気がする」

「いずれにせよヤベェ奴って事には変わりねぇな……寧ろ義理ってんなら何し始めるかわかんねぇぞ」

「……ん? ちょっと待て、確か俺ら弟扱いされてたよな?」

「うん? それがどうし……あっ」

「暁の性別についてなんも言ってねぇはずなのに、まさか初見で気づいたってのか? 機械ですら認識する事が出来なかったコイツの性別に?」

「服装とかは全く考慮されない暁が、今回に限って服装で判断された可能性もあるけどな」

「勿論一眼見てわかったよ」

「ほぅ、どうしてだってうぉ!?」

「自然に溶け込んできやがったぞこの女! ヤバいな……」

「というか、僕の性別って姉弟問題に関係ないんじゃ?」

「んー、もし女の子だったら妹ちゃん扱いだったかもね。まぁ弟くんから滲み出てる思春期特有の病の気配を感じて性別を判別できたからよかったけど」

「「いやどうやってやったし」」

「理解できねぇ……俺にはこの女が何を言ってるかわからねぇ」

「安心しろ……俺や暁も理解できてねぇからな……」

 

 弟くん発言によって混乱しきっていた俺たちの脳内は、暁の性別を正しく認識していたという事で余計に混乱を極めてしまった。大体この女のせいだ。間違いない。議論の余地すらないな。

 

「あ! もうこんな時間! ひとまず今日の所は私は帰るね。またね、弟くん達。あ、これ私のL○NEのIDね。それじゃあまた」

「「「あ、はい」」」

 

 身につけていた腕時計をチラリと見た波帆は、L○NEのIDをメモった紙を俺らに渡して何処かへと去っていってしまった。一体なんだったんだあの女……

 

 ◆

 

 かなり端折ったが、これがあの女、波帆蘭との最初の出会いであった。

 で、なぜこんな話を今しているのかというと……

 

「へぇ、こいつが弟くんを傷つけた“ウワサ”……ね。どういった存在かはわからないけど、弟くんを傷つけるのなら容赦はしないよ!」

 

 いつのまにか捕まっていた奴らを(暁以外)全員救助して、魔法少女二人と一緒に捕らえられていた化け物──ウワサというらしい──に対してゲシゲシと足で踏みつけながら車輪を撃っている波帆の存在と、未だ暁の背後で蠢きながら暴走し続ける暁の……なんだ? ペ○ソナ? ──それらしき存在について見たくもないし考えたくもないからだ。

 

「ちぃ! フリーズしてないでとっとと動きやがれ帰宅馬鹿!」

「えぇ……少なくともそいつの相手はノーセンキューだ。お前らで勝手にやっててくれ」

「はぁ? おい暁、その触手アイツの所にぶつけれねぇか?」

「なんとか数本なら操れるから、それだけでも一条にぶつけに行くよ」

「待ちなさい。一般人に危害を……一般人?」

「やちよさん?」「ししょー?」

 

 おい、何故一般人と言ったところで首を傾げるんだ。失礼な、俺はれっきとした一般人だ。試しに俺のクラスメイト十人くらいに適当に聞いてみろ。多分「一条? ダレソレ?」とか言われる事間違いなしだなHAHAHA! ……いや、マジで起こり得そうで怖いな。

 ……ん? 地味になんか一人増えてないか? 気のせいかもしれないが、回想に入る前には居なかったような気がする者が一人増えた気がするんだが……俺が気づいていないだけかもしれない。って、どうでもいいわそんなん。

 

「てか、それって結局なんなんだ? ス○ンドか? それともペ○ソナか?」

「んー? わからないけど、多分ペ○ソナなんじゃないかな? ソウルジェム濁ったら出てきたからアレ説もあるけど……うん、自我があるからないでしょ」

「へー……って、危ない危ない」

「あ、ごめん。今のは故意じゃないよ」

 

