そんなわけで……というか、ちょっと疲れてたのか冬眠するみたいにグッスリ寝てしまっていたので投稿です。待たせてスマヌ!!でも不定期更新だから許してくれたまえ!!!(何様)
そして、またしてもお気に入り900突破間近とか早すぎないか!?!?嬉しいよ!ありがとう!感想なんてちょくちょく増えていって嬉しすぎるよ!!!
あ、順当に修行していきます。本編どうぞ
私はグラハムさん……もといミスターブシドー時代の武士道の根源は自身の歪みを指摘された少年を見返すため……何より歪みがあったから負けた(ほぼ相討ちではあるが、条件はイーブンではなかった)と考えた結果ではないかと思うことがあった。しかし、その武士道自体も五輪書を英訳して自身のみで紐解こうとした結果出来上がった時代劇被れと評される結果に終わった(尚異論有)。
やれ『言い回しが古いだけのストーカー』だのやれ『服に合わせていだけのストーカー』だのやれ『歪みまくったストーカー』だの一部では酷い言われようだった……本当に一部だけで実際のところ大多数は『え?あれ?ミスターブシドー言ってるけどグラハムさんだよね?この粘着質に圧倒的な操縦技術、何よりガンダムへの『愛』はグラハムさんだよね!?』ってな感じだったのを私は知っている。知っているったら知っているのだ。ほら一部では『グラハムさんよりミスターブシドーの方が好き』とか言われて……いや、これはいいか。私はどっちも好きだし。何よりミスターブシドー時代でもフラッグへの『愛』も失っていなかったところとかポイント高いと思うんだよね私。ユニオンフラッグカスタムⅡ。通称GNフラッグの時から格闘武器を主体にしてるし。確かにもう武士道行っちゃってもいいよね、とか思ったものだ。一部ではGNフラッグはジンクスを態々解体して疑似太陽炉を旧式機体に取り付けただけの片落ちとか言われちゃいたが、そこにフラッグへの『愛』とグラハムさんの操縦技術が加わればカタログスペックなぞ関係無いと思うんだ。何より武装を一本化したことによる……(割愛)
ふぅ。……語りたいことは一杯あるがここはまだフラッグも生まれておらず、何よりガンダムの概念すら無い世界。語る相手のいないことほど哀しく寂しいものはない……。
さて、ここまで心のうちを荒立てていたのには勿論理由がある。武士道云々も無論歪んでいないのが大事だが私は歪んだ末のミスターブシドーを否定はしないし、その結果あの劇場版に行き着いたのだからむしろこの過程は……。おほん、とにかくだ。私が武士道のことを考えている理由なのだが。
「さて、グラハム君。今日もそろそろ始めようか」
「はい!師匠!!」
私、グラハム・エーカー(偽)は現在、藤堂鏡志朗の弟子になっているのだ。……感無量である。
此処に至るまで、然程複雑なことは無かった。
あのステーキを食べた日の翌日、道場があるとメイドさんが言っていたのを思い出し、ならば日頃の筋トレをその場を借りてやりたいと藤堂さんに頼んでみたのだ。
「トレーニング?ふむ、別に構わないが。他の門下生もいるからな。朝一か、もしくはみんなに混じってもいいなら昼からでも構わないか?」
「ならば最初のうちは朝一でお願いしたい。然程時間はかかりませんので」
そして、次の日の朝から道場を使わせてもらったのだが……
「フン!……フン!……フン!……フン!……フラッグ!!」
素振りを初めて何回目か……実に182回目のことだったが、藤堂さんが様子を見に来てくれた。
「グラハム君、大丈夫かな。体に大きな傷は無いとはいえ、あまり過度な運動は控え…た……ほうが……」
「む、そうか。普段よりは抑えているつもりだったが……どうされた藤堂殿?」
「……君は普段から素振りをやっているのか?」
藤堂さんが何か変なものを見るような目で私を見ていたので、思わずどうかしたかと聞くと愚問が返ってきた。いや、愚問ではないか。藤堂さんは私のことは何も知らないのだし。いや、失敬。
