リインフォース「闇の書がバグった」   作:いつのせキノン

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最近裏でシリアス書いており反動でギャグを書きたくなったので初投稿です。


さんぺーじめ

 

 

 

 

 

 

 前略。漂流した。

 

「ヒトデくんだけが俺の友達だよ」

 

 うねうね。

 

「てかホントなんの説明もないからここどこかわからんのよね。海の上で大乱闘コスプレシスターズ始まったらナントカってデカい化物は爆発するわ、俺は巻き込まれてこんな海岸に一人取り残されてよ」

 

 うねうね。

 

「ヒトデくんもそう思わん? やっぱり転生するなら神様出てきて説明するべきだよな。じーさんよりはおにゃのこの方が目の保養になるからなおさら」

 

 うねうね。

 

「なに? 褐色金髪ロリがいいだと? アルビノお姉さんじゃないんか? おまいは拗らせすぎだぞヒトデくん」

 

 うねうね。

 

 あ、帰りやがった。

 

 波にさらわれて流てくヒトデくんを見送ってため息。

 なんか枝やらゴミやらが打ち上げられてる海岸にいるんだけど、完全にオフシーズンなのか人っ子ひとりいない。

 

 多分爆発に巻き込まれた俺は海に落ちてここに流れ着いたんだろうが、あれからどれくらい時間がたったのか全くわからん。

 てか海水まみれで気持ち悪いし何より寒い。これ冬の海とちゃいます?

 やばい、思ったより海風寒くて動けなくなってきた……今度こそ死にそう。せめて温かいものを食いながら安らかに眠りたい……やっぱりできたてのからあげかな……出汁の染みたやつ……。

 

「ああ、お迎えの天使が見える……何か羽が黒いし八神さんにそっくりね?」

「本物や」

「マジデカ」

 

 なんでや。八神さんも巻き込まれて死んでしまったん? テラカワイソス。

 

「死んどらんよ。あの後結界内に爆風は全部封じたさかい迎えに来たで。切り離された暴走体も無事に消滅、色々あったけど終わりよければ全て良しや」

「その色々の間に何回か死にかけてるんですがそれは」

「生きてピンピンしとるしええやろ。……まぁ何か事情も知っとらん様子やったし、ご馳走くらいはしたる。今更人が一人二人増えたとこで変わらんし!!」

 

 笑顔で言ってるけど俺の寿命はご飯一回分だそうだ。

 

「このはやてちゃんが腕奮って料理してやる言うとんのや、リクエストの1つくらいは受け付けるで」

「んじゃからあげかな。肉を漬ける時は生姜多めにね」

「図々しいぞナハト、主なのだから遠慮をしろ」

 

 気付いたら後ろにソノカンセーさんがいる。もう周りコスプレだらけ、俺も頭からつま先までコスプレ。ここは即売会のコスプレ会場かなにか?

 

「死にかけたんだから飯一品くらい自由に食べたいという俺の欲望は満たされるべき。そーゆーソノカンセーさんは何かリクエストしたんです?」

「我が主の手料理ならば何であろうと喜んで食す」

 

 うわ出たよ「夕飯何がいい?」「何でもいいよ」って言って困らせるやつ。献立考えて食材揃えるの大変なんだぞ。知らんけど。

 

 

 

 

 

 全部ことが終わって今更自己紹介された。

 が、皆手短に素早く済ませるのでわからん。

 

「とりあえずPS Vitaが生産終了したのはわかった」

「アタシはゲーム機ぢゃねぇ」

「オーケー落ち着こう。とりあえずそのハンマーを振りかぶって俺のケツを狙うのはやめような?」

 

 穴が増えかねん。

 

「んで、化物退治終わって万々歳なはずなのに何で俺は手錠されてるんでせう?」

「ナハトヴァールが完全に切り離され、私の制御は受け付けない。暴走体部分は削除されたが、まだシステム中枢の貴様が残っていればまた暴走しない確証はないだろう」

 

 俺知ってる。これ濡れ衣って言うんだよ。

 

「ただのパンピーがモンスター召喚できるわけなかろう。見てろ、本気で踏ん張って“ハァッ!!”ってやってもなにも」

「うわなんか出てきよった」

 

 ちょっと待とうか?

