初めましてだな!諸君!!
人は生まれながらに不平等である。誰かがそう言っていた。
平等こそが悪であると。
しかし、それでも人には平等に訪れるものが存在する。それを悪と否定するのは人という存在の否定であると、私は考える。
人が喜び、怒り、哀しみ、楽しむ。そんな感情発露は平等に訪れる。無論環境によっては訪れる時期、感情の大きさは変化するだろう。
では、そんな環境に左右されない平等とはなにか?簡単な問いだ。それは生まれる瞬間である。
人は誰しも誰かの腹から生まれ落ちる。これは人であるが故に決して覆らぬ生物としての
さて、では平等に人が生まれ落ちたその後、誰を認識するのだろうか。
自分を抱く親の顔か。看護婦や医者の顔か。それともその誰でもない赤の他人なのか。不平等とやらが示す私の場合は……
「ふむ、これが3人目か……見る限り普通の子だねシャルル」
「ええ、兄さん……普通の我が子のようです」
やけに髪の長いパツキン少年と、それを兄と呼ぶ同じく髪の長い茶髪のやけに特徴的な声のおっさんだった。
神聖ブリタニア帝国第98代唯一皇帝シャルル・ジ・ブリタニア。
それがあの特徴的な声のおっさんの名前だった。(私の容態を見に来た看護婦がフルネームで言ってた)
はて?ブリタニア?シャルル?…………つまりはコードギアス???
それを認識すると同時に思う
あ、これ私死んだわ……
いや、だってあれじゃん?コードギアスの世界って言ったら戦争真っ只中で、その戦争を引き起こす国であるブリタニアの捨てられた皇子ことルルーシュがなんだかんだやって、ブリタニアぶっ潰して最後世界平和を求めるやつじゃん?(超ザックリ)
その過程で、ブリタニアの首都に住んでる住人とか貴族とか皇族とか全員死ぬじゃねーか……
この世界……なんて言い方が出来るのは私がこの世界の異物、「転生者」と言える存在だからだ。
そう思う理由は2つ。
1つは、さっきのシャルルしかり。その隣にいた少年もだが、私がテレビで見ていたアニメのキャラクターと同じ名前と声であること。(シャルルに関しては原作よりなんか若かったが)
そして、もう1つは神聖ブリタニア帝国なんて名前の国は、私の生きている時代にアニメ以外で聞いたことがなかったからである。
しかし、どうせなら……どうせ転生するならガンダムの世界が良かった!!
確かにギアスの世界もガンダム系と同じで戦争や戦いだらけだけど!どっちもロボットいるけど!!
私はガンダムが好きなのだ!愛していると言っても過言ではない!ガンダムの世界が!人間が!物語が!ロボットが大好きなのだ!!
さらに言うのであれば!!00と呼ばれる作品の……
いや、これ以上思いの丈を解放して悩むのはやめよう
私の感情が高ぶったせいか、赤子である私が泣き出してしまって周りを困らせている。
自分が泣いているというのに、こうも他人事のように感じるのも「転生者」として精神がある程度成熟しているからだろうか?
いや、成熟していたらそもそも泣かないか……
まぁ、転生してしまったものは仕方がない……そもそも私がいつ死んで転生してしまったのかわからないが、してしまったものは仕方がない……仕事とかいろいろあったけど死んでしまったのだから、元の世界のこととか、もういいだろう。(よくない)
さて、まずはこの原作でおきる大半の事件の黒幕的存在の2人が、何故私を見ているのか、この状況を理解して今後生きていく指標を決めよう。
さぁ!貴様ら!なぜ私をみる!!こら!なんかヒソヒソ話してないでこっちを見ろ!!
「……兄さん、この子の名前決めました」
この子の名前?……おい、待て……名前?……そういえばさっき3人目とか、我が子とか……言って、た……
「うん、シャルル。聞かせてくれる?」
……いやいや、まてまて「この子」ってことは私はあんたの息子か!?そして、あんたの息子の3人目ってことは…………クロヴィスじゃねぇか!!え、そのポジションはすぐ死ぬ!
「この子の名は……」
い、言うな!!やめろ!現実を突きつけるな!!……や、や、やめろぉぉぉおお!!
「……
……………………………………は?
「この子はグラハム・エル・ブリタニア。我が3人目の息子よ、強く育て。我らが夢、我らが世界の為にも……」
…………どうやら、私は原作第3皇子クロヴィスではなく……「グラハム」の名で生きていくことが決定したらしい
…………そっかぁあ、グラハムかぁあ。いやぁ、グラハムなら仕方ないなぁ!うん!グラハムならコードギアスの世界でも仕方ないなぁ!!グラハムなら!!
