ハイスクールD×D 黒いウサギがお邪魔します   作:這い寄る劣等感

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嘘は言ってない


黒ウサギ、テロを対処する

「あらま、もうそんな時間なのか」

 

 

俺、鉄大兎は止まってしまったメンバーを一瞥し、息を吐く。

『預言』で確認してたから知っているが、相手さんがリアスんとこのギャスパーとかいう男の娘の神器を暴走させてこの有様というわけだ。

まあ如何に暴走させたところで俺たちにトップ陣を停止させることは無理だったみたいだけどな。

お、今イッセーも動いた。

 

 

「ふむ、『禍の団』とやらが動き出したか。しかしまあ随分と重役出勤なものだ。この三陣営のセキュリティも突破できないくらい愚図の集まりだったというわけだな」

 

 

おお、毒を吐く毒を吐く。

でも俺らはともかくとして気付かれずにギャスパーに近付けるあたりそれなりに優秀なんじゃねーの?

 

 

「お前今もうそんな時間って言ったか?つーことは知ってたのか、こうなるの」

 

「んあ?あーまあ可能性の一つとして知ってはいたな。最もそうなる確率が高いやつではあったけども」

 

 

アザゼルが俺に訊いてきたので素直に答える。

いや別に隠す理由なくね?もう既に『預言』云々は話したんだしさあ。

 

 

「よし、俺たちは帰るぞ。これ以上ここに残っていてもただの時間の浪費にしかならん。そんな暇があるならまだ有意義なことができるはずだ」

 

「では僕は残ってグレモリー嬢やレヴィアタン嬢とお茶会でも……」

 

「アホかバカ兄貴。俺らも帰るんだよ」

 

 

セルジュが相変わらずだったけどハスガに突っ込まれてるな。

確かに今俺らがいても意味がないしなー。

 

 

「ま、待ちなさい!知っておきながら放置して更にはここから出る気なの⁉︎いえ、そもそも結界に覆われている現状でどうやってーーーー」

 

「くどいぞ、グレモリーの娘。俺にとってお前の価値は精々がそこのバカが失敗したのを補填した存在という程度だ。それにお前の目は節穴か?俺たちがどうやってここに来たと思っている」

 

「いや、確かに失敗したけど結果オーライだから良くね?」

 

 

確かにイッセーを殺されてはしまったけど、悪魔の世界に身を置くことになったから自然に力も身につくし良くないかな?

やっぱダメ?

 

 

「俺は言ったはずだぞ。俺たちの行動は未来を引き寄せると。別にテロリストどもを斃してもいいが、結果として変な未来が引き寄せられたら困るだろう?」

 

「それは……」

 

 

リアスは月光の言葉を聞いて、二の句を継げなくなる。

未来を引き寄せるっつっても大きな行動の時とかに顕著に表れるだけで別にテロリスト程度ならそんな変わらないと思うんだけどなあ。

 

 

「それにこの襲撃はお前たちの怠慢が招いた結果だ。それに何故無関係な俺たちが関わらなくてはならんのだ。関わる理由が思いつかんのだが」

 

 

だよなあ。

結局そこにつきるよなあ。

俺たちはあくまで世界を救うために奔走しているんであって別に悪魔がどうのこうのとかそういう情勢はとんと興味がない。

それが世界の破滅に繋がるのならちょっかいをかけさせてもらうかもしれないが、これに関してはそのようなことにはなり得ない。

 

 

「リアス。月光が言った通りこれはお前らの問題だけども、俺とお前らの仲ってことで助けてやらんでもないぞ?あ、だからって何時でも俺の助けが入ると思うなよ?お前らが地力をつけるのが一番良いんだからな」

 

 

俺は見捨てるのもアレかなーと思って助け舟を出した。

ま、やるっつっても露払い程度だけどね。

これぐらいのことを自分らで対処できないようじゃダメダメだ。

魔王とか総督とか熾天使がいるから問題ないだろうけど。

 

 

「おい、大兎」

 

「わーってるって。魔法使い連中しか殺らねーよ。んじゃ、皆帰っていいぞ」

 

「私は残るよ?大兎」

 

「ああ、うん。ヒメアは好きにしていいよ」

 

 

さーってと、そんじゃいっちょ根切りしに行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ言うまでもないだろうけど、結果は上々だ。

そもそもヒメアだけで十分だと言うのに、そこに俺も加わったんじゃ相手の方が可哀想だよな、冥福を祈っとこう。南無。

 

 

「向こうは……あら、アザゼルにあんな札があったのか」

 

 

俺は『黒』で強化した眼でアザゼルが頑張っているところを見る。

そこではアザゼルが人工神器とやらで禁手化して鎧を身に纏っているシーンだった。

神器は人間にしか宿らない。

だがそれは宿らないだけで使えないというわけではない。

だから人工神器だなんて芸当も出来るのだろうか?

