いよいよサーヴァント召喚します。少し長めです。
帰還した先で待っていた光景は、爆弾の爆発で所々が瓦礫の山となっていた管制室だった。生き残ったカルデアのスタッフたちは、魔術やトンカチ片手に室内を修理している。アプリ内では、爆破された管制室の様子がよく分からなかったが、実際に見てみると相当なダメージを受けているように見える。…よく他のマスターは仮死状態で済んだな。
「無事に転移完了だ。藤丸君、天道君、マシュ、お疲れ様」
「いやぁ、散らかっていて悪いね。おかえりだ諸君!全員無事に帰ってきてくれてよかったとも!」
ここで、ドクターとダヴィンチちゃんが俺たちを迎えてくれた。
「えっと…ドクター、彼女は?」
「おや、いきなり絶世の美女が登場して驚いたかい?わかるよわかる、でも慣れてくれたまえ」
彼女の登場で空気が少し軽くなった気がする。さっきまでの雰囲気が暗すぎたのもあるが、こうして場を和ませてくれる存在はとても大きい。
「私はレオナルド・ダヴィンチ。ダヴィンチちゃんと呼んでくれたまえ!」
「は、はぁ…」
藤丸がダヴィンチちゃんのテンションについていけていない。頑張って慣れてくれ、藤丸。
「はい、ストップ。とりあえず色々話したいことがあるだろうけど、今日あった出来事が出来事だから皆疲れていると思う。今日は各自部屋でゆっくりしていてくれ」
俺たちの顔を見てドクターは部屋で待機を命じてくれた。藤丸とマシュはその言葉に無言で頷き、管制室からゆっくり出て行った。
――俺も相当疲れが溜まっているので、ここは遠慮なく休憩させてもらおう。
そう思った俺は、重くなっている足を動かし、自室へと向かった。
翌日、俺たち生き残りマスターズは再び管制室へ集合することになった。少し眠気が残っているが、この程度は大丈夫だと思う。
「おや、寝不足かい?ダメだねー君は、睡眠はとても大事なんだからしっかり取っておかなくては」
プロトマーリンも真っ当なことを言ってくる。が、今回は素直にその助言を聞き入れることはできない。何故なら――
「俺が寝不足になってるのお前のせいだろうがー!!!」
「なんのことかな?僕はマスターの睡眠を妨害した記憶は無いのだけど…」
「夢の中に侵入しといて何言ってんだ!」
――そう、プロトマーリンは睡眠中の俺の夢の中に突如現れ、「今回の反省会をしよう!」と言い放ってきたのだ。ふざけるんじゃない。なんで寝てる時間に反省会をする必要があるんだ。そうこうギャーギャーしていたら、いつの間に朝になってしまったという訳でだ。
「ほら、自身が歩んだ道を振り返るのも大事だろう?物語も回想というシーンがあるじゃないか」
「だからって睡眠中にやる必要ないだろ!はっ倒すぞ!」
「倒す?あぁ…僕はこのままマスターに襲われてしまうのか…」
「どこまで頭お花畑なんだよ!…もうあっち行けよ!」
このままプロトマーリンを置いて管制室まで走り去ってしまいたいと思ったその時、俺の前に救いの天使が現れる。
「あ、おはようございます!天道さん、マーリンさん。管制室へ行くんですよね?良かったら一緒に行きませんか?」
マシュは笑顔で俺たちに挨拶をしてくる。このままプロトマーリンと一緒に管制室に行ける雰囲気では無かったので、ありがたく一緒に管制室へ行くことにした。
「おはようマシュ、おはようございます天道さん、マーリンさん」
「おはよう三人共、昨日はお疲れ様」
管制室に入ると、藤丸とドクターが既に集まっていた。ダヴィンチちゃんは、他の職員たちと管制室を修理してる。夜通し作業をしていたのか、ボロボロの状態だった管制室がほぼ修繕されていた。この後お礼を言っておこうと思う。
「全員集まったね。 これから、今後のことを話そうと思う。まずは生還おめでとう藤丸君、天道君。君たちには全てを押しつけてしまったけど、それらを見事に乗り越えてくれた、その事に心からの感謝を送る。所長のことは残念だったけど…今は弔う余裕がない。悼むことぐらいしかできないんだ」
「「…。」」
所長というワードが出てきた瞬間、雰囲気が暗くなる。ドクターはこうなることを分かっていたのだろう。少し間を置いた後、そのまま話を続けた。
「いいかい?ボクらは所長に代わって人類を救うんだ。それが彼女の手向けになる。シバで見つけた七つの特異点を修復して、人類の未来を取り戻す。やってくれるかい?」
「…はい、やってみせます」
当然だ、この時の為に、俺はカルデアに入ったのだから。
「頑張ります!」
「はい!絶対に成し遂げてみせます!」
二人も同じ気持ちのようだ。二人はお互いを見て頷いた後、即答した。
「――ありがとう。その言葉でボクたちの運命は決定した。これより、カルデアは全所長、オルガマリー・アニムスフィアが予定した通り、人理継続の存命を全うする。目的は、人類史の保護、奪還。各特異点にあると思われる聖遺物、聖杯を回収することだ。以上の決意をもって、作戦名はファーストオーダーから改める。作戦名は『人理守護指定・グランドオーダー』。我々は、魔術世界の最高位の権限を持って、この作戦を必ず完遂する」
「「「はい!」」」
やることは決まった。さぁ、七つの特異点が俺たちを待っている、俺たちの戦いはこれか――
「――とは言え、今の戦力じゃ正直人理修復は難しいだろう。そこで、新しくサーヴァントを召喚して力を貸してもらおうと思う。召喚する部屋に移動するから皆ついてきてくれ」
――あり?タイミング間違えたかな?
