ワイバーンは美味しいらしい
俺と藤丸が新たなサーヴァントを召喚して一週間が経った。
この一週間は新しいサーヴァントとのコミュニケーションや戦闘訓練、新たな特異点の調査等、それぞれが人理修復を果たす為に時間を費やしている。
勿論俺たち天道グループもこの一週間、戦闘訓練を行なっていた。
「はあああぁ!!」
アルトリアの聖剣がプロトマーリンの放った魔弾を次々と切り裂いていく。
俺とアルトリアはプロトマーリンと模擬戦を行っていた。プロトマーリンが「君は戦闘経験が少なすぎるから、僕が鍛えてあげよう!」と進言してくれたので、アルトリアと共に本格的な戦い方を教わっていた。ただし――
「いい太刀筋だね、流石は別世界のアーサーだ!おっと、ビーム注意だよ♪」
「な、なんて卑怯な戦い方なのですか!貴方は男のマーリンとは違うと思っていたのですが…マスター、宝具の使用許可を。あのろくでなしに一撃食らわせないと気が済みません!」
「…我慢してくれ」
――このように訓練というよりかはプロトマーリンに遊ばれている感じがした。一応立ち回り方のアドバイスはしっかり貰える為、文句はあまりないのだが…
そう思いつつ、隣を見る。そこには同じように藤丸とマシュ、キャスニキがオデュッセウスと模擬戦を行っていた。
「マシュ殿はもっと後ろを信用してもいい。後衛に攻撃を通さないのも盾役の大事な仕事だが、それだけではすぐ自分の身を滅ぼす。なに、味方は歴史に名を残した英雄なんだ。もっと安心して前に出ても良いと思う」
「はい!」
オデュッセウスは訓練の中、的確に状況を把握して三人へアドバイスをしている。そうそう、俺が心の中で思い浮かべていた戦闘訓練がこれだ。それに比べてプロトマーリンは――
「そうだね…一週間前と比べたらだいぶ良くなったけど、もう少し頑張れる筈だよ。もっと敵の動きを観察してもっと頑張るんだ」
そう、大体半分ぐらい頑張れというアドバイスだった。全然分からん!マーリンなのに説明下手くそでどうするんだよおい。
「成る程…わかりました」
――これで分かってしまうアルトリアもアルトリアだった。
『みんな、新しい特異点の場所が分かった。今すぐ管制室まで来てくれ!』
ここでドクターからのアナウンスが入る。どうやらようやくオルレアンに行く準備ができたようだ。
早速俺たちは管制室に向かうと、ドクターが他の職員たちに指示を出しながら俺たちを待ってた。全員揃っているのを確認したドクターは、簡潔に今回の作戦内容を説明し出す。
「よし、全員いるね。今回新たに見つかった特異点は、西暦1413年のフランスだ。正史では、ジャンヌ・ダルクが処刑された年とされている。そこに、大きな歴史のズレが観測されたから、ボクたちはこの時代にレイシフトを行って歴史を修正する。ここまではいいかい?」
よし、ここは原作通りで安心した。もしかしたら全然違う所が特異点になるかもしれない心配していたが、どうやら大丈夫だったみたいだ。俺たちが頷くとドクターはそのまま説明を続ける。
「じゃあこれからレイシフトを行うんだけど、その前に一つ注意して欲しいことがある。前回の冬樹のように複数人でレイシフトを行えばそれぞれ違う場所に転送されてしまう可能性が高い。契約したサーヴァントとは離れることはないけど戦力は確実に小さくなってしまう。転移が完了したら、お互いが何処にいるかを確認して、合流できそうだったら速やかに合流すること、いいね?」
成る程、この人理修復は俺と藤丸、二人のマスターがいるから色々と制約が追加されているみたいだ。此方の戦力的に負けることはないと思いたいが、万が一のとこもある。レイシフト後は速やかに合流するように心掛けておこう。
そうして俺たちはそれぞれコフィンの中へ入り、レイシフトを開始して特異点へと転移した。
レイシフトが完了した俺たちは、草原のど真ん中に立っていた。プロトマーリンとアルトリアは俺の周りにいるが、藤丸たちの姿は無い。どうやらドクターの言った通りそれぞれ別の場所に転移したみたいだった。
――さて、どうやって合流しようか。
そう思っていると、通信機が鳴り出し、そこから絶世の美女が空間へ映し出された。
『やぁ、ダヴィンチだよ!レイシフトは成功したね、君たちは今、リヨンという町の近くにいる。藤丸君たちはドンレミに転移したみたいだから、ラ・シャリテという町まで移動して合流してもらいたい。大丈夫かい?』
ダヴィンチちゃんが地図を見せながら説明してくれた。どうやら俺たちは第五章ぐらいの場所へと転移してしまったらしい。まだリヨンはジャンヌ・オルタ達に襲われていないようなので、ここはとっとと移動した方が良いだろう。
「了解、ラ・シャリテまで移動します」
『ありがとう、それでは早速移動を開始してくれたまえ!あ、道中ワイバーンが出ると思うからついでに倒して行ってね』
そう言い残し、ダヴィンチちゃんは通信を切ってしまった。ついでにと面倒臭いクエストを残して。
そうだ、オルレアンといえばワイバーンだったな…
そう思い周り見渡すと、野生のワイバーンが何体かで群を組み空を飛んでいるのを見つける。
「…ほう、ここにもワイバーンがいるのですね」
アルトリアがそう呟く。そういえばアルトリアは竜の遺伝子やらなんかを持っていた筈なので、ワイバーン狩りでは頼りになるかもしれない。
「アルトリア、ワイバーン狩りだけど大丈夫?」
「はい。ワイバーンは肉は硬いのですがとても美味しいのです。早速何体か狩って調理しましょう!」
アルトリアは目を肉に変えてワイバーンに突進していく。え、やっぱり食べるんですか…
「やれやれ、流石は空腹王だね。僕もワイバーンを食べるという発想は思い浮かばないよ」
プロトマーリンもドン引きしている。俺らが呆けている間に、アルトリアは恐ろしい速度で食材を調達していた。
「『
アルトリアが持つ聖剣から、風が吹き荒れる。直撃を食らったワイバーンは真っ二つになりヒラヒラと墜落していく。次々と倒されていく同胞を見て、他のワイバーンたちは逃げ出していった。
「このくらいでいいでしょう。マーリン、ご飯の支度をお願いします」
「…了解したよ」
戦闘が終わったかと思うと、二人は早速食事の準備を始めている。これは藤丸たちと合流するのは先かもしれない…。
――その時だった。
「…!マスター、下がってください」
プロトマーリンとアルトリアが急に顔を変え、俺の前で獲物を構えた。その瞬間、狂気を交えた咆哮が大気を震わせた。
「Arrrrrrrrrrrrrrrrrthurrrrrrrrrrrrrrrrrr!!」
その咆哮の主は、一直線に此方へ駆けてくる。
「素晴らしい程の狂気だね…マスター、これが誰なのかわかるかい?」
アルトリアもプロトマーリンもその姿だけでは誰だか分からないようだ。彼の宝具の一つ、『
だが、原作知識のある俺は、その正体がはっきりわかる。そう、先程のアルトリアが放出した魔力だけで此方を認識し、一直線に突撃してくる存在は一人しかいない――
「…サー・ランスロットだ」
「な…に…?」
傷だらけの黒いフルプレートを纏った狂気の騎士が襲来した瞬間だった。
最近忙しくなってきたのでまた時間置くかもです。
藤丸sideの話欲しいすかね?
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ほしい
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いらん