 

 

「ねねねね、大兎大兎」

 

「ん〜?どしたん、ヒメア」

 

 

ヒメアが俺の腕に抱きつきながら何かを訊こうとする。

こういう時は大抵ちゅーだとかそんな類なので慌てることはない。

 

 

「ちゅーしよ、ちゅー」

 

 

ほらな?

まあ粗方片付けて今現在俺とヒメアの周りには多種多様な傷を負った魔法使いどもの死体がわんさかと。

こんな中でちゅーだなんて風情がないというか狂気しか感じないが問題はないだろう、多分。

俺は魔法使いどもが供給される魔方陣を壊してから、ヒメアに顔を近づけると、

 

 

「ふぃー、到着っと……って、あら?もしかして、俺っちお邪魔だった?」

 

 

空気が読めない闖入者が登場ー。

ビキィッという何かに大きなヒビが入ったかのような音が聞こえた気がした。

十中八九ヒメアの機嫌が損なわれた音だろう。

 

 

「すまん、お前に悪気がなくても今のは擁護できないわ」

 

「おーい!俺っちが何したってんだよ!ただ出てきただけじゃん!お前らがそんなとこでおっ始めようとしたのが悪いぜぃ!」

 

 

うん正論だけども。

俺はこいつの姿を見る。

中国の武将が着てそうな鎧を身に纏っていて頭には輪っか。

どっかで見たことあるなと思ったらあれだ。西遊記の孫悟空だ。

月光が闘戦勝仏がどうのこうのとか言ってたけど要は孫悟空だよな?

 

 

「ん?んん?よく見りゃお前『黒ウサギ』か?ヴァーリから話は聞いてるぜぃ」

 

「お前白龍皇の仲間かよ。孫悟空となんか関わりあるのか?」

 

「よく気付いたな。ま、つっても俺っちは力を受け継いだ猿の妖怪だけどな。名は美猴ってんだ。よろしくな」

 

「おうよろしく。そんじゃ帰ってくれないか」

 

「いやいや、それは出来ない相談ってやつさ。どうせ旧魔王派の連中の作戦は失敗に終わるだろうから、ヴァーリを回収しにきたってわけ。ま、あの赤龍帝にヴァーリがやられるとも思えんし、暫くは暇になるな」

 

 

美猴と名乗った男はチラッとこちらを見てくる。

露骨にこちらをチラ見してくる……いやらしい。

でもこれあれだろ?ヴァーリの仲間的に考えて、

 

 

「おい『黒ウサギ』。俺っちと手合わせしてくんねえか?」

 

「ですよねー」

 

 

まあわかってた(予知夢)

バトルジャンキー多すぎるだろうよヴァーリのとこ。総勢何人かは知らないけど。

 

 

「勝てない相手と戦ってはいけないとか習わなかったか?」

 

「やってみるまで勝てる勝てないなんてわからねーだろ?俺っちの戦い方がお前にとって相性が悪いモノかもしれないしな」

 

「一々ご尤もだけど、年長者の言うことは素直に聞いとけよ」

 

 

ダメだこりゃ。

いつか孫悟空に会う機会があったら教育方針はどうなってんだって聞いてやろう。

……あれ?

よくよく考えてみれば孫悟空最初の方はこんなだった気が……?

 

 

「んじゃまあ行かせてもらうぜぃ。来い、觔斗雲!」

 

 

俺が考えているうちに奴は觔斗雲を呼び出し、乗り込む。

そりゃまあ出せるだろうとは思ったけどさ。心の汚い者は乗れないみたいな制約があっても良かったんじゃないの?