ドクターに案内された部屋に入ると、そこには前世でも見慣れた光景が広がっていた。青と黒で塗られたドーム状の空間に透明な魔法陣、そう、いわゆるガチャ画面だ。
「それでは、これから英霊の召喚を始めるよ。今回は、冬木の聖杯から回収した霊子と、本来藤丸君に支給される筈だった呼符を使って召喚してもらう」
早速、ドクターの説明が始まる。今回の召喚では聖杯の霊子と呼符で合計三騎を召喚できるらしい。ここで、どちらが二騎召喚するかという話になったが、俺には既にプロトマーリンがいるということで、藤丸が二騎、俺が一騎召喚するということになった。
「質問なのですがドクター、この召喚で触媒は使えますか?」
ここで大事なことを聞いておく。これでできないと言われたら冬木で凛のペンダントを回収した意味が無くなるからだ。
「え?使えるは使えるけど…天道君は聖遺物を持っているのかい?」
「はい、冬木で拾ってきました!ほら、ここのポケットに…」
どうやら無事に使えるらしい。よっしゃあ!これでエミヤを確定で…ってあれ?…無い!?
「あれ…ペンダントがない…」
「ない?ないってまさか…聖遺物を無くしてしまったとでもいうのかい!?」
まさかの事態にドクターも藤丸たちもびっくりしている。不味い、やらかした。きっと洞窟を脱出する時に落としてしまったのだろう。俺は計画していたことが全て瓦礫と化したことを察して、膝から崩れ落ちた。
「だ、大丈夫だよ天道君。触媒なしでもサーヴァントは召喚できる。気にしなくてもいいんだよ」
この哀れな姿を見て、ドクターが慰めてくれた。くそぉ…なんて日だ。
「全く、実におっちょこちょいだね君は」
プロトマーリンがさらに傷を広げてきた。すんませんでした。
「でも、マスターの失態はサーヴァントである私の失敗でもある。今回は特別に私が触媒を用意してあげようじゃないか」
そう言ってプロトマーリンは俺に向かって手元に出現させた
――いやこれ宝具じゃねぇかああああああ!!!
「マーリン…これって?」
「あぁ、『
え、いいの?これでプロトアーサー呼べってこと!?マジかよ…
「あはは…流石アーサー王の師匠だ、やることが違うね…」
これには流石のドクターもドン引きである。
「流石はマーリンさんです!これなら最高の戦力を期待できます!」
「よくわからないけど…流石マーリンさんだ!」
藤丸とマシュは感動しているようだ。やめろ、これ以上煽てるとプロトマーリンが暴走してしまう。
「…とりあえず、召喚を始めよう。天道君、その剣と呼符をサークルの中へ」
ドクターに言われた通りに俺は魔法陣の中に呼符と『
「よし、システムオールグリーン!それじゃあ、召喚システム起動!」
「はい!『素に銀と鉄――」
「…天道君?この召喚システムは詠唱は要らないよ?」
…。
はやくいってよぉ。
召喚システムが起動し、召喚サークルに光が収束する。やがてその光が三輪に増え、光の輪に囲まれた召喚サークルから光の柱が上がった。そしてその中から、一人の英雄が姿を表す。
「――問おう、貴方が私のマスターか?」
竜の因子を持つブリテンの王、アルトリア・ペンドラゴンがここに現界した。
――あれ?プーサーじゃなくてアルトリアが出てきたぞ???どうなっているんだ、マーリン?
