ハイスクールD×D 黒いウサギがお邪魔します   作:這い寄る劣等感

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はい、二話目ですね。
前回はプロローグと銘打っているから実質これが一話目なのかもだけど。
まあ気にせず行きまっしょい!


黒ウサギ、変態の死に目にあう

〜一誠サイド〜

 

学園で変態と呼ばれ蔑まれてきた俺にも遂に春が来た!

この俺、兵藤一誠は自他共に認めるエロである。学園内はおろか学園外でもイッセーという名前は通用するらしい。いや、らしいってのは学園内だと変態三人組の一人としてそう呼ばれているのは知っているけど、流石に学園外の事まではわからん。だけど確実にイッセー=エロの図式が成り立っているんじゃないかとは思う。

 

 

そんな俺が、彼女いない歴=年齢の俺が!まさか女の子に、それも美少女の天野夕麻ちゃんに告白されるなんて夢にも思わなかった!最初は疑ったね。自分でもルックスはそこまでいい方じゃないってのはわかる。イケメンは嫌いだが自覚ぐらいはするさ。俺なんかよりも木場の方がずっとイケメンだ。顔も、性格もな。……あー、やべぇ。あいつの爽やかイケメンフェイス思い出したらムカついてきた。こんな時こそ夕麻ちゃんとのデートプランを再確認してそれに沿って行動する(予定)に限るぜ!

 

 

……デートで思い出したが、この学園には入学したての一年でありながら既にこの学園で有名になるくらいラブラブなカップルがいたな。確か鉄大兎と沙糸ヒメアって言ったはずだ。正直言って釣り合ってないと俺は思う。だって考えてもみろよ?この学園でも上位ランクどころか最上位になってもおかしくないくらいの美少女の彼氏がそれこそ俺レベルのルックスの男子なんだぜ?一体どこに惚れたって言うんだろうな……って今の俺が言えた話じゃないか。俺だって変態三人組の一人なのに今こうして夕麻ちゃんに告白されたからこそ付き合う事が出来たんじゃないか!そう今日こそが…………夕麻ちゃんとのデートの日なのです!

 

 

「ごめん、イッセーくん!待った?」

 

 

とまあ、なんとも可愛らしく首や傾げて訊いてくるわけですよ!ここはねぇ?このセリフ言うしかないじゃないですか!

 

 

「いや、俺も今来たところだから」

 

 

……っくー!このセリフ!一度でいいから言ってみたかったんだよなー!これが言えたら気遣いが出来るいい男って感じがしてくるんだよ。

 

 

さて、いよいよお楽しみのデートの時間だ。

俺は夕麻ちゃんと手を繋ぎぶらりデートと洒落込んだ。……ヤバい、眼から心の汗が流れ落ちそうだ。いや、マダだ。マダ心の汗を流すのは早い。せめて出すにしてもこのデートが無事に終わってからにするんだ。

午前中は洋服の店に入ったり、部屋に飾る小物を見たりしてデートを満喫。

お昼は高校生らしく……いや、まあ出来ればオシャレなカフェテリアとかでご飯食いたかったけどさ、予算の都合上って言うか仕方がなくファミレスなんだけどもさ。

それでもチョコパフェを美味しそうに頬張る夕麻ちゃんを見れただけで満足だ!

そう、これだよ。これぞ若者のデートって痛感したよ。

俺を腹を痛めて産んでくれた母に感謝を!父よ、あなたの遺伝子、遺せないかと思ったけどどうにかなりそうです!

そんな取り止めもない事を考えていたらあっという間に夕暮れ。時間は思ったよりも早く過ぎるもんだな。

舞台は公園・噴水前。時間は日が沈みかけている夕暮れ時だ。しかも俺たち二人以外に人っ子一人として見当たりはしない。これはもうムード完璧だと思ったね。

そして健全な男子高校生である俺はまあ、その、なんだ。キスだとかそのあとにくるBだかCだかを妄想せずにはいられなかった。だってしょうがないじゃん!健全だからこそそんな妄想してしまうわけで!寧ろ、そんな事を全く考えていないのはガチホモか不健全な若者だけだ!

 

 

「ねぇ、イッセーくん」

 

「なんだい、夕麻ちゃん」

 

「私たちの記念すべき初デートってことで、ひとつ、私のお願い聞いてくれる?」

 

遂にこの時が来たか!いやもうこのタイミングでこんなこと切り出すなんてアレ以外考えらんないって。こう、唇と唇がムチューとくっつく奴!

