咲ちゃんとキャッキャウフフしたいだけの人生だった   作:sannsann

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※ネタばれ・原作改変・独自ルート注意。幼馴染…?知らない子ですね。











●母の独白

あの人との間に子供ができたと聞いて、胸の中に喜びというのが生まれた時は、私にも人間性や母性というものがあるのだとわかって少しホッとした。

 

しかも生まれてくるのは女の子、かわいい服とか着せてあげたいからさらにうれしかった。

 

しかしだ、私はトンでもないモノを生み出してしまったのかもしれない。

 

あの子がまだ言葉も話せないのに、麻雀牌を触って遊び始めた時…当初こそ『この子は天才だ』と喜んだ。

裏返した牌を捲って当てようとしている姿なんか微笑ましくもあった。

『うう、能力が』とか言っていたのも、子供らしくアニメか何かの影響だと思っていた。

 

しかしだ、咲が生まれてから、あの子は変わった。

今までも十分子供らしからぬ行動をしていたが、さらに顕著になった。

4歳にして旦那を打ち負かしたときは、軽く恐怖した。

旦那の麻雀能力はそこそこ高いはずだ、それを4歳児が大の大人を手玉にとるというのは、末恐ろしかった。

 

何よりも恐ろしかったのが、あの子が咲に向ける視線や行動が、姉としての愛情なんかではなく、もっとドロドロとした性欲のようなモノを感じることだった。

 

『咲ちゃんマジ天使!』とか言っている時の表情は、本当にかわいいのだが、ふとした時に咲を見るあの子の表情は、ニチャニチャして気持ち悪かった。嫌悪感を抱くほどに。

 

けれどもあの子もまだ子供、親の私が怖がってどうする、きちんと育てれば大丈夫と思っていたのに…事件は起こってしまった。

 

3人でお風呂に入った時、あの子が咲に性的に襲い掛かっていたのだ。

あれはもう確定だ、ギルティだ。

私は即座にあの子を吹っ飛ばし、東京に行く決意を決めた。

 

 

 

東京に行ってからも大変だった。

部屋に一人しかいないはずのあの子が、存在しないはずの咲と会話をしはじめたのを見た時の私の気持ちは、他の人にはわからないだろう。

かといって、あの子への愛が無くなったのかと言われれば、それは確実に否定できる。

あの子も咲も私のかわいい子供なのだ。

ちょっと歪んでいるだけなのだ。…ちょっとよね?

 

半年間、距離を離せば落ち着くかと思っていたら悪化していた。

咲と抱き合うあの子が痙攣しながら漏らしている姿は、はっきり言ってドン引きだった。

あの子は『恥ずかしいなぁ』とか言ってかわいく笑っていたつもりかしれないが、全くもって笑えない、その日の晩、私は頬が濡れているのに気付いて、はじめて自分が泣いているのだと気づいた。

 

 

 

それどころか、そんな出来事すら、あの子のやらかしの中ではしょぼい方だった。

ある日、突然警察から電話がかかってきた。

慌てて警察署に行くと、あの子が取調室で少年課の刑事さんに呆れられながらカツ丼を食べていた。

とりあえず悪いことをして捕まったわけではないらしい。

話を聞いたところ、何やら違法な賭け麻雀会場があり、しかも女学生らしき姿まであるとの情報を警察が入手した。

普通は捜査やら内偵やらきちんと証拠を固めてからということらしいが、女学生らしき子供がいるとなると話は変わってくる。

借金のカタか、誘拐にあったのか、それともクソヤクザが女学生を騙したのかはわからない…しかし子供が被害に遭っているのは事実、一刻も早く助けねば!と警察の方々が麻雀店に突入したところ、泣いて土下座するクソヤクザと札束を数える女学生(あの子)がいたそうだ。

調べたところ、確かにそこは法外な金額で賭け事が行われる違法な麻雀店ではあった、あったが、まさかあの子がむしり取る側にいるとは思わなかった。

 

そういえば最近家の家具がやけに充実していたけれど…いえ、これ以上はやめておきましょう。

とりあえず、あの子は被害者であるとのことだった、未成年をたぶらかし、違法な賭け事をさせた罪と言葉巧みに騙して麻雀店に誘い込んだ略取・誘拐の罪になるとか刑事さんは言っていた。

もちろん、あの子が成人だったら、アウトだ。子供だから許されたのだ。許されたのか…?

刑事さん曰く、「お子さんは未成年です。被疑者ではなく、被害者では、あります…一応…いえ、被害者です、失礼しました」と言う程だった。

ちなみにカツ丼代金はきちんと請求された。

 

 

他にも、あの子が援助交際をしていると学校から連絡を受けて、市内に向かってみると、確かに怪しいおじさんと一緒にいた。

いたが、あの子の麻雀仲間だった、しかも相手はプロの方だった…それもプロ麻雀チップスにカード化されるレベルの。

とりあえず丁寧にご挨拶して、サインをもらっておいた。ふふふ。

 

 

こんな感じであの子は色々とぶっとんでいる、しかしまあ何故だろうか、そんなあの子がとても可愛く感じる今日この頃だった。

あの子は咲と麻雀のことに関しては滅茶苦茶ではあるが、真っすぐなのだ。

なら、母親の私はそれを間違った方向に行かせなければいいだけだ。

咲だって、あの子のことを好いている…たまに引いている気もするが、基本的には良い姉妹…のはずだ。

今日も頑張ろう。

…頑張ろう…。

 

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