破壊者はその世界で何を成す   作:ベリアロク

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お気に入りもマイナスになるしテンション下がるだけなので続ける気は正味なかったのですが離れてる間に感想を貰ってしまっていたみたいなので書き残しから続けました。
続くかは気分次第なので悪しからず。


第二章 体育祭と動き出す闇
第17話 NEXT EVENT


敵が学校を襲撃し生徒が命の危機に窮する。それも最高の環境を有する雄英が……そんな前代未聞の事件で内も外も冷めやらぬまま再開した学校生活。何事もなく授業は進み、そのままHRの時間を迎える。

 

ごく普通な連絡事項を伝えるだけの時間。授業の疲れもあり生徒らがけだるげに過ごす時間でもある。

精々数分の伝達で終わるHR。

 

だが

 

 

「えー、連絡事項だが今日はもう一つある」

 

 

普段は飯田らに連絡事項を伝え自らは教室へとやってこない相澤が包帯ぐるぐる巻きになりながらも教壇に立っていること。

その相澤がHRの時間を更に長くとり話を始めようとしていること。

 

この2点が生徒らの気だるい気持ちなどどこへやら、緊張したHRを生徒らは迎えていた。

 

 

 

「……もう一つ?」

 

「そうだ、これからするのは重要な話……それもお前らが雄英高校で生活する中でも1、2を争うほどのな」

 

「1,2を争うほどの……⁉」

 

 

クラス中が一斉にざわめき立つ。

鬼のような入学選抜から除籍を掛けた初日、戦闘訓練に本当の恐怖を味わったUSJでの救出訓練……

入学してからのわずかな時間で濃厚な日々を過ごしてきたというのに一体何が待ち受けているのか

それも相澤が重要と強調するようなイベントとはいったいなんなのか……

 

生徒一人一人の思いに多少の差異はあれど皆不安と興奮から心臓の鼓動を走らせる。

 

 

「個人が活躍できる1,2を争うほどのイベント。それは……」

 

「それは……」

 

 

「雄英体育祭だ!」

 

 

「普通に学校っぽい奴きたァァァァァァ!!」

 

 

 

「体育祭……! そうだよな、俺ら高校生だもんな!」

 

「初日から崖っぷちだったり、敵と遭遇したりしてたから完全に忘れてた!」

 

「体育祭……ここで活躍してオイラのハーレムライフを………ってそんなの門矢が無双するだけじゃんか! 分身するし高速で動けるし何なんだよお前!」

 

「俺はなまじなんでも出来ちまうからな。そう嘆くなよ峯田」

 

「ムキ―!! この才能マンがよォ!!」

 

「話はまだ途中静かにしろお前ら、時間の無駄だ。」

 

 

相澤の一言で生徒らが身を正し、クラスは静けさを取り戻す。

若干一名動じることなく過ごす者がいるが気にせず相澤は話を進める。

 

 

「雄英体育祭は外から客を呼んで行う数少ない行事だ。それも己の実力を見せるという点においては唯一と言ってもいい」

 

 

「今やオリンピック並みの盛り上がりを見せる行事ですよね! 体育祭は生放送で日本だけでなく世界各国で放送され、スポンサーの数は100を超えるという……あ、特に視聴率が高かったのはオールマイトを始めとした黄金世代と呼ばれる現在のトップヒーローたちが雄英高校に在籍していた年で当時の雄英体育祭の経済効果は戦後最大だったというのが有識者の中では有力であって……」

 

「詳しいんだねデク君! 物知りだ!」

 

「チッ、耳障りなだけだろうが」

 

「緑谷君! それくらいにしておこう!」

 

「……ハッ、す、すみません!」

 

「ああ。緑谷の熱弁からもわかると思うが雄英体育祭は世界で行われる大会の中でもトップレベルの注目度を誇る。当然そこで活躍出来れば……」

 

「」

 

 

「雄英体育祭はヒーロー科、サポート科、普通科の生徒が対等な条件の下参加する年間行事だ。故にヒーロー科はサポートアイテム及びコスチュームの持ち込みは不可だ」

 

「じゃあ僕のもダメってことかい?☆」

 

「いや個性の使用のために不可欠なアイテムの使用は認められてる。お前のベルトや門矢のそれが該当する」

 

「えーー! ズルーーい!」

 

「ズルくはねェだろ、それがなきゃ個性使えないんだぜ? なぁ耳郎?」

 

「私? うーん……青山はともかくとして門矢が使えるのはズルいってちょっと思っちゃうな。そのベルトにカード差し込むだけでめっちゃ速くなったり分身出来たりするんでしょ? 正直勝てる気がしないなぁ……」

 

「それは……そうかもしれねぇけどよ……」

 

 

 

切島の歯切れの悪い言葉で教室はシンと静まり返る。

 

 

 

「ヒーローってのはいつもピンチを覆していくもの。敵に待ったは効かないし、自分より優秀な同業者が多くいる世界だ。甘い世界じゃない」

 

