ハイスクールD×D 黒いウサギがお邪魔します   作:這い寄る劣等感

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前回に『黒ウサギ、独自行動をとる』と言っていたな?ありゃ嘘だ。正直すまんかった。

書いているうちに多分これが最も自然かなーと思ってたらこうなったんだぜぃ。


ま、クオリティはともかくどうぞー


黒ウサギ、別仕事を任される

……どうしてこうなった。

俺は確かに喧嘩を吹っかける勢いで挑発したし、それに彼奴らが反応するのは当然だろうなとは思ってたけどそれに便乗して木場が乗ってくるとは思わなかった。

……よっぽど恨み骨髄なのかぁ、聖剣に対して。

で、そこにイッセーが巻き込まれて二対二のバトル。結果はイッセーが機会を測り損ねてアーシアと小猫の服をズタズタに木っ端微塵にして惨敗。祐斗が冷静じゃなくなっているとこを衝かれてゼノヴィアと何故かパワー勝負に持ち込んでゼノヴィアの勝ち。

……なんていうか、酷いなぁ。あの頃の俺もあんなんだったんだろうか。

 

 

「次は貴様だ。我らが神を侮辱した罪、死して贖え!」

 

 

あらら、当たり前だけど激おこぷんぷん丸。イリナとかいう方もヤル気に、殺る気に満ち溢れている。けどまぁあの程度の剣の使い手なら避けられないこともないか。

 

 

「いいぜ、俺は前言を撤回する気はない。どこからでも掛かってこいよ。だけど俺からは手を出さずにお前らは終わるけどな」

 

「戯言を吐かさないで!私達には神の御加護があるのよ!貴方みたいな悪魔に魅入られた人間なんかに負ける道理がないわ!」

 

 

……あー、うん。ここまでくると本当すげえと思っちまう。強ち狂信者って言ったのも間違いじゃないかもなあ。

それはともかく俺と彼奴らは構える。そしてゼノヴィアとイリナが前に出た瞬間、

 

 

「制止」

 

 

二人の動きが止まる。二人は何が起きたか把握出来ずに混乱しているようだ。まあ、そりゃ動いた瞬間止まるだなんてそうそうない経験だよなぁ。

 

 

「くっ……!貴様、何をした!」

 

「俺は何もしていねーよ。だから何もしないで終わるって言ったのに……」

 

 

上空から一人の少女がゆっくりと降りてくる。その少女は駒王学園の女子が着用する制服を身に纏っていた。

普通、制服を着れば大なり小なり制服補正がかかり普段より可愛くだとか凛々しく見えたりするのだが、彼女においてはそれが適用されていない。それはマイナスの意味ではなくプラスの意味で補正が全くかかってないのだ。その少女は高校生には似つかわしい妖艶な美貌を持ち制服がオマケというかそもそもいらないのではないかと思えてくる有様だ。

そんな少女が大兎の近くに降り立ちゼノヴィアとイリナを冷めた目で見つめる。

 

 

「下等な人間如きが大兎に手を出そうとしたわね?その程度の力で大兎に手を出すなんてバカなんじゃないかって思うけど……まあ、関係ないわ。今ここで死になさーーーー」

 

「ちょっ、ヒメアストップストップ!殺さなくていいから!動き止めてくれただけで俺としては嬉しいって言うかまあそんな感じ?」

 

「え♡大兎がそう言うならそうする〜」

 

 

急に色ボケたようになる。

ふぅ、危ねえ危ねえ。あのままじゃ有無すら言わさずに彼奴らは肉塊になるところだった。

と、安心していたその時

 

 

「ぬ、おぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 

ゼノヴィアが徐々にだが動き出す。それを見て俺は驚く。人間なら抜け出すのはそれこそ『凶剣』とかがないと無理だと思ってたからだ。流石に美雷ほどの力を持っているとは思えないし。

 

 

「ヒメア。本気で止めているよな?」

 

「え?うん。そういう術だから止まっているでしょ?」

 

