アサルトリリィ ヒュージとリリィのFusioner   作:アイリエッタ・ゼロス

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十六話

 一年生との模擬戦から三日ほど経った。あれから私は二年と三年の生徒とも模擬戦を

 行い、大体の実力が把握できた。

 

「このレアスキルを持ってこういう戦闘をする子はこうで、こういう子はこう....」

 私は今回の模擬戦で得た情報をもとに、百由のラボで自主練メニューを作っていた。すると、

 百由がラボに戻って来た。

 

「あ、銀華。海で見つかったあの子、目を覚ましたみたいよ」

「へぇ....へっ!?」

 私は適当に返事をしたのだが、言葉をよく思い出してみればその内容は適当な返事では

 済まないことだった。

 

「あの子、目を覚ましたの!」

「えぇ、ついさっきね。まぁ、まだ目覚めたばっかりだから会話はちょっとおぼつかない

 感じだけどね」

 そう言いながら、百由は自分の椅子に座ってキーボードを叩き始めた。

 

「ま、さっき検査してきて今から照合やら何やらかんやらするんだけどね~」

「....」

 私は百由の検査結果が気になり、百由のパソコンを見た。

 

「ところで銀華~....あの子の事について、何か知ってるんじゃない?」

「....」

 百由は突然、ディスプレイから目を離さずにそう聞いてきた。

 

「....どうしてそう思ったの?」

「銀華はあのヒュージの残骸があった場所に現れたんでしょ? それで、銀華は彼女が入って

 いた卵の様な物を破壊しようとした。そして、彼女はその卵から出てきた....」

「....」

「まぁそれで、ある一つの仮説が頭に浮かんだってわけ」

 そう言うと、百由はキーボードを叩く手を止めて私の方を見てこう言った。

 

「あの子、G.E.H.E.N.A.に関係してるんじゃない?」

「....」

「(....黙ってても仕方ないか)」

「そうだよ....あの子は、G.E.H.E.N.A.に関係してるよ」

 私はそう思いながらも百由にそう言った。

 

「何なら、あの子とG.E.H.E.N.A.の関係についても知ってる。データもあるけど....まぁ、

 このデータは代行にも見せた方が良さそうだし。後で見せるよ」

「OK! 頼むわよ銀華」

 そう言って、百由は再びキーボードを叩き始めた。

 

「....」

「(悪い方向に転ばないといいけど....)」

 そう思いながら、私は百由のパソコンを見ていた。

 

 ~~~~

 

 照合が終わり、私と百由、途中で会った祀は彼女が眠っている病室に向かっていた。

 

「スキラー数値50。リリィとしてはギリギリの数値ね」

「まぁ目覚めたばっかってのもあるかもね。もしかしたら急激に跳ね上がるかもしれないし」

「そうなったら身体の負担やばいことになるわよ....」

 そんな話をしていると、気づけば病室に着いていた。そして病室に入ると、そこには何故か

 梨璃がいた。

 

「梨璃」

「銀華様! それに祀様に百由様まで!」

「その子の相手をしていたの?」

「はい! それよりも祀様! この子の手が私に指輪に触れたらマギが....」

「そりゃそうよ~。その子リリィだから。保有マギは50。ちょっと心許ないけどリリィは

 リリィよ」

 私は百由が梨璃にそう話している間に、目が覚めた子の顔を見た。

 

「....」

「(ヒュージ特有の気配はあるけど敵意は無し....これだと殺す必要は無いか....)」

 そう思いながら、私はその子から視線を逸らした。

 

「百由、私は先に代行のとこ行っとくよ」

「はいはーい。じゃあまた後で~」

 私はその言葉を背中に受けながら病室から出た。

 

 ~~~~

 

「....?」

 理事長室の前に着くと、中から話し声が聞こえてきた。

 

「(誰かと喋ってる?)」

 私は扉を少しだけ開けて中の様子を見た。部屋の中では、代行が二枚の空中ディスプレイと

 会話をしており、その会話を史房がソファで聞いていた。

 

「....」

 私はユーバーザインを発動させ、こっそり部屋の中に入り代行の隣に立った。

 

『リリィ一人がどれだけの戦力になるか....そのリリィを一ヶ所に集中させてシビリアン

 コントロールを受けさせずに自治などと....それがどれだけ危険視されているか....』

「....」

「(権力に塗れたジジイの考えそうな事だこと....)」

 そう思いながら、私は空間キーボードを展開させた。

 

「(安全審査保障委員の長官と副長官....あぁ、こいつ等か)」

 私はキーボードを叩きながら代行が話している人間の情報をハッキングした。

 

「(そろそろ消すのも丁度いいか....まぁ、その前に少し嫌がらせしておくか....)」

 そう考え、私は紫苑、蘭、春菜さんの三人がかつて作った特製のコンピューターウイルスを

 保障委員の二人のパソコンやデータに送りつけた。すると、突然通信の向こうが慌ただしく

 なっていた。

 

『っ....また改める』

 そう言うと、通信は切れた。

 

「委員の人間もろくな人間がいないもんだね」

「っ!? あなた、いったいいつからそこに!」

「さっきだよ。今の会話、言うつもりはないから安心しなよ」

 そう言いながら、私は史房の隣に座った。

 

「それで、今日は何か用事があって来たのかね?」

「さっき目覚めた彼女について、情報を共有しておこうと思ってね」

「....彼女について、何か知ってるの?」

「もちろん。出生から何からまでね。百由が来たら話すから、しばらく待っててよ」

 そう言って、私は空間キーボードを展開させてあるデータを纏め始めた。

 

 

 

 

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