 なんか暁から出てるからなんかもう一人の僕よろしく第二人格説も俺の中ではあったが、どうやら現状有力なのはペ○ソナ説が有力らしい。てかさっきからこの触手俺の方に攻撃してきてるな。まぁ解兎からいつの間にか渡されてた刀で適当にいなしてるけど。

 ……割とマジで俺等なんで刀扱えるんだろうか……いやまぁ大体解兎が俺らを解兎の母親による夏期講習的な訓練に巻き込んだからなんだがな……内容? 思い出したくもないから伏せさせてもらう。

 

「てかそれ引っ込められないのか?」

「んー、さっきから試してるけど無理っぽさそう」

「さっきから随分と余裕ね」

「まぁ、ウワサがあの有様だからね。……見てて少し可哀想に見えてくるけど」

「とは言ってもなぁ、このまま放っておくわけにはいかねぇしな……てか波帆、いつまでそいつを撃つつもりだ」

 

 解兎が波帆に視線を向けながら声をかけたので、その場にいたものの視線が自然とウワサ虐待を行なっている魔法少女(19歳)の方に向く。

 波帆は解兎の言葉を受けて、あははと苦笑しながら車輪を剥ぎ取って、何度も何度もウワサに対して引き金を引いているが、全然ダメージがないように見える。

 

「こいつ本当に硬くてダメージ入れれないんだよね。どうやって倒すか検討ついてる?」

 

「んー、そのウワサ硬いんだよね。前と同じで連携すればいけるかなぁと思ったけど。車輪は結構剥がれたけど」

「私達5人で協力してもダメでした。車輪は簡単に取れましたけど」

「攻撃も全て弾いちゃうからね。車輪は割と脆かったけど」

「能力込みで俺が斬ろうとしたがそれも通じなかったな。車輪は簡単に斬れたが」

「だけど、この触手に捕まっている間は苦しんでいるように見えたわ。とくに車輪とか結構落ちてた気がするわ」

 

「そっかー、じゃあ私も無理かもしれないね。まぁ弟くん達への愛があれば大丈夫だと思うけど」

 

 とか言いつつ烈光雷光ピカッと閃光烈光雷光レッドみたいな感じで蹴り続けるのは絵面が酷いのでやめてほしい。そんなバイオレンスな愛はちょっと俺的にはポイント低いわ。本当に。

 あとどんだけ車輪弱いんだよ、お前らの車輪に対する殺意の結果か? 車輪の話している最中なんかウワサが涙目になってるように一瞬見えたぞ。

 

「てか暁、そいつ倒す手段とか思いついてないわけ?」

「一応予想としては、呪いや穢れとかの力なら効くんじゃないかって意見があるよ」.

「つっても、心が穢れきってる暁の攻撃が効いてないからその話はすぐ消したんだけどな」

「失礼な! 僕ほど清廉潔白な人間は世界に5人もいないというのに! 学校では聖人君子のようだと言われ続けたこの僕のどこが穢れているっていうんだい!?」

「全部だな」「全部だろ」

「酷いっ!」

「強いて言うなら全部ね」「全てじゃないの?」「全部じゃないかな?」

「先輩方っ!?」

「え? え? 私は暁さんはいい人だとは思います」

「いろはさん! 貴女は神、いや女神か!」

 

 なんかカオスチックになったから一旦暁から目を離すとして、だ。呪いや穢れねぇ……普通に考えるなら魔女の力なんだが、生憎この中に魔女がしている奴なんているわけがないしなぁ……

 

「……ん? 暁、思えば今回一条ってウワサに手出ししてねぇよな」

「うん? 確かにそうだね」

「呪いや穢れ、一条なら当てはまるんじゃあねぇのか?」

「それはいったいどう言うことかしら」

「あーっと、暁、説明任せた」

「えぇっ!? えっと、端的に言えば魔女ニアリーイコール一条って感じかな?」

「おい、なんだよその説明。俺の名誉が結構傷つけられてマジ訴訟も辞さなめ案件なんだが? ん?」

「何? やる気? 喧嘩を売るって言うのなら喜んで買うよ?」

「そこまでにしとけ……てか、まともな説明はあとでいいからとりあえずいってこい」

「あいよ、まぁ適当にやってみるわ」

 

 そう言ってひとまずウワサなるものの近くまでやってきて、ひとまず触れてみる事にした。さて、どうだ? 

