ヤンデレさんのヤンデレべリング   作:フユガスキ

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おそらく、読めば雰囲気がわかるかもしれません。


始まりは冬のアレから〜ヤンデレベル1〜

「Aくん!」

 

 冬の真っ盛り。外に出れば芯まで冷え込むのは、そう長くはかからないだろうと予想のできる今日この頃。

 そんな中、二階にある私室の上、屋根裏から忍び込んでくるのはヤンデレさんである。

 

「やぁ、おはよう」

 

 近くにあるデジタル時計を見れば、6:00と書かれている。相変わらずヤンデレさんは早起きだ。

 けれども、何でこの家にいるのだろうか。

 

「今日は学校休みだね。今日もずっと一緒だよ」ハート

 

 今日は日曜日。我々学生の大半の時間を費やす学校には行く必要のない日だ。

 なるほど、だからヤンデレさんはここにいるのか。長らく休日に遊ぶ友人がいない身としては、2時間ほど離れている友人がこの時間に遊びに来ているのが異様で仕方ないのだが、きっとこういうものなのだろう。

 

「来週は、そちらにお邪魔していいだろうか?」

 

「フェッ」

 

 だが、貰い続けれるのは忍びないため、今度はヤンデレさんの家にいくことにしよう。

 けれども、6時頃にインターホンを押すのは少々迷惑かもしれないので、10時頃に到着しよう。

 

「フフフ…お赤飯を炊かないと…あっ部屋の片付けも…それから、寝込みを襲われてもいいように……」

 

 ヤンデレさんは屋根裏でブツブツと呟いている。

 ただ、その場所が枕の上であるため、微妙にパンツが見えている。

 

「ヤンデレさん、屋根裏に行くなら、スカートでは駄目だ。ジャージだとか、ジーパンが丁度いい」

 

「え?パンツの話?見せてるんだよ?」

 

 ヤンデレさんはパンツを見せているらしい。基本的に男女ともに、パンツというのは見えていると恥ずかしいものだと思うのだが、ヤンデレさんにはそういう感性がないらしい。

 

「どう?コーフンした?」

 

「いや、ヤンデレさん。パンツを見せるというのは恥ずかしい行為であって、積極的にやるのは変質者だと思われるから止めたほうがいい。もちろん、そのような物を使う仕事はあるが、ヤンデレさんになって欲しいとは思わない。その仕事を目指すのなら止める。だから、そういうのは止めてくれ」

 

「あ…うん」シュン

 

 ヤンデレさんはスカートでパンツを隠しつつ、項垂れてしまった。悪いことをしたなぁ。

 いや、ここは心を鬼にしなければならない。体を売るビッチは嫌いだからな。

 

「あ!そうそう」

 

 立ち直ったヤンデレさんは、いそいそと屋根裏から降りて布団へとダイブする。俺は咄嗟に体を動かし、柔らかい布団へのダイブに貢献する。

 

「む〜、イケズ」

 

「今のは意地悪だったのか?」

 

 俺としては良いことをした気になっていたが、ヤンデレさんにはお気に召さなかったようだ。

 

 ふと、ヤンデレさんの手に、何かがあることを確認する。

 

「ヤンデレさん、それは?」

 

「これ?これはね〜、Aくんへのプレゼントだよっ。はい、どーぞ」

 

 そう言って渡されたのは、両手には余るサイズの箱だった。開けるように促され、その紙箱を開けると、そこにはこの冬を乗り越えるためであろう防寒具が入ってあった。

 

「マフラーか」

 

「そう、結構頑張ったから、使ってね」

 

 そのマフラーはオーソドックスにブラックで、このウィンターのコールドなテンプレイチャーにはベターなものだった。

 なるほど、他人の家に行くときには、何かプレゼントが必要なのか。だが、基本は消費できるものだと思うのだが。…まぁ、貰い物に文句をつけるのは駄目だろう。

 

「ありがとう。使わせてもらう」

 

「うん。出来ればここで着けれくれない?」

 

 ふむ、確かに、何故か窓の鍵が壊れていて、窓が開いているため、少しこの部屋は寒い。使用用途は間違ってなさそうだ。

 

 箱から少しばかり長めのマフラーを取り出し、首に巻きつける。サイズを間違えたのだろうか。

 そう思っていると、ヤンデレさんは余ったマフラーを首に巻きつけた

 

「ちょっと、熱が入りすぎて長くなっちゃたけど、結果オーライだね」

 

 なるほど、頑張ったと言っていたし、根気を詰めすぎたのだろう。可愛い失敗だ。次に活かしてほしい。

 

「そうそう、そのマフラーには、私の髪が編んであるから、いつでも私がそばに居られるよ」ヤンデレポーズ

 

 ふむ、ヤンデレさんの髪か。確かにヤンデレさんは、いつもはロングだが、最近は短めだった。

 そういえば、鳥類には羽毛に保温効果があるとか、ホッキョクグマの毛が透明なのは保温のためだとか、毛には保温効果があるものもある。

 その例に沿うと髪にも保温効果が在るのだろうか。ちょっと調べよう。

 

 それに、そばにいられる、というのはどういうことだろうか。五寸釘と藁人形的な例えだろうか。

 

「そのために髪を切ったのか?髪は女の命と言うが?」

 

「そう、私はこれでいつでもAくんのそばにいれる。そして、Aくんに近づく奴に匂いで牽制できる。…あっ、これでシコってもいいよ。というか、シコってくれたらコーフンする」

 

 確かに、若干だがヤンデレさんの匂いがする。

 

「けど、これ、洗ったら匂い落ちるし、それに手編みだと髪の毛はすぐにボロボロになる。だから、髪の毛を衣類に使用するのはオススメしない」

 

「え、…あはい」

 

「それに今調べたんだが、髪の毛に保温効果は無いし、結構重いらしい。この意味でもマフラーなどの小物ならまだしも、コート等には使えない」

 

「はい…はい」ナキメ

 

「それに、俺は基本的にロングのヤンデレさんが良い。短めもアリだが、ロングのが勝る」

 

「はい…え?今、好きって…」

 

 そう、個人的なものだが、ヤンデレさんはロングが良い。あの黒髪の艶は、そう出せるものでもない。流石に強要はできないが、黒髪ロングは至高だ。

 

「あと、マフラーでシコる趣味はしていない。そこはご理解願おう」

 

「あ、そこは冗談だから。あと、そのマフラー持って帰るね」

 

「いや、貰い物だし、大切に使わせてもらう。何故か、最近俺のネックウォーマーが紛失してしまったからな」

 

 一ヶ月ぐらい前にはパンツがなくなっていた。元々、そういう紛失物は多い方なので今更気にしないが、ちょっとここ最近増え過ぎだと思う。

 

 その後、ヤンデレさんの家で少し湿ったネックウォーマーを見つけたのはまた別の話である。

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