PhantasyStarOnline2-IF-「裏切りのユウ」 作:あるふぃ@ship10
市街地にこだまする戦闘音。
閃機種の大群とはまた違った場所で、再び戦闘が始まっていた。
「ユウ君.....私には分からないよ.....どうしてそこまでして、シバの側につくのか....」
1人の少女は、ユウに語りかけながら、持っている武器、斬雪に一回り大きな刃を纏わせ攻撃を繰り出す。
「これが、真実を知った僕の答えです。もう、他に選ぶ道なんてなかったんですよ....」
少女の攻撃を受け流しながら、ユウは答える。
"他に選ぶ道なんてなかった"
それはきっと嘘だ。
戦おうと思えば、まだ戦えた。
抗おうとすれば、まだ抗えた。
だけどシバの放つ言葉を聞いているうちに、気が付けば僕は、シバの手を取っていた。
他に選ぶ道が無かったのではない。
他にあった道を、自らの手で諦めたのだ。
もちろんマトイは僕を止めようとした。
その様子を見たシバは、僕に残酷な言葉を放った。
ー「ユウ。彼女を、殺しなさい。」
それは、僕の覚悟を試す言葉。
ここでマトイを殺せないのなら、シバは容赦なく僕を切り捨てるだろう。
生半可な覚悟で歩める道ではないことは、当然僕も分かっていた。
気が付けば僕は、手に持つコートエッジで、マトイを突き刺していた。
目の前で、大切な人が血を流している。
きっと、涙で前が霞んでいたのだろう。
表情はよく見えなかったが、彼女が放つ最期の声は、決して恨みや憎しみの籠った声ではなく、いつも僕に対して話しかけるような、優しい声だった。
「アリシア、ユウはもう、あとには引けない道を選んだのよ。あるふぃさんを殺し、フィムさんとクオンちゃんを倒した。ここまで来たらもう、誰かが止めるまで、進むしかないの。」
もう1人の少女の声が、僕を現実に引き戻す。
「リア.....」
アリシアとALiCiA。
僕がフィムさんとクオンさんを倒してまもなく、この2人は僕の背後を狙って奇襲を仕掛けてきた。
僕はなんとかそれを受け切り、そのまま戦闘に入った。
おそらく、フィムさんの通信を聞いたのだろう。
僕を襲った2人の目はすでに、覚悟を決めていた。
「ユウ君......やっぱりもう.....戻れないんだね.....」
アリシアは最後の確認をするように問いかける。
「....はい。僕はもう、そちらに戻ることはありません。これが、僕の選んだ道です。」
ユウの返答を聞いたアリシアは、降ろしていた斬雪を再び構える。
「......分かったよ。なら私たちは、本気で君を止めるよ。もうこれ以上、君が悲しまないように。」
アリシアは武器を一振りすると、自身とALiCiAに光の柱が降り注いだ。
「オーバードライブですか.....エトワールの硬さと再生能力は、敵にすると非常に厄介ですね。」
「もう、出し惜しみはできないからね。そうだよね、リア。」
アリシアはALiCiAに言葉を投げかける。
「えぇ.....私たちが教えてあげるわ、ユウ。あなたの選択は間違っていると。あなたのその間違った考えを......断絶してあげる。」
ALiCiAの周囲に、炎のようなフォトンが巻き上がる。
手に持っていたグレンノオオダチは、シエンノオオダチへと姿を変える。
「決着をつけよう、ユウ君。私たち2人が、君を全力で止める。」
こちらへ向き直したアリシアの目は、今までの不安や動揺はなく、しっかりとした覚悟を持っていた。
「.....分かりました。こちらも、短期決戦は望むところです。それでは、いきますよ。」
ユウも再び、コートエッジを構える。
(お願いだ二人とも.......もしも本当に僕の道が誤っているのだとしたら.....止めてくれ.....もう僕は.......こんな思いはしたくない.......)
自分の決めた道を突き進むため、友の誤った道を正すため、ユウ、アリシア、ALiCiAの3人は、同時に足を踏み込んだ。