色んなタスクを終えてようやく書けたので変な文章になってたりするかもしれませんがどうかご容赦くださいませ。
「色が変わっただけで大した違いは無さそうじゃねぇか。所詮は俺の敵じゃ……」
エボルトが警戒する様子を見せることなく携える銃を構える。けれど標準を構えた先には既に標的の姿はなく、どこから吹き付けたか風を足元辺りで感じそこに視線を移すとマフラーをたなびかせ左拳を握りしめるディケイドの姿があった。
「なっ……!?」
「そうでもないさッ!」
力がグッと込められた漆黒の拳が無防備のボディに叩き込まれる。切り札の記憶を秘めたその一撃はエボルトが身に纏う鎧を打ち砕き、拳は文字通り身体を貫いた。
「ガッ……やるねぇ。戦兎にも身体をぶち抜かれたことはなかったからなぁ、油断大敵ってか!」
続いてディケイドは風を纏った拳が追い打ちのように繰り出すもエボルトは大して痛がる様子も見せず後ろに跳躍することで追撃を躱した。
「おおっと、危ない危ない……容赦がないねぇ破壊者サマは」
「さっきまで散々いじめてくれたからな、その御礼と思ってくれれば良い」
「そんな御礼いらないんだがなぁ……」
「にしても身体に穴空いてるのに良く喋るな。……お前、本物か?」
身体を貫いた自身の拳を眺めながら問いかける。力を込めた必殺の一撃であったとは言え、これでは少々
「さぁ、どうかねぇ? 俺はミステリアスなとこが売りなんだが……その感の良さに免じてヒントくらいは返してやるかね!」
「!」
武器を銃から剣へと持ち替えたエボルトが地を蹴りディケイドへと突き進み、ディケイドは自らも剣を構え突進を食い止めた。
「今の俺は俺であって俺じゃない。蛇って知ってるよな? 蛇ってのは脱皮を繰り返して成長していくわけだが俺はまだその途中……いやこの例えだと誤解を生むか」
「知るか! 俺は蛇博士じゃないんでな!」
刃と刃、身体と身体をぶつけ合う攻防を繰り広げながらもエボルトは話を続ける。
「そう言うなって。何か良い例えで説明してカッコつけようとしたんだが……ま、つまるとこアレだ。今の俺は完全じゃないってことさえわかれば良い」
「ならどうして完全じゃない? 鳴滝は何を考えてる?」
「おいおいヒントを求めすぎだろ。俺はミステリアスが売りだってさっき言ったろ!」
激しい鍔迫り合いを繰り広げるも、逃げるようにエボルトは後ろへと跳躍しディケイドもすかさず追うように跳躍し剣を振りかざす。お互いに身体は宙にあり回避のしようはなく、攻撃動作を行うのは圧倒的にディケイドの方が素早い。現状の優勢劣勢は明らか……その筈だった。
(こいつ……!?)
ディケイドがハッとするも時既に遅し。剣を振りかざした時にエボルトの手に握られていたのは剣ではなく、銃。その銃口は既に無防備となったディケイドの腹部へと向けられていた。簡易な動作で持ち替えが可能である武器故の形成逆転。繰り出される攻撃を無防備の身体で食らえば生命に危機に瀕することをディケイドは感じ取った。
「油断大敵……ってな」
<スチームブレイク! コブラァ>
「クソッ……!」
放たれた紫焔の銃撃がディケイドの身体へと近づいてくる。数十センチ、数センチ……数ミリ。食らったらマズイその攻撃を回避しようと脳がフル回転することで目の前の光景がコマ送りのようにゆっくりと進んでいく。だが思考が早くなっただけで体のスピードは変わらない。既に振りかざしてしまった両腕を防御に回すことは出来ない。遂にその攻撃をこの身で食らってしまう……そう覚悟した時、コマ送りだった視界は一瞬で真っ黒な何かに埋め尽くされ、次の瞬間には目の前にエボルトの姿はなくドーム内の風景があっただけだった。
「一体何が……」
「大丈夫か門矢少年!」
「オールマイト? アンタあの怪物は……」
何が起きたか分からなかったディケイドだがハッとして数メートル先で砂煙が立つ場所に目を向ける。煙が晴れた先にいたのは地に倒れるエボルトと、その上に重石のように被さる脳無の姿があった。