しっかし、速いなー。

速いだけなら対処は出来るけど、それってあくまで地上にいる奴限定なんだよな。俺飛べないし。跳べはするけども。

 

 

「伸びろ如意棒!」

 

 

美猴は觔斗雲で高速で移動しながら手に持っている棒、如意棒で攻撃してくる。

如意棒は一気にその長さと勢いを増して俺を貫こうとする。

俺は紙一重で避けた。が、

 

 

「太くなれ如意棒!」

 

 

今度は如意棒を太くしてきた。

紙一重で避けたのが仇となって俺は太くなった如意棒で打ちつけられた。

痛ってえな、おい。

多分これ肋骨折れたぞ。治るけども。

 

 

「いやらしい戦い方してくるなあ。アウトレンジからの攻撃はやめてくれない?」

 

「すまんがこれが俺っちの戦い方なんでね。このまま行かせてもらうぜぃ」

 

 

俺の心からのお願いも無碍にされて、突いたり叩いたりしようとしてくる。

さっき喰らった攻撃以降は余裕をもって回避しているから、攻撃は当たってないんだけども、俺が跳んで近づこうとしても、その都度逃げるから俺の攻撃チャンスがない。

寧ろ相手の攻撃チャンスにされる始末だ。

 

 

「ほらほら、どうしたァ!噂に名高い『黒ウサギ』もそんなモンかぁ!」

 

 

血気盛んだなー。

しょうがない。ここは美猴が纏っている鎧を尊敬した技を披露することにしよう。

美猴が如意棒を太く長くし思い切り叩きつけようとする。

俺はそれを腕を肩から小さく回すことで大質量の一撃を弾き逸すて地面に落とす。

地面が衝撃で捲れ上がるが、そんなことは気にしていられない。

地面にめり込んだ如意棒の上に乗り、震脚を用いてからの活歩で俺は如意棒の上を滑るように美猴の元へ近付く。

 

 

「ちょ、おまっ」

 

 

美猴が慌てて如意棒を引き抜こうとするが、俺が震脚で更にめり込ませたため容易に引き抜けなかった。

 

 

「喰らえ頂肘!」

 

 

俺は一瞬で美猴の懐に潜り込み、肘で攻撃する。勿論、震脚を用いて破壊力アップだ。

相手は鎧をつけていると言うのに俺の肘がすっごいめりこんだように見えることから威力はお察しだ。

美猴は上空に吹き飛び、その後落下するが地面に落ちる前に体勢を立て直し地面に降り立った。

 

 

「ゲホッ、ガハッ。あっ……ぶねぇ〜!咄嗟に身体を逃がして仙術で身体強化してなかったらぜってえ臓物吐いてたっての!つーか『黒ウサギ』誰から習ったよ八極拳なんてもん!」

 

「俺の知り合いからだよ。そっちのが八極拳強いけど一緒に切磋琢磨している」

 

「うへぇ……。やめてくれはこっちのセリフだぜぃ。って、よく見りゃヴァーリが『覇龍』使おうとしてやがる。とっとと回収せんとな」

 

 

そう言いながら美猴はヴァーリの元へ向かった。

いやあ、まだまだ未熟だなー俺の八極拳。

无二打とはいかないか。

 

 

「たーいと」

 

「ああ、ヒメア。待たせてごめんな」

 

「ううん、いーよ。だって大兎カッコよかったし」

 

「……そっか。なら今度はちゅーを邪魔されないように俺たちも帰るか」

 

「うん!」

 

 

俺はヒメアとともに帰る。

後から聞いた話じゃアザゼルが腕一本無くして義手にして、オカ研の顧問になったらしい。

まあ俺たちも世界の破滅なんて未来は回避したいから、頑張れよ、イッセー。




ね、嘘は言ってないでしょう?ただあっさりと終わっただけで

今回は美猴と戦わせてみて八極拳のお披露目でさあ。
まあ回数制限とかあるとはいえ不死身な上でなんでも消せるし自己強化もできる力持っておきながら更に力を手に入れさせてもいいのか……?と思わなくもなかったですがまあいいやと思いやってみますた。

次回の更新は未定。けど多分ここからはオリジナル展開ばっかになる可能性があるので、筆が乗っている時はすっごく速く書けると思いますぜ。更新が速くなるとは言ってないけど。

『黒ウサギ、疑問を氷解する』
それでは皆様。See you next illusion.
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