PhantasyStarOnline2-IF-「裏切りのユウ」   作:あるふぃ@ship10

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#9-C「一つの可能性」

とても、悲しい夢を見た。

目を覚ました僕は、涙を流していた。

何より驚いたのは、その夢の内容をナウシズの皆に話したところ、あの時あの夢に出ていた全員が、同じ夢を見ていたという。

僕たちは、この偶然とも思えない不思議な出来事を、シャオに伝えた。

 

 

「なるほど......同じ日の晩、ここにいる全員が、同じ夢を見ていたと.....」

 

 

シャオは、今回起きた事について、1つの仮説を立てた。

 

 

おそらくこれは、短期間に深く関わりすぎたことによるフォトンの感応現象だと。

実際に夢を見ていたのはユウで、皆はその夢を、第三者として見ていたに過ぎない。

別の世界線の出来事を疑似体験していたのか、単なる夢だったのかは分からない。

ただどちらの結末においても、まず最初に「先行部隊によるマザーシップ・シバへの突撃作戦」という共通事項がある。

現実世界では、「アークスシップ全艦の、マザーシップ・シバへの一斉突撃作戦」だった。

おそらくここが分岐点で、"もし突撃作戦の内容が違っていたら"、というユウの想像が、今回の原因であろう。

 

 

「おそらく原理は何者かが強く思うことによって発生する、具現化現象に近いものだと思うけど、それが夢で発生して、他の者が同じ夢を見るというのは、実に珍しいものだね。」

 

 

シャオは一通りの説明を終える。

 

 

「....私ってそんなに、1人であることに自信を持ってるナルシストに見られているのか?」

 

 

あるふぃが最初に口を開く。

 

 

「夢の中での性格や行動は、夢を見ている張本人からの印象を一番に受ける。つまりユウは、君のことを"そういう人"だと認識しているってことだね。」

 

 

「うぐっ.....」

 

 

......心の折れる音がした気がする。

 

 

「私とフィムさん、容赦なく吹き飛ばされてましたね.......」

 

 

「そうですね......見てて普通につらかったです.....」

 

 

「私とえりしゃは、即行で力尽きてたね(笑)」

 

 

「なんていうか....明錫クラリッサⅢ....仕事しすぎじゃない?」

 

 

クオン、セラフィム、アリシア、ALiCiAは、それぞれに夢を見て思った感想を述べる。

 

 

「ねぇ蝉。なんかあたし、美化されてない?」

 

 

「そんなことはないと思いますよ。おそらく一番、現実に近い認識だと思います。」

 

 

「そういう蝉も、現実と変わりなかったよね。あの容赦ない感じとか。」

 

 

「まリス?あとでちょっと、お話してもよろしいですか?」

 

 

「あ、いや....ごめんなさい....なんでもないです.....」

 

 

「分かればよろしい」

 

 

やっぱり蝉さんは...こわい....

 

 

「えぇっと........ろん........?」

 

 

1人下を向いていたろんは、ユウが声をかけると、素早くこちらを向き、ものすごい勢いで詰め寄ってきた。

そして.......

 

 

 

 

バチンッ!!!!!!

 

 

 

 

「いっ......たいっ!ろ、ろん!?」

 

 

思いっきり僕にビンタをかました彼女の目には、涙が浮かんでいた。

 

 

「ひどいよユウ君.....!!あんな辛くて悲しい夢見させるなんて.....あんまりだよ!!!!」

 

 

「いやちが....あれは不可抗力で......」

 

 

「うるさい!!!!」

 

 

 

 

バチンッ!!!!!!

 

 

 

 

2度目のビンタが炸裂する。

 

 

「あ~あ~、ユウ。女の子を泣かせるのはさすがにまずいんじゃないの~?」

 

 

まリスが、ニヤニヤしながらいじってくる。

 

 

「ご....ごめんなさい....」

 

 

(これって僕が悪いの.....?)

 

 

とりあえずなだめようと、そっとろんを抱きしめて、頭を撫でる。

 

 

「ろん.....ごめんね......でも大丈夫だから......僕はここにいるよ?」

 

 

「うん.....うん.........」

 

 

少しは落ち着いてくれたようで、涙も少しずつおさまってくれた。

 

 

他の皆は、僕たちの光景を微笑ましそうに見ている。

.........なんか恥ずかしい......

 

 

不思議な体験をしたけど、僕たちはこの世界でしっかりと生きている。

誰1人欠けることなく。

これからもきっと、皆と共に歩んでいくことだろう。

これからもずっと、皆で楽しく笑って過ごしていこう。

 

 

 

 

 

 

『これは、もしかしたら起きていたかもしれない、1つの物語。』

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