変態だけど異世界で美少女になったので赤髪少女や巨乳エルフ、その他大勢とたわむれます。   作:ナムヲ

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わらってみてくれるとうれしいです


12 スキルの可能性!!

 「いけ!ふぐり!足止めだ!」

 

 ゴブリン達へと投げつけたのだけど頭上を越えて飛んでいく。

 多分アレだリリースポイントが悪いんだ、真面目に物を投げた事なんて学生以降やってない。

 ちょっとだけ恥ずかしい気持ちで顔が赤くなる。 

 突然飛んできたふぐりに釣られて余所見をするゴブリン達。

 その間に右手の木剣へと念じてみる、その内容は『俺と同じになれ』だ。

 

 「いくぞ!必殺!」

 

 掛け声を出して走り出すと木剣がピンクに光り出す、その途端ステータスウィンドウが表示される。

 こういう時は有用なスキルを勝手に追加するステータスさん、今回はどうなのだろうと眺めつつも足は止めない。

 

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 なんか用っすか?寝起きなんすけどーもう、しょうがないにゃぁ…

 高速流し切りスキルを取得しました。

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 「呼んでないけどありがとう!奥義、通信剣道!横一文字斬りぃぃぃ!!」 

 

 感謝を述べると身体が加速する、視界がブレて景色が流れていく。

 転びそうになるのをなんとか踏ん張りそのままの勢いで前方のゴブリンの頭へと叩きつけた。

 『ポコン』と言う可愛らしい音を立てて振り下ろしたがダメージはない模様。

 

 殴られたゴブリンは何事かと言う風に頭を撫でている。

 横一文字なのに縦に斬りつけたのはなんとなくだ。

 

 「あ、やっぱり痛くないのか…ちょっとショックだ…」

 

 分かってた事だけど思わず呟いてしまう。

 だって俺って腕力無いんだもの、こんな白い細腕で殴られても痛くないだろう。

 そんな事を思いながらそのまま二人の元へ逃げ帰った。

 

 「お帰りなさい、ミソギさん」

 

 暖かい態度のアイギスにやる気充分のフレイ。

 

 「あれ?ミソギもういいの?それじゃーアタシの番ね!!ちょっと待ってなさい!!」

 「いや、まだだ!二人共、目を閉じた方がいいぞ、滅茶苦茶眩しいからな!」

 

 そう言った瞬間ピンク色に光り出す1体のゴブリン、それに戸惑う他のゴブリン達。

 

 「何かしたのですか?ミソギさん!」

 「また何かやったのミソギ」

 

 俺は『うんうん』と頷きながら両手で目を覆う。 

 ピンク色の眩い光を放ちつつゴブリンは変化するのかしないのか。

 俺達も他のゴブリンも目を腕で隠し耐えている。

 そして徐々に光が収まっていく様を俺達三人で見ている光景はちょっとシュールだった。

 

 「よし、そろそろだ」

 

 少しずつ光が収まり収束していく。

 両目を見開くとボン・キュ・ボンのメスゴブが誕生していた。

 当のメスゴブは何が起こったのか分かっていない模様。

 

 やっぱり人だけじゃなく魔物にも適用されるんだ!

 

 「おぉ、成功したぞ!二人共!見て見ろよ、ゴブリンがメスになってる!!」

 「「えぇ……」」

 

 指を差して喜ぶ俺。

 

 凄いぞこのスキル、魔物だけじゃなくて石とか植物とかどうだろうか。

 地面とか水とかにも効果はあるのか、もっと色々試してみよう!!

 

 呆れた視線を感じながら二人を盾に後ろに隠れる、情けないとか思わない、だって俺応援役だしな!