 

「阿亞婀鵶錏瘂稱䵷!?!?!? 昂擧啊鼃!!!」

 

 凄い叫び声? を上げながらもがき始めた。しかし悲しいかな、コイツは今横転している挙句車輪も剥がされており、ついでに俺に押さえつけられているのでどれだけもがいても無駄無駄ァ! というわけだ。というか……

 

「……なんかすげぇ苦しんでないか? こいつ」

「やっぱり一条は穢れてたんだね……」

「本当にアレが穢れの力だと言うの……?」

「だとしたら、人に擬態した魔女なんじゃないの?」

「けど、前は私達と一緒に戦ってくれましたし、違うとは思います。思いますけど……」

「さすが弟くん! 私たちじゃ数一つ与えられない相手に対してここまでダメージを与えるなんて!」

「時たま思うんだが、アイツ割とマジで倒さなきゃいけない悪なんじゃねぇか? 行動手段封じた上にじわじわと嬲り殺すかのように少しずつダメージを与えるとか……正常な人間がやることじゃあねぇ。俺でも引くぞ」

 

「や、ダメージ与えてるのは俺だけども、この状態までコイツを追い込んだのはそこの魔法少女(笑)だぞ? あと、いい加減暁の触手なんとかしなくていいのか? おい」

 

 なんて話していると、いつのまにかウワサは消滅していた。たた、コイツが消滅する直前のセリフが「……鎡爹(シテ)……瞽纑鰤爹(コロシテ)と言っているように聞こえたのは俺の気のせいだろうか? 

 

「んー、なんとかコイツどかすこと出来ないか「動かないで!」……な?」

 

 暁がどうにかしようかと思案しながら喋っていると、突如その声を遮る謎の少女の声が。具体的に言うのなら強そうな雰囲気を持っているが序盤で死んで味方に絶望を与えそうなキャラのような声が、触手がいる水名神社に響き渡った。

 どうやら乱入者は一人(波帆)だけじゃなかったようだ……




●今回のお話
ダイジェストで一条達と波帆の出会い的な回想と、マチビト馬虐の二本立て。マチビト馬君は泣いてもいいと思う。

●一条
原作主人公の活躍を奪った者。どういうわけか呪いや穢れ等の力を持っているらしい。まさか魔女を吸収してるからってそんなことないだろと本人は思っているが、実際はその通りであることを彼は知らない。

●暁
未だに触手に捕まっている?状態だというのにしれっと会話に混ざったりしている。結構余裕あるなコイツ。うなじの辺りは自分で操れる数本の触手を用いて守っている。触手のことをペ○ソナだと思っている。

●鶴乃
割と空気な自称最強。地味に触手に対して攻撃していたり、なんだかんだで沸いている使い魔達と戦っていたりはする。暁の知り合いで、暁がロリコンであることは知っている。

●波帆
出会って数時間しか経っていない奴を弟扱いするヤベー奴。どういうわけか一条達の個人情報とかを完全に把握していたりする。一条が回想という名の現実逃避中にやちいろを助けていた。“義”姉である事に拘りがある。

●マチビト馬のウワサ
今回の最大の被害者。車輪が外されるのでその度に再生しているのだが、それを何度も何度も外されるだけでなく、(義)姉を名乗る者から烈光雷光ピカッと閃光烈光雷光レッドされている。因みに波帆の属性は(設定上は)闇属性なので、車輪が受けているダメージは割と洒落にならない。

一条君たちの設定いる?

  • いる
  • いらない
  • そんなことよりおうどんたべたい(いる)
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