「……とても言いにくいけど動いてるよ、アレ。何でかわかる?」

 

「え?……ホントだ動いている。けど美雷ちゃんみたいにバカ力で動いているわけじゃなさそうね……。……あの剣より濃厚な破壊の力を彼女の近くから感じるわ。多分、それが原因で彼女は動けている」

 

「『破壊の聖剣』以上の破壊の力?それじゃあ本物の聖剣か?デュランダルやアスカロン、他にも色々あるけどなぁ」

 

 

と、俺が口を滑らすとゼノヴィアが反応を示す。反応を示したのは……デュランダルか。

てことは彼奴は天然の聖剣持ちか。そういやどことなくローランに似てなくもないかな?突貫するところとか。

 

 

「ま、それは置いといて今は寝てな。今度会う事があったらそれは衝撃の真実を知った後だろうさ」

 

 

俺はそう言い容赦なく首筋に手刀を叩き込む。するとゼノヴィアは急に力が抜けたようになりその場に崩れ落ちた。

……いやー、首にチョップしたら気絶なんて芸当テレビの世界でしか出来ないと思ってたけど間違いだったな。

 

 

「リアス。俺は此奴らがいる間はお前の頼みには応えられなくかもしれないからよろしくな」

 

「……えっ?ちょ、ちょっと大兎!」

 

 

俺はリアスの言を待たずにその場を離れる。リアス達に完全に見えない位置にきたら『聖地』を開いてもらって月光が待つ場所に行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、総合するとあまりにもバカでアホでマヌケな貴様は個人的な感情から教会の連中に喧嘩を売ってその場から逃げ出したということだな?これだから万年発情期ウサギは脳にまで汚らしい精液が詰まっていると言うんだ」

 

「待て。その悪口聞いたの今回が初めてだぞ。つーかなんだ万年発情期ウサギって!」

 

「間違っていないだろう?お前はそこの色ボケ魔女と盛りに盛ってガキを何人こさえたと思っている?いや、そもそも何人どころじゃないぞ何十何百とだ」

 

「うぐっ……。それを言われると反論できない……」

 

「だろう?お前如きが俺に反論すること自体が烏滸がましいんだよクズが。……で、あのコカビエルが絡んでいると?まあ、『預言』があるからわかってはいたが」

 

「ああ、仮にも教会の情報網だ。間違いってことはないだろう。あの戦争狂のことだからただ単純に戦争がしたくて暴れるんだろうよ。ハァ〜、憂鬱だ」

 

「嘆いている暇などないぞ。俺が無意識に書いたとはいえ『預言』には滅亡の未来が書かれていた。幸いなのは今年中の9月とかいう無茶振りがない点だ。それで思い出したが、お前は教会の連中に喧嘩を売る時に迷惑をかけない神はいない、みたいなことを言っていたらしいな?それはお前が一番当てはまるじゃないか。なあ、世界に無を齎そうとした『狂神』?」

 

「急に話題転換すんなよな〜。まあ、あの時の俺はお前の、正確にはお前の自殺願望だった主人でもある『最古の魔女』の自殺幇助に躍起になってたからなぁ。ヒメアかハルカ以外はどうでもよかったんだよな」

 

「まあそれは置いといてだ」

 

「いやだから急に話を変えんなって……」

 

「黙れミジンコ以下の生物が。ならばお前には別の仕事を課そう。天使共と堕天使共を両方話し合いの場に着かせろ。いいな?」

 

「ちょ、俺ぜってー彼奴らには嫌われてんだろ仲間何人どころじゃないくらい殺してんだし!」

 

「それを何とかするのが貴様の役目だ。いいからとっととつべこべ言わずに行ってこい!」

 

 

俺は月光の野郎に部屋から蹴り出されてしまった。ご丁寧に『聖地』も開いてやがるし……。

 

 

「およ?大兎っち何やってんのそんなとこで」

 

 

