ReflectionとかDetonationとか言ってたけど数話ほど挟みます。
前略。何やかんや月日が過ぎました。
「ふふふ〜ん♪」
今日は八神家の台所に立って独りで唐揚げの仕込みの真っ最中。鼻歌も上手になるってもんですよ。
タレを煮詰めて、真空パックに青ネギ・生姜と一緒に○影蛇手。ついでにもう一パックにはにんにくも投入しちゃって。
「美味しくなれよぉ、我が愛し子たち」
後は冷凍庫にIN。あとははやてさんが料理したいときに勝手に揚げてくれる。我ながら完璧だな。
「……また唐揚げなのか、ナハト」
「お? はよっす、リインフォースさん。そう、また唐揚げだ」
「よく飽きないな。バカ舌か?」
「いやぁ〜それほどでも」
「褒めてないが?」
せっせこ後片付けでもしようかと思っていたらリインフォースさんが普通の私服で静かに登場。もう常時コスプレは卒業したらしい。
でもまたコスプレっていうとアイアンクローから頭の中身ドバーなので余計なことは言わない。ちぃ、おぼえた。
「そう言えばナハト、今日の予定は我が主から聞いているか?」
「うんにゃ、何にも。え、俺なんか重要なイベントすっ飛ばして取り返しのつかないことしてる? もしかしてまたアイアンクローですか!?」
「いやそうではないが……」
「なぁ〜んだぁ〜、安心。脅さないでよ」
「お前が勝手に怖がってるだけだ」
だってホントにアイアンクローするぢゃん……。
「んで、予定って?」
「前に我が主に告げた、私の融合機能喪失についてだ。夜天の書は機能として魔法の発動は可能だが、その複雑さゆえ制御が難しい。そもそも制御用の演算は普段使われないナハトヴァールの演算制御回路領域でしていたからな。今の夜天の書を扱うには、新たな演算制御回路を備えた融合機が必要になる」
「はえ〜そうなんだ」
「……いや、切り離しの際にお前が回路を分けてくれなかったんだろうが……」
知らんがなぁ、んなこと。
「ともかく、今日がその新たな融合機製作のための打ち合わせの初回になる。お前も同席が必要だ」
「え? 初耳なんですけど?」
「お前には初めて言ったからな」
おい言えよ。
「何時からです?」
「高町なのは、フェイト・テスタロッサとの戦闘訓練後、休憩が終わり次第だ」
「ああ、今日も2階で異空間創ってわいのわいのやってるのね。いいなぁ部屋広くできて」
「正確には転送ゲートで別の星に行っているだけだがな」
いいじゃん、そこに部屋作ればいくらでも広くできるし。
あ、でも掃除面倒だし今より広くなくていっか。
「我が主が嘆いていたぞ。ナハトの訓練参加率が悪いとな。我々一家内でも群を抜いて底辺だと」
「オメー俺がただのサンドバッグになるの眺めて楽しいか?」
戦闘訓練とか言ってるクセにやってるのは俺に対する一方的な虐殺行為だからな? なんでブレイカー撃ち込まれなアカンねん。空飛べないのに海上エリアに放り込まれた俺の気持ちになってみろ。泳ぎすぎて素潜り漁余裕だからな。
ちなみに魔導師組全員から必殺技的なのを叩き込まれた経験がある。死が見えたね。もう二度とやらん。
俺の攻撃? 飛べないのに当たるわけねーだろ。こちとら拳以外何も無いんだが?
「そろそろお前も魔法を使うべきでは、と我が主は考えている。ナハトヴァールが起動することが懸念材料だが、そもそも起動するための魔力がない。お前の今の魔力量ではたかが知れているからな」
さらっとディスるのやめない?