口臭は⁉︎大丈夫だな。心の準備!あー、ダメだバクバク鳴ってるぅぅ!今にも破裂してしまいそうだ。

 

 

「な、何かな。お、お願いって」

 

 

俺のバカーーーー!こんな時に声上ずらせてどーすんだよ!これじゃどっからどう見たって俺がバカな妄想してるってわかるじゃん!

だけど夕麻ちゃんは俺に微笑んでくれるだけだった。そして、ハッキリと俺に向かって言った。

 

 

「死んでくれないかな?」

 

…………え?いや、なんだって?

 

「……え?それって…………ごめん、夕麻ちゃん。俺耳が遠くなったみたいだ。もう一度言ってくれるかな」

 

「死んでくれないかな?」

 

 

……ハハ……ハ。もう「冗談キツイなー、夕麻ちゃん」と言おうとした瞬間。

バッ。

……?今のなんの音だよと思い夕麻ちゃんを見てみれば彼女の背中からは真っ黒な羽が天使の羽が黒く染まったようなものが生えていた。

何の演出だよアレは。そうだ!どこかにプロジェクターかなんかがあるに決まっている!そうに違いない!

そう思い、俺は辺りを見回すがそんなものはどこにも見当たらない。だが依然として彼女は黒い羽を生やしたまま俺の前で不気味に笑っている。

俺は目の前で起こっている不思議な現象を頭が受け付けなかった。だってそうだろう?こんな不思議な事、実際に起こるわけないじゃないか。

 

 

「あなたと過ごしたわずかな時間は楽しかったわ。初々しい子供のままごとに付き合えた感じだった」

 

 

夕麻ちゃんは俺に対しそう冷たく言った。先程デートしてた際の声とはかなり違う妖艶な声音。

ブゥン。

今度はなんだと思えば彼女の手に光が収束している。それを確認してみれば槍だった。光で出来た槍。

この時俺はすぐにでも逃げ出すべきだった。いや、それをしたところでどうにかなる、と言うわけでもないがもしかしたら通りすがりの誰かがいたかもしれない。

だが、そんな事はたらればの話だ。

 

 

 

ヒュッ。ドスッ。

音にすれば簡単。たったこれだけだ。たったこれだけの音で、俺の腹にはポッカリと穴が空いてしまった。

俺の腹から噴き出す血。赤い血。朱い血。紅い血。

 

 

「ゴメンね。あなたが私たちにとって危険因子だったから早めに始末させてもらったわ。恨むならその身に神器を宿した神を恨むことね」

 

 

なんだよ、神器って。だがそう問いただすことは俺には出来なかった。腹に空いた穴から噴き出す血が原因で意識を失いかけているのだ。意識を手放せば気持ちいいことはわかる。だが、俺はまだ死にたくない。まだ、人生を半分も楽しめてないじゃないか。これから生きていれば楽しい事なんていくらでもあるはずなのに。

 

 

あー、これが走馬灯ってやつかな?頭の中で松田とか元浜とか母さんとか父さんとかエロ本の事で頭がいっぱいだ。

ハハッ、死ぬ間際までエロい事考えるなんてやっぱり俺はエロなんだなあ。

どうせ死ぬのだったら美人の腕に抱かれて死にたかったなぁ。俺の目に鮮烈に映った紅髮のあの美人。夕麻ちゃんがいながらこんな事考えるなんて俺って浮気性なのかな?

あぁ、クソ。視界がボヤけてきやがった……。いよいよもって俺もお終いだ……。あまりにも薄っぺら過ぎる人生だったな……。

 

「おい!兵藤先輩!あぁ、クソっ!俺がもっと早く来れれば良かったのに!…………?このチラシは?……あぁ、成る程。これがアイツが言っていた『悪魔』ってやつのチラシか。……ん?これ光ってる……?ってヤベェ!『悪魔』がここに来んのかよ!急いでここを離れねぇと!」

 

 

……なんだよ、この声は。あれ……?でも、俺この声聞いたことあるなぁ……。そう、アレは確か鉄大……兎……。

 

 

「あなたが私を呼んだのね?……ふぅん、あなた、面白いわね」

 

 

クスクスと笑う声。何がそんなにおかしいのだろうかと思う。が、今の俺にその考えを口にする気力も体力も残っていなかった。

 

 

「どうせ死ぬのなら、その命、私のために生きなさい」

 

 

俺が意識を手放す前に見たのはストロベリーブロンドよりも鮮やかな紅い髪の色だったーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

