シャインナックルさんが世界をぶっ壊してみるテスト   作:偽馬鹿

5 / 8
勢いで更新できるだけ更新していくという耐久プレイ。
出てくるグラブルキャラは身内のリクエストです。


近B

にゃーん。

 

タレイアは猫を見ていた。

今日は青年もいなかった。

何やら仕事があるらしく、先程グランサイファーを降りて行った。

 

そう、タレイアは暇だった。

最近よく一緒にいるサラもいなかったので、本当に暇だったのである。

 

 

 

なので猫を見ていた。

じーっと見ていた。

ゴロゴロと鳴いて、足を舐めて、ゴロゴロ転がっている。

 

「…………何やってるのかしら」

 

口に出すと、途端に馬鹿らしくなった。

タレイアはすっと立ち上がると、そのまま歩き出した。

 

 

 

「……タレイア」

「……ん?」

 

ふと気付くと、横にゴーレムの少女がいた。

オーキスだ。

タレイアをこのグランサイファーに招いた人物である。

 

結構雑で、割と適当なところがある。

あるが、それがいいところなのだと、なんとなく思っていたタレイアであった。

 

「頼みたいことがある」

「……何かしら」

 

深刻そうな顔。

ゴーレムの心は読み辛いらしく、何やらもやもやしている。

人にしか通じない、結構使いどころが限られる読心術だった。

なので猫の心は全く読めないのであった。

 

ともかく。

オーキスが深刻そうな顔で頼み事をしてきた。

タレイアはじっとそのあとの言葉を待った。

 

 

 

「この子を預かって欲しい」

 

 

 

「……で、魔物の雛を預かったわけか」

「ええ、何故かしらね」

 

青年が帰ってきて見たタレイアの姿は、羽まみれになったそれだった。

どうやらその魔物は鳥系。

それも空を飛べそうになく、ふっくらとしていた。

そして黄色い。

 

「チョコボ……」

「何かしら?」

「いや、何でもない」

 

そういえばと、タレイアは気付く。

青年の思考はあまり読めなかった。

他の人の思考と比べて、あまりにも弱々しいからだった。

たまに面白いことを思い浮かべるので、そういう時は勢いよく剣を刺しているが。

 

今いるのはタレイアの部屋である。

ちょうどルームメイトがいないので、一人で寝起きしている。

地味に寂しいと思ったり思わなかったり。

 

「お邪魔しまーす……」

 

暫く雛と格闘していると、そっとサラが部屋に入ってきた。

ちょうど青年の肩に顎を預け、向かい合うようにしていたところだった。

抱き着くような格好になっていたが、青年の背中に逃げようとした雛を捕まえていたのだった。

 

 

「あー……」

「……」

 

しかし、そんなことを来たばかりのサラが知る由もなく。

盛大な誤解をしたまま、サラはドアを閉めたのだった。

 

「追うわ」

「こいつは?」

「任せたわ」

 

タレイアの行動は迅速だった。

雛を青年に預けて全力で部屋を出た。

 

何とは言わないが、何とは言わないが大変なことになる。

タレイアはそう思ってサラを追いかけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュピ。

 

何か鳴いてる。

どうしろというのか。

 

俺は別にこいつを預かる義務はない。

ないのだが。

タレイアに任されたので仕方がない。

 

ご飯だろうか。

とりあえずトウモロコシやらなにやらの混じったご飯を与える。

 

きゅ、きゅ、きゅ。

 

もぐもぐ食べる雛。

美味しいらしい。

夢中になっている。

 

 

 

しかし。

タレイアはどうしてオーキスの頼みを聞いたのか。

理由を聞いていなかった。

 

まあいいか。

俺はこいつをどうにかしないといけないわけだ。

いや。

どうにもしないようにしないといけないのか。

ややこしい。

 

 

 

しかし。

タレイアがいたときは暴れていた雛は。

全然暴れなくなった。

凄く大人しい。

ご飯だからだろうか。

よくわからない。

 

ぐにぐにと雛の身体を揉んでみる。

柔らかい。

美味しそうだ。

流石に食べないが。

 

 

 

そういえば。

魔物料理はジビエというのだろうか。

わからない。

わからないが。

まあどっちでもいいか。

 

とにかく。

時間を潰さなければならない。

流石に暇だ。

こいつを連れてどこかに行くか。

 