声がしたのでそちらを振り返ってみればそこには金髪にブリーチした女の子がいた。名前は碧水泉で今は『終末の幸福』でもある少女だ。

その泉がタバコ代わりのキャンディを咥えながら不思議そうにこちらを見つめている。

 

 

「……ああ、月光の奴に部屋から蹴り出されたんだよ。んで、ご丁寧に『聖地』まで開かれた。まずは堕天使の本拠地への直通便でな」

 

「あっはっは!なに?今から単騎駆けでもするわけ?そういうのは好きよ?私」

 

「強ち出来なくもないんだよなぁ。ハァ、めんどいけど行ってくる」

 

「私もついてく〜」

 

「おっ、ヒメちゃんが行くんなら私も連れてってよ。私も堕天使の総督とか熾天使とか見たいんだよね〜」

 

「いや俺は別にいいけど……お前、変装魔術だったか変身魔術だったか知らんけど作ってる最中じゃなかったのか?ハスガ達が言っていたけど」

 

「あ〜、確かにそうなんだけど、やっぱり私ってば今は『終末の幸福』だしね。結構アッサリ作れちゃったんだよね。元の頭の良さも相まってたりするのかな?」

 

「月光の前で言うなよそれ。アイツ本気で悪魔大進撃やらかそうとしてるからな」

 

「アッハッハッハ、わかってるって〜。んじゃ、行きましょうぞ黄門様!」

 

「ハイハイ、じゃあ行くか」

 

 

行くかじゃなくて逝くかでも間違いがなさそうなんだよな。

愚痴をこぼしつつも俺は『聖地』に入りまずは堕天使の総督の元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてやってまいりました堕天使の総督・アザゼルがいる『神の子を見張る者』の本拠に。両手に花状態ではあるけど正直なところテンションは下がっているんだよなぁ。

 

 

「ほらほら大兎っち〜、とっとと行こうぜ!」

 

「泉、手ェ引っ張んなって〜。そんなことされずとも行くしかないんだからさ」

 

 

泉に手を引っ張られて少しばこり憂鬱な気持ちを晴らしつつ俺は目の前にある扉を開けた。そこには堕天使の総督であるアザゼルと副総督のシェムハザがいた。

 

 

「お前、『黒ウサギ』か。よくもまあ、監視の眼を潜り抜けてここまで来たもんだ。どうやって誤魔化したんよ?」

 

「そういう移動手段があるとだけ言っておくぜ。で、堕天使総督アザゼル、今から俺が言うことを出来ればそのまま聞き入れてほしい」

 

「おいおい、ともすりゃ俺らを簡単に消しちまえる奴が下手に出るべきじゃねえだろ。そんなことせずに力を見せびらかしながら命令口調で言えば俺なんか言うこと簡単に聞いてしまうね」

 

 

アザゼルは普段通りであろう軽い調子で俺に対しても軽口を叩く。

今はその軽い調子が物凄くありがたいけども。

 

 

「つーか、顔立ちは平凡なのになに可愛い子二人も侍らしてんだよ。やっぱ強者の下には可愛い子が集まるのかねぇ?俺、研究者って言った方が正しい気がするしなぁ」

 

「アザゼル。貴方は総督なのですから研究やら開発やらにかまけずにもっと総督としての自覚をですね……」

 

「あーあー、聞こえなーい。つーかシェムハザ今客が来てんだからお小言は無しだろ?で、聞かせたい事ってのは何だ?軽けりゃそのまま受け入れるし、重けりゃちょっとばかし考えるわな」

 

「いや、かなり単純だぞ。ただお前らの三つ巴の小競り合いを止めさせようとしているだけだし。だからお前には悪魔のトップと天使のトップと同じ席についてもらってそこら辺の話を詰めてもらおうかと考えているんだが……」

 

「なんだそんな事でいいのか?つーか俺らもそろそろそうしようかと思ってたところだしよ。俺らが啀み合ってる時に奴等がやって来るかもだしなぁ」

 

「奴等ってのは『禍の団』のことか?」

 

