ハイスクールD×D 黒いウサギがお邪魔します   作:這い寄る劣等感

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お久しブリーフ


冥界合宿のヘルキャット
黒ウサギ、冥界に行く


やっと来たぜ、待ちに待ってた夏休み!

俺たちリアス・グレモリーの眷属は、夏休みを使って冥界で色々やるらしく、今こうして冥界に向かう列車に乗っているわけだが……。

 

 

「で、お前は何しに行くんだ?『黒ウサギ』」

 

「グレモリー邸で野暮用を済ませてからお前らとの会合だな。ったく、こういうのは月光とかの役目じゃないのかよ……」

 

「大兎、頑張って!」

 

 

俺たちの学校の教師且つオカルト研究部の顧問になったアザゼル先生と大兎、それにヒメアちゃんが向かい合って座っていた。

……うん、先生はわかるんだ。そんなこと言っていたし。

けど大兎、お前どうやってこの列車に乗ったんだ?俺たちが乗り込む時にはいなかったはずなのに。

 

 

「ちょっと、私の家に何の用があるのよ」

 

「うん?あー、そこに娘がいるんだよ。ちょっと様子を確認しようかなって」

 

「娘?お前の子孫って人間なんだろ?」

 

 

これは俺の発言。

 

 

「そうだぞ?あ、ヒメアが産んだとかじゃなくて俺たちが育てた娘がグレモリー邸で働いているんだよ。血の繋がりは一切無い」

 

 

ちゃっかりヒメアちゃんが産んだがどうのこうの言いやがって!このリア充が!爆ぜて死んでしまえ!あ、こいつ蘇るんだったな。

 

 

「何?スパイってこと?さすが、天下の『黒ウサギ』はやることが違うわね」

 

 

あらら、部長は不機嫌になっちまった。

まあ、情愛が深い部長のことだ。あいつらが語った魔剣が本当のことだとしても、大兎が悪魔を殺し回っていたのは変えようの無い事実だ。

部長からしてみれば許せないことなんだろう。

 

 

「スパイって名目が無きにしもあらずだけど、サーゼクスが認めた魔王公認スパイってことになるな、それじゃ」

 

「お兄様……いえ、魔王様が?貴方、それは一体どういう----」

 

「お、着くみたいだぞ」

 

 

大兎は部長の言葉を遮り、そろそろ駅に着くと言ってくる。

大兎が言っていたことは気になるが、いずれわかることだろうし、まあいいか。

 

 

 

 

 

 

 

『リアスお嬢様、おかえりなさいませっ!』

 

 

俺たちが駅に降りた瞬間にリアスの帰還を祝して怒号のような声が響き渡る。

さっすが、情愛が深いとされるグレモリー。そこの次期当主様だ。

領民からこんなにも慕われているんだな。

 

 

「お嬢様、おかえりなさいませ。お早いお着きでしたね。----そして『黒ウサギ』。貴方たちはどうしてここにいるのです?」

 

「いや、俺らもサーゼクスとかと会合するからな?あとはイルーナの様子を見に来たってところか」

 

「彼女は元気ですよ。私の教育にもしっかりとついてきていますし」

 

 

グレイフィアの教育……?それって『KYOUIKU』じゃないだろうな……?いや、俺らがしたのもそう変わりはないか。

 

 

「そうか。それでちょっと見てくるのは……流石にダメか?」

 

「貴方がたは今や我々にも欠かせない存在になっているとは言え、それまでは悪魔、天使、堕天使を殺して回っていたのです。ハッキリ言って、そんな輩を監視無しに勝手に行動をさせるのは無理ですね」

 

「だよなあ」

 

 

グレイフィアの発言は全くもって正論で認めることしかできなかった。

俺だってそんな危険人物野放しには出来ないししたくもない。

 

 

「じゃあ俺はお前と一緒の馬車か?俺を止められるのはお前くらいだろうし」

 

「いえ、貴方が来ることは知っていても、リアスお嬢様と一緒に来られるのは想定外でしたので、今ベオウルフを呼びました。後で来るでしょうから、彼と合流後にグレモリー邸に一度来られてください」

 

 

ベオウルフ……。

一騎打ちでサーゼクスに傷を負わせたスッゲー強い奴のはずなのにパシリやらされてんのか……。

でもグレイフィアの判断は間違ってないな。ベオウルフなら俺を苦戦させることができるし。

 

 

「んじゃ、ベオウルフが来るのをヒメアと二人で待つとしますか」

 

 

俺とヒメアは馬車に乗り込むイッセーたちを見送って、しばらく暇な時間をつぶしていた。

 

 

「ねえ、大兎」

 

「んー?」

 

「あの子、元気にしてるかな?」

 

「お、ヒメアもなんだかんだイルーナのこと気にしてんのな?」

 

「だって大兎のお、お嫁さんみたいなことできたし」

 

 

