PhantasyStarOnline2-IF-「裏切りのユウ」 作:あるふぃ@ship10
とても、悲しい夢を見た。
目を覚ました僕は、涙を流していた。
何より驚いたのは、その夢の内容をナウシズの皆に話したところ、あの時あの夢に出ていた全員が、同じ夢を見ていたという。
僕たちは、この偶然とも思えない不思議な出来事を、シャオに伝えた。
「なるほど......同じ日の晩、ここにいる全員が、同じ夢を見ていたと.....」
シャオは、今回起きた事について、1つの仮説を立てた。
おそらくこれは、短期間に深く関わりすぎたことによるフォトンの感応現象だと。
実際に夢を見ていたのはユウで、皆はその夢を、第三者として見ていたに過ぎない。
別の世界線の出来事を疑似体験していたのか、単なる夢だったのかは分からない。
ただどちらの結末においても、まず最初に「先行部隊によるマザーシップ・シバへの突撃作戦」という共通事項がある。
現実世界では、「アークスシップ全艦の、マザーシップ・シバへの一斉突撃作戦」だった。
おそらくここが分岐点で、"もし突撃作戦の内容が違っていたら"、というユウの想像が、今回の原因であろう。
「おそらく原理は何者かが強く思うことによって発生する、具現化現象に近いものだと思うけど、それが夢で発生して、他の者が同じ夢を見るというのは、実に珍しいものだね。」
シャオは一通りの説明を終える。
「....私ってそんなに、1人であることに自信を持ってるナルシストに見られているのか?」
あるふぃが最初に口を開く。
「夢の中での性格や行動は、夢を見ている張本人からの印象を一番に受ける。つまりユウは、君のことを"そういう人"だと認識しているってことだね。」
「うぐっ.....」
......心の折れる音がした気がする。
「私とフィムさん、容赦なく吹き飛ばされてましたね.......」
「そうですね......見てて普通につらかったです.....」
「私とえりしゃは、即行で力尽きてたね(笑)」
「なんていうか....明錫クラリッサⅢ....仕事しすぎじゃない?」
クオン、セラフィム、アリシア、ALiCiAは、それぞれに夢を見て思った感想を述べる。
「ねぇ蝉。なんかあたし、美化されてない?」
「そんなことはないと思いますよ。おそらく一番、現実に近い認識だと思います。」
「そういう蝉も、現実と変わりなかったよね。あの容赦ない感じとか。」
「まリス?あとでちょっと、お話してもよろしいですか?」
「あ、いや....ごめんなさい....なんでもないです.....」
「分かればよろしい」
やっぱり蝉さんは...こわい....
「えぇっと........ろん........?」
1人下を向いていたろんは、ユウが声をかけると、素早くこちらを向き、ものすごい勢いで詰め寄ってきた。
そして.......
バチンッ!!!!!!
「いっ......たいっ!ろ、ろん!?」
思いっきり僕にビンタをかました彼女の目には、涙が浮かんでいた。
「ひどいよユウ君.....!!あんな辛くて悲しい夢見させるなんて.....あんまりだよ!!!!」
「いやちが....あれは不可抗力で......」
「うるさい!!!!」
バチンッ!!!!!!
2度目のビンタが炸裂する。
「あ~あ~、ユウ。女の子を泣かせるのはさすがにまずいんじゃないの~?」
まリスが、ニヤニヤしながらいじってくる。
「ご....ごめんなさい....」
(これって僕が悪いの.....?)
とりあえずなだめようと、そっとろんを抱きしめて、頭を撫でる。
「ろん.....ごめんね......でも大丈夫だから......僕はここにいるよ?」
「うん.....うん.........」
少しは落ち着いてくれたようで、涙も少しずつおさまってくれた。
他の皆は、僕たちの光景を微笑ましそうに見ている。
.........なんか恥ずかしい......
不思議な体験をしたけど、僕たちはこの世界でしっかりと生きている。
誰1人欠けることなく。
これからもきっと、皆と共に歩んでいくことだろう。
これからもずっと、皆で楽しく笑って過ごしていこう。
『これは、もしかしたら起きていたかもしれない、1つの物語。』