「何、君が危なそうな雰囲気だったから敵に向けて
「なるほどな……ナイスタイミングだったよ、オールマイト」
敵らが倒れる姿を見ながら感謝を述べる。エボルトに被さる脳無の身体にはぽっかりと穴が出来ており、穴周辺は液状化しその中心には先ほどディケイドに向けられていた銃口があった。
「やってくれたなエボルト。さっきの食らってたら俺の身体は今頃どうなってたか……正に油断大敵だったよ」
「いててて……とっておきもダメか。さて、お前ら二人が揃っちまった以上俺にここで勝ち目は無さそうだ」
エボルトはため息をこぼすと周囲に煙を放ち、姿をくらます。
「っ、待て!」
「悪いが待てと言われて待つほどお人好しじゃないんでな。死柄木には悪いがお先にお暇させてもらうよ」
『チャオ~!』と不気味なほど良い声で一方的に別れの言葉をかけると煙の中に見えるうっすらとした影は段々と薄れ、煙とともに消えていった。
「チッ……」
「取り逃したか……だが深追いは止めよう。敵は恐ろしい兵器を持っていて逃げた先もわからないからね。どんな時であれ人命最優先、君たち生徒が無事でいることが今は大事なんだ」
オールマイトはヒーローが取るべき行動を諭すように伝えると振り返り、そこに立つ敵二人を睨みつける。それは平然を装う黒い靄の男と対照的に苛立ちを隠せず首をかきむしる死柄木の二人だった。
「残すは貴様ら二人だ、敵!」
「クソックソックソックソォ!! マジかよあの野郎……! 一人先に帰りやがった! 他の雑魚どもも全員くたばったのに平和の象徴はピンピンしてるしよォ」
「死柄木弔……駒は全て失いました。ここは退き時かと」
「まだだ! 黒霧、脳無がまだいるだろ! そいつを呼んで戦わせろ!!」
「無駄だよ」
目の前で癇癪を起す子どもを見ているのが耐えられなくなったのか、或いは哀れに思ったのかオールマイトが会話に割って入る。その言葉に死柄木は顔に取り付けた手のひらの間から目をギラリと覗かせた。
「君の言う脳無というのは私の後ろにいるコレだろう。先ほどエボルトと名乗る敵の攻撃が脳無に当たってから腕一本動かせていない。大方猛毒でも食らったのだろうが、見ての通り再起不能だ。だから黒靄の彼は『駒は全てない』と言ったのだろう」
「ええ、その通りです。我々にはもうあなたと戦えるような駒はありません。さてさてどうしたものか……」
戦況は2対2。あちらはほぼ万全、こちらはやや消耗しているもこちらが優勢には違いなかった。片やエボルトと互角以上にわたり合い奴を退却へと追い込んだ男であり、何よりもう一人は現役№1ヒーローだ。殺す算段はあったんだろうがその要であったエボルトと脳無がこの様ではその算段も成り立たない。けれど黒霧は慌てる様子もなく余裕を持った声を発することが緊張の糸が途切れることを許さなかった。
「あと1分と経たない内にプロヒーローも到着するはずだ。貴様らに勝ち目はない」
「死柄木弔。ここは一旦……」
「チッ、そうだな」
切り札は既に沈黙し、大勢いた大軍も掃討された。
「その前に少しでも削っといてやるよ! お前の命をなぁ!!」
死柄木は退却していた足を180度回転させ、逆にオールマイトに向かって飛び込んでいく。これ以上の戦闘はデメリットしかないこの状況において即時の退却が最も合理的な手段であることに違いない。けれど目の前にいるのは合理的な敵などではない。最高レベルのセキュリティを誇る雄英への襲撃に成功し、プロヒーローを一人倒したがその頭はただのガキだった。それも相当イカれた野郎であったことを彼らは想定にいれていなかったのである。その一点が状況を大きく狂わせた。
「くッ!?」
こちらへと向かってくる死柄木を当然撃破しようとしたオールマイトだが、突然体に走る電流のような痛みに思わず膝を折る。目線が地へと移ったオールマイトが目にしたのは片目玉を失いながらも自身の脚にしがみつく脳無の姿だった。こちらへと特攻をかけた死柄木に注意を奪われた隙に既に動かぬ者と認識していた脳無がオールマイトが足にしがみついていたのだ。
