変態だけど異世界で美少女になったので赤髪少女や巨乳エルフ、その他大勢とたわむれます。 作:ナムヲ
オリジナル週刊ランキング49位!!
あざまっす!!あざまっす!!
鉱山労働者が沢山出入りしている場所、ここは鉱山の入り口。
一般開放されている入り口前の看板には『3時間1000G』と俺でも読めるように書いてあり、入って採掘するにはお金が必要なようだった。
今の時刻は朝、キラリと太陽が眩しく輝いていて、俺達3人を照らして祝福してくれている。
青色の作業着に鉄のヘルメット、各々の背中には籠を背負い、腰にはピッケルと言う恰好でこの場所に来た。
これから採掘のお仕事だ、今の俺じゃ、体力とかが持たない事は知っている。
だから呼ぶ、たまに有能で大抵無能な、されども便利なあの奴を。
「……いくぞ……」
俺は右手を上げて指を『パチン』と鳴らせてみた。
かわりに『ぺチン』と鳴って、ちょっとだけ顔を赤らめた。
…………鳴らなかったので仕方ない、代わりに叫んで呼んでみる。
「ステェェェタァァァスゥゥゥ!!」
呼ぶと大抵来てくれるステータスさんは、最近優しいと思ったりしてる。
俺は、すぐさま気を取り直してステータスへと向き直る。
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もう! こんな夜中に呼び出して! 何時だと思ってるの!?。
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「……今は朝だけど……、超太陽眩しいけど……、今日はちょっと面倒見の良い彼女みたいなキャラだな、それよりも、早速なんだけど、採掘と体力みたいな奴くださいよ! ちょっと必要なんですよ! ステータスさん!! お願いしますよー」
頭を下げて腰を曲げる、腰の角度は45度、最敬礼の状態なこれは社会人時代で培った技術だった。
今の俺はお願いする立場だ、出来る限り下手に出て機嫌を取ろう。
そう思った瞬間にウィンドウが変わる。
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チッ……、めんどくせぇなぁ……ほらよ。
採掘上手・体力上昇スキルを取得しました。
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「……なんか俺、変な事言ったっけ? まぁいいや、ありがとう!! もう用はないからさっさと消えてもいいよ!」
そう伝えると『シャーコラ、シャーコラ! マジッベッースッゾ?』とかキレ気味に表示されたけど無視した。
後ろの二人はステータスが見えないからか、口に手を当てて可哀想な目で俺を見る。
「……ミソギさん、何故、何もない所で……」
「シッー!! アイギス駄目よ? あれはミソギのエア友達なのよ、だから邪魔しちゃ……プフゥー!!」
「ミソギさん、可哀想……僕達が居るのに……プフゥー!!」
いつもの『エア友』煽りにアイギスまで加わり、途端に恥ずかしくなってしまい両手で顔を覆う。
「めっちゃ聞こえてるんですけど……、俺にエア友なんていないんだよ……、なんかもうやだ……お家に帰って休みたい……」
だけどもそうはいかない、今日はお金を稼ぎに来ているから。
久しぶりに、朝から気力がちょびっと削られたが、これは仕方ない事。
「……二人共いくぞー、早く行こうぜー……」
「「はーい!!」」
アイギスとフレイに手招きしつつちょっとだけテンションを落とした俺は、ポーチから銀貨1枚を受付の人に渡して、鉱山の入り口へ入っていく。
◇
辺り一面には青い色の鉱石がずらりと埋まっている光景。
ここは鉱山の小さな一画。
そこで『カン! カン! カン!』と片手に持ったピッケルで俺は鉱石を掘っている。
ポロポロと落ちていく石ころを眺めている余裕はない。
すでに身体中は汗を掻いているのだけど、不快感は無かった。
寧ろ、この作業に没頭する行為に、労働意欲が湧いてくる。
何度も何度も繰り返しては、頬が緩み弛緩した。
「金じゃぁぁぁ!! お金の鉱脈じゃぁぁぁ!! 拾えぇぇぇ!! 拾いつくせぇぇぇ!!」
「ひゃぁぁぁ!! ミソギさん!! 凄いですぅぅぅ!! 一杯ですぅぅぅ!!」
「……アンタ達、元気ねぇ……まぁ、そんなに張り切るのも分かるけど、ホントに元気ねぇ……」
金の魔力は恐ろしい、その鉱石がお金に見えてからのテンションの上り幅がヤバイ。
目が血走り、欲望に塗れ、テンションが最高潮な俺とアイギス。