 

 「そんじゃーフレイ先生!やっちゃって………うわぁ……うわぁ…」

 

 そうフレイに言いかけて言い淀む、目の前に広がる光景がヤバイ。

 メスゴブに群がるオスゴブ達、『ギャギャギャ!』と興奮しているようで既にメスゴブは腰巻を剥かれて抱き着かれている。

 

 クエスト前にゴブリンはオスしか居ないとフレイに聞いていた。

 だから途中で思いついて試してみたいと思ったのだけどこうなるとは予想していなかった。

 

 「うわぁ…ひでぇ…」

 「「………」」

 

 メスゴブはガチ泣きしながら色々な汁を撒き散らすとさらに興奮するオスゴブ。

 さらに泣き出すメスゴブの無限ループ。

 なんかもう凄い事になってる。

 

 それを眺める俺達の間に如何ともしがたい空気が流れていた。

 

 「…楽じゃん?ほら、動き止まってるし狙い目じゃん?な?な?」

 「「……」」

 「………ごめんなさい」

 

 周囲に撒き散らされる汁、もうどっちがどっちのなのか分からない。

 

 『ギャッギャッ(はぁと)』とオスゴブが喚いてるのを眺めながら謝る俺。

 アイギスは顔を赤らめ目を背け、フレイは虫を見るような目で俺を見る。

 

 この空気は知っている、ご飯時にTVを見てる家族団欒のひと時に突如チャンネルが変わりハード系大人のDVDを見せつけられた時の空気だ、それも4P物。

 

 「…ファイヤーランス!!」

 

 くんずほぐれつして幸せそうなオスゴブ達へと容赦なく炎の槍が直撃する。

 炎が周囲を燃やし尽くし丸焦げになったゴブがピクピクと蠢いている。

 

 これはチャンスだと思った、この空気を変える為にフレイを褒めなくてはならない。

 すかさずごますりポーズで言ってみた。

 

 「さ、さすがフレイさん!今日も火の上級魔術の威力は凄いっすね!!マジさすがっす!!すげー頼りになるっす!」

 「………え??ま、まぁね?当たり前じゃない、アタシに掛かればこんなものよ!」

 

 あ、この子やっぱチョロいわ、クソチョロいわ。

 ちょっと心配になるほどチョロ過ぎてお姉さん(お兄さん)心配になっちゃうぞ。

 

 空気が変わった…そう思いながら俺はさらに追い打ちで褒めちぎる。

 

 「マジマジ!いやぁ俺もいつかフレイみたいに上級魔術使ってみてぇーなぁホントなぁー羨ましいなぁー」

 

 俺の『なぁーなぁー』責めに照れているフレイ、アイギスも適当に褒めとけばいいだろう。

 

 「いやぁーアイギスも凄いなぁ、ホント頼りになるわ!すげぇ強いし!俺も見習いたいなぁー!!」

 「え?そ、そうですか?…エヘヘ…嬉しいなぁ…」

 

 コイツもチョロいわ、この僕っ娘エルフもチョロすぎるわ。

 

 二人共チョロ過ぎてもうなんか楽しくなって来た。

 もう完全に空気が変わったのを感じる、このままの勢いでこの場所から離れなければならない。

 

 「そ、それじゃ、もうそろそろ行こうぜ!ほら、クエスト達成したし町に帰ってアイギスの歓迎会とかやらないとな?」

 

 『10/10』と書かれたギルドカードを見せながらその場を離れる俺に二人は仲良くついて来る。

 危機は脱した模様で安堵した。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 「いやぁ、フレイもアイギスもホント凄いなぁ!」

 

 町へと帰りながらまだまだ褒めちぎる作戦は続いている、あの光景を忘れて貰わなければならないからだ。

 

 「そ、そんなに褒めても今日のご飯しか美味しくならないわよ?」

 「エヘヘ…エヘヘ…僕の歓迎会…」

 

 お?もう良さそうな感じ?二人共凄く機嫌が良さそうだ。

 そろそろ褒めるのも飽きてきたから俺の興味がある話題に変えて見る。

 

 「なぁ、フレイは分かるんだけどアイギスってどうしてそんなに強いんだ?エルフって皆そんな感じなの?」

 「えっと、ちょっとそのお話は恥ずかしいのですが…知りたいですか?」

 「うんうん、超知りたい、だってレベル5だろう?それなのに強いって理由が知りたい」

 「アタシも興味あるわ」

 