「これで終わりだ、平和の象徴!!」
苦痛に悶えながらも拳を振りかざす。が、遅い。死柄木の指先は中指、人差し指とオールマイトの身体へと触れていく。五指が触れれば終わり……そのことはオールマイトも理解していたが毒のせいか、それとも足を離さまいとするバカ力のせいか、どちらにせよ脳無の影響でオールマイトはその場から脱することもできない。
「オールマイト!」
「あなたの相手は私です。使える駒はありませんがまだ借りた力がありますので」
黒霧は靄の中から手のひらに収まる小型の装置のようなものを取り出す。その装置はディケイドにとって見慣れたものであり、どうしてここにあるのかという疑問しかない
「そこであなたは見ていなさい!」
【ウィザード!】
「クソッ」
機械音声ようなものが響くと同時に地面から無数の鎖が放たれ、ディケイドを地面へと縛り付けた。
「―――さよならだ。あの世で一生笑顔が浮かべられないくらい後悔しとけ」
そして最後の親指が触れ、オールマイトの身体は灰と化す。その光景を浮かべて死柄木は不気味なほどひきつった笑みを、オールマイトは笑顔は崩さずともここまでかと諦めの気持ちを浮かべていた。ディケイドの手も黒霧に遮られ届かない。2対2の対決は敵の勝ちでここに終結す……そう思われた時だった。
「うおおおおおお!!!」
死柄木らの上にどこから飛び出たか一人の影が現れる。その者の手には湧き出るような炎。まるで剣のように薙ぎ払われたその炎はオールマイトへと伸びた死柄木の腕を炎に包み、同時にオールマイトにしがみついていた脳無も燃やし尽くした。
「がァッ!?」
「死柄木弔!? そのままではいけない、ここは退きますよ!」
「ダメだ、まだアイツを! 平和の象徴を殺れて―――クソックソックソッー!!」
チェックメイトだと思ったその瞬間、正にあと一歩のところだった。天罰のように降り注いだ炎とあと一歩という悔しさ、恨めしさ、そういった感情に死柄木はもがき苦しみながらも黒霧とともに闇の中へと姿を消していった。
「大丈夫ですかオールマイト!!」
「ゴホッ、ゴホッ……何故君がここに。下がっていろと伝えたはずだろう……」
「確かに言われました。皆にも二人に任せとけば大丈夫だって。でもオールマイトや門矢君の苦しむ姿を見て、その気づいたらここに」
「全く君ってやつは……」
「なぁ、オールマイトが突っ込まないなら俺が聞くけどさ」
「うん?」
「お前、炎なんて使えたのか?」
ディケイドの問いかけに二人は目を丸くする。まるで「何を言っているんだ」と言った顔だが、出久の手からは間違いなく剣状の炎が溢れ出していた。
「……一体何の話をしてるのかな、門矢君?」
「だってほら、見てみろよお前の右手」
「なにって……「えええええええええ!?」」
信じられないものを見たかのような(実際にそうだが)二人の叫びが響き渡る。
「確かに何か熱いなとは思ってたけど気のせいだと……」
「私は……ほら、さっきまで毒でやばかったし。今も体調やばいからね」
「はぁ……この天然どもが」
あはは、なんて申し訳なさそうに笑う二人を見て士は微笑むとともにその時には既に姿を消していた二人の敵、そしてエボルトに対し不安を抱くのだった。
ここは本編と関係無しのあとがきです。なんで読まなくて可。
ぶっちゃけた話、皆さん話なんて覚えてないと思います。僕自身忘れてますから。
多分お気に入りとか評価も消えたり下がっていくのでしょうけど……あまりにもな感じであれば他に新しい小説を書こうと思ってます。ナルトとかワンピースとか、トリガーとか書きたいクロスが一杯出来てしまったので。もし書くことに決めたら活動報告か何かでアンケートみたいなの取るかもなのでその際は是非ご意見待ってます。