クイン・メタリアがいなくなり周りが静かになった。
セーラームーンは何処?
探していると変身が解け、うさぎの姿で倒れてるのを見つけた。
すぐに近寄り膝枕をする形で抱き寄せる。
身体が冷たい。
どうしよう、原作通りならうさぎは運命の王子様のキスで目覚めるはずだ。
だけど、ここにタキシード仮面はいない。
「うさぎ…」
弱々しい声で呼びかけてみるが、答えはない。
どうしたら、いいんだろう。
このまま…、このままうさぎがいなくなってしまったら…。
想像しただけで涙がこぼれ落ちる。
未来の戦いが怖いからじゃない、うさぎがいない未来が寂しくて、だから…
自分自身に言い訳を繰り返しながら、うさぎを抱きしめる。
私の中のオリオネスも貴方の幼馴染のリオも、うさぎがいないと寂しくてずっと泣いてしまうよ。
うさぎ、起きて…、目を開けて…。
「リオちゃん?」
どれくらい時間が経ったのか、もしかしたらほんの少しの時間だったのかもしれない。
抱きしめ続けていたうさぎの身体が動き始めて、私の名前を呼ぶ。
顔を上げると、呆けた様な顔のうさぎがこちらを見ていた。
私と顔が合った瞬間、抱きしめ返される。
暖かい。
「……リオちゃん…!よかった…!……リオちゃん」
「うさぎ、うさぎ…!一緒に帰ろう…!」
「うん!……一緒に、家に帰ろう…」
しばらく、抱きしめ合いながら一緒に泣いていた。
どうしてうさぎが目覚めたのかは、わからなかったけどそれでも良かった。
大切な幼馴染が死ななくてよかった…。
「……皆!皆は?僕の仲間は?…どこ?」
思い出した様に息を飲む。
そうだ、セーラー戦士達はセーラームーンを…。
私達を助ける為に全ての力を…。
だけど、方法ならある。
原作通りならば、きっと…。
『うさぎ君!うさぎ君聞こえる?』
ルナの声が響く。
うさぎは混乱した様子でルナの呼びかけに答える。
悲しそうな顔で手に持っていたブローチを見つめて、皆を見つけたいけど変身ができない事を伝える。
ムーン・スティックと一体になった、幻の銀水晶に祈れば月まで行ける事を教えられ、私達は2人一緒に月に向かった。
月には滅んでしまったはずのムーン・キャッスルが蘇っていた。
俺の、オリオネスの故郷。シルバー・ミレニアム。
最後に見たのは地球の人に攻められ、滅びかけた姿だったから感動してしまった。
再会できたルナは蘇ったムーン・キャッスルの主はうさぎだと説明してくれる。
だけど、私達は一度目を合わせてから笑い合い。
地球に、家に帰らなきゃ そうルナに伝える。
困惑するルナに少し申し訳なく思う。
責任感の強い子だからなぁ…。
『幸せになりなさい、セレニティ、オリオネス。今度こそ、貴方達の愛する人と…』
クイーン・セレニティの最後の言葉と共に新しいブローチが現れる。
クイーンは私の事も考えてくれてたのか。
その事にまた涙が出そうになる。
ブローチに幻の銀水晶を入れて、うさぎはセーラームーンに変身する。
初めて見た生変身なのにあまり興奮しないのはオリオネスの記憶が戻ったからなのかな。
セーラームーンはありったけの祈りを込めて、ムーン・ヒーリング・エスカレーションを放つ。
月から地球へ優しい光が注がれ、地球の人達は目覚め始める。
セーラー戦士である仲間達も。
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目覚めた彼等に改めて自己紹介をすると、オリオネスの最後に文句があったのか全員から軽く頭を叩かれて怒られた。
タキシード仮面もあの後、クイン・メタリアの洗脳が解けてセーラー戦士達と一緒に全ての力をセーラームーンに送っていたらしく説教と共に初めましての挨拶をした。
あれから色々あった。
突撃!隣のタキシード仮面で仲間達全員でまもちゃんの家にお泊りしたり、6人目のセーラー戦士にするとかで鍛え直されたり。
本当に大変だった……。
考える事はまだ沢山ある。
ちびうさの事もこれからの未来の事も、気になって仕方がない。
が、今一番気になってるのは何故私は公園でうさぎと対面してるのか、だ。
いや、話をしながらの帰り道途中なんだけど、いきなり呼び止められてね。
顔を赤くしながら20分は経ったかな。
アレかな、ついにまもちゃんと結ばれました、みたいな報告かな?
もちろん祝福しますとも!前世からの運命ですからね!!
「リ…リオちゃん!!」
おっと、いけない。
うさぎの未来を考えすぎて目の前の事を忘れかけてた。
「僕!リオちゃんの事……。」
アレ…?
この流れ…ってまさか、まさかねぇ…。
色んな意味で冷や汗が流れそうになった瞬間、私の頭の上に軽く衝撃がはしる。
痛くはなかったけど、反射的に痛いって言ってしまった私を心配したうさぎが駆け寄ってくる。
このタイミングで上から降ってくるなんて、ルナPだったりして…。
落ちた物を見てみると、転がっている猫型のボール。
ルナPだ。
えっ?でもちびうさが来る日ってまもちゃんとうさぎが会ってる日で…。
混乱し始めた私の上で今度は爆発音がする。
驚いて、うさぎと2人で悲鳴を上げて屈んだ。
「っ…リオちゃん、だいじょー…ぶっ!!」
何か落ちてくる衝撃と一緒に言葉がおかしい形で途切れたうさぎを見る。
そこには顔がくっつきそうな程近くに可愛い女の子がいた。
ピンク色のお団子ツインテールの女の子。
初めて会ったけど、私はこの子を知っている。
「だっ、誰っ!?リオちゃんにしがみついてるのはっ」
首を痛そうにさすっていたうさぎが震えながらこちらに向かって叫ぶ。
その声を聞いて呆然としていた私と女の子が反応する。
「……リオちゃん?」
確かめる様に私の名前を呼んだ後にうさぎに振り返る。
そして時が止まった様にちびうさは、うさぎの事を見つめる。
「な、何?この子、誰?」
うさぎの言葉を聞いて、ちびうさが少し寂しそうな雰囲気を出す。
まだ、ちびうさの正体がわかってないからの言葉だけど、悲しい一言だよなぁ。
それから、うさぎと向き合って、
「あたしはうさぎよ。あんたこそ誰!?何で男なのにあたしと似てる顔してるの?」
ちびうさは睨みつけながら、うさぎに言い返す。
まぁ、男の子でも中性的な美少年だしなぁ。
似てるよね、うさぎとちびうさは…。
「うっ、うさぎは僕っっ。僕が月野うさぎっ!そ…そっちこそなんだよ、うさぎって、その頭っ」
ちびうさに押されながらも言い返すうさぎ。
だけどちびうさは言い返された言葉を最後まで聞かずに次の言葉を話す。
「あんた『月野うさぎ』なの?」
そう言いながら立ち上がってうさぎに近寄る。
右手にはいつの間にか拳銃が握られていた。
「…月野うさぎなら、幻の銀水晶を持ってるハズよ!出して!」
そのまま拳銃をうさぎの額に押し当てる。
「渡しなさい!さぁ、早く!」
緊迫した空気の中で私は考える。
ちびうさはうさぎと誰との子なの…!?
悩んだ結果、ちびうさは原作通りの女の子にしました。