変態だけど異世界で美少女になったので赤髪少女や巨乳エルフ、その他大勢とたわむれます。 作:ナムヲ
今は夕方、1週間の刑罰が終わった。
ポーチやスーツを返してもらった俺は、垂れているピンク色のふぐりを握りながら、退所手続きを終わらせた所。
全ての荷物を持って、鉱山の宿泊所のドアを開ける。
そのまま外へ出て見ると、軽鎧を着た騎士団長ことアンネが待っていた。
その後方には普通の馬車がある。
俺を移送する、お仕事の一環なのだろうと思う。
アンネは栗色の長い髪を靡かせて、笑顔で俺の所へと歩いて来る。
「アンネ、待たせてゴメンな? 荷物とか退所手続きに手間取ったよ……」
「いいや、問題ない。……そういうプレイもアリだと思うぞ!!」
「……」
アンネが鼻息を荒くして、俺に寄ってくる。
呆れた俺は、無言で見つめ返すのだが……。
「どうした? 私に見惚れているのか? フフフゥー!! ……今夜は寝かせないゾ?」
「寝かせてくれよ、真面目に働いて疲れてんだよ……」
……モデル体型のイケメン美人さんが残念すぎる。
チンコがあれば嬉しいのだけども、チンコがないから嬉しくない。
……いや、本音を言うと、ちょっとだけ嬉しい。
もう少し欲望を抑えてくれたら……と言う条件があればだけど。
俺は、クネクネしてるアンネを、スルーしながら溜息を付いた。
「……準備出来たし、送ってくれるんだよな? ありがとう、助かるよ……」
「ああ、勿論だとも!! それではアステロイドへ帰るぞ。ミソギちゃんの仲間達とも語り合いたいしな!!」
「……」
何を語り合うのだろう、目の前の変態は、テンション高めで何を語るのだろう。
アイギス辺りにセクハラするのだったら、俺も混ざりたい。
フレイにするのなら、……ちょっとだけ様子見しながら、止めに入ると思う。
興味があるのだけども、それを我慢して馬車の後部へと乗り込んだ……。
……ガタゴトと揺れる馬車の中。
その道中、馬車の手綱を握るアンネが、笑顔の俺へと話しかけて来た。
「……さっきから、嬉しそうに握ったりしているそれは……、もしかしてオリハルコンか?」
「ああ、そうさ! これ売って、お前に借りた借金を叩き返してやらぁ!!」
そう息巻く俺は、金色に輝く拳大の鉱石をニギニギしている。
これは所謂オリハルコンと言う名の鉱石。
鉱山労働の中で、色々あって入手した超希少金属だ。
「……それを、どこで、どうやって手に入れたか……聞いて良いか? 確かミソギちゃんは、ダイナマ岩の運搬作業だったと、記録に書いてあったのだが……。オリハルコンの採掘場とは全く違う場所ではなかったか?」
「まぁな?」
不思議そうな顔で、荷台の俺へと振り返るアンネ。
……やっぱり気になっちゃうかー、超希少金属だもんなー、これ売れば高いだろうしなー。
そんな事を思いながら、俺はアンネの隣へと移動する。
「それ聞いちゃう? 聞きたい? いいよいいよ! 教えてやんよ!! ……あれはダイナマしていた時の事だった……」
「……ダイナマとは? ……いや、なんでもない……」
頭を左右に振るアンネ。
その横顔を眺めながら、さらに続ける。
「お世話になっていたドワーフ族のダンチさんって人にさー、鉱山労働の6日目に『ちょっと奥まで見学してくか?』とか提案されたんだよ。んで、鉱山の奥まで一緒に行った訳だ!」
「……休憩時間や業務終了後は自由だからな。問題はないだろう」
手の中のオリハルコンを見せびらかしながら、俺はアンネへと話し続ける。
「それで、最奥まで行くとさ、作業員さんがダイナマしてたんだよ。そしたら……こう、ダイナマした後に、俺の足元にオリハルコンがコロコローって転がって来てさ!! 拾わなくちゃって思ったんだよ!!」
「……」
身振り手振りで、ダイナマとオリハルコンを入手した説明をする俺。
アンネは無言で首を傾けている。