「事実を述べたまでだ。飛行魔法、射撃魔法、防御魔法は最低限それぞれ習得しておくべきだな」
「えー。あんなムズいの覚えなアカンの? 俺もデバイス欲しいなー」
「やめておけ。自腹で買うなら構わんが、そんなデバイスに回す余裕など無いだろう?」
「よくぞご存知で」
「食い歩きばっかしているからだ」
「よくぞご存知で……」
だって欲求には逆らえないじゃんね。
「こうなったら俺もデバイス作るかぁ。ジャンク品とかあったらくれないかな? 今日聞いてみるか」
「図々しいにも程がある、やめておけ。我が主の人望を落としかねん。いや、落とす、確実に。喋れないように猿轡でも着けておくか……」
「公開露出SMプレイはちょっと……趣味じゃないんで」
「私を変態趣味持ちと誤解を与えかねん発言は慎め。抉るぞ、鼻を」
さーせん。
などと無駄話をしてたらパタパタと二階から階段を降りてくる音が複数。どうやらはやてさんらの魔法訓練が終わったらしい。
「リインフォース、ナハト、終わったで〜」
「お疲れ様です、我が主。高町、テスタロッサもな」
「はい、ありがとうございます、リインフォースさん」
「お邪魔してます」
姦しく小学生組、八神家の主であるはやてさんを筆頭に、なのはさんとフェイトさんも入ってくる。訓練を終えたばかりで少しばかり汗ばんだ様子。
とりあえずコップを用意して、冷蔵庫から冷やしておいた麦茶と氷をば。毎度のことなのでサクサク準備をして、テーブルを囲む三人にお出しする。
「はいはいご苦労さんですよ〜」
「ああ、ナハト。ありがとさん」
「すいません、ナハトさん、いつもいつも……」
「ええんやで〜、なのはさん」
砲撃に巻き込まれるくらいならお茶出してる方がずっといいし。
「ナハトさん、今日も来なかったんだね」
「フェイトさんよぉ、俺が参加したところでサンドバッグからのホームランコンテストだぞ? もうカンスト記録出したでしょ? やるならリインフォースさんが代わりにいるから」
「私はお前ほど頑丈ではないんだが? というかお前の硬さは何なのだ? あの暴走体ですらブレイカー級には耐えられなかったというのに……」
「た、たしかに……ナハトさん、いっつも全力全開のブレイカーに当たっても、しばらくしたらケロッとしてるし……」
「わたしも、この前しっかり当てたのに傷一つつけられなかった……ナハトさん、やっぱり強いよね?」
硬い=強いの数式がまずそもそも間違ってることに気付こうか? 普通に死ぬほど痛いんだからな!!
「それにナハトはたまに意味わかれへん挙動もするしなぁ」
「ああ、水面を走ってたやつ……」
「忍者みたいだったね。アニメとかでしか見たことなかったから、新鮮だった」
君たちの砲撃から逃げるので必死でしたのよこちとら。人間やれば何とかなるものね。
「あ、せや。ナハト、今日の予定なんやけど」
「聞いとりますよ。何かあれだろ、リインフォースさんの複製でしょ」
「言葉を選べ馬鹿」
「いたいっ!?」
脳天拳骨ヤメテ!!
「まぁそんな
「そっか、はやてちゃんの新しいユニゾンデバイス!! 楽しみだねぇ」
「コンセプトとか、そういうのはもう決まってるの?」
「あらかたな。予算も確保しとるし、あとは具体的にアイデア盛り込んで形にしていくだけや」
「どんな形にすんの? 狸型とか?」
「誰が狸や。普通に人型やで。わたしの魔法サポートやし、そっちの方が便利やろ?」
「へぇ〜そうなんだ。てっきりなのはさんの周りをうろちょろしてる喋るイタチみたいなのにするのかと」
「ナハトさん、イタチじゃなくてフェレットで、あとユーノくんは人間なの……わたしも時々忘れちゃうんだけど」
え、あのイタチって人間だったの!? 初耳。
てかユーノくんたまに人間判定されてないの可哀想だろ。
「で、ユーノくんって誰よ?」
って言ったら全員ズッコケて椅子からずり落ちた。昭和のノリか?
「いや初めて会ぉたときにおったやんけ、なのはちゃんの隣に」
「二度も爆発に巻き込まれて漂流死しかけた奴に周りを見る余裕があるとでも?」
「だが暴走体の自爆はお前のやらかしだろう」
それはそう。
「あははは……、えっと、ユーノくんは金髪の子ですよ」
「え? 金髪?」
フェイトさんを見る。
「なるほど、謎は解けた」
「脳みそが溶けたんとちゃうか?」
ひどい……。
「いやでもホントに思い出せん……。なまじ視界に入ってても男なんざ興味ないから覚えようとは思わんけど」
「最低かお前……」
「脳のリソースを有効活用してんだ」
「結構目立ってたと思うけどなぁ……金髪で緑色の魔法陣使ってたやろ、ユーノくん」
金髪で緑の魔法陣……?
「シャマルさんやんけ……」
「我が主、これ以上ナハトに言っても無駄です。単細胞に人の名前を覚えさせるのは無理です」
多細胞だが?
「あったあった、この子ですよ、ナハトさん」
なのはさんがスマホで撮った写真を見せてくれた。
なのはさんとフェイトさんと、あとはケモミミねーちゃんと金髪の少年が写っている。どうやらなのはさんの自撮りらしい。
「なるほど、ハーレム野郎は男の敵だ。去勢するぞ」
「えぇぇぇっ!? だ、ダメですよっ!?」
「やだね!! ちょっと顔が良いからっていい思いしやがって!! ……というかちょっと待って、何でなのはさん去勢って言葉知ってんの?」
「ふぇ? あの、パパが“なのはが変な男を連れてくるようであれば去勢する”って独り言を言ってて、気になって意味を調べたら……」
「こわいわー、とづまりすとこ」
まぁしかし写真見せられてもよくわかんなかったんだけどね。会ったら呪いかけるか、覚えてたら。