 やっぱりフレイも興味あるみたいだ。

 そう、アイギスはレベル5だ、これはクエスト前に聞いた話。

 俺のレベルは30・100・5・1と変動しまくるのだけど自身の本当のレベルは1~3だと予想している。

 俺とそんなに変わらないレベルなのに矢鱈と強いアイギスに何か秘密があるのだろうと思う。

 

 「…笑わないでくれますか?絶対に笑わないでくれますか?」

 「笑わない!絶対に笑わないから教えて!」

 「…」

 

 俺達の顔をじっと見つめて何かを確認している模様。

 少し沈黙した後、深呼吸をしてアイギスは決心したように口を開く。

 

 「…エルフって臭ければ臭いほど強くなるんです…」

 「「…」」

 「エルフは臭いと能力が跳ね上がるんです」

 「「……」」

 「もう20年位お風呂に入っていません…」

 「「………」」

 「臭くなく綺麗になってしまうと弱くなっちゃうんです…」

 「「…………」」

 

 衝撃の事実に呆然とする俺に何かを思いついたフレイが肩を掴み『ちょっと来て』と囁いて来る。

 そのまま引きずられるようにアイギスから離れる。

 

 「ねぇ…あの子お風呂に入らせましょう、絶対その方がいいわ」

 「…うん」

 「あの子がお風呂に入れば弱くなっちゃうとしてもこれから一緒にパーティーを組むでしょう?」

 「確かに」

 「そうなれば私が活躍出来るじゃない!」

 「そうだな!」

 

 納得した、このクエストジャンキーは目立ちたいのだ。

 お風呂に入れさせて弱くなったアイギスを連れて自慢したいんだ。

 

 その瞬間に稲妻が脳内に走る、人はそれを天啓と呼ぶ。

 俺は僕っ娘エルフと一緒にお風呂に入る事が出来る、フレイは目立てて嬉しいWIN・WINな事に気が付いてしまう。

 これはやらなくてはならない…絶対にだ。

 

 …アイギスの事は知らん、臭いのが悪い、ゲロクサエルフが悪いんだ。

 

 「あぁ、分かったよフレイ、じゃあちょっと待っててくれ」

 

 手をかざしフレイから少し離れてアイギスへと振り返る。

 俺達の会話は聞かれていないみたいだ、ボケっと立ち尽くして此方を見ている。

 そうと決まればやる事は一つだ。

 

 右手を上げて『パチン』と指を鳴らす…心の中で。

 決して指がならなかった訳じゃない。

 ちょっと恥ずかしいけど今はどうでもいい。

 

 「ステータァァァス!!」

 

 叫んでみるとステータスウィンドウが表示された。

 

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 マジ貫徹で眠いんすけどぉ…なんか用すかぁ?

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 「お前さっき寝起きって言ってただろ!あとキャラブレ過ぎてちょっと統一した方がいいと思う!それよりも腕力系のスキルください!ちょっとやる事あるから!」

 

 お願いしつつもツッコミを入れる。

 するとステータスはまた『しょうがないにゃぁ…』と言いながら『剛腕スキル』を追加してくれた。

 

 信用はしていないが信頼はしている、試したいけどそんな事をしている時間はない。

 いやあるけど面倒臭い。

 

 アイギスはびっくりして俺を見つめている。

 それもそうだろう、いきなり叫び出したのだから。

 

 「よしアイギス、ちょっとフレイの家まで行こうか」

 「え?お邪魔してもいいのですか!?エヘヘ……今日は嬉しい事がいっぱいです!!」

 「えぇ、構わないわよ!一緒に行きましょう」

 

 何も知らないゲロクサエルフに罪悪感等微塵も感じる事はない。

 俺達は意気揚々とフレイの家まで帰って行った。

 

 




つぎはおふろかいですがんばります

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