〜大兎サイド〜

 

 

さて、この状況はどうしたもんだろうか。

俺、鉄大兎はある奴から任務って言えばいいのかな?それを課されて俺が今通っている学園の変態三人組と称されるほど有名な三人の内の一人である兵藤一誠を尾行していた。その理由はよくわかんねえんだけど、どうも兵藤先輩にはなんか不思議な力があるらしい。で、それを狙う奴らががいるだろうからそれの調査及び護衛を任されたわけなのだが…………。

 

 

「あの、ヒメア?俺たち兵藤先輩を尾行してるんだから、そんなに腕に抱きつかれると動きにくいんだけど」

 

「ぎゅ〜っ!ぎゅ〜っ!」

 

 

あ、ダメだこれ。聞いてねえ。

そう、尾行していたわけだがヒメアが腕に抱きついてきたり、時々『静止』を使ってきたりしてまさかの彼女から足止め食らっているわけで。お陰で見失ってしまった。

……あー、これアイツからまたなんかいろいろ言われるんだろうなー。

もう時間は夕暮れ。ヒメアをどうにかこうにか宥めながら兵藤先輩を探してみるけど見つかる気配がしない。こりゃー、ヤバいかもしれない。

兵藤先輩の彼女とされていた天野夕麻だが…………あれは人ではない。明らかに何らかの思惑から兵藤先輩に近づいてきた奴だ。だからこそ尾行してたってのに。

 

 

「ーーーーっ!」

 

 

今、僅かながら殺気を感じた。感じた方角は公園の方か!

俺は咄嗟に駆け出していた。このままだと兵藤先輩が危ない!ただそれだけを思って駆けていた。

 

 

だが、間に合わなかったようだ。

兵藤先輩の腹部の傷は素人目からでもわかるくらいの重傷。ハッキリ言って致命傷だ。死因は失血死といったところだろう。

 

 

「おい!兵藤先輩!あぁ、クソっ!俺がもっと早く来れれば良かったのに!…………?このチラシは?……あぁ、成る程。これがアイツが言っていた『悪魔』ってやつのチラシか。……ん?これ光ってる……?ってヤベェ!『悪魔』がここに来んのかよ!急いでここを離れねぇと!」

 

 

ヤバいヤバい!チラシに描いてある魔法陣が光っていやがる!これはどう考えても召喚とかそいういパターンだ。

この場は『悪魔』に任せるに限る。俺の力じゃ傷を治すなんて芸当は出来そうにないしな。

そうして俺は兵藤先輩から離れた。勿論、全速力だ。だってそうじゃないと俺が真っ先に疑われるだろう。あー、これが殺された人を初めて発見した人の気分なのかねぇ!

 

 

もうばれないだろうという距離で振り返って見てみればそこには紅髮の美人がいた。確かあれは……そう、学園で二大お姉様とかって称される方の片割れのリアス・グレモリー先輩だ。あの人が『悪魔』だったのか……。

 

 

「大兎、何を見てるの?」

 

「うおわっ!ヒメア、いつの間に⁉︎」

 

「いつの間にも何も最初からいたわよ」

 

 

……あ〜、そう言えばヒメアには相手を追いかける為なのかは知らないけどそんな魔法が使えたな。成る程、俺があまりにも焦ってたから今の今まで気づかなかったのか。

 

「んあー、これアイツになんて言われんだろうなー」

 

「アイツが何か言ってきてそれで大兎を傷つけるような真似したら私が殺すから問題ないよ」

 

「いやそれはマズイって!ほら、一応アイツ雇い主っつーか友達だからさ。だから、な?ヒメア落ち着こうぜ」

 

「だ、だったら帰ったらち、チューしてくれる?」

 

「うあー、もうそれでいいよ……」

 

 

本っ当に疲れたなー今日は。主に気疲れで。『悪魔』に任せたから大丈夫とは思うけど帰ったらアイツのお小言聞かなきゃなんねえんだよなあ……。面倒だ……。

 

 

そうして俺たちは課された任務に失敗という結果を伴って帰路へとつくのであった。




はい、一話目或いは二話目投稿ー。
前回よりはスムーズに書けたというか書いててちょっと楽しかったでござる。やっぱ前回が厳しすぎたんだよ、うん!
さーて、次回の『ハイスクールD×D〜黒いウサギがお邪魔します〜』は『黒ウサギ、二度目はさせない』でお送りさせていただきます。
それでは皆様ご達者で
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