「おっ、よく知ってんなぁ。あんな無差別テロ集団がいる中でドンパチやってたらどこの陣営にしろ深手を負うだろうしな。つーか一応のトップがオーフィスである辺り嫌な予感しかしねえんだよなあ」

 

「げぇっ……『無限の龍神』かよ……。また嫌な奴がトップに据えられてんなー」

 

「なあ『黒ウサギ』。お前ならオーフィスを殺せるか?」

 

「出来ると言えば出来るけど……まあ確実に抵抗されるから成功する確率は限りなく低いな。それ相応に力を出して、んで彼奴の防御貫通してから流し込まなきゃいけねえし……。ま、ほぼ無理だな」

 

「隙とか時間さえあれば殺せるんだな。ほんっと恐ろしい奴……。まあ、この件に関しての俺の返答は話し合いとやらに参加するぜ。まあ、でも今更仲良くしましょうねぇじゃ奴さんらも警戒するだろうし、取り敢えず話し合おうぜ的な書状を認めて俺が両陣営に送っとくわ」

 

「おっ、助かる。この後天使のとこにも行かなきゃなんねえからなー」

 

「お前自殺志願者か何かか?自分の存在がどういうものか解っているくせに天使のとこに行くなんてなぁ。ま、俺には関係のないことだから頑張れよー」

 

「あー、アザゼルさんだっけ?貴方、研究者って言ったよね?どんな研究あるか見てもいい?」

 

 

話が良い具合に纏まった矢先に泉がアザゼルに研究の内容を見せてほしいと言った。

泉のことだから単純に興味本位なんだろうが自分の研究の内容を見せろだなんて通用するのか?

 

 

「おー、いいぜー。俺の神器に関する研究と開発、その成果を見せてやるよ」

 

「って、通るのかよ」

 

「別に見せても困るモノじゃねえし、それに三陣営で仲良くやってくのならこの情報もいずれ開示する必要がある情報だしなぁ。なら、便宜上『黒ウサギ』陣営に見せたところで何も支障は無いだろ?」

 

「やった!やっぱ言ってみるもんね。お返しと言っては何だけど私の研究の成果……つっても魔術関連だけどそれも披露するよ」

 

「おっ!お前も研究者だったのか!いやー、お互いに益のある関係になるといいな」

 

「いやホントホント」

 

 

俺らを置いてきぼりにして盛り上がっていた。いや、まあ、良いんだけどね?変にギスギスするよりはこっちの方がマシだけども。

 

 

「あー、じゃあ泉。お前はここに置いてくけど、それでいいか?」

 

「OKOK!帰る時には自前の移動手段か、或いは月光ぽんに『聖地』開いてもらうから」

 

「んじゃ、楽しんでこいよー」

 

 

俺はそう言うと、ヒメアを連れて部屋を出ていった。これで堕天使に関しては滞りなく終わった。が、次に待ち構えているのは天使。けど気張って行くしかねえんだよなぁ。

 

 

「ヒメア、天使の場所まで行ける?」

 

「んー?行けるよ大兎。それじゃあ開くね」

 

 

ヒメアが手を前に出すとそこの空間に歪みが出来て人一人が余裕で通れそうな穴が出来た。俺とヒメアはその穴の中に入ると、穴は閉じられ、後は前に一直線に進むだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、こうして天使の本拠にいるわけだが……やっぱこうなるよなぁ。

 

 

「止まれ!ここをどこだと心得るか!」

 

「ここは神のおわす神聖な場!お前のような人間が立ち入っていい場ではない!」

 

 

こうして下級天使に囲まれていた。

そういや、天使の階級って実際どうなってるんだろうな?能天使とか力天使とかそういうのは聞いた事あるけどもどういう風にランク付けなされてんのかね?

