咲ちゃんとキャッキャウフフしたいだけの人生だった 作:sannsann
私が麻雀にはまったのは前世での話だ。
それまで麻雀のマの字も知らなかった私だが、スマイル動画という動画サイトにアップされていた咲-Saki-という麻雀アニメを見てから興味を持ち始めた。
咲-Saki-から始まり、アカギや無駄ヅモを読んで、自分自身も麻雀をはじめてみた。
実際に雀荘に行く勇気はなかったので、ネット麻雀ではあったが。
しかしやってみて気づいた。
いや普通はやる前に気づくだろう…現実で麻雀をやってもあんな特殊能力で戦うような麻雀は打てないと。
アカギなんかは、特殊能力というよりも、読み合いというかもしれないが、あのレベルまで行けば十分特殊能力に入ると思う。
まあそんなことを考えながら、だらだらとネット麻雀は続けた。
何百、何千と続けていくうちに、また気づいたことがある。
麻雀は運ゲーだと。
咲-Saki-の世界の住人ならともかく、ただの地球人には毎回嶺上開花したり場を支配(笑)したりすることはできない。
調子よく連荘できて、自分の親番だけでみんなを飛ばしたり、役満を連発することくらいは稀にある。
逆に一回も上がれないままひたすら負け続けることもある。
どれだけ相手の当たり牌を読んで捨てても、相手が単騎とかシャボ待ちとかだと意味がない。
そんな真理に気づいた私は、さらなることに気づいた。
私は麻雀が好きなんじゃない、咲-Saki-が好きなんだと。
そうして私はひたすら咲-Saki-という作品のことのみを考え始めたが、次第にそれは咲ちゃんだけにそそがれるようになった。
さらには、私自身が咲ちゃんの横に立ちたい、キャッキャウフフしたいと思い始めた。
原村さんできればっていうか、いいからそこ替われやオラぁ!等と思い始めた。
そんな風に咲ちゃんのことを愛してやまない私は寝る間も惜しんで咲ちゃんの絵を描き小説を書いた。
勿論麻雀も続けた。
時には咲ちゃんを描きながら麻雀実況をしたりした。
したが、嶺上開花はできなかった。
まあそれは良い。
ちなみに私が妄想で作り上げた作品の内容は自分が原村さんになったつもりで書いたり、咲ちゃんの親友(オリキャラ)であるとか、時には照お姉ちゃんだったりだった。
そんな愛が通じたのか、それとも四徹したままネット麻雀世界100カ国同時開催ワールドチャンピオン決定戦で優勝した勢いのまま、その喜びを咲ちゃんに伝える漫画を叫びながら描いていたせいか、視界が暗転したと思ったら、"私"になっていた。
最初は状況が理解できなかった。
生まれ変わった、というのは何となくわかった。
何で生まれ変わったんだろう、何が原因で死んだのだろうと考えたが、何も理由はわからなかった。
赤ん坊の体は、まだまだ視界がおぼろげで、両親らしきうごめくモノに抱っこされたりミルクをもらったりする以外は特にすることもなかったので、時間だけはたくさんあった。
そうして考えて考え抜いたすえ、私が死んだ理由は”咲ちゃんへの愛が足りなかった”という結論に辿り着いた。
その理由はシンプルだ。
咲ちゃんへの愛が無限大なら体が死んでも心は死なず、動き続けることができたはずだ。
飲まず食わずの四徹で麻雀世界大会した程度でくたばった私が情けない。
ちなみに栄養はサキニウムで補充できていた。
これは実際に断食で2週間飲まず食わず、サキニウムのみで生きていけたから実証している。
残るは睡眠だ、私は恥ずかしいことに、睡眠が苦手だったのだ、なぜなら前世の私は夢の中や脳内で咲ちゃんを生み出せなかったから。
無論、創作という観点に関しては十分に生み出せていたのであるが、脳内で独立して生きて動く咲ちゃんというのはついぞ生み出せなかったのだ。
つまり!寝ている間も脳内で咲ちゃんと生活し、そこで楽しめば睡眠を取ることも無駄ではなかったのではないか。
その愛が足りなかったのだ。
だから私は今世ではそれを目標に生きていこうと思う。
無論咲-saki-があろうとなかろうとだ。
あればまた楽しむし、なければ私自身が作り出してやる、著作権に関しては許してほしい、もし売れたら全部咲ちゃんにつぎ込むから、
そうと決まれば早速開始だ!まずは脳内の咲ちゃんが独立稼働すべく脳内訓練だ。
まずはマルチタスクだろうか、脳内咲ちゃんにうつつを抜かして現実で咲ちゃんを愛でられなくなるとか本末転倒だしね。
そうして、私の新たな人生がスタートして3年の月日が流れた。