アサルトリリィ ヒュージとリリィのFusioner   作:アイリエッタ・ゼロス

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十話

「....あ」

 一人理事長室に戻ってきた私の目の前には、眼鏡をかけてタブレットを持った

 リリィがいた。

 

「(あのリリィって確か....)」

「確か、真島 百由だっけ? 世界的にも有名な戦うアーセナルの」

「代行、もしかして彼女が....?」

「うむ。彼女がそうだ。名無し君、祀君は?」

「祀なら梨璃って子と海岸で見つけた子の病室にいるよ」

 そう言いながら、私はソファに座った。

 

「で、まぁ先に戻って来たってわけ。あ、私にはタメ口で良いよ百由。変に

 気を遣われるの好きじゃないから」

「は、はぁ....」

「さて、それでどうするのか決めてくれたかね」

「....一応決めたけど、一つ聞いても良い?」

「何かね」

「海岸で見つけた子、目を覚ましたらどうするの?」

「....一先ずはリリィであるならばここで保護をする。一般人ならばあるべきところに

 引き渡すつもりだ」

「....そ。だったら良いや」

 そう言って、私は理事長代行の前に立った。

 

「あなたなら信頼できそうだし。有難く百合ヶ丘に籍を置かせてもらうよ」

「っ! そうか....ならば、これからよろしく頼む」

 理事長代行はそう言いながら手を差し出した。

 

「えぇ。こちらこそ」

 私はそう言って、差し出された手と固く握手をかわした。

 

 ~~~~

 

「それで、私はこれからどうしたら良いの?」

 私は理事長代行から渡された書類にサインをしながらそう聞いた。

 

「一先ず、君のバイタルデータとCHARMについて教えて欲しい。君についてこちらも

 知っておきたいのでな」

「わかったよ。....はい、書けたよ」

「確かに....」

 理事長代行は私が渡した書類を確認していた。すると、最後の書類を見て首を傾げた。

 

「銀華....名無し君、これが君の本当の名かね?」

「いや、祀がつけてくれた名前だよ。名前が呼びにくいってこともあったからね。一応

 これからはそれで呼んでくれたら良いよ」

「そうか。ならそう呼ばせてもらおう。では百由君、銀華君を頼む」

「わかりました。じゃ、行きましょっか」

「えぇ。じゃ、失礼しました」

 私はそう言って、百由の後について行った。

 

 ~百由ラボ~

 

「ようこそ~、私のラボへ!」

 着いたのは百由のラボだった。ラボの中には作りかけのCHARMやCHARMのパーツ、ヒュージの

 組織細胞などがあちこちに置かれていた。

 

「....良い機械使ってるじゃん」

「おっ! それに気づくなんて、お目が高いわね!」

「まぁね。今使ってるCHARM、自分で作って自分で整備してるからね」

「ほほう! それはそれは....どんなCHARMか益々気になってきたわ!」

 百由は目をどんどんキラキラさせながらそう言った。

 

「焦らなくても見せるよ。その代わり、CHARMに触れる時は指輪外して手袋した方が良いよ。

 じゃないと、身体の中にあるマギ全部吸い取られるから」

「そうなの?」

「そうだよ。私のCHARM、ある意味一番危険なCHARMだから」

「そう....なら、言われた通りに....」

 百由はそう言って、指輪を外して手袋をし、作業服を着て広い机の前に立った。

 

「さて、じゃあここに置いてもらえる」

「了解」

 私は百由がいる机の前に自分のCHARMを置いた。すると、百由はCHARMを見た瞬間、

 ありえない物を見るような眼になった。

 

「何このCHARM....見るだけでとんでもなく複雑で繊細なのがわかるわ....それにCHARMに

 付いているマギクリスタルコアが十七個って....どれだけのマギで動いてるのよ....」

 百由はCHARMを裏返しながら顕微鏡の様な物でしっかりと観察していた。

 

「このCHARMに付いてるコアは?」

「私の死んだ仲間たちが使っていたCHARMのコアよ」

「....そう。これ、銀華が作ったって言ってたけど一人で作ったの?」

「作ったのは私だけど、設計図を描いたのは死んだ仲間のアーセナル志望の子よ。三人いた

 アーセナルの子が私のために残していてくれたの」

「そうなのね....」

 百由はそう呟きながらもCHARMを真剣に観察していた。

 

「このCHARM、変形とかはできるの?」

「できるよ。大体十数パターン」

「十数パターン!? このCHARM一本で!?」

「そ」

「現行のCHARMの域を遥かに超えてるわね....変形パターン見せてもらって良い?」

「良いけど、ここだと狭いから後で広い所でやろ。ここで変形させると色々と壊しかね

 ないからさ」

「OKOK。じゃ、後で練習場で確認っと....」

 百由はそう言いながらタブレットを操作していた。

 

「さて、じゃあ次は銀華のデータをっと....銀華、これの上に手を置いて。スキラー数値と

 レアスキルを確認するから」

「わかったけど、壊れても知らないよ」

「大丈夫大丈夫! この機械、よっぽどの事じゃ壊れ....」

 百由は笑いながらそう言っていたのだが....

 

『ス、スキラー数値、計測不能....!』

 

 機械はそんな音を立てながら小さな爆発を起こした。

 

「う、嘘でしょ....」

「....やっぱり」はぁ

 