(どうやら、アーサーは此方の世界に来れなかったようだ、だから代わりに此方の世界のアーサーが召喚されたんだろうね)
念話でプロトマーリンが答えてくれた。なるほどな、つまりビーストⅥはまだ此方の世界に根元していないのかな?それはいいことだ。
おっと、アルトリアが黙って俺見ている。早く答えなければ…
「そうだ、俺が貴方を召喚した」
「――そうか。サーヴァントセイバー、アルトリア・ペンドラゴン。貴殿の召喚に応じ参上した。これから私はマスターの剣となり盾となる。これからよろしく頼む」
そう高らかにアルトリアは宣言する。流石は騎士王だ。全ての仕草が完璧だった。
「ようこそアルトリア、この世界では私は初対面になるのかな?」
プロトマーリンもアルトリアに挨拶(?)をした、なんだろう、嫌な予感がする。
「…マスター、このサーヴァントからは何故かろくでなしの気配がします。一体何者なのですか?」
「…マーリンです」
この瞬間、アルトリアが口を開けて固まった。これ不味いんじゃないの?
「マ、マーリンですって!?マーリン、いつの間に性転換したのですか!?それに貴方は今アヴァロンにいるのでは?」
アルトリアが混乱し始める。彼女はプロトマーリンに向かって鬼のように質問を飛ばしていた。
「マーリンさんが性転換…?」
「ん?騎士王はこのマーリンと会ったことがないのかい?そういえば冬木の時も世界がなんとかって言ってたけど…」
ドクターたちも困惑している。そういえば説明していなかったな…この問題を解消する為に、俺たちはプロトマーリンについて皆に説明した。
「――なるほど、つまりこのマーリンは別世界にいるマーリンなのですね。信じ難い事ですが、大体分かりました」
「――まさかこの世界にマーリンが二人もいるとか…世界滅びた原因それなんじゃないかな…」
「すいません。説明するのが遅くなってしまって…」
とりあえずは納得してくれたみたいだ。一人更に頭を抱えている人物がいるが、とりあえず放置しておこうと思う。
「そういう事だからよろしく頼むよ、アルトリア」
「はい、マーリンがいるなら心強いです。よろしくお願いします」
プロトマーリンとアルトリアが握手を交わす。これなら二人喧嘩しなくて済むだろう。
「…さて、次は藤丸君のサーヴァントを召喚しよう。藤丸君、前へ」
続いて、藤丸がサーヴァントを召喚する番になった。ドクター曰く、二騎の内一騎は、冬木で縁を結んだサーヴァントが来るだろうという事だ。お、これならちゃんとキャスニキが召喚されそうだ。
「よし、召喚システム起動!」
先程の様に、サークルの中に三つの輪が現れ、今度は光の柱が二つ昇る。無事に二騎召喚できた証だ。
その光の柱から二人の英雄が出てきた。その内の一人は…
「おっと、今回はキャスターでの現界ときたか。ああ、あんたらか。前に会ったな」
「あ、キャスターさん!また会いましたね!」
「お、今回はそっちの坊主がマスターかい?真名クー・フーリン召喚に応じて参上した!」
「クー・フーリン。ケルトの大英雄だね。特異点ではお世話になったよ、また我々の召喚に応じてくれて感謝してるよ」
ドクターの解説が入る。召喚した一騎は予想した通り、キャスニキだった。まぁ、キャスニキは冬木をクリアした報酬だから簡単に予想できただけなんだけどな。
そして、もう一人のサーヴァントが柱から出てくる。その姿が分かった時、俺は思わず固まってしまった。
「――真名オデュッセウス、ここに現界した。人類史を救うというおまえたちの大冒険、俺が幾ばくかの力となろう。前へ進むための一歩が、いかに重く苦しいものか……多少は知っているからな」
「オデュッセウス…トロイア戦争で活躍した戦士だ!こんな大英雄を召喚するなんて…すごいよ藤丸君!」
なんと藤丸はオデュッセウス引き当てていたのだ。流石にこれは俺も予想ができない。てっきりメデューサやアルトリアオルタが来るものだと思っていた。
「流石ですね先輩!このお二人が一緒なら、この先の特異点でも戦い抜けそうです!」
「あぁ、そうだねマシュ。二人共、よろしくね!」
「おうさ!召喚されたからにゃ全力でやらせてもらうぜ」
「光の御子殿の言う通りだ。俺に為せない事は無い。せいぜいやってみるさ」
藤丸たちも興奮しているようだ。俺だってオデュッセウスを引いたら興奮する。なんだって宝具カッコいいからね!
ここで俺は大事なことに気づいてしまう。
第一特異点前にプロトマーリンにアルトリア、キャスニキ、オデュッセウス――
――これ、過剰戦力じゃね?
次回は感想欄で言った通り設定集を出します!勿論、ただ情報を殴り書きするだけじゃなくて物語があるように工夫しますので期待していてください!
藤丸sideの話欲しいすかね?
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ほしい
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いらん