破壊者はその世界で何を成す   作:ベリアロク

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ランキング12位ありがとうございます!
気付いてから何とか書きあげましたのでやや短めですがどうぞ。


第13話 感情を持たない宇宙人、思考を持たない怪物

 

「殺し甲斐がありそうなガキが一杯いるじゃねぇか……ヒャヒャヒャ!」

 

「オイオイ、女は残しとけよォ?」

 

「ここにいる奴らが我慢出来るとは思えないけどねぇ……残念だけど」

 

「それもそうか! なら思うがままに殺すか!」

 

 

 

 

「ひっ……」

 

「やべぇ……やべぇって!」

 

「皆さん冷静に! 僕の後ろに下がって!」

 

 

暗闇の中から現れた敵に気味の悪い笑みを向けられパニックに陥りそうになる生徒に13号は指示を出す。

初めて向けられた己を標的とする視線に生徒らは恐怖に何とか耐えつつ後方へ下がるも一人、下がる素振りを見せず臆する表情一つ見せず立っていた。

 

 

「何してるんです門矢君! 早く下がりなさい!」

 

「とは言うが……如何せんこの人数差だ。殆どは雑魚だろうが後ろに構えてる奴らまで相手にするならアンタと13号じゃ些か荷が重いだろうよ」

 

「だがお前含め生徒は皆―――」

 

 

一歩も引こうとしない士の肩に相澤が手を掛けようとしたその時、突如飛来した光弾が相澤の指を掠めた。

 

 

「チッ……」

 

「俺は今、少しばかり機嫌が悪いんだ。余計なことはしないでくれよォ先生?」

 

「どうやら敵も俺のことがご所望らしい。規則だとか色々面倒があるだろうがそんなもん通用するほど甘くはなさそうだ」

 

「門矢ッ―――「変身」」

KAMEN RIDE…DECADE

 

 

相澤が再び士を引き留めようとするも士の周りに現れた幾重もの影に阻まれる。

反射的に目を瞑った相澤が目を開くとディケイドへと変身した士は既に麓にいる敵に向かって飛び降りていた。

 

 

「オイオイ! 変なピンク野郎が落ちてきやがったぜ!」

 

「袋叩きにしてやらァ!」

 

「喧しいな……相澤の為にも(なら)しておくか」

 

ATTACK RIDE…SLASH

 

 

ディケイドが地に着くと同時に赤の閃光が弧を描く。

切り刻まれた地面は大小様々な礫となり、周囲にいた敵らを風圧とともに吹き飛ばした。

 

 

「ガァァ!?」

 

「キャァァ!?」

 

 

「お前らじゃ……ってもう遅いか」

 

「わざと忠告遅らせただろ?」

 

「そうでもないさ。本当に間に合わなかったんだよ。えー、こういう時何て言うんだっけな……お悔やみ申し上げます?」

 

 

 

 

「一人で飛び出しやがって……「おい相澤」――なんだ?」

 

「お前の個性は俺には意味は無いんだよな?」

 

「ああ、無い。何回かお前に対し試したが効果はなかったからな」

 

「そうか……ならあの宇宙人みたいな恰好の奴とは絶対に交戦するな。十中八九敵わない」

 

 

ディケイドはその宇宙人のような見た目をした者が身に付けるベルトに向け相澤にそう告げる。

その特徴的なベルトは以前見たことがあったことに加え、門矢士を知っているということが奴が仮面ライダーであり相澤の個性である『抹消』が効かないのは明らかだった。

 

 

「酷い言われようだが……お前の言う通りらしい。()()()()が何も反応が無い。異形型かと思ったがそう言うわけでもないんだろ?」

 

「恐らく……俺と同類だ。奴の相手は俺がやる。相澤は他の奴らを頼む」

 

「……悪いな」

 

 

相澤の謝辞の言葉を背にディケイドは標的目掛け一目散に走る。

だがそんな行く手を阻もうと何人かの敵がディケイドの前に立ちはだかった。

 

 

「さっきは驚いたが……仲間と連携せずに突っ込んでくるとは―――「「「「大まぬけ!!」」」」」

 

 

目の前の敵など見えないかのように突っ走るディケイドに向け敵らは指先や足先に備わる銃口を向ける。

けれどその銃口から弾丸が発射されることはなくディケイドの剣が発した衝撃波でその場に倒れた。

 

 

「アイツら個性も使わずに倒れちまったぞ!」

 

「……お前らの相手は俺だ」

 

 

 

「おーおー、アッサリだねぇ。まぁ雑魚なんてそんなもんか」

 

「全く……うちの先生は世話焼きだな。さて、待たせたな」

 

 

立ちふさがっていた敵を打ち倒し、たどり着いたディケイドを見てその場に座していたその男は休日の親父のようにゆっくりと腰を上げ立ち上がった。

 

 