と、俺は囲まれているにも関わらず呑気なことを考えていた。

 

 

「つーか、ヒメア。どうして出た場所が入口入ってすぐのとこなんだ?」

 

「大兎と長くいたかったからー」

 

「あぁ、そう、うん……」

 

 

つまりヒメアの我儘のお陰で今このような状況にあると。いや、まあ今に始まった事じゃないし、別に咎めようとは思わないけどもこういう奴らには直通便の方が良かったかなー?

 

 

「ヒメア、しょうがないから強行突破するよ。ヒメアはあの魔術を俺に行使して」

 

「うん、わかったー」

 

 

ヒメアは素直に頷くと俺に対し対象を追尾する……と言うよりはどこまでもついていく魔術を掛けた。これでどんなに俺が速く走ろうがヒメアからは逃れられないみたいな構図になる。

 

 

「じゃあ行くぞ天使ども」

 

 

俺は自身にある『黒』の力を高めて天使や悪魔、堕天使に言われている『黒ウサギ』の状態となる。この状態になれば天使の百人や千人、壁にすらならない。

だが殺してはダメだ。話し合いの場につかせたいのにここで天使を殺してしまっては支障が出る。

故に俺は天使が囲んでいる中強引に、ただし殺さないように天使どもを押し退けた。

俺に弾かれて壁に叩きつけられた天使はそのまま動かなくなりグッタリとする。気絶したのだろう。

 

 

「なっ……!こいつ『黒ウサギ』か!」

 

「怯むな!神の威光は我らにあり!『黒ウサギ』とて敵わぬ相手ではない!」

 

 

いや敵わないって。

地力が違うし、俺全力じゃないし。俺を止めようと思ったらそれこそミカエルとかラファエルとかガブリエルとかウリエルとかメタトロンとかサンダルフォンとかが必要になるレベルだぞ。

神の威光とやらで止められたら苦労しないわ。

 

 

「目障りね……。ねぇ、大兎。こいつら殺してもいい?」

 

「ダメだ。そんな事したらヒメアを嫌いになっちゃうかもな〜。でも殺さずに無力化してくれたらもっと好きになるかもなー」

 

 

うん、自分でもこれはないわーって思うくらい棒読みだ。この前のフェニックスでの一件みたく演技は出来ねえな。

 

 

「うっ……。大兎には嫌われたくないから無力化するね。じゃあ目障りな天使達、その場に立ち止まっていなさい。制止」

 

 

ヒメアがほぼお馴染みの魔術を行使する。どんな区分になっているかはわからないが、中級天使くらいまでなら動きを止められるだろう。実際、少なくともこの場にいる奴らは全員動きを止めたし。

 

 

「ありがと、ヒメア。じゃあとっとと行くか」

 

「うん、大兎!」

 

 

動かなくなった天使達の傍を素通りして『熾天使』のトップが集う場所に向かう俺たち。

ヒメアと他愛ない話を幾らかしたところでようやくその場に着いた。

 

 

「邪魔するぞ」

 

 

俺は無造作に扉を開け放ち中にズカズカと入っていく。そこには先程名を挙げた内のミカエル、ラファエル、ガブリエル、ウリエルがいた。

 

 

「『黒ウサギ』がこんな場所に何の用でしょうか?我等と一戦交えると言うのであればこの場でなくてもいいものを」

 

 

最初に俺に声を掛けたのはガブリエルだった。一見、柔和そうなお姉さんみたいな印象を抱くガブリエルだが、それでも『熾天使』のトップに組み込まれている以上、油断出来ない存在だ。

 

 

「俺はお前らと一戦交える気は毛頭無い。ただ要求しにきただけだ」

 

「ふん、貴様の様な輩の言など聞く耳持たぬわ!」

 

 

今度は見た目の厳つさがそのまま性格になったかのようなウリエルが反応した。こいつの炎の攻撃は要注意だな。少なくともライザーなんかよりはよっぽど強い。

 

 

「それでも聞いてもらうぞ。これはお前らにとっても益のある事だからな」

 

 

そう、この話はすぐにでも結果が出せる類の話だ。天使と悪魔、それに堕天使の完全な終戦。この話がまとまったらそれだけで破滅の未来から一歩以上遠のく。

 

