アサルトリリィ ヒュージとリリィのFusioner   作:アイリエッタ・ゼロス

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九話

「わざわざありがとね。こんな危険人物の案内させて」

 理事長室から出た後、私は前を歩いている祀にそう言った。

 

「っ! いえ、これも生徒会長の仕事ですから....」

「そ。あ、あとそんな敬語じゃなくていいよ。敬語使われるような人間じゃないし」

「ですが....」

「良いって良いって」

「そういう事でしたら....わかったわ。こんな感じで良い?」

「うん。そんな感じで」

「わかったわ。それで、何処か見たい所とかある? 無いのだったら私が自由に

 案内するけど」

「そうだね....」

 そう言うと、突然私のお腹が鳴った。

 

「....とりあえず、お腹空いたから食堂で」

「....ふふっ、わかったわ」

 そう言って、祀は食堂があると思われる方に歩いていった。

 

 ~~~~

 食堂

 

「ここが食堂よ」

「おぉ....広い。でも人少なくない?」

 着いた食堂はとても広かったのだが、人がいる様子はほとんどなかった。

 

「今は授業中のクラスが多いから。この時間に利用するのは私達生徒会か外征に

 行っていたレギオンの子達ね」

「へぇ....」

 そう言いながら、私はメニュー表を見ていた。

 

「結構色々揃ってるんだ。じゃあとりあえずこれとそれと....」

 私は券売機の前に立ち適当にボタンを押してお金を入れた。

 

「祀も何かいる? 奢るけど?」

「私はいいわ。さっき食べたから」

「そっか」

 私はそう言って、食券を取って厨房にいた人を呼んだ。

 

「いらっしゃい祀ちゃん。って、見ない子だね。編入生かい?」

「おばちゃん、この子は....」

「一応理事長代行のお客だよ。理事長代行とは少し知り合いでね」

 私は適当に今思いついた嘘を言った。

 

「おや、そうなのかい」

「そ。今日は少し理事長代行と話し合いがあってね。お邪魔させてもらってるよ」

「そうかいそうかい。ま、ゆっくりしていきな」

 そう言って、厨房のおばちゃんは食券を持って奥に歩いていった。

 

「....あなた、よくそんなにペラペラと嘘をつけたわね」

「仲間に嘘が得意な子がいたからね。その子のおかげよ」

 私は紫色の髪で嘘が得意な仲間の事を思い出しながらそう言った

 

「はいよ。お待ちどうさん」

 そう話している間に、おばちゃんは注文した料理をカウンターに置いた。

 

「ありがとおばちゃん」

「たくさん食ってきな」

 私はおばちゃんにそう言うと、料理をバランスよく持って近くの席に座った。

 

「ふぅ。じゃ、いただきます」

 私はしっかりと手を合わせてそう言って、買った料理を食べ始めた。そして、しばらく

 食べていると祀がこう聞いてきた。

 

「そういえば、私はあなたの事を何て呼べばいい?」

「ん? 好きに呼んでくれたらいいよ。勝手に名前つけてくれてもいいし」

「そんな適当で良いの....」

「良いの良いの。呼ばれ方なんてあんまり気にしてないし」

 すると、祀は少し考えこんでこう言った。

 

「じゃあ銀華っていうのはどう? あなたの髪の色にピッタリだし」

「銀華ね....良いね、気に入った。じゃあこれから私の名前は銀華にするよ」

「そう。気に入ってもらえたなら良かったわ」

 そう言って、祀は笑っていた。すると、祀は何かに気づいたのか私の手を見ていた。

 

「ねぇ銀華。CHARMにマギを送る指輪、着けてないの?」

「指輪? あぁ....着けてないよ。指輪が私のマギに耐えられないからね。マギ送った瞬間に

 粉々に砕けるし」

「じゃあどうやってCHARMにマギを?」

「手から直接」

「えっ?」

「だから手から直接だって」

 そう言った私は手のひらを天井に向けた。すると手のひらから黒と白のマギが出た。

 

「こうやって直接マギを送ってCHARMを動かしてるの」

「....色々と規格違いね」

「こんなんで驚いてたら胃薬いるよ」

「えっ....」

「ふぅ、ごちそうさまでした」

 私は固まっている祀を気にせずそう言った。

 

「さ、祀。次行こ」

「え、えぇ....」

 

 ~~~~

 

 その後、図書室や屋上の足湯、訓練場を見た私は校舎に戻ってきていた。

 

「とりあえずは一通り回れたわね」

「ありがと祀。助かったよ」

「どういたしまして。....それで、どうするの? ここに籍を置く? それとも....」

「それを決めるのに、一つ寄りたい所があるんだけど」

「寄りたい所?」

「今日海岸で見つかった女の子がいる場所。祀、何処なのか知ってるでしょ?」

「....どうして?」

「まぁ、ちょっとね。安心してよ。一目見るだけだから」

「はぁ....わかったわ。ついてきて」

 祀はそう言うと私の前を歩き始めた。

 

 ~~~~

 

 しばらく歩いていくと、着いたのは保健室のような場所だった。

 

「ここよ」

 祀の視線の先には心電図が繋がれてベッドに眠っている少女がいた。

 

「まだ眠ってるか....」

「(ま、それはそこまで重要じゃないけど....)」

 そう思いながら、少女を見ていると背後から誰かが近づく気配を感じた。振り向くと、

 そこには以前ルナティックトランサーを止めたピンク髪のリリィがいた。

 

「あ、あなたはさっきの....!」

「どうも。ルナトラを止めたピンク髪のリリィさん。さっきぶりだね」

「ごきげんよう梨璃さん」

「ご、ごきげんよう! えっと....」

「二年の秦 祀よ。はじめまして」

「し、失礼いたしました祀様! えっと、お姉様と同じ部屋の方ですよね?」

「(お姉様、ね....)」

 

 ~~~~

 

『■■....』

「ひたぎ、姉様....」

 

 ~~~~

 

「っ....」

「(久々に思い出しちゃった....)」

 祀に梨璃と呼ばれたリリィの言葉に、私はあまり思い出したくなかった記憶を思い出して

 しまった。

 

「夢結から何も聞いてなかった....って、銀華。顔色少し悪いけど大丈夫?」

 すると、祀が私の顔を覗き込んでそう聞いてきた。

 

「....うん。大丈夫。祀、私は先に理事長室に戻っとくよ。祀は少しその子の相手

 してあげなよ」

「ちょ、ちょっと!」

 そう言って、私は祀の言葉を無視して一人理事長室の方に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

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