「ああ。4歳の頃からだったかな。なるべく毎日トレーニングをしているが……普段は1000回はやるので今回は500ぐらいにしておこうかと思っていたんだが……少ないだろうか?」
今までの自身のトレーニングを思い返しながら答えたが、藤堂さんの顔はますます険しくなっていく。何故だ。
「グラハム君……君はあの襲撃以前に何か刀、いや剣を振ったことは?」
「いや、ないな。この特注の棒切れだけだ」
この棒切れ。シュナイゼルが頼んでどっかの職人につくってもらったらしいのだが、とにかく重いのだ。なんか鉄と銅の比重がどうとか、先端部分に重しがどうとか言っていたが詳しくは知らん。……カタギリだったら答えてくれたろうに。クッ!まだが私のカタギリ!!……おい脳裏によぎるな若い片瀬!このパチもんが!!……いや、片瀬に罪は無かったなまだ。スマン……。
「その棒切れ、少し持たせてもらっても?」
「ん?ああ構わないが……どうぞ」
「ああ、ありが…とう…。………いつもこれを振っているのかね?」
「ええ、もちろんですが。……どうかされましたか?」
私から棒切れを受け取った後、2、3回振って私にまた質問がくるので、「当たり前だ」という気持ちを込めて答えると
「グラハム君!!君、ちょっと剣道やってみないか!?」
「なんと!是非とも!!!」
肩をがっしり掴まれて、いきなり熱烈なお誘いを受けたのだ。それにたいして私は直ぐ様OKと答えたが……今思うと何が藤堂さんの琴線に触れたのだろうか?まぁ、実際藤堂さんの生活から武士道なり剣道なりを、見よう見まねで盗んでいくつもりだった為ありがたい。その厚意に甘えさせてもらおう。
「ならばまず最初に言っておくことがある」
「なんでしょうか師匠!」
「師匠か……うむ、師匠として言おう。先程の素振りだが」
お、何だ!さっそく良いところがあったのだろうか。藤堂さんは褒めて伸ばすイメージがあったからな、きっと良いアドバイスを
「あの掛け声はやめなさい」
「…………そんな殺生な!!」
くれなかった………………私が唯一大っぴらにフラッグを叫べる機会を奪うな藤堂ぅぉぉおおお!!!
といったことから今日で1ヶ月経つ。ああ、掛け声?しっかり死守したとも。ただし、藤堂さんの前では禁止されたが……。
「さて、グラハム君。今日は素振りはやめて実際に打ち合ってみようか」
お、打ち合い。つまりは死合いか!(違う)なんと、今まではずっと素振りと姿勢の矯正、そして脳裏での仮想試合だけだったが、ついに打ち合えるのか!!
「はい!よろしくお願いします!!」
「うむ。では蹲踞から……」
藤堂さんの言葉に従い、互いに道場の中央から端まで向かい一礼。そして、直ぐ様膝を曲げながら蹲踞。2本挿した木刀のうち長い方を抜刀。と動作をこなす。最初に指導を受けたときから毎日やっているため、動作に淀みはない。
「はじめ!!」
「グラハム・エーカー、参る!!」
藤堂さんの開始の合図と共に、私は先手必勝とばかりに駆け出す。
相手はあの藤堂。何より私はまだ10歳の子供。搦め手は通用しないと思い、愚直なまでに真っ直ぐ上段から木刀を振り下ろす。
「チェストォォオ!!」
「甘い」
しかし、その木刀は藤堂さんの木刀によって受け止められる。
「示現流を教えたつもりはないんだが、な!」
「なんの!」
受け止めた木刀を横に流しながら、そのまま私の籠手を目掛けて軽く打ちに来た。私は焦ることなく木刀を引き戻し合わせるように軽く当てる。
「良い判断だ、だが!」
藤堂さんは、私の木刀に力を込めて弾くことはせず、当てた衝撃に従って木刀を引きつつ上段に構え直す。そしてそのままさっきの私と同じように振り下ろしてきた。いかん、これはまともに受け止めるわけにはいかない!私が体重を乗せても、先程のように受け止めることは叶うだろうが、大人の藤堂の剣は子供の私では腕が耐えきれん!!
そう直ぐ様判断した私は、腰を落とし木刀を斜めに構える。
「できるか!受け流しを!」
「やってみせるさ!フラッグファイターには意地がある!」
その姿勢を見て一瞬木刀を止めてくれた藤堂さんだが、私は構わず打てと気概を見せて答える!