あー、子育てがお嫁さんみたいな行動だと。そう言いたいのね。

そりゃあ俺たち人間の先祖は作ったけども、本当に作ったって感覚が強くて子供とは思ってなかったしなあ。

ヒメアに至ってはそもそも俺が一番で泉とか、月光とか、セルジュにハスガもかな?それらを除いてその他大勢って感じだし。

 

 

「ヒメアはかわいいなあ」

 

「え♡」

 

「ほら、おいで」

 

 

なんか俺がかつて『孤独を埋める人』だった時みたいな行動を素面でできているってことが驚きだよな。

俺はヒメアを近くに寄せて頭を片手で抱き寄せる。

 

 

「大兎、あったか〜い♡」

 

「そりゃ、生きてるからね」

 

「……姐さんに呼ばれて飛んできたってのに、なんで『黒ウサギ』のイチャコラを見せられなきゃならねぇんだよ……」

 

 

お、ベオウルフが来たみたいだな。

 

 

「よお、ベオウルフ」

 

「いや、よおじゃなくて。はあ……もういいや。んじゃあ、グレモリー邸に向かうぞ」

 

「いや、その必要はねえよ。ヒメア」

 

「は〜い」

 

 

ヒメアは目の前の空間を歪ませ穴を作り、グレモリー邸までの直通ルートを開いてくれる。

『聖地』ほど何処へでも行けるわけじゃないけど、この程度なら余裕でできてしまう。そう、ヒメアならね。

 

 

「……話には聞いていたが、こんなのがあるから俺らが捕捉しきれないわけだ」

 

「んじゃ、とっとと行くぞ」

 

 

俺たちは穴の中に入っていき、グレモリー邸に着いた。

どうやら丁度イッセーたちも着いたらしい。

 

 

「おや、私たちよりも早く着いたようですね。ではベオウルフ。貴方の役目はこれで終了です。速やかにサーゼクスから任された任務に戻ってください」

 

「ちょっ!姐さんに言われて少しばかりほっぽって来たっていうのにそれはないぜ、姐さん!」

 

 

文句を言いながらもグレイフィアの言う通りに帰っていくベオウルフ。

絶対的な立場が弱いと感じさせられる瞬間だった。強いはずなのにな……。

ベオウルフの背中からは哀愁が漂っていた。

そんなベオウルフのことはさておいて、グレモリー邸の城門が開くと、グレモリー邸に向かって赤いカーペットが伸びていく。

リアスを先頭に歩いて行こうとすると、メイドの列から飛び出してくる二つの人影が。

 

 

「リアス姉さま!おかえりなさい!」

 

 

お、紅髪でどことなくサーゼクスやグレイフィアを彷彿とさせる面立ち。

こりゃあ間違いなくサーゼクスとグレイフィアの子供のミリキャス・グレモリーだな。

見たことなかったけど、可愛らしい顔してんのな。

 

 

「ミリキャス!ただいま。大きくなったわね。……あら?その子は?」

 

 

リアスがミリキャスを抱きしめた後、ミリキャスの後ろにいたもう一人の子供に気づく。

 

 

「お初にお目にかかります、リアスお嬢様。私、この度ミリキャス様の専属メイドとなりました、イルーナ・マルコシアスと申します。以後お見知り置きを」

 

「----っ。貴女、今、マルコシアスって言ったわよね?それは本当のことなのかしら?」

 

「ええ、リアスお嬢様。私は紛れもなくマルコシアスでございます」

 

 

リアスとイルーナが会話を交わす。

しかし、イルーナは元気にやってるみたいだな。後もう少しだけ見ていくか。

 

 

「なあ、なんで部長はあんなに驚いているんだ?」

 

「イッセーくん、一度勉強したよね?マルコシアスは、既に滅びたとされる家なんだ。つまり、彼女が本当のことを言っているのなら、マルコシアス家の血は途絶えていなかったことになるんだよ」

 

「----っ!おい、それって凄いことなんじゃないか?」

 

「凄いも何も、これは重大なことだよ。そう言えば、彼女はイルーナと名乗っていたね……。まさか大兎くん。君がグレイフィアさんと話していたイルーナという娘って彼女のことかい?」

 

「まあそういうことになるな。しかし元気そうでよかったよかった。んじゃ、俺らはここでバイバイとさせてもらおう。それじゃあヒメア。よろしく」

 

「あれ?大兎、話はしないの?」

 

 

ヒメアがキョトンとした表情を浮かべ、訊いてくる。

 

 

「ああ、元気な姿を見れただけで十分さ。親ってのはそういうもんじゃねえかな」

 

「ふぅん……。そういうものなのかな?まあいいや。それじゃあ、開けるね」

 

 

ヒメアが再び空間を歪ませ、今度は三勢力+俺らの会合の場所までの道を開く。

さーて、楽しくない会合の始まりだ。




ホーホケキョ
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