「渡しなさい!さぁ、早く!」
ちびうさは変わらない声でうさぎに銃口を向けて言う。
いや、このままじゃうさぎが混乱して何も出来ないんじゃないかな!?
「このピストルは本物よ。幻の銀水晶を渡せないって言うなら。」
引き金を引こうとする姿を見て、流石にいきなり過ぎると思い拳銃を握る。
今まで忘れてたのか、2人はハッとした顔でこっちを見る。
そのまま力が抜けたうさぎが項垂れ、ちびうさは私を睨みつける。
「とりあえず、物騒な話は落ち着いた場所で話さない?そのままじゃ話もできないし。」
話しかけても無視。く、くじけそう…。
睨みつけたまま、こちらに銃口を向けて…
ぱぁん!!
大きな音と共に銃口から花が出るのを見ていると、ちびうさは私の腕から逃げて走り出してしまった。
うさぎを見てみると、音にビックリしたのか気絶していた。
うん、拳銃向けられてからの大きな破裂音なんて驚くよね。
一先ずは、うさぎが目を覚ますまで待ちますか…。
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しばらくして、夕暮れの中でうさぎは目覚めた。
起き上がった瞬間にちびうさの事について質問責めにあったけど…。
その勢いのままちびうさを探す事になった。
有栖川宮記念公園。そこにちびうさはいた。
1人でぶらんこに乗って静かに泣いているのが見える。
未来のうさぎの事を思ってるのかな。
「ちびうさ」
呼び掛ければ、少し驚いた様に私達を見る。
逃げないでいるちびうさに近づき、手を伸ばす。
「家まで送るよ。おいで…?」
例え、どんな形でも守って家まで送るよ。
不安でいっぱいであろうちびうさの手を握り抱きしめる。
すると、安心した様に力を抜いて私に体重を預ける。
「あったかい。……ママみたい」
………待って。
ちびうさの母親は私、だと…?
おぉん?それとも私とうさぎが似てるって話かな!?そうなのかな!?
近くに来たうさぎがちびうさに質問するが、私達を見つめて黙っている。
うさぎと話し合ってから、とりあえずうさぎの家に行く事にした。
途中うさぎが抱っこを代わろうとしてくれたけど、ちびうさが嫌がったので私が抱き上げて向かう事に。
地味に鍛えてて良かったわ!
うさぎの家に着くとルナが塀の上で座って待っていた。
ちびうさを見ては驚いた顔をしていたので事情を話すと、ちびうさは私に抱きついてくる。
不安なのかな?
背中を撫でてあげると少しだけ力を抜く。
「あら、リオちゃん。うさぎと帰ってたの?」
「育子さん、ただいまです。少し寄り道してしまって…。」
「いいのよ。うさぎと…まぁ可愛いお団子アタマの女の子ね。」
育子ママが扉を開けて来てくれたので挨拶をする。
放課後過ぎてから、暗くなるまで帰らなかったんだから心配だっただろうし。
育子ママはちびうさにも声をかける。
『うさぎ』は自分の名前だと不満そうに言っても育子ママも途中で帰ってきた謙之パパもちびうさを可愛がる。
ちびうさにとって、一番安心できた瞬間だろう。
「…あたし、『月野うさぎ』あんたをしばらく見張るコトにするわ」
そう言うと素早くルナPを軽く叩き、ルナPが傘に変わる。
その傘をこちらに向けると、向け、……なんだかふわふわする…。
「うわぁ!!」
ハッ!!
ルナに噛まれたうさぎの声で意識が戻る。
恐るべし、催眠傘…。
それでも育子ママと謙之パパは催眠に掛かったのか、ちびうさを歓迎しているのが見えた。
強引な所はうさぎに似たのか…?
そのまま、うさぎはちびうさを連れて家に入っていった。
置いてかれた私は、育子ママに別れを告げて家に帰る事にした。
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ブラック・ムーン一族の長であるプリンス・デマンドには忘れる事のできない人がいた。
いずれ来る戦いの為に地球に降り立ち、そこで出会った名前も知らなかった女性。
不思議と彼女に、遠回しながらも自らの目的や思想を話した結果彼女は肯定はしなかったが否定もしなかった。
自分達がそのような考えを持つ事は決して間違いではない。
そう言い切った程だった。
彼女は外交官の様に、他の星々に訪問し地球との交流深める仕事についていると言った。
向かった星では受け入れられる時もあったが、理不尽な攻撃を受けた時もあったと言う。
何故、反撃をしなかったのか。そう聞くと彼女は笑いながら
『彼等にとって異物は私達だからね、それを排除しようと考えるのは立派な防衛本能さ。つまりわからないから怖いんだよ。』
少しでもお互いを理解できれば、そんな事はなくなるよ。なんて胸を張って言う彼女が眩しく見えた。
彼女は長寿を餌にした宇宙人の1人かもしれない。
でも、それでも、そんな考えを持っている人間がいるなら…。
自分達もわかり合う事が出来たのだろうか…?
そんなくだらない考えを持ちながら、惑星ネメシスからRabbitを探す。
彼女を手に入れたなら何か変わるのだろうか。
彼女のホログラムを見つめながら、プリンス・デマンドは考え続ける。
スモールレディから男体化すると名前が出てこないんですよね。
ハッ!スモールプリンス!?ありかな!?もう遅いけどね!!