「よくわからんが…行くぞ!!」
そして、さっきより少し速く感じる振り下ろしが迫ってきた。私はそれをフラッグファイター名乗りで高揚する感覚を感じながらも、冷静に木刀に触れる直前に握りを深く絞めなおし、衝撃に耐えながら木刀をずらしていく。
「くっ!だが……これで!」
少し手は痺れたが、何とか先程の藤堂さんのように横に流しきり、返す木刀で藤堂さんの横っ腹を凪ぎにいく。
「君にできて私にできないことはない」
「なに!?」
しかし、私の木刀はすぐに引き直した藤堂さんの木刀で阻まれた。さすがの反応だ藤堂鏡志朗。やはり今の私ではまだ一撃いれることすら叶わぬということか。
「だが、良い動きだ。軽く打ち合うつもりだったが、気概のある一撃を打ってくるなグラハム君」
「無論だ。折角打ち合いを提案してもらったのだ。全力を尽くさねば無礼というもの!」
「ふ、そうだな」
私の思いに、藤堂さんは「ふっ」と笑みを浮かべると先程とは違い、腰を軽く沈め肩越しの
「ならば私も全力で応えよう。構えたまえグラハム君」
「!!!望むところだといわせてもらおう!」
ああ、望むところだ。あのアニメでも思わず手を握り締めてしまったあの技を、よもやこの目で……いや、この体で受けれる日が来ようとは!!
私も腰を沈め、藤堂さんとは違い正眼の構えを取る。正面から受けきってみせよう!
「………………行くぞ!!」
「来い!!」
少しの間の後、藤堂さんの木刀の切っ先が迫ってきた。恐ろしく速いが、私の木刀を打ち付けることでそらす!!
「くっ!重い!」
しかし、切っ先がそれただけで、威力は落ちず私の頬をかする。そして、そのまま木刀が
「ふッ!」
2撃目の突きが迫ってくる。しかし私の手は既に先の1撃目をそらしたことでしびれて、すぐには動かない!ならばと体を強引にひねり、横っ腹をかするが何とか避わす。
そして、また先程のように木刀が引き戻された次の瞬間
これぞ『奇跡の藤堂』の代名詞。
「うぉぉぉぉおお!!」
しかし、ここで私も破ってみせよう!!この奇跡の一手で!!
私は痺れが多少は引いた右手で、腰に挿していた小太刀サイズの木刀を引き抜き、左手の木刀と交差するように眼前に構える。
ほんの一瞬。それは私が2撃目の突きを避けると同時に右手を小太刀サイズの木刀に添えていたが故に間に合った、当たる前の一瞬の行動。そしてその木刀が交差した点の中心に3撃目が衝突した!
「ぐあッ!!!」
そして、私は衝撃を殺すことができず、2本の木刀もろとも大きく吹き飛ばされた。
まぁ、無理だよね。なんかはしゃいで思わず破ってやろうと意気込んだけど。大人と子供では地力が違うし……だが…だが悔しいなぁ!!
「しまった…!すまん!グラハム君怪我はないか!?」
そう落ち込んでいると、藤堂さんが私に駆け寄ってくる。いや、大丈夫大丈夫。結局吹き飛んだけど、木刀が衝撃を少し受けてくれたから大事ないよ大丈夫。
「見ての通り無事だよ、師匠。しかし、なんと凄まじき突き。あれが師匠の本気か」
うん、ほんと凄まじき突きだよ。成る程、原作でも四聖剣の1人ですら破れなかったわけだ。強い。……いや、まぁ本気出してくれたことは嬉しいけど、子供に本気出す大人の絵面って結構駄目ではないか?今更だけど。
「そうか、無事で良かった。しかしまさか三段突きを対応されるとは……当てずに止めるつもりだったが十字受けを見せられてつい当ててしまったよ。凄いなグラハム君」
ああ、本気とはいえ止めるつもりだったのか……。いやでもいくら受けの姿勢見せたところで本気で当てにいくか普通(手の平)。
「咄嗟の行動ですよ。ありがとうございました師匠」
まぁ、それはそれ、これはこれか。私は藤堂さんが差し出してくれた手を握り起き上がらせて貰いながら礼を言う。
「ああ、こちらこそありがとう。まさかこの時代に咄嗟とはいえ二刀流を見れるとは思わなかったよ。次からは二刀流の動きも練習に入れていこうか」
「是非とも!!」
そんな感じに、運良く二刀流の指南も入れつつまた修行の日々を繰り返して行くのであっ
「殿下ー!枢木ゲンブ首相から電話です!そろそろ会食の日程を決めたいとー!」
て欲しかったが、先にこちらを済まさねばならんようだ。私は道場の廊下を走ってきたメイドさんに手を振りながら藤堂さんと共に、電話の置いてある居間まで向かうのであった。
うん、さすがにこの年で三段突き対応できるわけないな
でも、やってみたかった……させてあげたかったよぅ三段突き破り