 ~~~~

 

「スキラー数値は測定不能っと....」

 あの後、もう一個使ったが同じような爆発を起こしたためスキラー数値を測るのを百由は

 諦めた。

 

「仕方ない。銀華、レアスキル口頭で教えてくれる?」

「レアスキル? 鷹の目、円環の御手、ルナティックトランサー、ファンタズム、テスタメント、

 ヘリオスフィア、フェイズトランセンデンス、ブレイブ、天の秤目、この世の理、縮地、

 ゼノンパラドキサ、Z、ユーバーザイン、レジスタかな」

「....ちょっとストップ。それってほぼ全部のレアスキルを持ってるって事?」

「そうだよ。本当は後一個あるけど、今は言わないでおくよ。色々と面倒だからね」

「いやそれはわかったけど....マジ?」

「マジ。証明できるものは後で練習場で見せてあげるよ」

「....なら、しっかり観察させてもらうわ」

 百由がそう言っていると、タブレットの音が鳴った。

 

「おっ、丁度いいタイミング。銀華、練習場空いたみたいだから行くわよ」

「わかったよ」

 私はCHARMをケースに入れて百由の後について行った。

 

 ~~~~

 雨嘉side

 

「それにしても、本当にあの人がG.E.H.E.N.A.殺しなんでしょうか?」

 食堂に移動してしばらくお茶をしていたら、唐突に二水がそう言った。

 

「急にどうしたんじゃ?」

「もしも彼女がG.E.H.E.N.A.殺しならば、素直に私達について来るかなと思って。だって、

 これまで情報は一切無かったんですよ?」

「確かに、そう言われてみると....」

「そんなに気になるなら、いつもの記者魂で本人に聞きに行けばいいのでは?」

「そうしたいんですけどね~。理事長室にはもういなかったんですよね」

 そんな話しをしている時、私はふと外を見た。すると、外に二人の人が歩いているのが見えた。

 私は誰だろうと思い、天の秤目で見てみると、歩いている正体は百由様とG.E.H.E.N.A.殺しと

 思われている彼女だった。

 

「いた....!」

「いたって、何がいたんですか?」

「海岸にいた人だよ! 百由様とあそこにいる」

 そう言うと、皆窓の方に来て外を見た。

 

「本当ですね....」

「何か喋ってるみたいだナ」

「歩いてる方向にあるのって、確か練習場だよな」

「一体何のために....私、早速取材の方に....!」

 そう言って二水が走り出そうとした瞬間チャイムが鳴った。

 

「あ....」

「そういえば授業が残ってましたわね。ちびっ子一号、諦めて授業に行きますわよ」

「そんな~」

「雨嘉さん、私達も行きましょう。夢結様ごきげんよう」

「ご、ごきげんよう」

 そう言って、私は神琳とともにこの場から離れた。

 

 ~~~~

 夢結side

 

「あれ、夢結は授業に行かないのカ?」

 一年生の皆が行った後、紅茶を飲んでいる私に梅がそう聞いてきた。

 

「えぇ。取れる単位は全て一年生の間に取ってしまったから」

「あっそ....じゃあ百由と一緒にいたアイツでも見に行くのカ?」

「どうして私が....」

「気になるだロ? さっきまであまり興味ないふりしてたけド」

「....相変わらず、人の事をよく見てるわね」

「そりゃどうも。何かわかったら教えてくれよナ」

 そう言うと、梅は縮地で去っていった。

 

「....」

「(少し、見に行ってみましょうか)」

 そう思い、私は紅茶セットを片付けて練習場に向かった。

 

 

 

 

 

 

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