 

 

というわけで。

抱えたまま出歩く。

 

本当に大人しい。

羽を抜いても大丈夫そうだ。

いややらないが。

 

甲板に出るのはやめておこう。

流石に逃げ出して空にぽーんはまずい。

 

というわけで室内をうろうろする。

グルグルと回ってみるが。

別に代わり映えはしなかった。

 

 

 

「お」

 

すると。

目の前にふらふらと歩いている人を見つけた。

大きなもふもふの耳。

もふもふのしっぽ。

ユエルだ。

 

「えーっと、タレイアちゃんの保護者さん!」

「ええと、まあ。合っているか」

 

確かに。

見た目的にはそうなるか。

全くそんなことはないのだが。

 

ずびしっと指差してくるユエル。

その指先は俺からすーっと雛へと向かっていく。

 

「……今日は鳥料理?」

「ペットだ」

 

流石にそれは困る。

タレイアが困る。

なのでちゃんと間違いは解消する。

 

「そーなんか。美味しそうなんやけどなぁ」

「確かに」

「先っちょだけならセーフ?」

「駄目だ」

 

油断も隙もない。

というかうっかり頷いてたらどうなっていたか。

流石に食わないだろうが。

……食わないよな?

 

 

 

「あ、そうや! コウ見なかった?」

「ん……見てないな」

「そうかー」

 

どうやらうろうろしていたのはコウを探していたかららしい。

なるほど。

これは一人になりたがるわけだ。

タレイアが言っていた。

どうにも弟離れができない姉のような感じだ。

知らないが。

 

 

 

「じゃあ、向こう探すなー」

「ほどほどにな」

「ははは」

 

俺のセリフに笑うだけ。

これは聞いてないな。

南無。

コウは犠牲になったのだ……。

 

 

 

ユエルと別れた。

次はどこに行くか。

そう思ってうろうろする。

 

「……あ」

「む」

 

ふと。

背後を見たら。

誰かがいた。

というかニーアだった。

 

「こ、こんにちわ……」

「ああ、こんにちわ」

 

もしかして殺されるかと思ったが。

別にそんなことはなく。

普通に挨拶した。

 

 

 

どういうことだ。

ニーアはもっとこう。

ぶっ飛んだ存在だと思っていたが。

違うらしい。

ちょっと安心である。

なんだかタレイアとぶつかりそうな気がするからだ。

 

 

 

「それでは」

「あ、はい。さようなら……」

 

とはいえ。

実際にそうなるかはわからないので。

今はスルーしておくことにした。

 

きゅい、きゅい、きゅぴー。

 

どうやら雛は眠いらしい。

瞼が下りてきている。

そうなれば。

さっさと帰ることにしよう。

 

 

 

「おかえりなさい」

「ああ、ただいま」

 

部屋に戻ると。

タレイアが先に帰ってきていた。

 

ということは。

サラちゃんに追いつけたということだろうか。

 

「そうね。ちゃんと話し合ったわ」

「ならよかった」

 

含みがあったが。

まあ大丈夫だろう。

 

とりあえず。

雛を寝床に置いて。

タレイアと向かい合う。

 

 

 

「どうだ?」

「……何が?」

「ここは、どうだ?」

「……」

 

何となく。

こんなことを聞いてみたくなった。

友達っぽいのもできたようで。

楽しそうで。

何となく聞いてみたくなったのだ。

 

 

 

「まあ、そこそこよ」

「そこそこか」

「ええ、そこそこ」

 

そこそこらしい。

ならよかった。

俺は満足した。

 

タレイアはどうやらそこそこな環境を得たらしい。

ならそれを守ってやるのもいいだろう。

 

 

 

あの少年のことを忘れたわけではない。

わけではないが。

どうすればあの世界を壊せるかを考えてみた。

 

あの世界はタレイアが泣いていたからできた。

いや。

グラティエが泣いていたからか。

どっちも一緒か。

 

とにかく。

タレイアとグラティエが泣いていなければあの世界は生まれない。

 

ならば。

俺はその泣き顔を生み出さないように戦う。

それでいい。

きっとそれでいい。

 

 

 

とはいえ。

一体何と戦えばいいのか。

わからない。

わからないが。

なんとかなりそうだ。

 

そう思って。

俺はタレイアの頭を撫でるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。