「……つまり、ダンチと言う者と一緒に、発破作業をしている作業員を見学していたら、足元にオリハルコンが転がって来た……。と言う事だろうか……」
「そう!! そういう事!! だけど、そのまま拾ったらバレるからさ、ダンチさんをな? 俺のスキルで光らせてる途中で、服の中に隠して持ってきた!! 後、ダンチさんはロリ巨乳になってたよ!!」
「…………」
呆然とした顔で、アンネは俺の顔を見ている。
気にせず、さらに続ける。
「これ売ればいくらになるかなぁ……、アンネへの借金とか返して、お釣りとか来れば嬉しいなぁ……」
「……そうだな、それなりの値段にはなるだろうな……、それこそ私への借金を返して、お釣りが来る位にな……」
「まじかよ!!」
『オリハルコンは高値で売れる』と言う事実に、俺のテンションが上がる。
それが嬉しい俺とは対照的に、ちょっとだけ残念な顔をするアンネ。
だが、表情を変えたアンネは、すぐさま俺へと向き直して問いかけて来る。
「……いや、それよりも、そのダンチさんは……、どうなったのだ? ……お世話になったドワーフなのだろう?」
「え? どうって、そりゃあ……色々と……」
引き攣った顔のアンネ。
……もしかして、モサモサヒゲのダンチさんに興味が?。
いや、可愛い系ロリ巨乳になったダンチさんに興味があるんだろう。
あれは凄かった、アイギス以上のボリュームだった……。
そうか、合点がいった、アンネは俺を含めた、小さい子なら誰でも好きなのか。
オリハルコンをポーチへと入れながら、納得してしまった。
「……あぁ!! そういう事か!! えっとな? 宿泊所に戻った俺は、涙目のダンチさんを部屋まで連れて行ってさ、胸揉んでたよ。自分の状態に気が付いた時は『なんじゃこりゃぁぁぁ!!』とか叫んでたけどさ」
「……そ、そうか……」
何とも歯切れが悪いアンネ。
勿論俺は、真実を伝える。
「だけど、悪いな。朝には元に戻る様にスキル使ったから、今はヒゲが長いドワーフさんに戻ってるぞ? ダンチさんも、朝起きたら『夢か……』とか言ってたし」
「……あ、あぁ……いや、そういう事じゃないんだが……、まぁいい……」
……?。
………??。
反応が鈍い、ロリ巨乳は趣味じゃないのか?。
俺は好物なのだけど、もしかして、アンネは貧乳ロリが好きなのかもしれない。
まぁ、アンネの性癖なんて、これっぽっちも興味はないのだけども。
口には出さずに荷台に戻り、寝転がる俺。
アンネは、そのままの体勢で、手綱を握りしめて、俺へと話しかける。
そうして夕暮れに照らされた馬車は、アステロイドへと向かって進む……。
◇
ここに来た時に泊っていた宿の入り口で、アイギスとフレイは、仲良く俺を出迎えてくれた。
武器を新調しているみたいで、新品の鉄の弓と、メスタイトが付いた杖を持って居る二人。
……羨ましく思うも、自業自得なので何も言えない。
「「お帰りなさい!」」
「……ただいまー」
そんなやり取りをした横で、アンネは『うむ、いいぞ……』と良からぬ事を企んでいる顔をしている。
……一応、紹介しておかなくてはならない。
「……こちら、アンネさん。騎士団長で、俺の監視役だったんだけど。……刑罰が終わったから、後は借りたお金返すだけの間柄だよ」
「それだけではない間柄だがな?」
「ホントに、ちょっと黙ろうか……」
俺が制止するも、アンネは『フッ……』と不敵に笑う。
……コイツまじで泣かせてやりてぇ……。
そんな気持ちを押さえつける。
アイギスは俺の背中に隠れながら『どうも』と挨拶をしている。
「……アイギスって人見知りだっけ? そんな印象なかったけども……」
「……いえ、ここの人達って、結構強引な所があるので……」
……あぁ、あの押し売りのせいか。
なんとなく納得してしまう。
そして、フレイは俺達を代表して、アンネへと向かって話しかけた。