 

「何で出てきやがったテメー。紫色のうねうねした……蛇?」

「ふっとい身体付しとるな……ツチノコやん。いやでも結構可愛げある顔しとるな?」

 

 おーよしよしと八神さんが紫ツチノコを抱き上げて撫で始める。

 コイツ俺より登場遅かったクセにうらやまけしからんことを……嬉しそうに幼女の胸元に飛び込みやがって。

 

「オメーペット扱いに張り合ってどうすんだよ……」

「大丈夫なのか、リインフォース。このツチノコ、感じる魔力がナハトヴァールのソレと同じだが」

「魔力は微量、解析してもただの生命体と何ら変わりない。警戒するだけ無駄だ、将よ」

「この子、ペットフード食べるのかしら? ザフィーラが食べてた物でも良ければ在庫はあるのだけど……」

 

 わいのわいの俺をおいて皆ツチノコの方に行きやがった。後で消すか。どうやるのか知らんけど。

 

 ……いや待てよ? 確かツチノコってレアなやつ……高く売れるのでは?

 

 売る→お金がっぽがっぽ→贅沢な食事。

 

 決まりだな。

 

「八神さんソイツを渡すんだ。売って今後の路銀を確保する」

「鬼畜にも程があるわ。そんなんせんでもナハトはウチで面倒見たる」

 

 成人男性が幼女のヒモになれと? ラノベじゃあるまい。

 

「じゃあナハトは戸籍とかどうするん? 身元不明やと色々不都合あるんやないの?」

「ぼくがまちがってました。これからよろしくおねがいいたします」

「土下座はやっ」

 

 そこまでは考えてなかった。そうと決まればペットでいいからニート枠で生きて行く。プライドなんざ餓死するくらいなら犬に食わせたる。

 

「異世界来てもこれで俺は晴れて無敵の人。もう働かなくていいんだ!!」

「流石に人数がアレやしバイトせえや。シグナムは地元の剣道クラブのコーチやし、シャマルは薬局バイトしてるしな」

「さらば俺のニート生活」

 

 自宅警備員への道は遠かった。

 

 

 

 …………取り敢えず寒いから暖を取らせてほしいかなって。

 

 

 

 

 

 寒すぎてガタガタ震えてたら何か連行されて「取り敢えずシャワー浴びときや」と何か近未来チックで無機質な部屋に通された。

 ベッドとシャワールームがある。あとテーブルと椅子。洗面台もあるのか。超SFなんだが。来るときもやたら下から照明点けてて眩しかった覚えがある。

 

 まぁ八神さんも言ってたことだしシャワー浴びて温まろう。

 

 

 

 と、言っていた5分前までの自分を殴りたい。

 

 

 

「タオルとパンツがねぇ」

 

 クッソ濡れてたコスプレは脱いで取り敢えず洗面台にポイしていたけど、濡れた身体を拭くタオルもないし着替えもない。つまり今の俺はマッパだ。見つかったら補導されるどころか公然猥褻罪で即逮捕間違いなし。

 ただでさえ何か怪しいコスプレした奴的な扱いを受けて冤罪気味にこんな独房じみたところに押し込められてるのだから迂闊に罪を増やすべきではない。いやそもそも罪とか微塵も身に覚えないからないはずなんだけど。

 

 バスタオルくらいあればと部屋の中を闊歩するけど、ベッドメイキングされる前のベッドにはただのマットレスしかない。俺を犯罪者に仕立て上げようとしてるな?

 電話っぽいのもないしルームサービスも呼べないみたい。完全に独房だ。せめて布団くらい敷いてほしかった。

 

「さてどうすっかな。取り敢えず体冷えるしもっかいシャワーを――――」

「おーい、タオルと着替え持ってきてやっ、た……ぞ……」

「あっ」

 

 PS Vitaが、前触れもなく入ってきた。

 一瞬の沈黙。仁王立ちの俺。固まるVita。

 

 …………なるほど、謎は解けた。

 

 

 

「キャーッ、Vitaさんのエッt」

 

 

 

うわあああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーッッッッッッッッッッッッ!?!?!?!?!?!?!?!?!?

 

 

 

 

 俺の視界は巨大な鉄球でいっぱいになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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