「」

 

「俺としてはヒーローの世界ってのは弱肉強食である以上構わないんだが……面倒なことにこの体育祭にはスポンサーがついててな」

 

「知ってます! 雄英体育祭は今やオリンピック並みの注目を集めていて様々なテレビ局やメーカーによる協賛で年々規模が拡大してるんですよね!」

 

「ああ、規模なんて正直どうでも良いが金を出して貰ってる以上奴らの意向を聞かなきゃいけない。ワンサイドゲームじゃなく白熱した試合が御所望なのさ奴らは」

 

「な、なるほど……」

 

相澤はクラス中に聞こえるほどの大きさの舌打ちをした後、平然と話を続ける。

 

 

「現状門矢とお前らの間には相当な差がある。力量だけ見ればプロレベルだろうよ」

 

「プロ……!」

 

 

 

 

皆が唾を呑み士の方を見る。

現役プロからプロと評された当の本人は呑気にカメラの手入れをしていて傍から見ればそんなオーラは無いものの、相澤の言葉に嘘偽りがないことをUSJを共にした彼らは確信していた。

 

 

 

「……となると結局の所どうなるのでしょうか?」

 

「勿論門矢には体育祭に参加してもらう。が、それにあたっては制限を設けることになった。……おい門矢」

 

「なんだ? 話は終わったか?」

 

「他人事みたいに言うな……お前の話をしてんだよ、お前の。体育祭の開催に当たって不本意だがお前に縛りを設けるのさ」

 

「縛り? 試合は片手のみで戦うとかそういうやつか?」

 

「詳しいことは後で言う場所に向かえば分かる。そこに放課後行ってこい」

 

 

「メインは3年だが……今後ヒーローを目指すに当たって大切な場となることは間違いない。体育祭での活躍が今後を左右すると思え」

 

「……!!」

 

「……よし、皆気を引き締めていこう!」

 

「「「おおーー!!」」」

 

 

 

「随分と調子がいいみたいじゃないかA組!」

 

 

 

 

「ここまでは君たちばかり目立っていたようだけど体育祭では僕らが活躍を……」

 

「邪魔だ、道を開けてくれないか」

 

「おっと失礼……おや、おやおやおや! 君が噂の門矢士君だね? 入試はトップで先の救出訓練では大物敵を撃退したとか! いやはや見るからに調子に乗ってるよねェー!!」

 

「……誰だお前?」

 

「へぇ! 僕なんて眼中に無いって? まぁいいさ! 僕の名前は物間寧人! 君のその鼻、明かしてやるさ!」

 

「物間……ね。挨拶ついでに一枚」

 

「おっ…僕の方が君なんかより素晴らしい存在だと気付いたみたいだね! カッコよく撮ってくれよ」

 

 

物間が了承を伝えきる前に士はカメラを向けシャッターを切る。

数秒後に現像された写真がカメラから排出されるがその写真はひどくピンボケし、およそ写真とは思えない仕上がりだった。

 

 

「どうだいさぞカッコよく……っておいおいおいおいおいおい! こいつはひどいなぁオイ! これは君のセンスなのかな? それともA組の宣戦布告ってことなのかなぁ!?」

 

「ピンボケは相変わらずか……ま、被写体が悪いな」

 

「言ってくれるねェーー!! 何ならここで君との格の差を見せつけても良いんだけどなぁ!!」

「HR終わってからにしろお前ら……」

 

 

「あ、すみません……」

 

「へいへい」

 

(((そういえばまだHRだった……!)))

 

 

物間の突然の登場で呆気に取られていたA組は相澤の言葉で我に返る。

あとちゃっかり帰ろうとしていた士は相澤に数分説教されてから解放されたのだった。

 

 

 

そして放課後。士は校舎を移動し相澤に指示された部屋に向かっていた。

 

 

「相澤の話通りならここらがその場所だが……誰か教室の前に立ってるな」

 

 

 

教室の前に立つ者をよく見ると背は中高生の女子ほど。が、身に付けているのは制服ではなくツナギの作業着。それも上ははだけている。

ボディラインが露わになっていて現役の高校生に見せるには少々過激なものだ。

少女と思わしき人物はこちらを認識すると急接近で駆け寄ってきた。

 

「やや! あなたが相澤先生がおっしゃられてた方ですね?」

 

「ああ。アンタが発目―――「ベルト、出してください!」……は? 話が見えないんだが……」

 

「こっちは話聞いてますから問題無いです! さぁ! 早くベルトを!」

 

「ちょ……おい! 制服を引っ張るな!」

 

「さぁさぁさぁ! 私のドッ可愛いベイビーちゃんのためにもさぁ!」

 

「体触んな! 先に話をさせろって……あはははははははは! 首元触るなって……あはははははははは!!」

 

 

 

高音の笑い声が廊下に響き渡り教室の中へと消えていく。

そうして体育祭に向けた各々の準備の日々が始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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