あれ?
ここはどこ?
……って、あ、屋上だ。
そうだ私……あの怖い人に鳩尾ブン殴られてから気を失ってだんだ。全く、本当に怖い人は怖い人の素質があるんじゃないですかね。まさか雪乃先輩よりも前に誰かに実力行使されることになるとは思いませんでした。
雪乃先輩vsあの怖い人で戦ってみたりしたら面白いんじゃないんですかね? ほら、ゴジラvsガメラみたいに。
「ハァ……今時間どのくらいだろう」
私はどのくらいノビていたのか分からないので、とりあえず携帯を出して時間を確認します。
「うっわぁ。もう5時間目始まってる」
はい。ばっちり昼休みの時間はぶっちぎっていて、もう普通に5時間目の時間です。
さすがに午後の授業はサボるつもりはなかったんだけどなあ……まあもう仕方がない、見晴らしのいいところでぼうっとしますか。ということで私はちょっと登って、屋上をまた見渡せる、さっきまであの怖い人がいた場所に登ります。
「うわあ……わりといい景色ですね」
ちょっと上がっただけなのに、それなりに良い眺めがそこにはありました。
午後の暖かい日差しと、ほんの少し感じる風。一面の青空に、静かな空間。そして下に広がるは平民たちが暮らす学校。
「なるほど、ここは生徒会長に相応しい場所ですね。今度サボる時来ようかな」
それにしてもこの景色、良い気分になってきます。私の天下ですよねこれ。うへへへへ
と、天下に浸っていた私の静かな世界は、すぐに潰されることになります。
というのも
「ここなら誰もいないよね。来なよ比企谷くん」
「……なんなんすかね。俺一応授業なんですけど……勘弁してくださいよ陽乃さん」
よもやよもやです。
なんと屋上にはハルさん先輩と、げっそりしたせんぱいがやってきました。
私はとっさに二人に見つからないように、その場で固まります。こっちに登ってこない限りバレることはないので、音さえ立てなければこっちのもんです。
「あれれ〜、そんなこと言っていいのかな比企谷くん。別に、この『比企谷クンがガハマちゃんの胸をガン見してる写真』を雪乃ちゃんにばらしたって良いんだぞ?」
「……要求はなんですか?」
……ははん。ハルさん先輩がせんぱいの弱みを握ったって訳でした。確かにこれは雪乃先輩にバレたらやばいですね。……でもなんかこれ面白そう。録音しておこう。
「うふふ……簡単だよ。私を抱きしめてチューしてくれればいいだけだから」
「は?」
は?
「なに? やりたくないならこれを雪乃ちゃんだけじゃなくて色んな人に送りつけるし、なんなら生徒会長ちゃんの生足やお尻ガン見してた写真なんかもあるからそれも」
「……お願いします。勘弁してください」
は? 生足ガン見ってなんです? っていうかお尻? せんぱいガチですか?
……今度生足でわざと軽くお尻ぶつけようかな。ポヨンって感じで。
「えー、やだよ。この比企谷八幡狂狂祖としては、ね♡」
「なんすかその怖すぎるワード」
「まあ、ここまで来たら逃さないけどねぇ……本当は保健室が良かったけど、なぜか今日保健室の監視体制は万全だったから……でもまあここで青姦も中々に乙だしいっか。ほら比企谷くん……年上のお姉さんは嫌い?」
「うわちょっと待てこっち来るな!? 今何つったあんた!!」
「んもぅ。待ちなよ、もうキミは私に食べられる運命なんだから♡♡♡ 私の性欲ももう限界なんだよね」
「あんた雪ノ下の家に怒られたらどうすんだよ!?」
「どうせ来年には雪乃ちゃんと交代だも〜ん。ほら、比企谷くんも雪乃ちゃんと一発ヤル前にお姉さんと練習しよ? 大丈夫だよ私も初めてだし。一緒に気持ちよくなろうね? 」
「アンタまじで落ち着け!? しかもこんな屋上でとか頭おかしくなってますよ雪ノ下さん!」
「いいのよ、逆に興奮するでしょう? ……比企谷くん、青空の下で、一緒に気持ちよくなろう?」
「うっうお!?」
あ、せんぱいがハルさんに押し倒された。
あー、このままじゃあせんぱいやられちゃいますね。
まあ、本当なら私直々に性欲に溺れたハルさん先輩からせんぱいを守るところなんですが
「姉さん。私の比企谷君に何をしているのかしら」
ここ、総武高校は私の城な訳です。
ラインって便利ですね。本当。