「兄さん、この子……」
「うん、シャルルの言葉がわかったみたいだね。名前をつけられて嬉しそうだよ……無邪気なものだ」
「ええ。これこそ仮面のない……」
「嘘のない世界の象徴だね。だからシャルル……」
「……はい、兄さん。まだ始まったばかりです。これからも続けなければ」
「僕たちの夢の為にね」
なんか、物騒な話してそうだけど、んなことはどうでもいい(よくない)
私は、少し前にガンダムの世界に行きたかった!と思ったが、私の行きたい理由の3分の1は私の名前で解消された。
「グラハム」とは、先程語りたくなった00という作品に登場するキャラクターの1人なのだが、この人とんでもなく強いのである。
彼、「グラハム・エーカー」は空に憧れ、モビルスーツ「フラッグ」と呼ばれる可変式ロボットを駆り、その世界で各国の脅威となる「ガンダム」を一対一で相手どることができる数少ない人間として描かれているのだ。彼が「ガンダム」に固執していくことで、その高潔な軍人としての人間性が歪んでいくのだが、それも人間らしくてまた良い!!歪んでいく中でも死んだ戦友に誓った「フラッグでガンダムを倒す」という信念を貫こうとする姿はとても輝いて見えたものだ!事実彼は性能差が圧倒的に開いているガンダムにたいして、フラッグ単機で片腕をもぎ取り圧倒するなど正しく阿修羅も凌駕する活躍を見せるのだ!!己を鼓舞するために色々と口走るため、視聴者に「変態」「気持ち悪い」「ネタ枠」等言われているがそれがどうした!!!むしろそれが良い!!!そこから産まれる名言・名言・迷言ッ!その見た目!声!カッコよさからくるカリスマ性!彼の活躍の度にフラッグのプラモデルがおもちゃ屋の店頭から消えるのも仕方ないのだ!!
…………かなり興奮してしまったが不審がられていないだろうな?
「では、兄さんまだ新しいギアスは……」
「うん、このままでは望ましい結果は得られないかな……」
おい、不審がられてないのはいいが、せっかく産まれた私にたいして関心無さすぎではないか?……まぁ、この2人に不審がられたらいろいろと恐ろしいんだが……
まぁ、そんなわけで(どんなわけ)憧れのグラハムさんと同じ名前になったのであれば、例えコードギアスの世界であろうと恐れるものは何もない!(手のひらドリル)血筋的に金髪になる可能性は高いし、何なら瞳の色も近いはず。3人目の息子ってことは、原作の第1皇子オデュッセウスと第2皇子シュナイゼル2人が兄!2人の瞳は確か青っぽい色だったし!(グラハムさんの瞳は緑)これはこのままグラハムさんムーブをしていけという神の思し召しでは!?(違う)
ふふふ、ふははは!これで私の指標は決まった!!私グラハム・エル・ブリタニアは「グラハムさん」のように生きるのだ!いや!生きていこう!!!
「では、兄さん私はこれで……」
「うん、またあとでねシャルル」
私が興奮している間に大事な話は済んだようで、シャルルが踵を返し病室から出ようとしている。
おう帰れ帰れ、確かあれだろ?シャルルって自分の息子売り飛ばしたり、その息子殺そうとしたり、何だかんだ世界を好き勝手しようとしたやつだろ?(いろいろ違う)私も貴方のような下衆の顔など見たくないわ!……声はカッコいいけどよ
「……さて、表情のコロコロ変わる子だねグラハム。シュナイゼルとはまるで逆だね。1つ違いで同じ女から産まれたらこうも変わるのかな?」
シャルルが帰るとまだ何か用があるのか、少年が私の顔を覗いてきた。
ふん!知ったことか!……だが良いことを聞いた。シュナイゼルの1つ違いということはだ、私がコードギアスを見終わった時に調べた年齢が合っていれば、シュナイゼルが28歳の時が原作時だったはず……となると、その時私は27歳……
ふふふ、なんと!27歳か!!00 first season時のグラハムさんの年齢ではないか!なんという僥倖!!やはりこれは(割愛)
「でも……あまりシャルルを困らせないでね……あまり変なことしてると……」
ん?なんだ?私は今喜びに浸っているのだ、赤子に何を言うつもりだ?静かにしてほしいのだが!
「
小さな声でハッキリとそう告げると、少年はどこか楽しげな雰囲気で病室を出ていった。
…………第1目標。まずは早く大人になってブリタニア皇族からどうにか逃げよう。
私の転生後の第1歩はそんな感じで締まらないスタートを切ったのであった。
とりあえず出だし短め。零歳児の時点なので
お気に入り数100突破で何か書こっかなぁ?
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うむ、原作前の日常とか読みたい
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フラッグファイターとしての活躍を期待する
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番外編?!聞いていないぞ!シャルル!
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それより本編を頼む。私は我慢弱い