 

「まあ、いいでしょう。ならば貴方の言葉を聞きましょう『黒ウサギ』。ですがそれが下らない事であれば私達はここで今まで貴方によって散らされたた同胞の仇を取りに貴方をこの場で殺します」

 

 

今度はミカエル。『熾天使』のリーダー格の男だ。確かミカエルって神の如き者みたいな意味だったっけか?けどメタトロンとか小四文字みたいな感じだしどっちがトップかわかんねえな。

 

 

「俺からの要求は悪魔、そして堕天使と戦っている現状、まあ、今は小競り合い程度なんだろうがそれを完全に無しにしてもらいたい。つまりは終戦並びに天使、堕天使、悪魔による同盟に参加してもらいたい」

 

「それは何故ですか?そうせざるをえない何かが迫っているとでも?」

 

「『無限の龍神』をトップに据えたテロ集団『禍の団』。これがそろそろ動くだろうな。如何にお前らと言えどオーフィスには手も足も出ないだろう。それに『禍の団』の……と言うよりはオーフィス自身の目的がこの世界に害を与えるものだ。四の五の言ってられる状況じゃなくなるぞ」

 

「……その目的とは?」

 

「次元の狭間に戻ること。言ってしまえば里帰りではあるが、今あそこには赤龍神帝・グレートレッドがいる。彼奴だからこそ今の平穏と静寂が保たれているようなもんだ。オーフィスが次元の狭間の主になってみろ、途方もつかない混乱が巻き起こるだろうぜ」

 

 

俺が言い切ると四人は一瞬黙り込みその後顔を向かい合わせ話し合う。まあ彼奴らにとっちゃ真偽が定かではない情報だし、そもそも俺という存在が更にその情報の信憑性を疑わせているのだろう。

こっちも天使って言葉には少し思うところがなくはないんだけどな。

 

 

「……その情報は確かなものですか?」

 

「確かだ。疑うようであれば少し調べてみればいい。お前らの情報力ならすぐにわかるだろうぜ。更に言うなら何日後かは知らないが、堕天使総督アザゼルから書状が届くはずだ。それを根拠にしてもらっても構わない」

 

「……いいでしょう。思うところはありますが、貴方の言葉、信じることにしましょう」

 

「それは助かる。こっちもあんたら四人とたった二人で戦いたくはないしな」

 

 

だとしても奥の手その一使えば勝てるような気はするけども。まあ面倒なことには変わりないか。

 

 

「それじゃあ俺達はここで失礼するぜ。何時までも俺のような存在がいてもいい場所でもないだろうし」

 

「あ、話し終わった?ならデートしよデート!」

 

「うん、今まで黙ってくれてありがたいとは思ったけど終わった瞬間それじゃシリアスな雰囲気が台無しかな〜?」

 

 

最後の最後でシリアスが少し(?)ぶち壊されながらも俺は何とか話し合いの場に着かせることを確約した。

全く、月光のやつもこの無茶振りさえなければいいのによ。

 

 

「で、どこにデートするの?」

 

「えとね、えとね。大兎ととなら何処でもいいよ!」

 

「嬉しいけどそういうの何処にすればいいか困るな〜。んじゃあ何度も行っているけどフランス辺りにでも行くか」

 

「うん!」

 

 

……うん。この何の変哲もない日常を守るためならどんなことでもやってやる。

こうして、俺が月光に託された仕事は終わった。デートに出かける俺だがこの後面倒なことが起きるとも知らずに。




ま、クオリティはあれだわな。戦闘シーンとかヒメアとかヒメアとかヒメアとか。

ヒメアが動かしづらい……!あの子戦闘シーンがほぼないんだもん!オリジナルバトルでヒメア主役にするしかないのかなあ……?


次回は多分『黒ウサギ、戦闘狂と戦う』

まあ言わなくても誰かはわかるよね?

では皆さまお達者デー
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