「うちのミソギがお世話になったみたいで……、色々とご迷惑をお掛けしなかったかしら?」
「いやいや、とんでもない。ミソギちゃんは大人しかったぞ? それこそ、……な?」
深々と頭を下げるフレイに、俺へと意味ありげに視線を送るアンネ。
……された方なのだけども、鉱山に移送されるまで、毎晩看守さん気絶させて侵入して、副団長に毎朝怒られながら、出勤してたの知ってるんだけども……。
勿論、俺は借金をしている身、アンネが不利になるような事は、何にも言わない。
「それで、ミソギの借金を肩代わりして頂いたのは助かったのだけども……、 騎士団長クラスの方が、留置所に入って居るミソギを庇っても、大丈夫なのかしら?」
フレイがアンネへと心配そうに言う。
だがアンネは、またもやニヤリと笑い……。
「あぁ、問題ない。肩代わりした事を、正直に騎士団へと伝えた……。そして明日から1年間の謹慎処分を受けたぞ!! そして降格した……、つまり1年間自由だ!!」
「「「……」」」
盛大に胸を張り、とんでもない事を言ってくるアンネ。
それに呆気に取られる俺達3人。
俺へとウィンクしながら、さらに続けるアンネ。
「だからこれからよろしく頼むよ、フレイにアイギス、そ・れ・と、ミソギちゃん?」
「「「……」」」
無言の俺達なのだけど、突然、俺の背中越しにアイギスが。
「……アンネさんって凄く豪胆な方ですねぇ……、ミソギさんの為に、お金払って正直に騎士団の方達に報告するなんて……」
と囁いてくる。
……間違ってない……、間違ってないけど……。
けどそうじゃない、勘違いをしている。
コイツは女漁りしたいがために、女性だけの騎士団に入った奴なんだ。
……と言いたいが喉から出そうになるのを、必死に堪える。
もうそれは自分の首をリアルに絞めながら……。
「どうしたの? ミソギ、自分の首を絞めて……」
不安そうに、心配してくれるフレイ。
深呼吸しながら俺は。
「いや……大丈夫、……ふぅ……落ち着いた」
……重すぎる……重すぎてヤバイ、話題を変えなくてはならない……。
そんな事を思っているさなか、アイギスは俺の手を掴んだ。
「それでどうでした? 鉱山労働大変でしたか?」
……ナイスすぎる!! 。
俺は、ちょっとだけ苦労したような態度を見せて。
「あ、ああ、……うーん……それなりに、大変だったぞ。それよりも見てくれよ!!」
するりと話題を変える。
「何か持って帰って来たのかしら?」
フレイとアイギスは、俺へと視線を向ける。
そんな俺は意気揚々と、ポーチの蓋を開けると……。
……オリハルコンが無くなっていて、代わりに金色に輝くふぐりがこんにちわしていた。
「……え?」
呆然とする俺にアイギスとフレイが興味津々で食いついてくる。
「ふぐりちゃんが金色になったんですか? すごいですね!!」
「ふぐりが金色に輝いているのだけど、すごいわね! どうしたの?」
「……」
事情を知らないアイギスとフレイ。
いつもなら『ふぐり』発言に、ちょっとだけ興奮するのだけど……。
……今は、その言葉に反応出来ない。
「……」
無言で金色に輝くふぐりを掴む。
感触は、いつも道理で柔らかくプニプニだった。
ただ、ふぐりが黄金色に変わっているだけだった……。
アンネが、小声で俺の耳元へと囁く。
「……ミソギちゃん……オリハルコン、なくなったな……、フヒヒ!!」
「……」
「フヒヒ!! フヒヒ!!」
「……」
アンネへと視線を移動させると、その表情は満面の笑顔だった……。
そして無言を貫く俺は今、ふぐりにオリハルコンを食べられたのだと認識する。
……そっかぁ……、お前、オスタイト食べないのに、オリハルコン食べるのかぁ……。
ポロリと涙が、俺の頬を伝う。
借金はまだまだ返せそうにない……。
誤字とか脱字とか、申し訳ありません……、いつも訂正して頂いて感謝です!!。