世界の運命をかけた戦いが、起きている。
私たちの希望が敗れ、そして、私達自身がやられてしまった時.....
それは、世界の破滅を意味する。
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至る所で戦いの音がこだまする。
この場はかつて、私達が守ってきた場所。
今は終の女神シバが座する場所となっていた。
戦況は.....分からない。
倒しても倒しても無尽蔵に送りこまれる閃機種は、その波を止めることは無い。
私達ができることは、このマザーシップ・シバの最奥にてシバと死闘を繰り広げているであろうユウとマトイに、一切の邪魔をさせないよう閃機種を食い止めることだけだ。
「.....息を切らしています。ろん、大丈夫ですか。」
「.....はっ....はっ....平気です....。」
送り込まれた閃機種達を撃破した後、蝉時雨は視線をろんに向ける。
この戦いが始まってから数時間が経過し、その間ずっと戦い続けている。
長時間、更にいえば相手はこれまで戦ってきたエネミーとは訳が違う。
私達だけじゃない。他のところで戦ってるみんなだって、相当疲弊しているハズだ。
しかし、疲れを見せていてもそれを隠すようにろんは蝉時雨に返事をした。
「........ユウ達が中枢に突入したという連絡から、随分と時間が経っています。しかし閃機種の動きは未だ停止しておらず......決着がまだついていません。」
蝉時雨はろんにモノメイトを渡す。
「この後も戦いが続きます。いつ終わるかも分かりません。今は無理せずにろんは一旦離脱した方がよいでしょう。」
蝉時雨の言葉にすぐ返事は返さず、ろんはモノメイトを受け取りそれをグッと飲み干す。
「.......いえ、離脱する訳にはいきません。私は......あの人の役に経ちたい。」
その言葉と共に、固い決意の表情を蝉時雨に向ける。
「.........分かりました。ですが、無理は絶対にいけませんよ。私がマズイと判断したら強制的に帰還させますから。」
蝉時雨がそう言うと、再び周囲に大量の閃機種が出現する。
ろんと蝉時雨は顔を見合せ、頷く。
両者の手に握られているソードを目の前にいる過去の異物へと向ける。
2人は地面を勢いよく蹴り、閃機種に攻撃を仕掛ける。
(......ユウ君、今......どんな状況ですか?やられたり、していない?)
戦いのさなか、ろんは脳内でユウに語りかける。
(......こっちは.....大丈夫、一緒に戦ってる蝉時雨さんも、他の場所で戦ってるまリスさん、あるふぃさん、セラフィムさん、クオン、アリシアさん、ALiCiAさん........みんな、死んでいないよ。)
ろんはこの戦いが始まる前、全てのアークスシップに放送されたユウの言葉を思い出していた。
『....今回の作戦で、多くの犠牲者が出ると思います。......僕とマトイは敵の注意を引き付けてくれている皆を見捨て、中枢に座するシバを討たなくちゃいけない。みんなもそれは承知してる事だと思う。.....みんなが僕たちの為に命を張ってくれる事はとても嬉しいです。......だけど。僕は、誰かが死ぬ事は望んでいません。だからこれだけは覚えていてください。"絶対に死なないでください。誰一人、欠けることなく。".......僕達も.....必ずシバを倒しますから......!』
(絶対に死なない.....だから、あなたも頑張って......!)
ろんは目を見開き、手に握るソードを大きくなぎ払い閃機種を殲滅していく。
みんなが待っている。
ユウ達の帰還を。
また、アナタの笑顔をみたいから。
だからここで、アナタの為に戦い続け──────────
その瞬間、蝉時雨とろんに向かって巨大な光弾が迫ってくる。
「ろん!!下がって!!」
咄嗟に蝉時雨は叫び、渾身の一撃でその光弾を破壊する。
一瞬の出来事による焦りと、背筋の凍るような感覚に襲われる。
突然の攻撃によるものじゃない。
この攻撃、"私達"がよく知っているものだ。
「......流石に今のは、避けますよね。」
聞き覚えのある声だった。
相殺した後に巻き起こった土煙に、こちらへ近づいてくる影が映る。
「.......できればあなた方とは戦いたくなかったけど......仕方が無いですよね。」
煙がはれ、その影が姿を現した。
その人物は、私達以外に誰もが知っている人だった。
「.....................。」
目の前の存在に言葉を失う。
思考が.......頭が、働かなかった。
真っ白になる。
それは蝉時雨は当然、ろんも感じていた。
信じていた希望が、絶望へと変わっていった。
「...........なん........で...........?」
ろんは手に持っていた武器を落とし、膝から崩れ落ちる。
「.............どうして..........裏切ったの............」
ろんの言葉にその人物は答えなかった。
ただ真っ直ぐ、冷たい視線を向けられている。
「.........なんで.......?...........ユウ君。」