呆れながらもそれを見てるフレイは冷静だった、お金持ちなフレイは興味ないのだろう。
このクエストジャンキーめ……。
俺は掘る役、アイギスは拾って籠に入れる役、フレイはそれを眺めてる。
他には誰も居ないこの場所は、俺達にとって最高の環境。
もう既に、2つの籠は青い鉱石が沢山入っていて、まだまだ入る籠はアイギスの背負う籠のみだった。
俺とアイギスは満面の笑顔で顔を合わせる。
「すげぇー取れたな―、いくら位だろう……100万? 200万?……もしかして300万かなぁぁぁ? イヒヒィ!!」
「さささ、300万ですか!? ……ひゃぁぁぁ! お金持ちですねぇ!!」
指折り数えるアイギスに、超ハイテンションな俺はさらに、鉱石を掘る作業に没頭する。
アイギスは『ひゃぁぁぁ!!』と奇声を上げながら、鉱石を背中の籠に入れる作業へと戻る。
「……頑張りすぎてケガしないようにねー」
フレイは眺めつつ心配してくれているようだった。
俺が掘っている、この鉱石の名はオスタイト。
だけど誰も採掘しないのには理由があった。
それは供給が多い事、多すぎて需要が釣り合ってない。
これは昨日、アイギスから聞いた話、ここから先はフレイから聞いた話。
武器や防具に使われる素材との事で。
相場価格は大体、1G~100G、子供のお小遣い程度の物。
あまり価値が無いこれは、こうして壁に大量に埋まっている。
誰も取らないのはお金にならないからで、こうして大量に余っている。
ならこれをどうするか、それは俺のスキルとふぐりでちょちょいと変換するだけだ。
そうすることで、メスタイトに変化して、鉱石の価値は跳ね上がる。
そんな回想をしていると、突然アイギスが、壁にピッケルを突き立てている俺へと語り掛けて来る。
「ミソギさん! もうそろそろ一杯ですよ? 帰る前に、一旦休憩しましょう!」
ピッケルを持つ手を止めて、作業を中断する。
アイギスの方へ振り返ると、背負う籠の中には満杯に詰まったオスタイト。
そして、その顔は金の魔力に……いや肉の魔力に唆された欲望全開の表情だった。
「よし! んじゃちょっと休憩すっか!」
「フヒヒ! そうしましょう!」
「……アンタ達、元気ねぇ」
ピッケルを放り出して地べたに座り込むと、流れる汗が心地いい。
少しだけ息を整えつつ、フレイにお茶をせがんでみる。
「一杯取ったわねぇ、大変だったでしょう? ……はい、どうぞお茶よ」
フレイが木製のコップと水筒を俺達に差し出してくれた、それを飲んで休憩する。
アイギスがオスタイトを撫でながら。
「大量ですねぇ……、これだけ取れば、もう良いですよね?」
「ああ、大量だなぁ、もう充分だ、これだけあれば、お前の弓も俺の剣も、そしてお肉が一杯食べられるぞ!!」
そう言うと、口に手を当ててにんまりと笑うアイギスを横目に、俺はお茶を啜りながら、額から流れる汗を袖で拭いて籠を眺める。
我ながら沢山取った物だなぁ、とか思ってた。
ちょっと位、使っても魔道具を買うのには誤差だろう。
「んじゃ、帰るか、今からこれを変換する作業に戻るぞ!!」
二人にそう伝えた後に、俺は背中に籠を背負う。
だが立とうとしたけど籠が重すぎて、立ち上がれない。
力を籠めるも微動だにしないそれに、少しだけ顔を青くさせた。
……そういや、俺って貧弱だったわ……。
俺の様子がおかしいのかアイギスが。
「……どうしました? ミソギさん、もしかして……持てないとか?」
と聞いてくる。
「い、いや……別に何でもないから、ちょっと二人共、耳を塞いでてくれないか……」
「……またエア友ね?……プフゥー!!」
フレイに煽られて、また少し顔が赤くなるけど、やる事は一つしかない。
二人が耳を塞いだのを確認してから小さな声で呼んでみる。
「……ステェェェタァァァス ……たすけてぇぇぇ……」
するとステータスウィンドウが目の前に現れた。
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オオォン? シャースッゾ? シャースッゾ?。
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「……さっきは本当にすいません……心を入れ替えますので、許して頂けませんでしょうか……」
その後、ステータスさんに土下座ポーズでおねがいして『雑ー魚、雑ー魚。』と煽られたが。
なんとか『剛力スキル』を貰って精神を削られながら宿へと帰った。
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