「よっこら……しょと。待ってたぜディケイド。俺の名はエボルト、もしくは仮面ライダーエボル。お前さんは平行世界を旅するそうだが……その様子からすると俺みたいな奴と会うのは初めてかい?」

 

「お前みたいな奴は初めて見る……が、そのベルトと似たようなものは見たことあるぜ。ビルドの世界でな」

 

「へぇ、じゃあ戦兎もいたのか? アイツは俺の子どもみたいな存在でねぇ……訳アリだったアイツと本当の家族みてぇに暮らしたもんだ。今思うと中々感慨深いねぇ……」

 

 

エボルトは腕を組みウンウンと頷き、昔を懐かしむような様子を見せる。

その様子は何か表面のみで取り繕ったものというか、偽るというよりも()()()()()()()()のではないかと何処か思わせるものだった。

 

 

「おっと失礼、そろそろ始めようか。黒霧……アンタまだ行かないのかい?」

 

「それが何故か個性を使えないのです。狙いに向けて動きたいのは山々なのですが」

 

「へぇ……生まれたときから自分の意のままに使えるとされる力が、ねぇ」

 

 

一瞬顎に手をあて考える姿勢を作ったかと思えば顔を上げ、エボルトはディケイドの背の方へ目線を向ける。

そこでは相澤と無数のゴロツキ共が戦っており、ディケイドはその視線の意味を瞬時に理解しエボルト目掛け切りかかる。

けれどエボルトは既に銃口を相澤らが戦う場へと向けていた。

 

 

「ッ!!」

 

「悪いな」

 

スチームブレイク! コブラァ

 

 

エボルトが引き金を引くと同時に紫焔の銃撃が放たれる。

切りかかるも発射を阻止できなかったディケイドは身体を反転させると剣先を放たれたエネルギー弾にぶつけた。

 

 

「ぐ、ぐぐぐぐ……ッ!」

 

「いくらアンタでもその姿勢じゃ無理だろう……よ!」

 

 

力を発揮しきれない体勢で何とかこらえるディケイドの腹部にエボルトは近づき拳を叩き込む。

 

 

「私も微力ながら手助け致しましょう!」

 

「ぐッ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

エボルトの打撃でよろけるも何とかこらえているところに間髪入れず黒霧の実体を掴めない身体から繰り出される打撃を追いうちのように食らい、ディケイドは数メートル奥へと吹き飛ばされた。

歯止めが無くなった紫焔の銃撃は凄まじい速さで空を進み、相澤らのいる場所に爆風を起こした。

 

 

「クソッ、相澤!」

 

「無事着弾したみたいだな。これで問題ない筈だ黒霧、行ってこい」

 

「ありがとうございます。では……」

 

 

個性を問題なく使えることを確かめると黒霧と呼ばれる背後にあった黒い靄はその場から姿を消した。

 

 

「お前……奴は何処へ行った?」

 

「うちの組織も中々複雑でな。一つ言えるのはこっちのリーダー……死柄木の狙いはアンタだけじゃないってことさ」

 

「やってくれるじゃねぇか敵……」

 

 

唐突な第三者の声にディケイドが振り返るとそこには片腕を庇いながらも現れた相澤の姿があった。

 

 

「相澤……!」

 

「おーおー御宅の先生は中々タフだねぇ。俺の必殺技を当てたってのに自信なくすぜ……」

 

「おかげさまで雑魚は一掃出来たよ。仲間を巻き込んでくれたおかげさ……腕は持ってかれたがな」

 

 

相澤が片腕で後ろの方を親指で指しながら言う。

そこには何十といた敵が山のように積まれた光景が広がっていた。

 

 

「おいエボルト。何か味方やられてるし劣勢に見えるんだけど。やっぱり俺にやらせろよ」

 

 

その光景を見越してか新たに生まれた靄から死柄木と呼ばれる男が顔を出した。

 

 

「まぁ待て待て。キングはそう簡単に動くもんじゃない……が、先生がちと元気すぎるな」

 

「ならコイツを使おう。『脳無』あいつ等を潰せ」

 

「待て待て! 狙うのはあの先生だけで頼むぜ脳無」

 

 

死柄木が靄の中に姿を隠すとそれと入れ替わりのように死柄木の何倍もの体格のある者が姿を現す。

『脳無』と呼ばれたその存在は正に巨人と形容するに相応しいほどの巨体を誇りディケイドらのことを見下ろしていた。

 

 

「何だこいつは……!?」

 

「見るからにやばいが……相澤、行けるか?」

 

「もしこの筋肉が見せかけじゃなく異形型かホンモノの筋肉だった場合は結構キツイが……それでもやってみせるさ」

 

 

目の前に立つ敵に対しディケイドと相澤はそれぞれが戦う相手に身体を向け戦う姿勢を整える。

人数差はほぼ互角、けれど嫌な予感が士は感じていたのだった。

 

 

「こいつは楽しめそうだ……なァディケイド?」

 

 

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